理系特化型長文問題集が登場!

英語長文が読みにくいということの原因には、次の3つが挙げられます。1つは、用いられている語彙・表現に知らないものを相当の割合で含んでしまっているもの。もう1つは、文章表現が難解で構造把握ができない文が存在していること。そして、最後が長文で扱われているテーマの背景知識を一切知らないことです。単語も簡単、構造も簡単、なのに意味がよくわからない……。こういった経験は理系生ならよくあることではないでしょうか。
本書はそうした状況を改善すべく、理系テーマに特化した長文を集めた、画期的な問題集です。これまではそれぞれの理系受験生の普段の情報収集や興味の度合いによってカバーされていた背景的な知識を広範囲に網羅しつつ、記述答案作成のプロセスや基礎知識をしっかり解説しています。
収録問題には上は京都大学まで含んでおり、一筋縄ではいきません。目標レベルは国公立大学であれば旧帝大・東工大まで、私立大学であれば早慶上智までです。特に難関理系国公立大学志望者で、センター試験後の過去問以外の長文演習教材として非常に適しているといえます。

本問題集の目的1:理系生の英語ギライをなくそう!

通常、英語長文の問題集といえば、難易度は統一されど、テーマは様々。また、執筆者の多くが文系出身であることも相まって、全体としては文系的なテーマの割合は多くなりがちで、理系生にとってはあまり興味のわかないものも多く収録されてしまっているという現状があります。英語ギライの理系受験生が多いのは、そのことも原因の一つでしょう。そこで、本書は、理系トピックに限定して長文を収録しています。
しかし、ただ理系テーマの長文を収録して、解説を加えただけではありません。執筆者はスタディサプリでも有名な英語講師である、関正生先生とその教え子であり九大化学科卒で同じく英語講師の岡崎修平先生です。長文問題集としての品質を保ちつつ、執筆者に理系出身者を加えることで、理系テーマの解説をより重厚なものにしています。
シンプルに興味のわくテーマばかりが収録されていて、積極的に読み進めることができる。さらに、重厚な解説によって、長文のスキルを飛躍的に向上していく。この2つを両立させることを試みたのがこの『スペクトル』です。

苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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本問題集の目的2:理系の常識を押さえる

理系トピックの長文を扱うだけでは、結果的に「ただ興味深いテーマだった」「面白かった」で終わってしまいかねません。また、扱われているテーマは数学、物理学、化学、、生物学、心理学、情報工学、etc.と科学に関する種々の高度な内容であり、受験勉強をしながら簡単に手に入る知識ばかりではありません。そこで、本書は長文を理解するのに必要な背景知識までしっかりと解説を加えています。例えば、グラフェンであれば、シートの構造の解説があり、人工知能であれば、2045年に迎えると言われている「シンギュラリティ(技術的特異点)」にまで踏み込んで解説をしてくれています。理系受験生であれば、興味の赴くままに情報を調べている人もいるでしょうが、きちんと入門的情報を押さえられているとも限りません。本書は英語長文を題材にしつつも、そうした理系的常識をしっかり伝えることを目的にしています。

理系文脈の英単語は普通とは違う意味!?

例えば、subjectが「科目」ではなく、「(実験などの)被験者」という意味になることは、すでに知っている方も多くいるかも知れません。このように、理系文脈になると、よく見知った単語でも全く異なる意味になることがあり、やはり理系トピックの長文を読む経験を多くしていないと触れることのできない情報でしょう。他にも、disciplineやcurrentという言葉はそれぞれ、「しつけ、規律」「現在の(形)」という意味で理解している方が多いと思いますが、理系文脈では「学問分野」「流れ(名)」となります。もちろん、まとまって学習するのであれば、別途理系単語に特化した単語帳に取り組む必要があるでしょうが、果たしてその時間を取ることは有効であるかどうかは考えるべきでしょうし、本書で扱っている限りの英単語を学習するだけでも相当な力になります。

アウトプット教材として使用しましょう

英語長文を読み解くための基本的なトレーニングはした上で、本書に挑んでください。上述しましたが、レベルは決して低くありません。難関理系大学を志望する方を対象とした問題集です。
収録問題数は16題。1本あたり、1日あるいは2日かければ、半月〜1ヶ月程度で終了します。英語の学習に余裕のある方は、過去問に入る前の演習教材として使用するのがおすすめとなりますが、一番おすすめな使い方はセンター試験後から入試本番までの間のアウトプット練習期間で使用することです。国公立大学であれば、センター試験から2次試験まで1ヶ月強ほどありますので、期間としても十分でしょう。