社会人基礎力とは

・ 社会人基礎力とは、経済産業省が2006年から提唱している、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」。学校教育などで身につけた基礎学力および専門知識をうまく活用して仕事を遂行するには、社会人基礎力が必要なのだという。2018年3月26日に同省が主催して東京都で開催するシンポジウム「人生100年時代の社会人基礎力」(仮称)に、人気YouTuber・ヒカル氏が登壇すると発表され、話題になっている。

・ 経済産業省は、医療の発達などによって寿命が伸び100歳まで生きることが一般的となる「人生100年時代」を念頭に置いて、社会人基礎力を「人生100年時代の社会人基礎力」(仮称)と再定義した。この新たな社会人基礎力について多くの人に考えさせることが、シンポジウム開催の目的だ。およそ200名の参加者を前に、パネルディスカッションやワークショップが行われる。ヒカル氏は、パネルディスカッションのパネリストとして、またワークショップ「自分らしい社会人基礎力を考える」の講師として関与する予定。同氏のワークショップは主に高校生が対象だという。

社会人基礎力を構成する要素

・ 社会人基礎力とは「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」という3つの能力である。そして、それぞれの能力は、計12の能力要素によって以下のように構成されている。

・ 前に踏み出す力:
 - 主体性
 - 働きかけ力
 - 実行力

・ 考え抜く力:
 - 課題発見力
 - 計画力
 - 創造力

・ チームで働く力:
 - 発信力
 - 傾聴力
 - 柔軟性
 - 状況把握力
 - 規律性
 - ストレスコントロール力

・ 経済産業省によると、社会人基礎力を定義した背景には、「グローバル競争の激化やIT化の進展」がある。これらの変化にともない、企業が若手に求めている業務が高度になっているため、「持てる知識を社会で十分に発揮するための基礎的な能力」が必要なのだという。しかし、「家庭や地域社会の教育力が低下」しており、そのような能力を自然に育成する機会が減少していることから、経済産業省は社会人基礎力を定義し、大学を中心として社会人基礎力の育成を推進しはじめた。2008年から毎年、同省は「社会人基礎力育成グランプリ」を開催しており、大学のゼミや実習を通じて社会人基礎力が成長したとする学生のチームを募集している。

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社会人基礎力の測り方

・ 社会人基礎力を測るには、複数の企業が提供している診断テストを受けるという方法がある。東洋英和女学院大学は2010年、日本経済新聞社の子会社で人材紹介を手がける株式会社日経HRの診断テストを1~3年生に実施した。診断結果は学生に渡され、結果をもとにキャリアコンサルタントによるカウンセリングが行われたという。

・ 日経HRの診断テストは、「社会人基礎力のある考え方や行動とはどんなものかを学生に気づいてもらう」ことを目的として掲げている。診断結果には12の能力要素ごとの得点および偏差値が記載され、社会人基礎力の伸ばし方や向いている職種などが提案される。大学1・2年生向けとして、学生生活を通し社会人基礎力をいかに育てるかを解説したテキスト「学就BOOK」も合わせて販売される。

・ 厚生労働省は、社会人基礎力のレベル別評価基準を公開している。それによると、12の能力要素について「発揮できなかった」がレベル1、「通常の状況では発揮できた」がレベル2、「通常の状況で効果的に発揮できた」がレベル3だ。各レベルの例としては、主体性のレベル1が「先生や先輩から指示がないと動けず、(中略)自発的に提案したり工夫を加えたりすることができなかった」、レベル2が「積極的に取り組んだとは思うが、がんばりすぎてかえって空回りすることがあった」、レベル3が「自分から進んで課題のリストを作り、皆に配布して仕事を分担して進めた」といった具合である。

(参考)
経済産業省|社会人基礎力
経済産業省|「今日から始める 社会人基礎力の育成と評価」
経済産業省|平成25年度産業経済研究委託事業 「社会人基礎力育成の好事例の普及に関する調査」報告書
経済産業省|「人生100年時代の社会人基礎力」シンポジウム(仮称)を開催します~自らのキャリアを考え直す、一般参加型実践イベントを開催します~
PR TIMES|YouTuberヒカルがキャリアを考える経済産業省の「人生100年時代の社会人基礎力」シンポジウムに登壇!
東洋英和女学院大学|社会人基礎力診断テストの実施
日経HR|社会人基礎力診断