バスキアとは

・ ジャン=ミシェル・バスキア(1960~1988)とは、米国・ニューヨークで生まれ育った画家。父親は中米・ハイチの出身で、ニューヨークで生まれた母親はプエルトリコ系。白人が主導していたニューヨークのアート界において、バスキアは自らの出自を強く意識しており、作風は野性的であると同時に、グラフィティ(スプレーなどによる壁への落書き)の要素も取り入れている。

・ バスキアの作品は、既存の概念にとらわれない現代アートとして高い評価を受けている。2017年5月、競売会社サザビーズがニューヨークで開催したオークションにおいて、頭蓋骨を描いたバスキアの作品(無題、1982年制作)が日本人によって1億1,050万ドル(およそ123億円)で落札され、国内外で大きな話題となった。今回の落札額は、現代アート作品としてはこれまでで2番目に高く、米国人アーティストの作品としては過去最高額だという。

・ バスキアの作品を落札したのは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイ代表取締役社長・前澤友作氏。前澤氏は2016年のオークションでもバスキアによる別の作品(無題、1982制作)を5,728万5千ドル(およそ64億円)で落札していた。前澤氏はバスキアの作品を非常に気に入っており、2017年に落札した作品と自身の写真をSNS上に掲載している。

バスキアの生涯

・ 1960年に生まれたバスキアは、幼少の頃から絵を描くことに興味を示し、よく母親といっしょに描いていた。母親はニューヨーク近代美術館やメトロポリタン美術館にバスキアを何度も連れていったり、解剖学の医学書を読ませたりするなどして、バスキアが持つ芸術への関心を尊重しつづけた。1967年に入学したカトリック系の学校では絵描き友だちができ、児童向けの本を共同で作り上げるなど、バスキアは幼少時から芸術の才能を発揮していた。1975年に高等学校へ進学したものの、一般的な教育に馴染めず、1976年、才能のある子どものために設立されたシティ・アズ・スクール高等学校に編入した。そこでバスキアはグラフィティ・アーティストと親しくなり、絵や詩などのコラボレーション作品を作るようになった。

・ 1978年、バスキアは自身のイラストを用いたポストカードやTシャツを作って販売しはじめた。1980年にはニューヨークの繁華街であるタイムズ・スクエアで開かれたグループ展に参加し、バスキアの作品は、現代アートを中心に取り上げる美術雑誌『アート・イン・アメリカ』誌上で評価された。1981年、バスキアは著名なポップ・アーティストであるアンディ・ウォーホルらとともに「ニューヨーク/ニューウェーブ」という展覧会に出品すると、バスキアの作品は画商たちの注目を集め、バスキアは実家に戻って父親に「やったぞ!」と報告したという。

・ バスキアの最初の個展は、1981年にイタリアで開かれた。その後も米国のほか、ドイツやスイスなどで開催された個展・グループ展により、バスキアの知名度は増していく。1982年には『アート・イン・アメリカ』誌上で、バスキアをはじめとしたグラフィティ・アーティストの特集が組まれた。1983年、交際相手の紹介でアンディ・ウォーホルと知り合ってからは、共同制作をしたり、互いの肖像画を描いたり、人生や芸術について語り合ったりするほどまでに親交を深めた。

・ しかし、1983年、黒人のグラフィティ・アーティストが逮捕され、逮捕の際の怪我がもとで死亡したという事件がバスキアに大きな不安を与えた。1984年には、バスキアが重度の薬物中毒になっていることが友人たちによって報告されている。アパートから作品が盗まれたり、画商が製作途中の作品を持っていってしまったりすることも、バスキアの精神をますます不安定にし、バスキアは自身の作品を壊してしまうこともあった。1987年にアンディ・ウォーホルが亡くなって気落ちしたこともあるのか、薬物の使用を止めることができず、1988年にバスキアは没した。死因はアヘンとコカインを混ぜた薬物による急性中毒であった。

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バスキアの作品

・ 日本国内でもバスキアの作品を鑑賞することができる。2017年5月現在、香川県のベネッセハウスミュージアムでは、1984年に制作された「グア・グア」が展示されている。また、高知県立美術館は1982年制作の「フーイー」を所蔵しているため、今後の常設展でバスキアの作品を見られる可能性がある。

・ バスキアの作品を気軽に身につけることもできる。2017年、アパレルブランドのユニクロはニューヨーク近代美術館とコラボレーションを行い、バスキアをはじめとした現代アーティストの作品をプリントした衣類を販売している。「SPRZ NY グラフィックT(ジャン=ミシェル・バスキア・半袖)」(税抜1,500円)には、バスキアの生まれ育ったニューヨークと思しき夜景が描かれている。また、「SPRZ NYキャップ(ジャン=ミシェル・バスキア)」(税抜990円)の全面には、黄色い王冠のマークが配されており、黒いツバの部分がアクセントになっている。

(参考)
Jean-Michel Basquiat
SPRZ NY
ユニクロ|SPRZ NY
ロイター|バスキア作品、入札合戦の末にゾゾタウン前沢氏が123億円で落札
Twitter|Yusaku Maezawa 前澤友作
Fashionsnap.com|スタートトゥデイ前澤代表がバスキアの作品を62億円超で落札
ダイヤモンド・オンライン|62億円でバスキアを落札したらディカプリオの自宅に招かれた話
コトバンク|バスキア
Brooklyn Museum|Basquiat
BloombergPersuits|$110 Million Basquiat Sold by Family Who Bought It for $19,000
Sotheby’s|Jean-Michel Basquiat UNTITLED
ORICON NEWS|紗栄子恋人・前澤友作氏、バスキア作品を62億円超で落札「うれしく、誇らしい」
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