コレクティブ・インパクト

コレクティブ・インパクトとは

・ コレクティブ・インパクト(collective impact、集合的効果)とは、NPOや企業、政府などさまざまな団体が一丸となり、特定の社会課題を解決しようとする試み。専任のスタッフがいる、目標達成までのプロセスが明確であるなどの点で、単なる「協働」とは異なる。現代における社会課題の解決に効果的であるとして、コレクティブ・インパクトという手法は世界的に注目されている。

・ コレクティブ・インパクトの利点は日本でも知られつつある。2018年6月、超党派の議員から成る「NGO・NPOの戦略的あり方を検討する会」が、コレクティブ・インパクトについて政府に提言を行った旨が公表された。同会を立ち上げた衆議院議員・鈴木けいすけ氏によると、さまざまな社会課題を解決するには、NGO・NPOが政府や国際機関企業と有機的に連携することが必要とのこと。そして、国民負担を軽減するためにも、これまで政府が担っていた分野にコレクティブ・インパクトを導入することが重要だという。同提言においては、コレクティブ・インパクトの国内における取組みを把握したり、行政・企業に対してコレクティブ・インパクトという手法を周知することなどが求められた。

コレクティブ・インパクトの特徴

・ 2011年、コンサルティング企業・FSGの取締役であるジョン・ケイニャ氏とマーク・クレイマー氏が、地球規模の問題に対するソリューションを扱う雑誌・Webサイト『Stanford Social Innovation Review』上に、「コレクティブ・インパクト」と題した長文コラムを寄せた。両氏は当該記事のなかで、成功するコレクティブ・インパクトの条件として、以下の5つを挙げた。この記事には大きな反響が寄せられ、「5つの条件」はコレクティブ・インパクトの特徴として広く知られるようになった。

1. Common Agenda(アジェンダの共有):全員が同じ目標を共有する。 2. Shared Measurement Systems(評価システムを共有する):効果の測定を、全員が同一の手法で行い、結果を共有する。 3. Mutually Reinforcing Activities(互いの活動の補強): 目標に向けてそれぞれが異なる活動をしつつも、互いに励まし合う。 4. Continuous Communication(継続的なコミュニケーション):信頼形成のため、参加者間で定期的にミーティングを行う。 5. Backbone Support Organizations(背骨となるサポート組織):専門スキルを持ったスタッフによる、参加団体とは別の機関を設ける。

・ 子どもに関する幅広い問題に取り組む認定NPO法人・フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏も、コレクティブ・インパクトに注目している。駒崎氏は、日本における社会課題解決運動の傾向について「良いことをすることが目的になってしまい、課題を解決することにまでいかない」と述べた。一方で、コレクティブ・インパクトの特徴を以下のように表現した。

コレクティブ・インパクトの前提として、その市なり郡なりの課題をかなり詳細に調査して、その上で戦略を作っているのが、当たり前だけどすごく大切。
まず、自分の区でどのくらい貧困の子どもたちがいて、なぜ貧困に陥ってしまうのか分析して、その要因に対して最も適切なアプローチを組み合わせて、行政・NPO・警察などステークホルダーを集めて座組みを作るのがコレクティブ・インパクトのアプローチ

(引用元:Facebook|駒崎 弘樹

コレクティブ・インパクトとふるさと納税の関わり

・ 日本でも、ふるさと納税制度を通してコレクティブ・インパクトの手法が採用されている事例がある。フローレンスが関わっている取り組みのひとつが、生活の苦しいひとり親家庭などへ食品を届ける「こども宅食」だ。企画や広報を担当するフローレンス、食糧配送を担当するNPO法人・キッズドア、社会的インパクトを評価する日本ファンドレイジング協会、運営資金としてふるさと納税を受けつける文京区など、複数の団体がそれぞれの業務を担当している。

・ 日本におけるコレクティブ・インパクトに近い事例として、「ピースワンコ・ジャパン」事業が挙げられることもある。同事業は、認定NPO法人・ピースウィンズ・ジャパンが主体となって行う、広島県における犬の殺処分数をゼロにするというもの。広島県神石高原町を通したふるさと納税などから資金を得て、同団体は2016年以来、県内で殺処分対象となった犬を全て引き取っている。引き取られた犬は専用の施設で暮らしつつ、希望者に譲渡される。

(参考) Stanford Social Innovation Review|Collective Impact 政治家 鈴木けいすけの国政日々雑感|NPO・NGO/コレクティブインパクトに関し、政府へ申し入れ Facebook|駒崎 弘樹 StudyHacker|こども宅食 こども宅食|こども宅食とは Peace Wanko Japan

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