引っ越し難民とは

・ 引っ越し難民とは、引っ越しをしなければならないのに、引っ越し作業を引き受けてくれる業者が見つからず、引っ越しできない人。2018年2月に、3月下旬~4月上旬の引っ越しピーク時期における引っ越し業者の予約が埋まってしまい、引っ越し難民が大量に発生する可能性があると各メディアで報じられた。NHKニュースも、引っ越し難民が生まれる可能性について石井啓一・国土交通大臣が言及し、「引っ越し業者に対して計画的にドライバーや車両の確保に努めるよう働きかけたい」と発言したことを紹介した。

・ 公益社団法人・全日本トラック協会は、2017年12月に「分散引越にご協力をお願いします」というチラシを公式サイト上に掲載した。同協会によると、2018年は3月24日~4月8日にかけて特に引っ越し作業の依頼が集中する見込みだが、引っ越し業界における人手不足のため、消費者の希望日に引っ越しができない可能性があるという。同協会は消費者に対し、引っ越しの予約を早めにとったり、混雑時期を避けての「分散引越」を行ったりするよう推奨した。

・ 人手不足のため、2018年春の繁忙期に引っ越しを依頼されても断らざるをえない可能性を表明した企業もある。日本経済新聞の報道によると、アップル引越センターの文字放想社長は「今春は企業から依頼される引っ越しを100件以上断るかもしれない」と話した。また、アート引越センターの寺田政登副社長は「社員の働き方改善を考えると今春は断らないといけない案件が出るだろう」と述べたという。

引っ越し難民の発生が危惧される理由

・ 2018年春に引っ越し難民の発生が危惧されている理由のひとつは、上述のとおり、引っ越し業界における人手不足だ。日刊ゲンダイが一般社団法人・東京都トラック協会に取材したところ、2017年にヤマト運輸と佐川急便がドライバーの待遇を改善したことが影響した可能性があるという。前述の文字社長によれば、アップル引っ越しセンターでもドライバーの1割が宅配業界に転職した。また、学生が力仕事を敬遠するようになり、アルバイトの引っ越し作業員も集まりにくいとのこと。

・ 引っ越しの繁忙期に人手が足りず、引っ越し難民が生まれてしまうそもそもの原因は、3月から4月にかけて、大学進学や就職・転勤にともなう引っ越しが集中しているためだといえる。国立大学における入学試験の結果発表は、前期日程は3月上旬に、後期日程は3月下旬に行われることがほとんどだ。そのため、入学試験の結果発表後に引っ越しの依頼が集中する。また、採用コンサルティングなどを手がけるポート株式会社によると、公務員の転勤が最も多いのも4月だという。

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引っ越し難民になってしまったら

・ 大学進学や転勤にともなう転居が必要な場合、引っ越しが決まってから、新たな場所での生活が始まるまで時間的余裕がないことが珍しくないため、どうしても所定の時期に引っ越し業者を確保できず、引っ越し難民になってしまう可能性がある。そのような状況でも、大学や企業での新生活に間に合うよう、手立てを講じなければならない。そのひとつが、引っ越し業者を利用せずに自身で、もしくは友人・知人に依頼して荷物を運ぶことだ。軽トラックを借りて自身もしくは友人・知人が運転する手段があるほか、小さな荷物は宅配で送り、家電製品や家具は新たに購入して新居まで配達を依頼することもできる。

・ 引っ越し費用の見積もりサイト「SUUMO引越し」は、引っ越し業者を手配できない緊急時の対処として、トランクルームの利用を提案している。トランクルームとは、荷物を一時的に預かる大型倉庫のこと。前の住居を退去したあと、次の住居に引っ越せるまで、家財道具を置いておくことができる。利用料金について、東京23区では約0.5畳でひと月5,000円以上。地方では月2,000円代で借りられることもあるという。

(参考)
全日本トラック協会|平成30年 引越繁忙期 ~分散引越にご協力をお願いします~
NHKオンライン|人手不足で引っ越しピンチ! 国交相が業界に働きかけへ
西日本新聞|引っ越し難民、春に続出? 物流業の人手不足深刻 新生活スタートに思わぬ試練
日刊ゲンダイDIGITAL|引っ越し難民が大量発生? 人手不足の深刻化に業界三重苦
日本経済新聞 電子版|引っ越し「難民」が大量発生か 人材不足で今春
【SUUMO引越し】見積もり比較サイト|引越しの荷物預かりはトランクルームを活用
キャリアパーク|転勤や異動が一般的に最も多い時期【月・年別】