ストレスに弱いのは「脳が疲れてる」せいかも。 あなたの脳に余裕をもたせる3つの方法

大脳皮質に余裕をもたせる方法01

日々の生活と切っても切り離せないのが、ストレス。感情的なものと思いがちな「ストレス」ですが、じつは、脳にも悪影響を与えていることを知っていますか?

今回は、ストレスを解消して脳に余裕をもたせる3つの方法を、みなさんに教えたいと思います。

「ストレスに弱い」のは「脳が弱っている」証拠?

横倉クリニック院長の横倉恒雄氏によれば、私たちがストレスを感じるとき、思考や行動をコントロールしている「大脳皮質」という部位でストレスを感知しているそう。大脳皮質は別名「理性の脳」。人の日常をかたちづくる働きをしています。

私たちは毎日、仕事で忙しかったりスマートフォンを長時間見たりと、大脳皮質を酷使してばかり。すると大脳皮質にストレスがかかりすぎて、大脳皮質の隣に位置する「大脳辺縁系」という、感情や本能を司る部位を圧迫してしまいます。大脳辺縁系が圧迫されると、自律神経系を緊張させ、心身に影響が出るのだとか。

自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、自律神経は心臓など、自分の意思では動かせない臓器をコントロールしていると言います。もし大脳辺縁系が圧迫され、自律神経の乱れから血行が悪くなると、肩こりや冷えなどの身体的影響が出てしまうのです。

つまり、この大脳辺縁系と大脳皮質に余裕をもたせることができれば、仕事や勉強などで疲れてもすぐに回復可能な生活を送ることができるはず。では、その具体的な方法を次で説明していきましょう。

大脳皮質に余裕をもたせる方法02

【方法1】「良質な睡眠」で脳の疲れをとる

誰もが毎日とっている睡眠ですが、ただ寝ればいいというわけではありません。質の悪い睡眠は脳を疲れさせてしまっている可能性があります。

大阪市立大学大学院医学研究科特任教授の梶本修身氏によると、寝汗をかいたり寒さで鳥肌が立ったりするのは、自律神経が休んでいない証拠だそう。これは運動しているときと同じ状態で、体が寝ていたとしても脳は起きているため、疲れが十分に回復しないのです。

そこで梶本氏がすすめる方法は、寝る30分前に布団乾燥機で布団のなかを温めておくこと。布団の温もりは30分程度で冷めていくため、この30分のあいだに眠りにつき、徐々に体温を放出させていくことで快適な睡眠がとれるようになるのだとか。

ただし、睡眠中に靴下などで足元を温め続けるのは逆効果。冷え症のためにそうしている方は多いかもしれません。しかし、スタンフォード大学医学部精神科教授の西野精治氏によれば、靴下はよい睡眠に必要な体温の放出を妨げるそう。靴下を履くのは寝る直前までにし、寝る際には脱いだほうがよいでしょう。体の熱をうまく放出させることに注意して、脳にストレスをかけない睡眠を心がけてください。

大脳皮質に余裕をもたせる方法03

【方法2】「ブレインフード」で脳機能を回復

食生活を見直すアプローチも有効です。特に、脳疲労に対して効果がある食べ物のことを「ブレインフード」と呼びます。ブレインフードに含まれる3つの栄養素を摂取して、脳機能を回復させましょう。

サンマやイワシで「DHA」を摂取

まずは、サンマやイワシなどの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)。東北大学で食品化学などを教える教授・藤本健四郎氏は、DHAには脳内の血流をサラサラにし、情報伝達をスムーズにする効果があると伝えています。さらに、情報伝達がスムーズになると記憶力が向上するのだとか。

総務省の「家計調査年報」で、日本では魚の摂取量が減り、肉類の摂取量が増えたことが示されています。肉類の摂取量が多いと血液がドロドロになりやすく、生活習慣病の原因にもなりかねません。肉を食べることが多い人は、これを機に魚の食事を増やしてみてはいかがでしょうか?

チョコレートで「テオブロミン」を摂取

品川イーストワンメディカルクリニックの板倉弘重氏によると、チョコレートの原料であるカカオに含まれるテオブロミンというアルカロイド(窒素を含む塩基性の植物成分の総称)の一種には、大脳皮質と大脳辺縁系を刺激し、自律神経を調整する効果があるそう。

先にも述べましたが、自律神経の乱れは血行不良や冷え性などの症状を引き起こし、さらなるストレスの原因になりえます。テオブロミンは、この自律神経系を正常に動かしてくれる働きがあるのです。

ほうれん草やかんきつ類で「ビタミンC」を摂取

栄養療法を専門とする新宿溝口クリニック院長の溝口徹氏によれば、ストレスと闘うにはビタミンCが必要不可欠なのだそう。

人がストレスを受けたとき、大脳辺縁系で激しい感情が発生する結果、自律神経の働きを調整している視床下部という脳の部位に悪影響が出るのだとか。

そんな悪影響を及ぼすストレスに対抗するため、副腎では、ストレスから体を守るホルモンである「コルチゾール」がつくられます。しかし、慢性的にストレスを受け続けると、その副腎の機能が低下してしまうそう。そこで、ビタミンCの出番。ビタミンCを摂取すると副腎の機能が回復し、ストレスをやわらげることができるのです。

ビタミンCは、ほうれん草やかんきつ類などに多く含まれていますよ。ぜひ普段の食事で摂取を心がけてください。

大脳皮質に余裕をもたせる方法04

【方法3】「植物」で脳をリラックスさせる

職場や家などによく置かれる観葉植物が、じつは「フィトンチッド」と呼ばれる化学物質を放出していることが近年の研究で明らかになりました。国立研究開発法人森林総合研究所の計画環境研究室室長である香川隆英氏によると、フィトンチッドには、大脳皮質の支配下にある視床下部を刺激して副交感神経の活動を促し、リラックスをもたらす効果があるそう。

ある研究では、森林浴をした人の唾液に含まれるコルチゾールの濃度が、森林浴をしていない人に比べて低かったことがわかりました。先述のようにコルチゾールは、ストレスを感じたときに体を守ろうとして多く分泌されるものなので、濃度が低下したということは、それだけ大脳皮質の抑制機能が働いてストレスを感じなくなったということ。

植物が職場や自宅になければ、空いた時間に外に出て植物を見るのもひとつの手かもしれません。近くに植物があるだけで、あなたの脳は回復するのです。

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脳が余裕をもてるようになる方法を3つ紹介しました。脳からくるストレスは、私たちの体に直接影響します。これらの方法を用いて、ぜひ脳をリラックスさせ、ストレスフリーな日々を送ってみてください。

(参考)
大正製薬|ストレスに強いか弱いかは脳の状態で決まる!? 脳の元気度をチェックしよう! リクナビNEXTジャーナル|一流の人は「自律神経」が整うよう、工夫をしている――順天堂大学医学部教授 小林弘幸氏の仕事論
NIKKEI STYLE ヘルスUP|体の疲労「脳が原因」 交感神経酷使、細胞にダメージ
THE21オンライン|あらゆる疲れは 「脳疲労」が原因!?
SleepediA|第10条 靴下を脱いで素足で寝る
山田養蜂場|DHAとEPAの血液への働き
Fujimoto, Kenshiro, et.al. (1995). "Lipid profiles of cerebral gray matter and livers of macaque monkeys Macaca fascicularis and Macaca fuscata fuscata: a comparative study during development." Comparative Biochemistry and Physiology Part C: Pharmacology, Toxicology and Endocrinology, Vol. 110, Issue 3, pp.253-260.
HelC+|ドクター直伝「脳を活性化させるチョコの食べ方」
J-WAVE NEWS|ストレスと闘うホルモンを出すには「ビタミンC」を摂ろう! その理由を解説
名古屋大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科|副腎とは
トロピカーナ Tropicana|冬場に最適なビタミンCお手軽メニュー
MELOS|森林浴のリラックス効果と活用術を、森林総合研究所・農学博士に聞きました
医療と健康[日本医師会ホームページ]|自律神経失調症
脳科学辞典|ストレス

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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