仕事で「小さなノート」を使うべき4つの理由。小さいのに意外と頼れる優れモノだった

筆者が実際に書いた小さなノート

小さなノートは、単なるメモ帳ではありません。じつは、想像以上のメリットを与えてくれる優れモノなのです。ビジネスパーソンの強い味方となり、日々の仕事を支えてくれるパートナーになりうるでしょう。むしろ引っ張ってくれるのかも……?

今回は、仕事で小さなノートを使うべき理由として、4つのメリットを紹介します。

(※ここで「小さなノート」はA6文庫本サイズ・B6漫画コミック単行本サイズ “以下” の横開き、主に綴じノートをイメージしています)

1. アイデア消失を防いでくれる

職場で「うーん」と考え込んでいるときよりも、ボーっとしている休憩時や、移動中、電車やバスを待つあいだ、あるいはレジ待ちしているときなどのほうが、むしろ何かを思いつきやすいのではないでしょうか。

だからこそ、ウェブマガジン『毎日、文房具。』編集長の髙橋拓也氏は、持ち運びに便利なポケットにも入る小さなノートを愛用しているそうです(ちなみに髙橋氏は横90mm×縦140mmサイズ・60ページ程度の薄いものを使用)。

髙橋氏いわく、スマートフォンだとパスコードの入力や、アプリの立ち上げ、文字の打ち込みが必要なため、そうしているうちに肝心な部分を忘れてしまいがちですが――

小さいノートなら、思い立ったらすぐに開いて、勢いに任せてペンで、その瞬間、頭に浮かんだことを綴ることができます

(引用元:ダ・ヴィンチWeb|文房具のプロが教える小さいノート活用術! 書く内容よりも大切なこととは…/『時間をもっと大切にするための小さいノート活用術 』①

とのこと。万能なスマートフォンも、アイデア消失を防ぐという点では、アナログツールの小さなノートに勝てないわけです。

以前、STUDY HACKERでも紹介しましたが、サッカー日本代表の監督・森保一氏も、W杯の試合中、小さなノートに書き込む姿がたびたび目撃され、大きな話題となりました。

当人によれば、ノートには試合の状況や流れを書き込み、のちにコーチと話したうえで、必要に応じて選手に伝えているとのこと。これもある意味、“小さなノートでアイデア消失を防いでいた” と言えるのではないでしょうか(「J-CAST テレビウォッチ」記事参考)。

サイクリング中にふと思いつき、すかさず小さなノートにメモする休日のビジネスパーソン

2. パッと読めて理解しやすい

映像ディレクター・ワタリー氏の、「出演者のセリフを補足する下位置テロップ」(いわゆる動画の字幕)についての解説によれば、

例外もありますが、テロップは重要な情報を伝える手段のひとつであり、理想は「短時間で読んで理解してもらうこと」です。

視聴者が長い文章を読むことに集中してしまうと、理解するまでに時間がかかるほか、映像まで見てもらえません。

とのこと。そうしたことから、

テロップ原稿の文字数は、最大で1行あたり概ね20文字程度まで。

(カギカッコ内を含む引用元:ヒラメキ工房 by 野毛印刷|動画のテロップ原稿作成のポイントとは。文字数は?文体は?

にしているそうです。テロップの場合はこのほかにも、行数は2行まで、1画面あたり30文字程度といった対応があるそうですが、1行あたりの文字数だけで言えば、小さなノートがかなり当てはまるはずです。

たとえば、コンビニでも買えるA6サイズ(横105mm×縦148mm)の小さなノートに、筆者がいろいろと書いたものの横1行の文字数を数えてみると、おおむね20文字以内には収まっています。もっと文字サイズを大きくした場合も、前出の髙橋氏愛用のポケットサイズ(横90mm×縦140mm)を使った場合も、さらに文字数は少なくなるでしょう。

筆者が実際に書いた小さなノート

A6サイズのノートに筆者が書いたもの

(※上記ノートの内容は主に「国立大学法人群馬大学|色と言葉の矛盾を解消する脳機構を解明 「あお」の色を答えるには前頭前野と小脳のループ回路が重要」参考)

つまり、小さなノートは1行1行の可読性が高く(文章が読みやすい)、読み返した際の理解を早めてくれる可能性があるわけです。自分が以前書いたものに対する、認識と想起を助けてくれるとも言えるでしょう。実際に小さなノートに書いて読み返せば実感できるはずです。

書き留めた内容をもとに思考を深めたり、考えをまとめたりしたいとき、大いに役立つのではないでしょうか。

小さなノートに自分が書いたことを見直して、「あ、そうだった」と思い出し微笑む学生またはビジネスパーソン

3. ストレスを与えず達成感をもたらす

また、前出の髙橋氏は小さなノートについて、こんなメリットも挙げています。

まず、書くスペースが少ないので、すぐに埋まり、達成感が得られます

もし1ページを埋めきれなくても、余白が小さいから「もったいない」という罪悪感もわきません。学生の頃に使っていたB5やA4のノートを埋めようと思うと相当な情報量が必要で、実際に埋めようとすると、その半分でさえつらいと思う人もいるのではないでしょうか。

(引用元:同上)

ストレスを与えず達成感をもたらすものなんて、そうそうありませんよね。しかし、小さなノートはそれを実現しているのです。仕事のパフォーマンス維持・向上に有益であることは間違いないでしょう。

じつは、筆者も用途に応じてさまざまなサイズのノートを使うなかで、小さなノートほどストレスが少ないことを実感しています。

たとえばノートの真っさらなページを開いてペンを持ち、ペンを持った手をその上に置いてみると、小さなノートの場合はストレスが少なく、一般的なノート(B5やA4サイズ)では多少のストレスを感じるのです。

とても単純な分析ではありますが、それはノートから受ける印象によるもの、つまり “書く分量が多いか・少ないか” によると思われます(筆者の体験に基づく)。

小さなノートと、普通サイズのノート、それぞれにペンを持った手を置いた様子

わずかではありますが、ストレスの変化を体感できるはずなので、よろしければ一度お試しくださいね。

4. 要約力・ブラッシュアップ力・伝える力までもが鍛えられる!?

なおかつ髙橋氏は、小さなノートについて、

スペースに限りがあるので、メモの内容が端的になり、内容を自然とブラッシュアップするというスキルも身につきます。

(引用元:同上)

とも伝えています。言うなれば、小さなノートに書き続けることで、要約力や、文章を磨き上げる能力も高まるわけです。こうなると、小さなノートの可能性はさらに広がっていくのではないでしょうか。なぜならば、伝える力【話す・書く】研究所 所長・山口拓朗ライティングサロン主宰の山口拓朗氏は、

相手に伝わらない原因は「要約力の低さ」にあるかもしれません。

(引用元:日本実業出版社|「要約力がない」と嘆く人は情報管理ができていない

と説いているからです。つまり、小さなノートはビジネスパーソンに不可欠な「伝える力」まで高める可能性を秘めているということ。小さいくせに、とんでもない優れモノじゃありませんか?

***
仕事で小さなノートを使うべき理由として、4つのメリットを紹介しました。何かピンときた方は、小さなノートを、仕事ツールの選択肢のひとつに挙げてみてくださいね。

(参考)
ダ・ヴィンチWeb|文房具のプロが教える小さいノート活用術! 書く内容よりも大切なこととは…/『時間をもっと大切にするための小さいノート活用術 』①
国立大学法人群馬大学|色と言葉の矛盾を解消する脳機構を解明 「あお」の色を答えるには前頭前野と小脳のループ回路が重要
STUDY HACKER|「森保監督のノート術」を仕事に取り入れてみた結果。「メモをとりながら考える」効果が絶大だった
J-CASTテレビウォッチ|森保一監督の「森保ノート」が話題 羽鳥慎一も「デスノート」と絡めて冗談
ヒラメキ工房 by 野毛印刷|動画のテロップ原稿作成のポイントとは。文字数は?文体は?
日本実業出版社|「要約力がない」と嘆く人は情報管理ができていない

【ライタープロフィール】
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