グリット

グリットとは

・ グリット(grit)とは、「物事を最後までやり抜く力」や「粘り強さ」を意味する英語。2016年5月、心理学を専門とするアンジェラ・ダックワース教授(米ペンシルベニア大学)の著書『Grit: The Power of Passion and Perseverance(グリット:熱意と粘り強さのパワー)』が米国でベストセラーになって以降、グリットという言葉は広く知られるようになった。

・ ダックワース教授の著書は世界中でベストセラーになり、2016年9月、日本でも翻訳が出版された。神崎朗子訳『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』はダイヤモンド社から発行されると、徐々にその評判は広まり、日本出版販売株式会社の「単行本ビジネス」部門における売上ランキングでは10月に6位、11月に3位、12月に2位(日販調べ)を記録して、売上数を伸ばしつづけた。この本が人気を博し、ブログなどでも話題になったため、グリットという言葉は自己啓発に興味をもつ日本人のあいだでも浸透している。

グリットの重要性

・ ダックワース教授は、社会的な成功に必要な要素はなにかという疑問を解決するため、さまざまな分野で活躍する人々を対象に調査を行った。その結果、教授は「社会的に成功するために最も必要な要素は、才能やIQ(知能指数)や学歴ではなく、やり抜く力である」という結論に至った。人間の成功を左右するのは、生まれつきの才能ではなく、粘り強く努力しつづける根気なのだという。

・ ダックワース教授が依拠している先行研究には、1978年に科学者のウォーレン・ウィリンガム氏によって行われた「性格的特徴研究プロジェクト」がある。この研究は「成績と試験のスコア以外に、将来の成功の決め手となる性格的特徴とはなにか」という疑問の解決を目的とし、数千名の高校生の成績・家庭環境・性格などを細かく記録し、その後5年間にわたって追跡調査するというものだった。その結果、成功に大きく関わっている性格的特徴とは、「最後までやり通す」ことであると判明した。成功するのに必要なものは才能ではなく、グリットだということが証明されたのである。

グリットを伸ばす方法

・ ダックワース教授によれば、子どものグリットは、親が才能ではなく努力を褒めることで伸ばせるという。しかし、親から適切に褒められずに育ったとしても、「テキストを1ページ進める」「体重を記録する」など小さな習慣を毎日積み重ねることによって、グリットを自分自身で伸ばすことができる。

・ グリットの伸ばし方について、脳科学者である茂木健一郎氏は、完璧主義に陥らないことが重要なのだと言う。たとえば勉強やダイエットのノルマを完璧にこなすことができなくても、毎日少しずつ繰り返すことで、習慣が身についていく。また、途中で息切れしないように、呼吸をするように自然体で行うほうがよいという。

「やる気」があろうがなかろうが、とにかく続ける、という粘り強い態度が、「グリット」にはむしろ向いている。毎日、燃える闘魂で10年も20年も続けるわけには行かない。むしろ、淡々と、やるべきことをやることで、遠くに行くことができるのである。「グリット」は、むしろ、それを実践している人にとっては、呼吸をしているのと同じで、だからこそ、フラットに、ずっと続けることができる。一方、いわゆる「意識が高い」ことを自分に強要すると、かえってそれが邪魔になって、息切れして、続けることができなくなるのである。

(引用元:茂木健一郎オフィシャルブログ|グリットの習慣化についての一つのヒント

・ もちろん、グリットに情熱が不要だというわけではない。努力を毎日続けるには、情熱をもって取り組める目標でなければ気力が続かない。たとえ努力を続ける過程が辛くても、目標を達成することの意義を信じるからこそ、途中で投げ出さずに努力を続けられるのである。そのため、グリットを伸ばすには、自分がなぜ目標を達成したいのか、何のために努力をするのか考えてみるのがよいだろう。

(参考) STUDY HACKER|【書評】『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』 ダイヤモンド社書籍オンライン|いつも途中で挫折する人は「グリット」の能力が欠けている!? ダイヤモンド社書籍オンライン|頑張ってるのに「なぜか二流」の人はこの性格が欠けている 日経ビジネスONLINE|グリット=努力・根性・忍耐・情熱を嗤うな(1) 茂木健一郎オフィシャルブログ|グリットの習慣化についての一つのヒント PRESIDENT Online|先天的才能が低くても成功する人が持つ「グリット」とは 日本の人事部|グリット 日本出版販売株式会社|ベストセラー一覧

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