「感謝できない人」はやっぱり損だらけ。ありがとうの気持ちを “3つの習慣” で取り戻そう

「感謝」の気持ちを取り戻す3つの方法01

私たち人間は、他人との関わりなしには生きていけない生き物です。仕事をしているとき、あるいはプライベートでも、お互いに助け合いながらいろいろな物事を進めていきますよね。

でも、そういう “他人からの親切” を当たり前のように感じている人はいないでしょうか。人から親切にされてもなんとも思わない……感謝の気持ちが薄い……そんなふうに感謝が麻痺してしまっている人に、ぜひこの記事を読んでほしいのです。

じつは、いくつかの研究から、感謝の気持ちをしっかり抱くこと、そしてその気持ちをしっかり伝えることは、人生の幸福度にポジティブな影響を与えることがわかっています。今回は、「感謝」に隠された意外な効果を示したうえで、普段の生活の中で感謝を実践するためのちょっとしたコツをご紹介します。

「感謝」することがとても大切な理由

感謝についての研究は世界で盛んに行なわれており、さまざまな効果が示されています。いくつか見ていきましょう。

まずは、感謝することそれ自体が自分の感情に与える影響について。誰かに対して感謝の気持ちを持つと、どこか心が温かく穏やかになりますよね。これは脳科学の見地からも説明することができます。

2009年にマンチェスター大学の研究者が発表した論文によれば、感謝の気持ちを持つことで、ストレスを抑制する働きがある「視床下部」や、報酬系の一部を担う「腹側被蓋野」が活性化することがわかりました。つまり感謝には、ストレスを軽減したり、快の感情を増幅させる効果があるということ。また、ノースカロライナ大学の社会心理学者サラ・アルゴ氏らが実施した、77組のカップルを対象とした研究では、感謝するという行為により、感謝する側とされる側両方において、オキシトシンの分泌が活性化されることが示唆されています。

オキシトシンは “幸せホルモン” とも呼ばれ、「愛情」や「絆」といった、人と人とのつながりを生み出すもの。感謝には、お互いの関係性を強める効果もあるのですね。仕事上付き合いのあるビジネスパートナーや、友人・恋人などに感謝の気持ちをしっかり伝えることは、人間関係を良好に保つうえでも重要であることがうかがえます。

このように、自分にも相手にもポジティブな効果をもたらしてくれる「感謝」。「普段できていないな……」と感じている人は、感謝の習慣を意識的に実行していきましょう。以下に3つ紹介します。

「感謝」の気持ちを取り戻す3つの方法02

「ありがとう」の気持ちを再認識! 感謝の習慣3つ

【習慣1】感謝の日記

最初に紹介するのは「感謝の日記」です。 その提唱者でもある、カリフォルニア大学教授のロバート・エモンズ氏は、8~80歳までの1,000人以上を対象にした調査を通して、この感謝の日記には「良質な睡眠を促す」「幸福感が増大する」「親切心が向上する」といった効果があることを示しました。

感謝の日記のやり方は、みなさんが想像するとおり非常にシンプルで、自分が感じた感謝の気持ちを紙に書き出すだけ。毎日実行するのが難しければ、1週間に一度、振り返りの時間を設けてまとめて書いてもよいでしょう。

毎週日曜日の夜に感謝の日記を書くようにしてみたライターは、「感謝を感じる瞬間が以前よりも多くなり、『ありがとう』と言う回数が増えた」と感想を述べています。感謝を意識的に言語化する習慣をつくったことで、それまで希薄になりつつあった感謝の気持ちが、より強く湧き出てくるようになったのですね。詳しくはこちらの「メンタリストDaiGo式『感謝の日記』をやってみたら、“あの5文字” の大切さに気づかされた。」をお読みください。

「感謝」の気持ちを取り戻す3つの方法03

【習慣2】メンタル柔術

次に紹介するのは、心理療法士ドナルド・アルトマン氏が提唱する「メンタル柔術」。少し変わった名前ですが、方法は以下のとおりシンプルです。

  1. 「感謝」とラベル書きした容器を用意しておく
  2. 毎日の生活のなかで感謝の気持ちを感じたら、その理由とともに紙に短く書き留め、1の容器に入れていく
  3. 週の終わりに、いくつ感謝を感じたか振り返る

アルトマン氏はさらに、「ほかの人にその感謝の内容を共有してみる」「感謝の中身が毎回同じにならないように意識する」こともすすめています。

まるで感謝を貯金しているようなこの方法は、毎日できる “プチ感謝の日記” とでも言えそうですね。どんなに小さなものでもかまいません、少しでも「ありがとう」と感じたら、ぜひ紙に書き出して容器にためていきましょう

「感謝」の気持ちを取り戻す3つの方法04

【習慣3】相手の「行動」をそのまま感謝する

最後に、感謝の気持ちの伝え方のコツを紹介しましょう。前出のサラ・アルゴ氏は、感謝の伝え方には2種類あることに気づき、それぞれの相手の受け取り方を比較しました。

ひとつは「(あなたが○○してくれて)とても助かった」「(あなたが○○してくれたおかげで)とても嬉しかった」など、親切を受けて自分がどう感じたかを伝えるパターン。もうひとつは「(○○してくれるなんて)責任感がある人だね」「(○○してくれるなんて)とても優しいね」など、相手の行動や性格をそのまま賞賛するパターンです。そして研究の結果、後者の「相手の行動や性格をそのまま賞賛」した場合のほうが、感謝される側の感情により響くことが判明しました。

ここから読み取れるのは、自分がどうなったかを伝えるよりも、相手がとってくれた行動のすばらしさそのものを感謝するほうがよいということ。たとえば、仕事を手伝ってもらったのならば、「助かったよ」ではなく、「わざわざ時間を割いてくれてありがとう」といった具合です。

気恥ずかしくて自分の感情を表現するのが苦手な人も、相手の行動にフォーカスすることで、感謝の気持ちが伝えやすくなるかもしれませんね。

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感謝し慣れていない人も、反復して行なうことで習慣化することができます。まずは、意識的に小さな感謝を見つけることから始めてみませんか?

文 / 谷口亮祐

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