今さら聞けない! 「労働生産性」の基礎知識まとめ

「生産量/投入した労働量」で計算。「労働生産性」とは

・ 労働生産性とは、「生産量/投入した労働量」の式で計算する、経済的成果の指標。労働生産性が高いほど労働の効率がよいとされる。2018年12月、公益財団法人・日本生産性本部が「労働生産性の国際比較 2018」を公開し、2017年における日本の労働生産性が、前年に続き主要7カ国中で最低だったと結論づけた。

・ 日本生産性本部は1981年以来、36カ国で構成される経済協力開発機構(OECD)や、国際連合の専門機関である国際銀行などのデータをもとに、各国の労働生産性を年ごとに算出してきた。2017年を対象にした調査において、日本の「時間当たり労働生産性」は47.5ドルで、「1人当たり労働生産性」は84,027ドル。いずれもOECD加盟国の平均より低く、主要7カ国のなかで最下位だった。なお日本生産性本部は、「GDP/就業者数(もしくは就業者数×労働時間)」の式によって労働生産性を導き出している。

労働生産性第1位はアイルランド! その理由は?

・ 2017年を対象にした調査で、「時間当たり労働生産性」においても「1人当たり労働生産性」においても第1位を獲得したのは、前年と同じくアイルランド(それぞれ97.5ドル、164,795ドル)だった。同国が突出した理由を、日本生産性本部は「法人税率の低さ」だと分析した。

アイルランドの労働生産性水準は1980年代くらいまで日本と大きく変わらなかったが、1990年代後半あたりから法人税率などを低く抑えることで米国の多国籍企業を中心に欧州本部・本社機能をアイルランドに相次いで呼び込むことに成功し、高水準の経済成長と労働生産性の上昇を実現した。こうした動きは近年国際的にも厳しい視線にさらされており、今後も高い労働生産性水準を維持できるかには不透明感が漂うものの、1998年から2018年までの20年間でアイルランドは労働生産性水準を名目ベースで2.7倍にまで引き上げており、主要国の中でも突出した上昇幅になっていることは注目に値するだろう。

(太字による強調は編集部が施した) (引用元:日本生産性本部|労働生産性の国際比較 2018

・ 一方、日本の労働生産性が他国と比べて低いとされる背景には、GDPの伸びが控えめなことが挙げられる。国際統計情報の配信を手がけるグローバルノート株式会社によると、2017年における日本の実質GDP成長率は前年比で1.74%。193カ国中第147位で、主要7カ国中では第5位に留まった。日本生産性本部が算出する労働生産性は、就業者数や労働時間を分母、GDPを分子としているため、労働生産性を向上させるには人手を減らして労働時間を短くするだけでなく、より多くの付加価値を生み出す必要がある。同団体は、「業務効率改善」を分母、「付加価値拡大」を分子とし、他の先進国との「生産性格差」を縮めるにはAIの活用をはじめとした「イノベーション」が重要だと分析している。

労働生産性を向上させるにはどうすればいい?

・ 近年、労働生産性という言葉は、政府だけでなく一般企業の現場でも使われている。2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞」に「働き方改革」がノミネートされたり、「ジタハラ」が問題視されたりしたことは、多くの国民が労働生産性という言葉や概念を意識していることを反映したものだ。日本生産性本部は、労働生産性の向上が必要な理由を以下のように説明している。

国民1人当たりGDPによって表される「経済的豊かさ」を実現するには、より少ない労力で多くの経済的な成果を生み出すことが欠かせない。それを定量的に数値化した指標の1つが労働生産性である。日本のように中長期的に就業者数の増加や就業率の改善が期待できなくなっても、労働生産性の向上でカバーできれば、国民1人当たりGDPは上昇する。だからこそ、持続的な経済成長や経済的な豊かさを実現するには、労働生産性の上昇が重要だということになる。

(太字による強調は編集部が施した) (引用元:同上)

・ 労働生産性を向上させるためには、AIの活用や残業の禁止など企業全体で導入すべき方策もあるが、労働者個人でもできることはある。より短い時間で同じだけの成果を上げれば、労働生産性を導く式「生産量/投入した労働量」における分母が減るからだ。「Study Hacker」でも、以下をはじめとしたコラムにおいて、労働生産性を高めるための心構えや具体的な方法が紹介されている。

- 「生産性の低すぎる人」が絶対に知らない、4つの超効率的仕事術。 - 生産性が高い人に共通する6つの行動と、生産性を高めるための6つのヒント - 仕事の質=睡眠の質。日中の生産性を爆上げするための「睡眠習慣」3箇条。

(参考) 日本生産性本部|労働生産性の国際比較 2017 年版 日本生産性本部|労働生産性の国際比較 2018 コトバンク|労働生産性 Global Note|世界の実質GDP成長率 国別ランキング・推移(IMF) 自由国民社|第34回 2017年 授賞語

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