
真面目な人ほど、「ストレスに対処しなきゃ」と息抜きやストレス解消法を熱心に調べ、試してしまいがちです。
しかしじつは、その「何かを取り入れよう」と頑張る姿勢自体が、さらなるストレスを生んでいる場合もあります。これでは本末転倒ですよね。
心の疲れを軽くする一番の近道は、新しいことを増やすのではなく、今ある無駄な行動を「やめる」こと。その助けとなるのが「やめることリスト」です。
本記事では、筆者自身の実践をもとに、心を消耗させる行動を手放す「やめることリスト」のつくり方と、そのストレス軽減効果をお伝えします。
なぜ「やめることリスト」で、ストレスが減るのか?
「やめることリスト」がストレス軽減につながる理由は、大きくふたつあります。
「フォーモ(FOMO)」から解放されるから
やめることリストをつくることで、「FOMO」という感情を軽減できます。
FOMOとは
Fear Of Missing Outの略。「みんなが知っているのに自分だけ知らない」「誘いを断ったら仲間はずれにされるかも」といった、取り残される恐怖を指す言葉です。*1
FOMOは、自律性(自分で決めている感覚)などの基本的な心理的欲求が満たされていない人ほど強いことがわかっています。*1
自分で「やる・やらない」を選んで決められるやめることリストは、この自律性を取り戻すきっかけになります。たとえばリストに「すべての誘いを受けない」と書いて実行するだけで、自分で決めている感覚が戻り、FOMOが和らぎやすくなります。
「現状維持バイアス」の負荷を減らせるから
私たちが無意識にもっている「現状維持バイアス」という感覚もストレスのもとです。やめることリストは、このバイアスの負荷も減らしてくれます。
現状維持バイアスとは
変化を避けて今の状態にとどまろうとする、人間の意思決定に備わった傾向のこと。*2
つまり私たちは、新しいことに対して強い抵抗を示すのです。ストレスを軽減しようと息抜きの趣味をはじめたり、早く寝るための習慣をつくったりすることは、かえって負荷がかかります。
だからこそ、すでに負担になっている行動を手放す「行動の引き算」が大切です。この引き算する行動を、やめることリストで決められます。
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「やめることリスト」の具体的なつくり方
「やめることリスト」をつくることで、自分を消耗させている行動・習慣などを効率的に特定することができます。
ここでは、筆者の実践を交えて、「やめることリスト」の具体的なつくり方を解説します。
1. 疲れの原因になっている行動を、思いつく限り紙やメモアプリに書き出す
まずは日常の嫌なことや気が重いと感じることを、思いつく限り書き出しました。

2. そのなかから「今すぐやめられそうなもの」をいくつか選ぶ
書き出した項目の多くは、すぐにやめられそうなものばかりでした。しかし全部実行するのは大変そうなので、5つに絞ってリスト化しました。
「特に疲れの原因になりやすいもの」「やめたいと思う思考や行動のくせ」に絞って、やめることリストを完成させました。

リスト化するときには「いますぐに実行できるレベル」を意識し、できるだけ具体的に書くことを意識しました。
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「やめることリスト」で思考のクセを手放せた!
筆者は「やめることリスト」をスマホのホーム画面に設定し、いつでも目に入るようにしました。やったのはこれだけです。ですが、この最小限の労力で、驚くほど心が軽くなったのです。
たとえば、リストに書いた「成果やスピードを人と比べる」というクセ。
SNSを見ていたとき、「この人はすごいな」と劣等感を抱いてしまったのですが、そのあとホーム画面のリストが目に入り、「あ、やめるんだった!」とすぐにSNSを閉じられるようになりました。
そんな日々を送っているうちに、「あれ?最近わりと調子がいいぞ」と感じる日が増えてきたのです。
いまは、リストのほかの項目も、少しずつ手放せるようになってきたと感じています。「やめることリスト」をつくって、いつも目に入る場所に置いておくこと。
こんな簡単なことでストレスが軽くなるなら、試してみてもいいと思いませんか?
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ストレスに対処するために何かを足すより、今ある行動を手放す方がずっと効果的です。そんなとき、「やめることリスト」は力になってくれますよ。
よくある質問(FAQ)
Q. 「やめること」を決めても、つい無意識にやってしまいます。どうすればいいですか?
Q. 「やめることリスト」には、何個くらい書き出せばよいですか?
Q. 仕事で「やめること」を実行すると、周りに迷惑がかかりませんか?
*1: Computers in Human Behavior|Motivational, emotional, and behavioral correlates of fear of missing out(Przybylski, A. K., Murayama, K., DeHaan, C. R., & Gladwell, V., 2013, 29(4), 1841-1848)
*2: Journal of Risk and Uncertainty|Status Quo Bias in Decision Making(Samuelson, W., & Zeckhauser, R., 1988, 1(1), 7-59)
藤真唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。