【年末年始を無駄にしない】目標設定フレームワーク『SMART』で、学習成果を確実にする方法

2024年から2025年に移り変わる様子「キャリアアップや自己成長につながる勉強を始めたいけれど、仕事が忙しくて時間が作れない……」そんな方にとって、年末年始の長期休暇は絶好のチャンスです。

せっかくの休暇ですから、リフレッシュしながら、キャリアアップにつながる時間を作ってみませんか?

年末年始の勉強計画を立てて、資格試験対策を始めるのも一つの方法です。

本記事では、SMART目標設定の具体例を交えながら、長期休暇を有効活用するための3つのステップをご紹介します。イメージが湧きやすいよう、実践的な例を添えてお伝えします。ぜひご一読ください。

ステップ1. ゴールとゴールまでの解像度を上げる

「SMART」とよばれる目標設定のフレームワーク

学習効果を高めるには、明確な目標設定が欠かせません。特に年末年始の勉強計画を立てる際は、最終的なゴールと、そのゴールまでの道筋を具体的にしておくことが重要です。

このとき、「Specific(具体的)・Measurable(測定可能)・Achievable(達成可能)・Related(目標に関連)・Time-bound(期間設定)」という5つの要素からなる「SMART」フレームワークを活用すれば、年末年始の資格取得対策にも有効です。

日本離床学会会長である医学博士・理学療法士の曷川元氏は、「SMART」の中でも特に「Time-bound(いつまでに)」が重要だと指摘しています。*1

この要素をしっかりと定めることで、年末年始の長期休暇を有効活用し、キャリアアップにつながる計画を立てやすくなります。

たとえば、大手不動産会社への転職を目指し、来年度の宅地建物取引士試験合格を目標とする場合、「SMART」を当てはめると以下のようになります。

  • Specific(具体的に):来年10月の宅地建物取引士資格試験に合格する。

  • Measurable(測定可能な):中期段階(7月〜9月末)に実践力を測定・向上させる。
    ┗過去問を週20問解き、正答率80%以上を目指す。

  • Achievable(達成可能な):1日2時間の勉強時間を確保する。

  • Related(目標に関連した):大手不動産業界への転職に役立てる。

  • Time-bound(期間に見合った)
    ┗6月末まで基礎固めを終える(主要範囲のインプットと基本問題の解答練習)
    ┗7月〜9月末は実践演習を行なう(過去問や模擬試験を中心に正答率を目標に据えて演習)
    ┗10月初旬〜試験直前まで総復習を行なう(弱点克服と重要ポイントの確認)

これで、ゴールまでの道のりの解像度が一気に高まりました。

ステップ2. 学習計画を立てる

目標設定が済んだら、いよいよ具体的な年末年始の勉強計画を立てていきましょう。通常の学習計画とは異なり、この長期休暇を最大限に活用する特別な計画を考えます。

例えば、年末年始の最大9日間の休暇のうち、年越し準備の30日、大みそかの31日、元旦は休息日として確保し、残りの日数で効率的な学習計画を立てます。

先ほどの宅地建物取引士資格試験の例では、この時期は基礎固めの段階です。年末年始の長期休暇という貴重な時間を有効活用するため、主要分野に焦点を絞った効率的な学習を計画しましょう。具体的な目標は「主要分野の基礎を学び、基本問題を通じて理解を深めること」です。

各日の学習内容を明確に設定し、重要分野を優先的に学ぶことで、資格取得への準備を着実に進められます。ただし、無理な計画は挫折につながる可能性があるため、余裕を持った設計を心がけましょう。

1日のスケジュール例

最低2時間の学習時間を確保しつつ、十分な休息も取れるバランスの取れた計画を立てます。

  • 7:00〜8:00:起床・朝食・リフレッシュ
  • 8:00〜9:00:【学習】(メインテーマのインプット)
  • 9:00〜10:00:フリータイム
  • 10:00〜11:00:【学習】(インプットした内容を問題を解きながら整理)
  • 11:00〜13:00:フリータイム
  • 13:00〜14:00:昼食・休憩
  • 14:00〜15:00:予備時間(好きなテーマのインプットおよび復習。疲れている場合は完全休憩でもOK)
  • 15:00以降:フリータイム

この時間配分は目安です。その日の体調に合わせて、起床時間や学習時間を柔軟に調整してください。

年末年始のテーマ例

長期休暇を有効活用するため、日ごとに明確なテーマを設定します。以下は宅建試験対策の例です:

  • 12月28日:民法の基礎(物権、債権)
  • 12月29日:宅建業法の全体像
  • 12月30日:お休み
  • 12月31日:お休み
  • 1月1日:お休み
  • 1月2日:法令上の制限と都市計画法
  • 1月3日:民法の応用(相続、時効など)
  • 1月4日:宅建業法の細部(営業保証金、罰則)
  • 1月5日:総復習+簡単な確認テスト+自己評価

このように、学習日と休息日をしっかり分けることで、効率的な勉強と十分な休養の両立が可能になります。

キーボードのキーのひとつにPlan Do Study Act(計画する 行う 勉強する 行動する)という文字が書かれている

ステップ3. 自己評価を行なう

年末年始の勉強計画の最後のステップとして、自己評価を行うことで長期的な学習継続につなげましょう。休暇最終日に学習成果を振り返り、記録することで、その後の資格取得対策もスムーズに進められます。

オックスフォード大学の調査研究によると、自己評価を行った225名の生徒たちは、自身の強みを認識し、より具体的な目標設定ができるようになったといいます。さらに、学習方法の改善やスキルの応用にも自信が持てるようになったと報告されています。*2

年末年始の長期休暇を有効活用した学習を振り返る際は、以下の3点に焦点を当てると効果的です。

  • 今回よかったこと
    ┗民法の基礎が理解できた
    ┗宅建業法の全体像を把握した

  • ダメだったこと
    ┗法令上の制限が曖昧
    ┗時間配分がしっくりこなかった

  • 次のアクション
    ┗法令上の制限を重点的に学ぶ
    ┗今回の経験をふまえ、時間配分を改善していく

このような振り返りを通じて、SMART目標設定の見直しや今後の学習計画の調整が可能になります。年末年始という短期集中の学習経験は、その後の長期的な資格取得への取り組みにも活かせる貴重な機会となるはずです。

***
長期休暇は、日常の忙しさから一歩離れ、自分を見つめ直し、成長への一歩を踏み出す絶好のチャンスです。この年末年始の小さな積み重ねが、来年の、そしてそのまた未来の大きな力となるはず。

ぜひとも、有意義な年末年始をお過ごしください。そして新しい年が、あなたにとってさらに充実したものとなりますように……!

【ライタープロフィール】
こばやしまほ

大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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