自分の強みを1週間活かすだけで幸せが半年も続く。自分らしく働くために「強み日記」を書いてみた

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「頑張って働いているが結果が出ず、落ち込む」
「重要なポジションを任され、プレッシャーに感じている」

こうした仕事のつらさから、ストレスや心の疲れを感じていませんか? 思い当たる人におすすめなのが、ポジティブサイコロジースクール代表・久世浩司氏が提案する「強み日記」です。

久世氏は著書『眠れる才能を引き出す技術』のなかで、強みを「武器」と表現します。「自分の武器である強みを知り、活かし、磨くことで、自分らしく仕事をして幸せになる」ことが可能だとのこと。

そこで今回は、強みを知るのに役立つ「強み日記」のやり方を、実践例も交えてご紹介しましょう。

「強み」を活かすことで得られる効果

久世氏によると、さまざまな心理学研究によって、強みを知り活かすことの効果が立証されているそうです。

1. 自己肯定感の向上

久世氏は、イギリスのCAPP(応用ポジティブ心理学センター)の調査を引き、以下のように説明しています。

自分の強みを活用することで、自己肯定感が顕著に高まったことがわかりました。
自己肯定感は「自分には価値がある」「役に立つことができる」という自信を表す心理的要因です。

(引用元:久世浩司 (2016), 『眠れる才能を引き出す技術』, 実業之日本社. ※太字による強調は編集部にて施した)

これは具体的に考えてみるとわかりやすいでしょう。たとえば、あなたが人前で話すことが得意で、その得意を活かしイベントで司会をしたとします。あなたはきっと、得意なことで力を発揮できたことを嬉しく感じるはず。強い自信にもつながりますよね。上記の研究結果に納得がいく人は多いでしょう。

2. 幸福度の向上

久世氏は、アメリカの心理学者であるマーティン・セリグマン氏、クリストファー・ピーターソン氏らによる、以下の研究結果も紹介しています。

自分を特徴づける強みを活用した人たちは、長期にわたり幸福度がより高い状態で保たれたことが1週間後、1カ月後、3カ月後、6カ月後の追跡調査により判明したのです。

(引用元:同上)

なお、その研究で被験者らが「自分の強みを活用」した期間は1週間。たった1週間の取り組みで、半年もの長いあいだ幸福度が高い状態が続くのです。

先の例で言えば、人前で話すことが得意であることを活かして、イベントの司会をしたり、会議の進行役を買って出たり、取引先との大事な打ち合わせに臨んだり――そんな日々を1週間過ごしたなかで感じた喜びや幸せが、長く続くということ。そのような精神状態であれば、仕事にも前向きに取り組めそうです。

このような結果をふまえると、仕事でストレスや精神的な疲労を感じている人は、強みを活かして自分らしく働くことが問題の解決につながることでしょう。

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まずは自分の「強み」を知ろう

「強みを活かしたいけど、そもそも自分の強みがわからない」という人もいるでしょう。そこでご紹介したいのが、マーケター・戦略家の森岡毅氏の解説です。

森岡氏の著書『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』によれば、「強みは必ず好きなことの中にある」。その “好きなこと” というのは、「~すること」で表せる「動詞」だそう。たとえば「パンをつくることが好き」のような感じです。

さらに森岡氏いわく「強み(特徴)を大きく3つにざっくりと区分」できるとのこと。すなわち次の3分類です。(以下枠内は、森岡氏の同著書より該当箇所を引用し、まとめた)

  1. Tの人(Thinking)
    課題に対して自分の思考力で問題解決するときの “知的好奇心” と達成感を満足させて走る
    例)考えることが好き、問題を解くことが好き、議論をすることが好き、研究することが好き など
  2. Cの人(Communication)
    人と仲良く過ごすこと、人との繋がりがより広くより濃くなっていくことが、生きるモティベーションになっている
    例)話すことが好き、人と会うことが好き、話を聴くことが好き など
  3. Lの人(Leadership)
    挑戦することと、達成することが大好き
    例)仕切ることが好き、高い目標を定めて挑戦することが好き、自分で決めることが好き など

あなた自身の強みの傾向は、森岡氏が考案したワークで見つけられるでしょう。同書に基づくと、そのやり方は次のとおり。

  1. A4程度の大きさの紙4枚、大量の付箋、ペンを用意する
  2. 4枚の紙の左上に「T」「C」「L」「それ以外」と書く
  3. 50~100個くらいの「好きな行動」を付箋に書き出す
  4. すべての付箋を4枚の紙に仕分ける

以下の写真は、筆者がそのワークを実践したときのもの。一番付箋が多かったのは「T」ですが、想像以上に「C」も多いことが印象に残りました。そうした事実から、自分には「聴く」をベースにしたコミュニケーションを好むという強みがあると発見できたのです。

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(画像引用元:STUDY HACKER|私の本当の長所って何……? たっぷりの付箋を使い「自分の強み」を丁寧に探ってみました。

「強み日記」の書き方と実践例

上記の方法で強みがわかっても、自分の一部であまりに自然なことなので、強みを使っていることに気づいていない……ということも。そこで、いよいよ「強み日記」の出番です。

久世氏はこう述べています。

仕事などで強みを活用するチャンスがあれば、できるだけ意識を注ぎましょう。「今の仕事でこの強みを使っている」と意識するのです。これを、「自分の強みにマインドフルになる」と言います。

(引用元:久世浩司 (2016), 『眠れる才能を引き出す技術』, 実業之日本社. ※太字による強調は編集部で施した)

久世氏によると、人格の強みの科学と実践を推進する、アメリカのVIA研究所ライアン・ニーミック氏も「意識的に強みを活用すること」を説いているそう。

その「強みを意識する」方法として久世氏がすすめるのが「強み日記」です。やり方は簡単。次の2項目を、寝る前にノートや手帳へ記録するだけです。

①今日、うまくいったことは何か?(とくにスムーズに仕事が進んだことなど)
②どの強みを活用したか?

(引用元:同上)

さっそく筆者も試すことに。机の上に置きっぱなしにして、寝る前にサッと書き込めるようにするため、小さめのA5サイズ(罫線7mm、24行)のノートを使用しました。実践期間に決まりはないので、先述の幸福度に関する調査結果を参考に1週間実践してみました。

筆者が書いた「強み日記」の紙面がこちら。

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ある日の記録をピックアップしてみましょう。「うまくいったこと」は、1文めで概要を述べて、2文め以降に詳細や所感をまとめています。

  1. 今日、うまくいったことは何か?
    新しいブログのテンプレートを作成した。ブログで実績をあげているライター仲間にアドバイスをもらった。継続するためのコツも質問できた。
  2. どの強みを活用したか?
    話を聴くことが好き。

所要時間は5~10分程度。時間がかからないので、無理なく続けることができました。

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「強み日記」を実践したら、仕事へ前向きに取り組めた!

「強み日記」を実践して感じた効果や提案したいことを、以下にまとめます。

強みを磨くことを意識すると、気持ちが前向きになった!

筆者は今回、「話を聴くのが好き」という強みを特に意識して過ごしました。すると、ただ「聴く」という受け身な態度に留まらず「積極的に質問しよう」「得られた情報を仲間と共有しよう」といった意識も、日に日に芽生えてきました。

その結果、仕事に対する気持ちが前向きになり、仲間と一緒に売り上げ目標を達成することもできました。強みを漠然と使っているだけでは、質問や共有といった発想にまでは至らなかったと思います。こうした新たな発見や、そこから生まれる成功体験が、自己肯定感や幸福度の向上、ストレスの解消につながると感じました。

強みは少数に絞り込んでから、意識して使おう

強みを見つけるワークではさまざまな強みを見つけることができましたが、数十個ある強みをすべて記憶しておくことは困難。ですので、意識する強みは少数に絞り込むとよいと思います。

筆者の場合、強み日記の実践中に意識していた強みは3個程度。そして実際に活用できたのは、ほとんどが「話を聴くのが好き」という強みでした。

ですが、その強みを磨くことで多くの変化を感じたのは先述のとおり。まずは1週間、強み日記を通じてひとつの強みに向き合ってみるのもいいかもしれません。

***
久世氏は著書『眠れる才能を引き出す技術』のなかで、「武士が修行を怠らず、刀を磨き、有事の戦いに備えたように、自分の強みという武器も日々の生活で磨き続ける必要があります」と説いていました。

あなたも、自分の強みを活かし、磨いてみてください。自分らしく働くことができ、仕事によるストレスや心の疲れが和らぐかもしれません。ぜひ、強み日記を試してくださいね。

(参考)
久世浩司 (2016), 『眠れる才能を引き出す技術』, 実業之日本社.
ポジティブサイコロジースクール|「VIA強みテスト」の紹介
森岡毅 (2019), 『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』, ダイヤモンド社.
ダイヤモンド・オンライン|森岡毅流「自分の強みを見つける」方法とは?
STUDY HACKER|私の本当の長所って何……? たっぷりの付箋を使い「自分の強み」を丁寧に探ってみました。

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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