アドフラウドとは

・ アドフラウド(ad fraud、広告詐欺)とは、オンライン広告の表示回数やクリック回数を不正に水増しすることにより、広告の出稿者から掲載料を不当にかすめ取ること。インターネット広告市場が成長し、企業がインターネット広告にかける費用が増えるなか、企業に余計な広告費を払わせるアドフラウドが問題視されている。

・ 2018年1月、広告検証事業を手がける米インテグラル・アド・サイエンス社(IAS)と、アドフラウド対策ツールを提供するMomentum株式会社によって、調査レポートが公開された。それによると、日本のプログラマティック広告取引(※)におけるアドフラウドの割合は、IASの調査で8.4%、Momentumの調査で9.1%だった(※広告出稿者のニーズに基づき、一定の条件に当てはまる消費者が目にするであろうオンライン広告枠をリアルタイムで自動的に買いつけること)。なお、米国・英国・スペイン・ブラジルなど10カ国でのアドフラウド率は8.6%だったので、日本と海外での差は少ないことがわかる。

アドフラウドの事例

・ インターネット広告ビジネス活動の環境整備に取り組む、一般社団法人・日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は、2017年にアドフラウドに関する声明を発表した。それによると、「広告費を欺瞞(ぎまん)的に詐取することを⽬的とした不正なサイトやページ」を運営する、「不正な個人」や「悪質な事業者」がいるという。不正なWebサイトを通じて行われるアドフラウドには様々な手法があり、その一部は以下のようなもの。

Auto Refresh(過度に⾃動リロードされる広告)
・⾼頻度で⾃動リロードを繰り返し、ごく短時間に⼤量の広告を表⽰させたりするもの。

Hidden Ads(隠し広告)
・ブログパーツの⾒えない領域に広告を仕込んだり、CSS(※)等でユーザーに⾒えない形で広告を配信したりすることで、広告配信数を⽔増しするもの。

(※Webサイトの構築に用いる言語)
(引用元:JIAA|アドフラウドに対するJIAAステートメント

・ 上記のようなアドフラウドの手法で表示された広告は、実際にユーザーの目に留まることはないものの、データ上では表示回数がカウントされる。広告出稿者はそのデータを確認し、広告が多くの人に見られていると思ってしまうのである。Momentum代表取締役社長の高頭博志氏によると、このようなアドフラウドは広告出稿者にとって「誰も住んでいない廃墟(はいきょ)にチラシを届ける」ようなことで、「デジタル広告における犯罪」だという。

3ヶ月でTOEIC615点から930点に! 商社マンがトレーナーと二人三脚でつかんだ900点の大台。
人気記事

アドフラウドへの対策

・ アドフラウドの問題は日本のインターネット広告業界でも認知されており、少なくない企業が対策をとっている。たとえば、広告代理店の株式会社サイバーエージェントは2017年、社内にアドフラウド対策委員会を設置した。取引先の企業が安心して広告を出稿できるよう、「アドフラウドが疑われるサイトへの広告出稿を制限する仕組みを構築」しているという。

・ 高頭氏によると、自社の広告が悪質なWebサイトに掲載され、アドフラウドの被害に遭っていないかどうか、広告出稿者は確認する必要があるという。同氏が代表取締役を務めるMomentumは、広告出稿者・広告代理店向けツール「Black Swan」を提供中。国内初だというアドフラウドブロッキング機能を備えているほか、不適切なWebサイト上に広告が掲載され、ユーザーが持つブランドイメージが低下することを防ぐ機能もあるという。

(参考)
アドベリフィケーション推進協議会|2017年度日本のアドベリフィケーション調査レポートについて
シナジーマーケティング株式会社|プログラマティック・バイイング
JIAA|アドフラウドに対するJIAAステートメント
SuperMagazine|アドフラウドの手法と解説
株式会社サイバーエージェント|公正な広告取引
NHKニュース|海賊版サイト「漫画村」に “裏広告” 大手企業も
Momentum株式会社|Black Swan