大人の塗り絵

大人の塗り絵とは

・ 大人の塗り絵とは、大人が塗ることを前提に作られた塗り絵。子どもの塗り絵のように単純なものではなく、草花、動物、名画、童話や映画のキャラクター、美しい風景など、細密な下絵が描かれている。

・ 近年、大人の塗り絵がブームとなっており、書店には専用の書棚が設けられるほど数多くの種類が販売されている。大人の塗り絵の関連書籍は300~400種類程度あるとされ、色鉛筆もこれまでにない売れ行き。主な支持者層は20~40歳代の女性であるが、シニア層まで幅広い人々が大人の塗り絵を実践している。

・ 大人の塗り絵は、フランス語で「塗り絵」の意味の「コロリアージュ」とも呼ばれ、女性たちの間で注目のキーワードとなっている。繊細な絵柄の塗り絵は、完成するとカラフルで見栄えがとても良く、Instagramにも大人の塗り絵を塗り上げた画像が多数投稿されている。→Instagram|#大人の塗り絵

・ 大人の塗り絵は、日本だけでなく海外でもブームとなっている。例えばアメリカでは現在、1960年代に続く2回目の大人の塗り絵ブームが来ている。

大人の塗り絵の流行の経緯

・ 現在の大人の塗り絵ブームは2013年頃から始まったものであるが、それ以前に、第1次大人の塗り絵ブームがあった。そのブームの草分けは、河出書房新社が2005年に刊行を開始した『大人の塗り絵』シリーズである。

・ 『大人の塗り絵』シリーズは当初、シニア層向けの脳トレ目的で作られたものだったが、フランスの画家による植物画を塗り絵にしたところ、出版直後から人気が出た。その後は以下のような経緯で人気を博し続け、現在ではシリーズ約150種類、販売部数は総計600万部を突破している(2016年9月時点)。

10年前から「脳トレ」の一環として特に高齢者に人気がありましたが、昨年(2015年)7月に、日本認知症予防学会会長が認知症予防に効果があるとテレビで紹介したこと、また、フランスやアメリカなど海外でもアンチストレスに効果があると人気が広がっているとの報道があり需要が急増しました。また、フィギュアスケート選手の浅田真央さんが「マイブームは大人の塗り絵」と発言したことでさらに広く認知されました。

(カッコ内は編集部にて追記した) (引用元:PRTIMES|異例のベストセラー! 「大人の塗り絵」シリーズ 総計600万部突破

・ 第1次大人の塗り絵ブームから約10年が経過し、第2次大人の塗り絵ブームが到来した。第2次ブームの火付け役となったのは、2013年にグラフィック社が出版した塗り絵集『ひみつの花園』。絵柄は様々な形の草花や動物、昆虫など自然をモチーフにしている。『ひみつの花園』はイギリス発の塗り絵集で、これまでに世界44か国で累計2,000万部を発行した。

・ 第2次ブームを受け、第1次ブームを生み出した『大人の塗り絵』シリーズも売り上げを伸ばし、2015年12月から2016年9月までの間で前年同期比約2.5倍もの売り上げを記録した。これ以外にも毎月のように新刊が発売され、大人の塗り絵ブームは衰える気配がなく、一例として紀伊国屋書店新宿本店では月に500冊は売れるほどの人気ぶりである(2016年7月時点)。

大人の塗り絵が人気となっている理由

・ 大人の塗り絵は、丁寧に塗り上げれば、誰でも綺麗にアート作品を完成させることができる。この点にブームの要因があると見られており、『大人の塗り絵』シリーズ編集長の竹下純子氏は次のように分析している。

「下絵があるから輪郭などの線を引かなくて済み、手軽さの割に完成時の達成感は大きい。色の選択次第で雰囲気ががらりと変わり、芸術家になれたような感覚を味わえるからでは」

(引用元:YOMIURI ONLINE|塗り絵 手軽に画家気分…大人向け人気

・ また、塗り絵にはリラックス効果やストレス解消効果、脳を活性化する効果があることから、大人の塗り絵はアートセラピーとしても注目されている。大人の塗り絵は単なる娯楽を越えた効用が期待できることから、脳を活性化したり心を整えたりすることをうたった塗り絵本も多く登場している。

・ 『自律神経を整えるぬり絵』(2015年、アスコム)を監修した順天堂大医学部の小林弘幸教授は、

「塗り絵に没頭することで呼吸が整い、副交感神経の動きが高まりリラックスできる。自然とストレスや不安を解消できるのでおすすめ」

(引用元:毎日新聞|大人の塗り絵 ブーム衰えず

と述べている。また、『脳をリフレッシュする大人のぬりえ』(2005年、きこ書房)の著者である杏林大学医学部の古賀良彦教授は、次のように解説する。

「ぬりえをする思考、動作のひとつひとつが脳を効率的に刺激していきます。原画をよく見て、記憶する。どの色でどこの箇所を塗るか、構成を考える。実際に色鉛筆を持ち、塗っていく。完成した作品を友達に見せたり、SNSに公開することでコミュニケーションをとる。この一連の行動は、目で見る(後頭葉)、記憶する(側頭葉)、配置を考える(頭頂葉)、情報を統合して動作の指令を出す(前頭連合野)、手を動かす(運動野)、会話する(聴覚野・言語野)と脳全体を使っていることになり、結果的に脳を活性化することになるのです」

(引用元:PRESIDENT online|大流行「大人のぬりえ」の癒やし効果

(参考) NIKKEI STYLE|大人の塗り絵でリラックス? 30分集中、ストレス解消 東京新聞|大人の塗り絵 絵になる人気 YOMIURI ONLINE|塗り絵 手軽に画家気分…大人向け人気 毎日新聞|大人の塗り絵 ブーム衰えず PRESIDENT online|大流行「大人のぬりえ」の癒やし効果 AFP BB NEWS|米国で大人の塗り絵本が大人気、ストレス解消にも CNN.co.jp|大人向けの塗り絵が流行 人気の背景は PRTIMES|異例のベストセラー! 「大人の塗り絵」シリーズ 総計600万部突破 wootopi|塗り絵ブームにわくヨーロッパ 筆記具メーカーも売り上げアップ

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