ハッカソンとは
・ ハッカソンとは、「ハック(hack)」と「マラソン(marathon)」を組み合わせた造語。1日~数日間という期間をかけて、IT関連の技術者たちが、Webサービスやアプリケーションなどの企画・開発をめぐって技術やアイデアを競い合うイベントのことを指す。
・ 「ハック」という言葉は、物事の効率性を高めるためのコツというような意味で近年様々な分野で使われているが、元々はIT分野で使われていた言葉。その意味は、高い技術力を駆使してシステムを操ること。そして「マラソン」の意味するところは、耐久レース、長時間かけて競い合うこと。
・ ハッカソンは、1999年頃に誕生したと言われている。アメリカの旧Sun Microsystemsや、Google、Apple、Facebookなど、名だたるIT企業が相次いで開催するようになり、知名度が上昇した。
・ 日本では、2011年に東日本大震災の復興に向けた貢献活動のひとつとしてITコミュニティがハッカソンを開催。また、2013年には、個人向け情報管理サービスのエバーノート社が、トヨタ自動車の「未来の車に必要なシステム」をテーマにハッカソンを開催した。このころから、日本国内でもハッカソンが話題となり始め、2014年には全国に広まった。ヤフーやグーグルが定期的に社内ハッカソンを行うなどIT業界を中心に流行となっているが、近年では、IT以外の業界でもハッカソンが開催されている。参加者を広く募るハッカソンイベントもある。
ハッカソンの特徴、内容
・ ハッカソンの参加者は、エンジニア、デザイナー、プランナーなどのIT関連の人材。複数人でチームを組んで技術とアイデアを出し合いながら、1日から1週間程度の制限時間内に、ソフトウェアを共同開発する。チームは、事前にメンバーを決めてから参加する場合もあれば、当日抽選で決める場合もある。最後の発表会でもっとも良い成果として評価されたチームが優勝となる。
・ IT企業にとって、ハッカソンを開催する主な目的は、ユニークで革新的なアイデアを得る機会とするため。ハッカソンで出た優秀なアイデアが、実際に製品化されることもある。
・ また、参加者にとって、ハッカソンに参加することは成長するための良い機会であるとされる。例えば、社外の優秀な人との人脈を広げられること、出会った人同士でノウハウを共有し合えるので技術向上の場になること、社内では得られない新たな発想を得ることができること、最新の開発ツールに触れられること、などのメリットがある。
・ ハッカソンの参加者に問われるのは、短期集中の共同作業でいかに技術力をアピールできるか。ただし、技術力さえあればよいのではなく、発想力や、仲間とのコラボレーション、プレゼン能力なども必要となる。2013年1月にハッカソンイベントのプロデューサーを務めたNTTレゾナントの河村智司氏は次のように解説している。
「時間的、環境的な制約の多いハッカソンでは、ただプログラミングがうまいだけでは勝てません。新しい発想による企画力、それを形にする技術力、仲間同士のコミュニケーションから進行管理まで、サービス開発に必要なあらゆる能力が求められるんです。また、120秒程度の短いプレゼンを通じていかに聴衆を引き込むかが勝負の決め手なので、パフォーマンス力は特に重要ですね」
(引用元:R25|IT業界で流行「ハッカソン」とは)
ハッカソンの具体事例
・ ハッカソンの成果として知られるのが、Facebookの「いいね!」機能。これは、Facebook社内のハッカソンを通じて生まれたものである。また、今やSNSに不可欠のチャット機能やタイムラインの機能も、ハッカソンをきっかけに開発された。
・ 国内最大級のハッカソンイベントとしては、Yahoo! JAPANが主催する「Hack Day」が有名である。Yahoo! JAPANでは、社員のみのハッカソンのほか、社員に加え一般のIT技術者の参加を広く募ったり、大学と連携したりしたハッカソンイベントが行われている。
「この1日はみんなココに集まろうよ!」の思いを込め、ヤフーではHack Dayと呼んでおり、米Yahoo! Inc.では2005年から、Yahoo! JAPANでは2007年からスタート。1つの会場に毎回300人以上のクリエイターが集まる、日本最大級のハッカソンとなっています。
(引用元:Yahoo! JAPAN HACKDAY 2016)
・ 近年では、IT業界だけでなく、IT業界以外の大企業や、省庁、自治体などが主催するハッカソンも増えており、ジャンルも多彩化している。商品・市場開発にハッカソンを活かしている例には以下のようなものがある。
2016年4月には、IBM、読売新聞社、読売巨人軍などが、野球に関するビッグデータを活用して、“ファンが試合観戦やスタジアムの外で楽しめるアプリ”の開発を目指すハッカソンが開催され(た)
(引用元:リセマム|ハッカソンとは【ひとことで言うと?教育ICT用語】)
「お~いお茶」の伊藤園も今年(※)3月、米シリコンバレーで開いた。題して「茶ッカソン」。テーマは「サンフランシスコで甘い飲み物を飲む人の半分を甘みのない飲み物を飲む人にする方法」
(※今年とは2014年) (引用元:THE HUFFINGTON POST|ハッカソンとは?のらなきゃソン?企業が続々参入のワケ)
・ また、地域活性化、まちづくりにハッカソンを活用している例もある。2016年9月に島根県で、日本酒飲み歩きイベントの参加者向けスマートフォン用Webサイトの開発を目的としたハッカソンが行われた。このハッカソンの成果について、島根県職員が次のように説明している。
「島根県では約10年前からRubyを軸としたIT産業の振興、県外からのIT企業の誘致に取り組んでいる。今回のハッカソンは、ITと島根の日本酒をキーワードにした地域活性化の試みであり、開催は企画・運営・会場提供した県外からの進出IT企業メンバーの力によるところが大きく、IT企業誘致の成果の一つと言える。こうした取り組みが増えることで、県内産業に広く影響を及ぼすことを期待している」
(引用元:リセマム|学生×エンジニア×地域で産業活性化、スマホサイト開発のハッカソン)
(参考) R25|IT業界で流行「ハッカソン」とは リセマム|ハッカソンとは【ひとことで言うと?教育ICT用語】 Weblio辞書|ハッカソン コトバンク|ハッカソン Build INSIDER|ハッカソン/アイデアソンとは? その類型と特徴、開催事例 THE HUFFINGTON POST|ハッカソンとは?のらなきゃソン?企業が続々参入のワケ HRナビ|エンジニアがハッカソンで得られる4つメリットと参加のコツ STUDY HACKER|ハック リセマム|学生×エンジニア×地域で産業活性化、スマホサイト開発のハッカソン Yahoo! JAPAN HACKDAY 2016