仕事が遅いあなたが抱える3つの課題。「ひとりでやれる」その思い込みはあまりにも危険

阿比留眞二さんインタビュー「仕事が遅い人の3つの課題」01

いま、ビジネスパーソンに強く求められるものとして、「仕事の効率化」が挙げられます。便利なツールが次々に生まれてビジネス環境が大きく変化し、さらに人手不足も相まって、ひとり当たりの仕事量がどんどん増加していると言われる時代において、それは当然のことでしょう。

では、どうすれば「仕事が速い人」になれるのでしょうか。「問題解決コンサルタント」である阿比留眞二(あびる・しんじ)さんは、「『仕事が遅い人』には3つの課題がある」と言います。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

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「逆マネジメント」で上司や先輩をうまく使う

みなさんは、「仕事が遅い人」にはどんな課題があると思いますか? それぞれに意見があると思いますが、仕事が遅い人は、「他者をうまく使えない」「能力不足」「段取り不足」という3つの課題を抱えていると私は考えています。

特にいまの若い人たちを見ていて感じるのが、1つめの「他者をうまく使えない」ということ。これは、現在の情報社会の弊害であるように感じています。

若い人たちは子どもの頃からインターネットに触れ、いまや誰もがスマホやパソコンを手にしている。それらによってさまざまな情報を見聞きし、ひとりでもあらゆることについてなんとなくわかった気になるために、仕事に関してもひとりでできるもの、ひとりでやるものだと考えがちなのではないでしょうか。そのせいか、なにか困ったことがあったとしても、なかなか他人の力を借りようとしないように思うのです。

でも、間違いなく仕事はひとりでできるようなものではなく、さまざまな人と関わってこそ完遂できるものです。仕事が滞るような課題が発生したようなときには他人の力を借りる必要があります。

その他人とは、上司や先輩であってもいいのです。上司や先輩をうまく利用する「逆マネジメント」も大いに結構ですし、それは悪いことでもなんでもありません。

もちろん、どうすれば抱えている課題を解決できるかと自分なりに真剣に考え、最大限の努力をしたということが前提となります。それでもぶつかっている壁を乗り越えられないようなら、上司や先輩に相談すればいい。経験豊富な上司や先輩は、「バカ!」なんて言いながらも、仕事のスムーズな進め方を教えてくれたり、あるいはそうするための協力者を紹介してくれたりするはずです。

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俯瞰的視点によって「能力不足」「段取り不足」を解消

また、当たり前の話かもしれませんが、能力がある程度の水準に達していないと仕事は遅くなります。そして、「仕事は段取り」とも言われるように、能力に負けず劣らず段取りのうまさも重要です。段取りが悪ければ、その仕事に関わる他者に迷惑をかけることにもなり、仕事全体の流れがどこかで滞ることでしょう。

これら「能力不足」「段取り不足」については、同じ手法によって解決することができます。それは、視線を上げるということ。先にもお伝えしたように、いまの若い人たちは、仕事はひとりでやるものだと考えがちです。つまり、「仕事が遅い」といった課題にぶつかったときにも、ひとりで抱え込んでしまう。すると、「視線が下がる」のです。

パソコンやスマホから情報を集めたり、あるいは自分なりに考えたりするときには、どんな姿勢になっているでしょうか? 基本的に視線は下がっているはずです。必死になって課題を解決しようとすればするほど、視線は下がる。もちろん、その必死さは否定しません。でも、そうなると視野が狭まってしまい、解決策など見えてくるはずがないのです。

ですから、そこで視線を上げてみてください。するとまわりには、どんどん仕事を進めているような、能力が高かったり段取りがうまかったりする先輩や同僚の姿が見えるはずです。彼らがどんな動きをしているのか、誰がどこに相談をして情報がどう流れているのか。それらをつかんでみましょう。そうすると、仕事を速く進めるためのヒントは、職場のなかにもたくさん転がっていることがわかります。

また、そういったヒントをさらにしっかりとつかむためには、ただ視線を上げるだけではなく、上から全体を見渡すような視点を意識することも大切なことです。俯瞰的に職場全体の動きを把握するのです。

繰り返しになりますが、いまの若い人たちは、ひとりで課題を抱えがちです。そんななかで、上司であっても他者をうまく使ったり、俯瞰的な視点によって能力不足や段取り不足を解消したりすることができたなら、同世代のビジネスパーソンから一歩抜け出すこともできるのではないでしょうか。

阿比留眞二さんインタビュー「仕事が遅い人の3つの課題」04

紙1枚で「仕事が遅い」という悩みが消える

最後に、「仕事が遅い」という課題を解決するための、もうひとつの手法を紹介しておきます。これは、私が「課題解決の技法」と呼んでいる手法です。詳しい内容については前回の記事で解説しましたのでここでは割愛しますが、基本的に以下の7つのステップを踏んで進めます(インタビュー第1回『「A4紙1枚・7ステップ」で、大きな問題も真の課題もあっさり解決できるワケ。』参照)。

【課題解決の技法】

  1. 第一の課題を挙げる
  2. 1に至った事象や困った状況を挙げる
  3. 2で挙がった事象や困った状況をグルーピングする
  4. 真の課題を設定する
  5. WHY(なぜ?)を4回繰り返す
  6. 解決策を見つける
  7. 具体的なアクションプランを考える

特に重要となるステップのひとつが、ステップ5の「WHY(なぜ?)を4回繰り返す」ことです。たとえば、「仕事が遅く目標が達成できない」と悩んでいる新人が、ステップ4までによって「仕事のやり方を上司に聞こうとしているのに、うまくコミュニケーションが取れない」ことが真の課題だと気づいたとします。そこで、WHY(なぜ?)を4回繰り返すことで真の課題を生んでいる真因を見つけるのです。

「仕事のやり方を上司に聞こうとしているのに、うまくコミュニケーションが取れない」。なぜ? 「『助けてほしい』というメッセージがまわりに届いていないから」。なぜ? 「相手の忙しさに遠慮したり、痛いことを言われることを避けたりしているから」。なぜ? 「新人なのに、妙に相手に気を使いすぎているから」。なぜ? 「『怒られてもともと』くらいの図太い神経をもって上司と接していないから」――といった具合です。

こうして真の課題を生んでいる真因さえ見つかれば、あとは自動的に解決策や具体的なアクションプランが見えてくるはずです。「7つのステップ」というと面倒だと感じるかもしれませんが、この「課題解決の技法」は紙1枚もあればできるものですから、ぜひトライしてみてください。

阿比留眞二さんインタビュー「仕事が遅い人の3つの課題」05

【阿比留眞二さん ほかのインタビュー記事はこちら】
「A4紙1枚・7ステップ」で、大きな問題も真の課題もあっさり解決できるワケ。
人間関係に疲れがちなビジネスパーソンには「コレ」が欠けている。

紙1枚で仕事の課題はすべて解決する

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【プロフィール】
阿比留眞二(あびる・しんじ)
1954年、東京・中野生まれ。株式会社ビズソルネッツ代表取締役。1979年に大学卒業後、大手総合化学メーカーに入社。経理、財務、工場原価計算、家庭品・化粧品営業、営業事務、営業企画を歴任。2006年、教育そのものに目覚め、自主退職。退職後は、事業再生会社でコンサルタントの教育を受け、その後、帝京大学名誉教授であり自己啓発協会の佐藤允一氏のもと、問題解決に取り組む。2007年、株式会社ビズソルネッツを設立。独自の「課題解決の技法」を武器に、企業・団体等における多種多様な課題解決を支援している。著書に『最高のリーダーは、この「仮説」でチームを動かす』、『最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする』(ともに三笠書房)がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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