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みなさんは「わかったつもり」になってはいませんか?

授業を聞いたりテキストを読んだりして、なんとなく理解した気になっていても、いざテストや応用問題になると全然理解できていなかった……という経験がある方もいるのではないでしょうか。

「わかったつもり」はとても危険な言葉です。今回は、しっかりと理解した上で知識の定着を図ることのできる「模擬授業勉強法」をご紹介します。

模擬授業勉強法のメリット

1. 知識の漏れや理解不足を防げる
一人で勉強しているだけでは、知識に漏れがあったり理解が足りていなかったりしても、気づかないことが多いですよね。

そんな理解不足を防ぐのが「模擬授業勉強法」。新しく勉強した範囲を、家族や友人などの第三者に向けて授業をしてみるというものです。京都大学出身のロザン・宇治原さんも、模擬授業勉強法を用いて受験勉強していたのだそう。

筆者は以前、塾講師のアルバイトをしていたとき、生徒に説明し、質問された箇所を深く調べなおしてからまた説明するというサイクルを繰り返すうちに、現役時代には不得意だった単元が当時よりも得意になってしまった経験があります。

自分一人で勉強していては生まれなかった疑問点や、気づかなかった知識の漏れも、第三者に向けて説明をすることで自ずと気づくことができるのです。

2. 思考を整理できる
自分の言葉で順序立てて説明することによって、話しながら思考の整理ができます。特に記述式の回答形式の場合、事前に思考を整理しておくことがとても重要です。

この一手間により、試験本番でも「なぜそうなるのか」の理由を、正しい順序でスラスラと答えられるようになるでしょう。

3. 知識の定着を図れる
何をどう説明しようかあらかじめ考え、それを第三者への模擬授業という形で教え、質問を受けたらさらに詳しく説明するという一連の流れを通して、同じ単元の内容に何度もふれることができます。

特定の知識を、異なる角度から繰り返し学習することになるので、知識の定着にもつながります。

つまり「模擬授業勉強法」は、理解を深め、記憶に定着させるのに非常に効果的な勉強法なのです。

苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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模擬授業勉強法をやってみた

筆者は現在英米文学を専攻しているので、イギリス文学の簡単な歴史について模擬授業を行うことにしました。生徒役として協力してもらったのは、学生時代にイギリス文学を学んだ経験のある母と、イギリス文学を学んだ経験のない友人。

模擬授業勉強法のやり方は次の通りです。

1. 模擬授業の準備をする
試験でよく問われる重要な単元や、自分の理解が浅いと感じている学習内容を選びます。該当するテキストや参考書を開き、何をどんな順序でどのように説明するかを考えます。

聞き手の理解を深めるために、必要に応じて例を付け加えたり、覚え方のコツを話したり、類似する他の学習内容に関連させたり、様々な工夫をすると良いでしょう。これが後々自分の理解を深め、記憶を定着させ、より俯瞰的な視点を持つのに大いに役立ちます。

AとBの違いは何か、なぜCからDの結論が導き出せるのか等、よく聞かれる問いに関してもすぐにパッと答えられるよう、準備しておきましょう。最後に、模擬授業で話すトピックを箇条書きで記した、簡単なメモを作成しておくことをお勧めします。

2. 実際に第三者に向けて模擬授業をする

テキストや参考書は見ずに、事前に箇条書きで記した単語のメモだけを見ながら、自分の言葉で解説していきます。質問があれば随時答えながら、コミュ二カティブな形で進めます。

私の場合、ノートを黒板に見立てて、適宜用語や年号、図を書き加えて指し示しながら授業をしました。また、あまり有名ではない作品に関しては、あらすじを簡単に説明したり、写真を見せたりしながら、知識がない人にも分かりやすいように解説することを心がけました。

3. 模擬授業を振り返る

実際に模擬授業をすることで、様々な気づきが得られます。特に以下の事柄については、知識の理解や定着がまだ不十分である学習内容だと言えます。

・模擬授業の際に尋ねられ、パッと答えが思い浮かばなかった事項
・順序良く論理的に解説できなかった事項
・年号や用語で、すぐに思い出せなかった事項

これらを重点的に復習することで「わかっていたつもり」で実は抜けていた知識を、本当の意味で理解することができるようになります。

また「準備・模擬授業・振り返り」とすでに3回も異なる視点から同じ学習内容にふれることができるので、記憶に残りやすくなりますね。模擬授業と絡めたエピソード記憶にもなるので、さらに確固たる知識となることでしょう。

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やってみてわかった模擬授業勉強法のコツ

1. 模擬授業は複数回行ったほうが良い
母、友人と2回に分けて模擬授業を行いましたが、2回目のほうが流れが頭に入っているためスムーズに解説することができました。

また、1回目で相手から指摘された疑問点や質問内容を、2回目では補足した状態でさらにアウトプットできるので、より細かい部分にまで注意がいきました。

筆者は2回しか行えませんでしたが、可能な限り何度も行ったほうがしっかりと定着すると思います。

2. その分野に詳しくない人を生徒役に選ぶべき
今回生徒役として、かつてイギリス文学を学んだものの忘れかけている母と、全く学んだことのない友人を選んだところ、2人とも自身の疑問点と筆者の知識が浅い点を挙げてくれました。

この場合、解説する分野の予備知識がある人だと説明が不十分でも脳内で無意識のうちに補足してしまい、指摘してくれない可能性があります。もちろん、万が一間違った解説をしてしまったときに気づいてくれるという点では、詳しい人のほうが良いかもしれません。しかし、相手が「そんなの聞いたことない」レベルの人であれば、基礎から分かりやすく話す練習になるので、知識の理解や整理に大いに役立ちます。

同じ内容を勉強している友人よりは、学習したけれど忘れている両親に。もっと良いのは自分よりも年齢の低い弟・妹や祖父母ですね。

3. 録画してみる
自分が授業をしているところはあまり見たくないかもしれませんが、模擬授業を録画もしくは録音してみるのもおすすめです。

どうしても覚えられない範囲の模擬授業をスマートフォンに記録しておけば、通学中などのスキマ時間にいつでも手軽にインプットすることができます。ただなんとなく教科書を目で追うよりも、音声で何度も聞き流すことで嫌でも頭に入るので非常に効果的です。

また、もし家族や友人が忙しく、周りに協力してくれる人がいないときは、ぬいぐるみや人形を相手に模擬授業をしてみてもいいでしょう。誰かに見られると恥ずかしいかもしれませんが、自分の部屋でやれば問題ありません。

その場面を録画しておき、今度は自分が生徒になったつもりでその授業を見てみましょう。抜けている重要ポイントがないか、論理的な説明ができているかを、チェックしてみてください。

なんとなくわかったつもりで話していたけれど、後からよく聞いてみたら理由を順序立てて説明できていなかった、ということもよくあります。記述問題で理由を問われてもきちんと解答できるよう、細部まで理解を深めておきましょう。

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深い理解と記憶の定着を同時に図ることができる「模擬授業勉強法」。ぜひ、ご家族や友人と協力して試してみてくださいね。

(参考)
エキレビ!|勉強も漫才も「エアー」で覚える。高学歴コンビ・ロザンに聞く『身の丈にあった勉強法』
Study Hacker|「録音勉強法」をやってみたら、1週間で500分の “スキマ時間” を暗記に使えた話。