匂わせSNSとは
・ 「匂わせSNS」とは、交際相手がいたり高価な物品を所持していたりといったことを明言せず、写真でほのめかす(匂わせる)ことにより、「遠回しな自慢」として一部の人から反感を買う可能性があるSNSへの投稿。SNSが人々の生活に浸透している一方、SNSによってストレスを感じている人も少なからずおり、特に「匂わせSNS」への批判が強まっているといわれている。
・ 「匂わせSNS」として反感を買う可能性がある投稿には、以下のような例がある。いずれの場合も、「交際相手がいる」「新しい腕時計を買った」などと明言せず、さりげなくアピールしている点が特徴。
- 写真に異性向けの小物を写り込ませ、交際相手の存在をアピール。 - ムードのある場所の写真に、ほのめかす文を添え、デート中であることをアピール。 - 写真に高級ワインを写り込ませ、高級店で外食していることをアピール。 - 写真に高級な腕時計や自動車を写り込ませ、高級品を持っていることをアピール。
「匂わせSNS」が生じる背景
・ 『薄っぺらいのに自信満々な人』(日本経済新聞出版社、2015年)『他人を引きずりおろすのに必死な人』(SBクリエイティブ、2016年)など多数の著書を持つ心理学者の榎本博明氏によれば、「匂わせSNS」を過剰に投稿する人ほど「劣等コンプレックス」が強いという。劣等コンプレックスとは、劣等感が原因で生じる、自分をよく見せようとする心の状態。つまり、「自分が他者に対して優越しているのを見せつけるように振る舞う人」ほど劣等感が強いといえる。
・ 一方、自慢する意図のない投稿を「匂わせSNS」だと受け取り、反感を覚えてしまう人もいる。榎本氏によると、「相手には何の悪意も落ち度もないのに、勝手に妬んで攻撃的になる」ことには、「投影」という深層心理メカニズムが働いているのだという。
投影というのは、たとえば、自分が相手を妬み、自分がそういう醜い気持ちになっていることを認めたくないとき、それが相手に投影されて、相手が醜い気持ちを持っていると思い込む心理メカニズムのことである。(中略) この心理メカニズムには2つのメリットがある。ひとつは、自分自身の醜い攻撃的な気持ちを認めずにすむことである。もうひとつは、相手が醜い気持ちを持っていると非難することで、一見正当な理由のもとに相手に対する攻撃衝動を発散できることである。
(引用元:週刊女性PRIME|なんかハナにつく! 他人の「匂わせ」に過敏反応してしまう人の心理構造)
「匂わせSNS」をめぐる反応
・ 「ORICON NEWS」の記事「『匂わせSNS』はなぜ嫌われる? 芸能界も炎上のリスク不可避に」がYahoo!ニュースで配信されると、およそ一日で500件以上のコメントが寄せられた。「匂わせるくらいなら堂々と二人で写ってる写真載せた方がいい」「匂わせは嫌になる」など、「匂わせSNS」に対し批判的な意見が見られる。
・ 一方、「そういう投稿よく見るけど、全く気にならない」「凄いなあと思うくらいで何にも気にならない」のように、「匂わせSNS」に対して不快感を抱かないという人は多い。また、「いちいち反応する方がどうかしている」「見る側の劣等感もある」など、「匂わせSNS」を見て反感を覚える側に問題があると述べる人もいる。
(参考) ORICON NEWS|『匂わせSNS』はなぜ嫌われる? 芸能界も炎上のリスク不可避に Yahoo!ニュース|『匂わせSNS』はなぜ嫌われる? 芸能界も炎上のリスク不可避に 週刊女性PRIME|なんかハナにつく! 他人の「匂わせ」に過敏反応してしまう人の心理構造 ロケットニュース24|【SNSで要注意】実は結構嫌われる『匂わせ投稿』6選!! 「高級品」や「自分のがんばり」などを匂わせるとヤバい! コトバンク|劣等コンプレックス