インプットホリデーとは

・ インプットホリデーとは、大手広告代理店の電通が2018年6月から試験的に導入する法定外休暇。「毎月第二週もしくは第三週の水曜日もしくは金曜日」に、全社が一斉に休暇を取得するという。インプットホリデーの導入が2018年4月16日に発表されると、新入社員が2015年に過労自殺した報道で知られる電通の労働環境改革として、インターネット上で注目を浴びた。

・ インプットホリデーは、電通が2017年に始めた労働環境改革のもとで導入される、新たな施策のひとつ。「社員一人ひとりが自らの成長を実感できる労働環境の実現」を目的とした、「社員が休みやすい環境づくりの一環」だという。電通によると、インプットホリデーには以下のような意図が込められている。

この日はコンディションを整えたり、自己啓発に打ち込むなどして、より良いアウトプットのために自分にインプットする日とします。休むことが社員個人にとっても、その家族にとっても、顧客や当社にとってもプラスになる環境の醸成を目指します。
また当社は、今回の試験導入を含めた施策の効果を勘案しながら、引き続き適切な休暇制度のあり方を検討していきます。

(引用元:電通|当社が推進する労働環境改革の新たな施策について

インプットホリデー導入の背景

・ インプットホリデーの導入を含む電通の労働環境改革がスタートしたきっかけは、2015年に同社の新入社員が過労自殺し、翌16年に自殺が労働災害として認定されたことである。同年、電通は「二度と過労死等を生まず、当社で働く社員が健全な心身を保ち続け、一人ひとりの社員が自己の成長を実現・実感できる労働環境づくり」を目指し、社長・副社長・執行役員によって構成される「電通労働環境改革本部」を立ち上げた。

・ 電通によると、労働環境改革本部が中心となって推進している改革の特徴は、以下の3つ。インプットホリデーの導入には、「社員の成長」という点において、特に第1の特徴が強く表れているとみられる。

1. 労働時間短縮と業務品質向上を両立させ、社員が自己の成長を実感できるようにする。
2. 労務管理、オフィス環境、人事・評価制度など多岐にわたる改善を行う。
3. 社員の働き方を抜本的に変え、「新しい電通」を創る。

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インプットホリデーをめぐる意見

・ 4月16日、電通のインプットホリデー導入を報じる「ITmedia NEWS」の記事「電通、月1回の平日休業 全社で6月から試験導入」がYahoo!ニュースによって配信されると、2日間で1,000件以上ものコメントが寄せられたが、大半は批判的・懐疑的なものだった。多かったのは、休日を増やすよりもパワハラ・セクハラを撲滅するべきという意見だ。2015年に過労自殺した新入社員の遺族側弁護士によると、同社員は長時間の残業を強いられていたほか、上司から悪質なパワハラ・セクハラを受けていたという。そのため、「パワハラという最大の問題は野放しですか」「パワハラセクハラの再発防止はまとまってるの?」など指摘する人が多かった。

・ インプットホリデーの導入に対してYahoo!ニュースに寄せられた肯定的なコメントとしては、「役所や銀行などに行かないといけない用事がある人にとっては良い事」というものがあった。また、「きっかけはどうであれ、大手がこういう取り組みしてくれるのはいい」「トライアンドエラーを繰り返しながらも着実に進めて行くのは大事」など、労働環境を改善しようという態度を評価する人もいた。一方、Twitter上では「うちの会社もインプットホリデー欲しい」のように、Yahoo!ニュースと比較して好意的な反応が目立った。

(参考)
電通|当社が推進する労働環境改革の新たな施策について
電通|当社が推進する労働環境改革について
電通|電通、本日付で「電通労働環境改革本部」を発足
Yahoo!ニュース|電通、月1回の平日休業 全社で6月から試験導入
弁護士ドットコム|「過重労働を課した上司の不起訴、納得できない」高橋まつりさん母、検察審査会に申し立て…電通過労自殺
Twitter|インプットホリデー