ストロングゼロ文学とは

・ ストロングゼロ文学とは、蒸留酒の製造を手がけるサントリースピリッツが販売する「-196℃ ストロングゼロ」から連想し、Twitter上に掲載される文学的文章。2017年12月、「#ストロングゼロ文学」というハッシュタグを使い、「ストロングゼロ」を登場させた文学作品のパロディやオリジナルの短い小説をTwitter上に投稿することが流行した。「#ストロングゼロ文学」は、12月7日・8日・27日・28日にTwitterのトレンドに入った。

・ Twitter上でストロングゼロ文学が12月上旬に流行したあと、同月下旬に再び盛り上がったことには、NHKの『ニュースウォッチ9』が影響している。27日に放送された同番組は、若者を中心とした「ストロングゼロ」の人気を特集し、ストロングゼロ文学も紹介した。

ストロングゼロ文学への解釈

・ 上記の『ニュースウォッチ9』に登場した詩人・社会学者の水無田気流教授(國學院大學)は、ストロングゼロ文学について以下のような見解を示した。

ある意味では、ダメな自分を客観的に認めてもらう自己確認の表現。
ネガティブな、ちょっとした不安やストレスを吐き出せる、いいツールになっている。
不安や孤独を吐露することによって、共感してくれる人がいることへの安心感。
誰かに読まれて、見られて、反応してもらわないと自分が存在していないかのような、そういう新しいタイプの孤独感を抱える人たちは増えていると思う。

(引用元:NHK|“#ストロングゼロ文学”?

・ 水無田教授が指摘した「孤独感」や「不安」が表れているストロングゼロ文学には、「やがて捨てられるストロングゼロを見て、自分と重ね合わせたりしていたっけ」や「朝起きた俺は言い様のない頭痛を感じた。昨日はただ酒を飲んだだけだ」などの作品がある。医療を中心とした執筆活動を行うライターの石田雅彦氏も、ストロングゼロ文学をTwitter上に投稿する人物像について「『ゼロ』にからめて『虚無』や『孤独』といったネガティブな状況を揶揄的自虐的に楽しんでいる」「通勤時間も含めて職場で強いストレスにさらされている社会人」だと推測した。

・ しかしTwitter上では、ストロングゼロ文学には投稿者の抱える不安が表れているという上記のような見解に反発し、ストロングゼロ文学は「ただのお遊び」「大喜利みたいな感じ」だと主張する声が少なくない。実際、数百件や数千件の「いいね」を獲得したストロングゼロ文学は、太宰治の『走れメロス』やアンデルセンの『マッチ売りの少女』など、著名な文学作品のパロディがほとんどだった。

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「ストロングゼロ」人気の背景

・ Twitter上でストロングゼロ文学が誕生し、流行した背景には、「-196℃ ストロングゼロ」の強い人気がある。同シリーズには10種類以上のフレーバーがあり、2018年2月27日に「-196℃ ストロングゼロ〈まるごとキウイ〉」(350ml、希望小売価格税抜141円)が新発売予定。サントリースピリッツの発表によると、「ストロングゼロ」の売上は、2017年1~11月に対前年比で114%だったという。

・ 「ストロングゼロ」の特徴のひとつは、9%という高いアルコール度数だ。上述の『ニュースウォッチ9』では、「弱いのいっぱい飲むよりは、強いの1本飲んで、ちょっと酔ったくらいが安い」「仕事の疲れ、ストレスが吹き飛ぶ」といった愛飲者の声が紹介された。「ストロングゼロ」に対して「安い価格で手頃に酩酊感が味わえる」という印象を抱いている人は多いと思われ、Twitter上では「虚無の酒」「人生がツラければツラいほど美味しく感じる魔法の水」などの表現も見られる。このような「ストロングゼロ」のイメージが、ストロングゼロ文学にも投影されていると考えられる。

(参考)
Twitter|#ストロングゼロ文学
NHK|“#ストロングゼロ文学”?
エキサイトニュース|「ストロングゼロ文学」にハマる人々 効率的に酔える酒が生んだ“迷文”
キャリコネニュース|「ストロングゼロ文学」がついにNHKでも取り上げられる事態に 識者「不安や孤独をさらけだして共感してもらうことへの安心感」
Yahoo!ニュース|なぜ「ストロングゼロ」が人気なのか
Twitterトレンド速報|#ストロングゼロ文学
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サントリー|サントリーチューハイ「-196℃ ストロングゼロ〈まるごとキウイ〉」期間限定新発売