
「業務時間を半分にしながら、ひとりで10人分の仕事を回す」。今年5月、そんな働き方の裏側を語った連載「Claude Code超入門」は大きな反響を呼び、連動して開催されたライブセミナーは1,000名以上のお申し込みで満席となりました。
ところがその後、読者や参加者から届いた声は、大きくふたつに分かれたそうです。「実際に業務が変わり始めた」という声と、「興味はあるのに、結局、最初の一歩が踏み出せなかった」という声です。
株式会社AI Orchestra代表取締役の宮地俊充さん(みやっち🧑💻)は、後者の人にこそ伝えたい選択肢があると言います。それが、ChatGPTをつくったOpenAIのAIエージェント「Codex(コーデックス)」です。
構成・取材/STUDY HACKER編集部
【プロフィール】
宮地俊充(みやっち🧑💻/みやち としみつ)
1981年10月、静岡県浜松市生まれ。株式会社AI Orchestra代表取締役社長。青山学院大学法学部卒業後、2007年公認会計士試験合格。PwC Japan有限責任監査法人に入所。IFRSコンバージョン業務や監査業務等に従事。M&AファームのGCAサヴィアン(現フーリハン・ローキー)を経て、EC系ベンチャーで取締役CFOに就任。その後、2011年オンライン英会話スクールのBest Teacherを創業。2016年、SAPIX YOZEMI GROUPに売却。投資活動と音楽活動を経て、2020年に株式会社AI Orchestraを連続起業。AIメディア運営、AI研修、AI開発受託、AIプロダクト開発を手掛ける。
- 前回の連載で見えた「踏み出せた人」と「踏み出せなかった人」
- ChatGPTの延長線上にある実行型AI「Codex」とは何か
- Codexに仕事を任せると、日々の風景はどう変わるのか
- 非エンジニアにとって、いちばんのチャンスである理由
前回の連載で見えた「踏み出せた人」と「踏み出せなかった人」
「前回の連載とセミナーで、はっきりわかったことがあります。"AIに仕事を任せる働き方"への関心は、想像以上に大きい。でも同時に、多くの方がスタートラインの手前で止まってしまった、ということです」
宮地さんはそう振り返ります。
Claude Codeは「話し相手」ではなく「仕事の依頼相手」だった
前回の連載で紹介したClaude Codeは、「ChatGPTは"話し相手"、Claude Codeは"仕事の依頼相手"」という言葉どおり、依頼すれば実際に仕事を進めて成果物を返してくれる「実行型」のAIでした。宮地さん自身、SNSマーケティング、YouTube台本制作、経理、議事録整理など40以上の業務を任せ、業務時間を半分にしながら10人分の仕事を回しています。
一方で、非エンジニアにとってのハードルも明確でした。エンジニアが普段使う「ターミナル」という黒い画面からセットアップする必要があり、ここで手が止まってしまう人が続出したのです。
「ターミナルの壁」を越えられなかった人への答え
「Claude Codeは素晴らしいツールで、僕自身いまも毎日使っています。ただ、"ターミナルを開く"という最初の一歩が、非エンジニアには想像以上に高い壁でした。講座では隣について一緒に設定するので全員越えられるんですが、記事を読んでひとりで挑戦した方のなかには、そこで諦めてしまった方も多かったはずです」
その状況が、2026年に入って大きく変わったと宮地さんは言います。
「Codex自体は以前からあったのですが、ChatGPTをつくったOpenAIが、今年Codexのデスクトップアプリを出したんです。これが、"乗れなかった人"のための答えになっていました」

ChatGPTの延長線上にある実行型AI「Codex」とは何か
Codexは、ChatGPTと同じOpenAIが提供するAIエージェントです。最大の特徴を、宮地さんはひとことで表現します。
「ChatGPTの延長線上にある、ということです。新しい世界に飛び込む感覚がいらない。ChatGPTを使ったことがある人なら、そのまま入っていけます」
ダウンロードしてサインインするだけで始められる
具体的には、こういうことです。
1アプリをダウンロードして、ChatGPTのアカウントでサインインするだけ
ターミナルも、コマンド入力も、環境構築も必要ありません。
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2画面はチャット形式
ChatGPTに話しかけるのと同じ感覚で、日本語で仕事を頼めます。
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3返ってくるのは"答え"ではなく"成果物"
Codexはパソコンのなかで実際に手を動かし、ファイルをつくり、資料をまとめ、作業を完了させて報告してきます。
「優秀な相談相手」と「仕事を任せられる同僚」の違い
「ChatGPTが"優秀な相談相手"だとしたら、Codexは"仕事を任せられる同僚"です。相談相手は、話している間しか働いてくれません。同僚は、頼んだら自分の手を離れて仕事が進みます。この差が、業務時間に直結するんです」
前回の連載を読んだ方なら気づくはずです。これは、宮地さんがClaude Codeについて語っていた「人がAIに聞きにいくのではなく、AIが人に成果物を差し出す」という世界そのものです。
「そうなんです。あの働き方が、ターミナルの壁なしで、ChatGPTの延長線上でできるようになった。だから僕は、Claude Codeで踏み出せなかった方には、迷わずCodexをおすすめしています」
Codexに仕事を任せると、日々の風景はどう変わるのか

では、Codexに仕事を任せると、日々の風景はどう変わるのでしょうか。宮地さんは自身の実例を挙げながら、いくつかの場面を描いてみせます。
こうした未来は、遠い話ではないと宮地さんは強調します。
「全部、いま僕が毎日やっていることです。そして大事なのは、これが、プログラミングの知識がない状態からでも始められるようになった、ということなんです」
非エンジニアにとって、いちばんのチャンスである理由
前回の連載で宮地さんが繰り返し語っていた主張は、Codexの時代にはさらに強まると言います。それは「AIエージェントは、エンジニアよりも非エンジニアのほうが得をする」という主張です。
人間に残るのは「何を任せるか」を決める仕事
「AIが"どうつくるか"を全部引き受けてくれるので、人間に残るのは"何をつくるか、何を任せるか"を決める仕事です。それを決められるのは、毎日現場で業務を回している人。つまり、経営者や個人事業主、士業、そして現場の会社員なんです」
宮地さんが運営する個人向けAI講座では、これまでに198名以上の受講生にAIエージェントの使い方を教えてきましたが、職業エンジニアはごく数名。ほぼ全員が非エンジニアからのスタートで、いまでは自分の業務にAIエージェントを組み込んでいます。
「必要なのはITスキルではなく、"自分の業務を言語化する力"です。何をやっているか、どこに時間がかかっているか。それを日本語で説明できれば、Codexは動きます。そしてその力は、現場で働いてきた人が全員持っているものです」
次の3年は、AIに「任せる」時代
ChatGPTで止まっている人にとって、Codexは「その先」への最短ルートになる。宮地さんはそう結論づけます。
「ChatGPTの3年間で、僕たちはAIに"聞く"ことには慣れました。次の3年は、AIに"任せる"時代です。その入口が、ようやく誰でも入れる形になった。それがCodexだと思っています」

次の記事の予告
とはいえ、気になるのは「本当に自分でも始められるのか」でしょう。
次の記事では、Codexの初期設定を解説します。前回のClaude Code編では「ターミナル」との格闘からスタートしましたが、今回は様子がまったく違います。デスクトップアプリをダウンロードして、いくつかの設定を選ぶだけ。宮地さんいわく「拍子抜けするほど簡単」な手順を、ステップ形式でお伝えします。
なお、この内容を実際の画面操作付きで一気に体感したい方向けに、8月26日(水)夜にはオンラインセミナー、8月29日(土)午後には東京・銀座での対面セミナーも開催予定です!

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岡 健作(おか・けんさく)
株式会社新恵社 代表取締役/株式会社スタディーハッカー創業者。1977年生まれ、福岡出身。2014年、メディア「STUDY HACKER」を立ち上げ。以後運営に携わる。
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