トマチン

トマチンとは

・ トマチンとは、トマトに含まれるアルカロイドの一種。アルカロイドはニコチン、モルヒネ、コカインなども含み、『日本大百科全書』(小学館)では以下のように説明されている。

植物界に広く分布し、動物に対して特異な、しかも強い生理作用をもつ塩基性窒素を含んだ有機化合物の総称。

(引用元:コトバンク|アルカロイド

・ 2017年6月、トマトにはトマチンが含まれていることから「一度に多量のトマトを摂取すると成人でも死に至ることがあります。具体的には、トマトを1日に4トン食べると死にます」というツイートがTwitter上に投稿され、5万回以上リツイートされて話題となった。もっとも、トマトを4トンも食べることは現実的でないため、当該ツイートはジョークとして受け止められ、Twitter上では「トマト4トン食べないようにしないと」などと盛り上がった。

トマチンの危険性

・ トマチンは、トマトの花、葉、茎に多く含まれる。果実の部分もトマチンを含んでいるが、青い未熟な状態から赤い熟した状態に移行するにつれ、トマチンが減少していく。日本植物生理学会によれば、ある測定例における1kgあたりのトマチン含有量は以下の通りである。

花(1100 mg/kg) 葉(975 mg/kg) 茎(896 mg/kg) 未熟果実(465 mg/kg) 熟した青い果実(48 mg/kg) 完熟果実(0.4 mg/kg)

(引用元:日本植物生理学会|トマチン

・ 同じく日本植物生理学会によると、マウスの実験結果から推定したトマチンの人間に対する半致死量(※)は1,600mgである(※ある物質を投与された動物の半数が死に至る量)。これは完熟したトマト4トンに相当する。そのため、日本植物生理学会ではトマチンの危険性について以下のように説明されている。

毒性と生体機能活性は紙一重であり、最近では毒性よりもトマチンの抗腫瘍活性、LDLコレステロール低下効果など、逆に良い効果についての報告があります。 トマトに限らず、普通に食べている食品でも、毒性が全くゼロということはありません。そのため、特定の食品や成分だけを大量に摂取するとその毒性の面が顕著になるようになってきます。バランスよく食べることが大切ですね。

(引用元:同上)

トマチンの役割

・ 毒性のあるトマチンは、「トマトの生態防御機構」としての役割を果たしていると考えられている。『日本農芸化学会誌』に掲載された報告によると、花や葉にトマチンが多いのは、それらが「結実や光合成をつかさどる重要な器官」であり、「外敵から身を守るため」なのだという。

・ また、トマトの果実部分に含まれているトマチンの量が、成熟にしたがって減少することを、同報告は以下のように解釈している。

種子の成長過程には外敵から種子を保護するためにトマチンを多量に果実中に含んでいるが,種子が発芽可能になった時点で,動物がトマト果実を食料として摂取し,糞として種子をばらまけるようにトマチンを消失させることが推察される。

(引用元:J-STAGE|吸光度法によるトマチンの定量

(参考) 日本植物生理学会|トマチン J-STAGE|吸光度法によるトマチンの定量 奈良先端科学技術大学院大学|"青いトマト"に含まれる毒性成分をコントロールする遺伝子を発見 ~トマトやジャガイモの毒性成分の抑制に可能性~ コトバンク|アルカロイド 東京都健康安全研究センター|東京都多摩地域における食品の苦情事例(第3報*) FITDAY|What is Tomatine?

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