著作隣接権とは

・ 著作隣接権とは、著作物の伝達において重要な役割を果たしている、レコード製作者や放送事業者などに認められた権利。録音権や複製権などが含まれる。2017年12月10日、ロックバンド「GLAY」および所属事務所のラバーソウルが「GLAY名義で発表しているGLAY楽曲をブライダルで使用する場合に限り、著作隣接権について使用者からの料金を徴収しない」ことを以下のように発表した。1994年にメジャーデビューした人気バンドであるGLAYに関する当該ニュースは、同バンドのファンや著作権に関心を持つ人などから注目され、「GLAY楽曲の使用」という語句がTwitterのトレンドに入った。

GLAYの楽曲を結婚式で使用したいという多くのお客様からのお問い合わせを受け、
メンバー自身も「結婚式という人生の素晴らしい舞台で自分達の曲を使用してもらえる事は大変喜ばしいことであり、それであれば自分達は無償提供したい」という思いから、
今回、ブライダルで使用する場合に限り、著作隣接権についての無償提供をさせて頂く運びとなりました。

(引用元:GLAY公式サイト|ブライダルでのGLAY楽曲の使用に関して

・ GLAYは12月10日、埼玉県でライブを行った。そこで歌われた「あなたといきてゆく」は、前月にCDが発売されたばかりの新作。結婚を決意した女性が、祖父母や両親への感謝を伝える内容だ。ボーカルのTERU氏は「結婚式の最後、両親への感謝の手紙を読むシーンをイメージして歌った」という。GLAYの楽曲はブライダルでの使用においてすでに人気があることに加え、新曲および著作隣接権に関する発表によって、ブライダルでGLAYの楽曲が使用される頻度が高くなることが予想される。

原盤権とは

・ 著作隣接権は著作権法によって定められており、「実演家」「レコード製作者」「放送事業者」に対してそれぞれ異なる権利が認められている。そのなかでも、ブライダルにおいて使用料を徴収しないとGLAYおよびラバーソウルが発表した著作隣接権とは、レコード製作者が持つ「原盤権」(保護期間はレコード発行から50年)だ。弁護士の高木啓成氏によれば、ブライダルのBGMとしてアーティストの楽曲を使用したい場合、市販のCDを再生するなら著作権に関する手続きだけ行えばよい。しかし、既存楽曲をまとめたBGM用のCDを作成したり、会場のスクリーンで再生する動画にCDの音源を使用したりといった場合、原盤権のうち「複製権」に触れるため、所定の手続きを経なければならないという。

・ 楽曲の著作権は、一般社団法人・日本音楽著作権協会(JASRAC)や株式会社NexToneなどの団体に管理されていることが多い一方、原盤権は基本的にレコード会社が管理している。そのため、弁理士・栗原潔氏によると、CDに含まれている楽曲を複製する際は、「著作権のようにJASRAC/NexToneに所定の料金を払えばすむというわけにはいかず、原盤権者と直接交渉しないといけないので料金が高い安い以前の問題として面倒でやってられない」のだという。著作隣接権にもとづく使用料をブライダル目的では徴収しないというGLAYおよびラバーソウルの発表には、このような手間を省くという意味もある。

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著作権および著作隣接権を侵害しないためには

・ ブライダル目的でGLAYの楽曲を使用する場合、著作隣接権にもとづく使用料をラバーソウルに支払う必要がなくなったとはいえ、一定の手続きを踏む必要はある。ラバーソウルも「使用法により演奏権と複製権の使用料を各管理団体(「JASRAC」or「NexTone」)にお支払いいただくこととなります」と述べている。JASRACとNexToneのどちらに申請するかは、楽曲と用法によって異なり、申請しない場合は著作権法に抵触する可能性がある。

・ JASRACによると、ブライダルでJASRACの管理楽曲を使用する際、「BGM用CDの再生」や「新郎新婦のプロフィールビデオの上映」は「演奏利用」に、「BGM用CDの作成」や「プロフィールビデオやエンドロール用のDVDの製作」は「複製利用」にあたるため、著作権および著作隣接権にもとづいた手続きが必要とされる。なお演奏利用については、「営利を目的としない」「聴衆又は観衆から料金を受けない」「実演家に報酬が支払われない」の3点全てに該当する場合、手続きの必要はない。ブライダルに関して著作権・著作隣接権の処理を代行する一般社団法人・音楽特定利用促進機構によれば、ご祝儀は入場料として扱われないという。

・ また、複製利用については、「披露宴の様子を、家族が自らの記念のためにホームビデオで撮影する」ことは私的利用の範囲内とみなされており、JASRACに申請する必要はない。しかし、「新郎新婦の友人が参列者に配布する目的で、楽曲が流された披露宴の様子をビデオで録画し、DVDにコピーする」ことや「音響・映像事業者が、披露宴で流すためのBGM用CDや楽曲が入ったプロフィールビデオを製作する」ことは私的利用に該当しないため、JASRACへの申請が必要だという。

(参考)
GLAY公式サイト|ブライダルでのGLAY楽曲の使用に関して
JASRAC|ブライダルでの音楽利用について
公益社団法人著作権情報センター CRIC|著作隣接権とは?
一般社団法人 音楽特定利用促進機構|余興で、人気ドラマの曲のダンスを踊りたいんだけど大丈夫?
弁護士ドットコム|GLAY楽曲「無償提供」の誤解…結局、JASRACからは逃げられない
Yahoo!ニュース|GLAY楽曲、結婚式での原盤権利用無償化が意味するところ
ORICON NEWS|GLAY、結婚式の楽曲使用は著作隣接権料無償に
Twitterトレンド速報|GLAY楽曲の使用