リバーピープル

リバーピープルとは

・ リバーピープルとは、自分にとって非常に興味深い分野(川)を見つけ、それを川の流れに乗るように夢中でやりつづけることによって成功する人々。リバーピープルは結果よりも過程を楽しむことを重視するため、必ずしも目標の設定・達成を重視しない。

・ リバーピープルと対照的なのが「ゴールピープル」である。ゴールピープルは過程よりも結果を重視するため、目標を立て、努力して達成し、また次の目標を立てるというサイクルを繰り返す。

・ 成功する人間のタイプとして“the river”と“the goal”を提唱したのは、自己啓発に関するオーディオブックやセミナーを手がける米ナイチンゲール・コナント社の創業者の一人、アール・ナイチンゲール(1921-1989)氏である。ナイチンゲール氏は、オーディオブック“The Essence of Success”(『成功の秘訣』)において、リバーピープルとゴールピープルは異なるやり方で成功すると話した。

・ リバーピープル・ゴールピープルという言葉を日本に紹介したのは、企業コンサルティングを手がける株式会社リンクアンドモチベーションの代表取締役会長・小笹芳央氏である。小笹氏は著書『なぜか評価されないあなたへ 心に刺さる耳の痛い話』(日経BP社、2013年)において、リバーピープルとゴールピープルの長所・短所を語った。自己啓発に関心をもつブロガーたちがこの本を自身のブログで紹介することによって、リバーピープル・ゴールピープルという言葉は広まりつつある。

リバーピープルとゴールピープル

・ リバーピープルとゴールピープルには、以下のような違いがある。

リバーピープルの特徴: - 結果よりも過程を重視する。 - 興味のある分野(川)を、たいてい人生の初期に見つけ、ひたすらそれに打ち込む。 - 好きなことをライフワークにし、生涯楽しんでやりつづけた結果として成功を収める。 - 仕事が楽しくて仕方がないため、生活の大半の時間を費やしても苦にならない。 - ビジネスだけでなく、学問や芸術の領域にも多くみられる。

ゴールピープルの特徴: - 過程よりも結果を重視する。 - 必ずしも特定の「川」を見つけず、いろいろなことを楽しむ。 - 成功するために絶えず目標(ゴール)を設定しつづけ、苦しくても努力する。 - 常に目標という未来を意識しているため、現在を楽しむことができない。 - ビジネスや勉強のように数字が重視される領域に多く存在する。

・ 2016年にノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典・東京工業大学栄誉教授は、リバーピープルとして成功した例だといえる。大隈教授は受賞会見で「サイエンスはどこに向かっているのか分からないが楽しい」と話し、短期的な成果が出にくい基礎科学を研究しつづけることの重要性を強調した。

リバーピープルとゴールピープルへの印象

・ 自己啓発の世界において、目標を設定・達成して成功体験を積むことにより自信をつけるという手法は珍しくない。また、目標を達成するごとにハードルをどんどん高くしていけば、いつしか困難な課題もクリアできるようになるという考え方もある。そのため、成功者といえばゴールピープルをイメージする人は少なくないだろう。

・ しかし、ゴールにたどり着いたと思ったら、またすぐに次のゴールへと走り出す生き方に疲れてしまう人もいる。人材教育コンサルタントをてがけるキャリア・ポートレート コンサルティング代表の村山昇氏は、これを「目標疲れ」と呼び、以下のように解説している。

「目標疲れ」とは、毎期毎期、個人に課される数値目標、担当部署が掲げる数値目標を達成せよというプレッシャーに疲れることです。確かに、目標どおりに結果が出れば、達成感があってうれしいですし、その努力は給料にも反映されることでしょう。ですが、昨今の経済は必ずしも右肩上がりではなくなり、単純に対前年何パーセント増という目標を立てて結果を出すことが難しくなっています。加えて、多くの会社が成果主義制度の導入に踏み切ったことで、「結果を出さなければ」の精神的負荷はますます一人一人の社員に増しています。

(引用元:Insight NOW|「成果主義」の時代を生きるために

・ 仕事でも勉強でも、プロジェクトや試験などにおいて短期目標を設定する場面は多い。目標を設定することでモチベーションが向上する場合もあるが、次々と迫りくるハードルを越えつづけていると疲れてしまう。そのため、成功するには必ずしもゴールピープルになる必要はない。目の前のやるべきことを楽しみ、楽しんだ結果として成功するリバーピープルの姿勢を採り入れることにより、新たな気持ちで課題に取り組むことができるだろう。

(参考) Nightingale Conant|The River or the Goal 株式会社リンクアンドモチベーション|役員紹介 Nikkei BPnet|電子書籍セレクト:「デキる人材」になるための耳が痛い話~『なぜか評価されないあなたへ 心に刺さる耳の痛い話』 ダイヤモンド社書籍オンライン|結果を出す人が目標を設定しない理由 Insight NOW|「成果主義」の時代を生きるために 日経ビジネスONLINE|増えない稼ぎ、「消費増で経済成長」の意味不明 ハフィントンポスト|「社会がゆとりを持って基礎科学を見守って」ノーベル賞の大隅良典さんは受賞会見で繰り返し訴えた

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