公道カートとは

・ 公道カートとは、一般道を走行する小型の四輪自動車。または、それをレンタルするサービス。一般の自動車とは異なる爽快感を味わえるなどとして、インバウンドを中心に人気を博している。その一方、道路交通法などによる規制が不十分で危険だという指摘が多く、東京オリンピックが開催される2020年を前に、対策が検討されている。

・ 公道カートのなかでは、インバウンド向けに観光ツアーを提供する「マリカー」が知られている。「マリカー」は都内と大阪で4店舗を展開しており、ほかに「公道カート」や「侍カート」という名称の系列店舗を加えれば、全国で計10店舗。「マリカー」のツアーは店舗ごとにルートが異なり、秋葉原1号店におけるルートのひとつは、店舗から出発して東京駅、銀座、上野、浅草、東京スカイツリーをめぐるものだ。スピーカーやカメラの有料レンタルや、コスチュームの販売も行っている。公式サイトによると、使用するカートは、全長2,080mm、重量95kg、最高速度は時速60km。日本の運転免許証や国際免許証を持っていれば運転できる。

公道カートの人気

・ 「マリカー」公式サイトに掲載されているユーザーコメントには、「人生で最も面白かったことのひとつ」「どんなに面白かったか言葉にできない」など、絶賛の声があふれている。「歩行者たちがいつも驚いていた」「通りにいる人たちから、好意的な反応をたくさんもらった」などの体験談からもわかるように、周囲の人から大きな注目を浴びられることが人気の理由のひとつだといえる。

・ ゴーカートの情報サイトを運営しているスパイシーソフト株式会社は2014年、社員による公道カートの体験を自社のブログで紹介した。それによると、車高が低く、目と地面のあいだの距離が近いため、実際の速度よりも1.5倍ほど速く感じる「スピード感」があるという。また、路面から受ける振動を直接的に感じるが、不快ではなく、バイクのような感覚が得られるとのこと。

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公道カートに対する懸念

・ 公道カートは高い人気を誇る一方、主に安全性の面から多くの批判や懸念が生じている。テレビ番組『NHKニュースおはよう日本』は2017年5月、公道カートをトピックとして取り上げた。それによれば、公道カートの運転者が、赤信号を無視したり対向車線にはみ出したりといった問題行動をとっているという。また、公道カートに乗った外国人が交差点で曲がりきれず、歩道に乗り上げて建物に衝突したという事故も紹介された。

・ 『おはよう日本』によると、道路運送車両法において「排気量が50cc以下の小型カート」は原動機付自転車とみなされるため、運転者にシートベルトの着用義務はない。また、道路交通法はタイヤを4つ持つ車両を自動車とみなすため、ヘルメットの着用義務もないのである。

・ そこで国土交通省は、公道カートによる複数の事故が発生している状況を踏まえ、2018年4月27日、「三輪又は四輪の原動機付自転車」を対象に保安基準などを改正することを発表した。これにより対象車両は、近くを走行する車両からよく見えるよう、「地上から1m 以上の高さにおいて、前後・左右から見ても一定の面積が視認できる」部品や、シートベルトなどの取りつけなどが義務化された。

(参考)
マリカー 秋葉原
NHKニュース|人気の「公道カート」 運転の実態は?
スパイシーソフト株式会社|公道を走れるカート「X-Kart」で三田を爆走した話(後編)
国土交通省|報道発表資料:公道を走行するカートの安全基準を強化します