曜変天目とは

・ 曜変天目とは、12~13世紀の南宋時代に現在の中国福建省で制作されたといわれる、黒い釉(ゆう)薬で覆われた抹茶茶わん。茶わんの内側には独特の模様があり、見る角度によって色が変化するのが特徴である。日本にしか現存しないとみられ、文化庁のデータベースによれば、国宝として3点、重要文化財として1点が登録されている。2016年、持ち寄られた品に専門家が値段をつけるテレビ東京の番組『開運!なんでも鑑定団』において、出品された茶わんが2,500万円相当の曜変天目だと鑑定され、話題となった。しかし、当該茶わんが本物の曜変天目であるか否か、2018年1月現在まで議論が続けられている。

・ 2016年12月、テレビ東京は『開運!なんでも鑑定団』に登場する茶わんが曜変天目であると発表した。しかし、番組の放送直後から、当該茶わんは曜変天目ではないとの指摘が相次いだ。江戸時代から続く窯業の9代目・長江惣吉氏は「NEWSポストセブン」の取材に対し、「どう見ても中国の商店街で売っているまがい物」と発言。また、中国の陶磁器を専門とする森達也教授(沖縄県立芸術大学)も、「本物である可能性は低い」と述べた。さらに、2018年1月17日に放送されたTBSの情報番組『ビビット』に中国の陶芸家が登場し、『開運!なんでも鑑定団』において曜変天目だと判断された茶わんは自身が制作したものであり、およそ1,400円で販売していたと話した。

曜変天目の特徴

・ 長江氏によれば、曜変とは「光り輝き、変幻する」を意味し、曜変天目の特徴は「内側に広がる鮮やかな光彩」である。曜変天目を所有する藤田美術館(大阪市)はこの模様を「宇宙に浮かぶ星のよう」と表した。また、静嘉堂文庫が所有する曜変天目の模様については、文化庁のデータベースにおいて「玄妙な趣」と記されている。

・ すり鉢状で口縁が外側にそり、足の部分(高台)が短い茶わんは天目茶わんと呼ばれる。中国浙江省の天目山にある寺院から、12~14世紀の鎌倉時代に日本へ持ち帰られたといわれており、天目の名はそこに由来している。天目茶わんのなかでも、黒い釉薬(器の表面にかける薬品)が使われ、青い光彩が表れているのが曜変天目である。

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現存する曜変天目

・ 現存する国宝の曜変天目3点のなかで「稲葉天目」として知られているのが、静嘉堂文庫(世田谷区)の所有するものである。もともとは徳川将軍家の所蔵だったが、第3代将軍・家光の頃、淀藩主の稲葉家に伝わったという。

・ 17世紀に創建された京都市の竜光院も、国宝指定の曜変天目を所蔵している。一般に公開されることは珍しいため、2017年10月に京都国立博物館の開館120周年記念・特別展覧会において展示された際は大きな注目を集めた。同博物館の研究員である降矢哲男氏は、次にいつ公開されるかわからないため「絶対に見逃してはいけない」と発言した。

・ 藤田美術館が所有する曜変天目は、水戸徳川家から伝来したものだという。文化庁のデータベースによると、茶わんの内側だけでなく外側にも光彩があるのは、この曜変天目のみとのこと。

・ 曜変天目のうち、ゆいいつ重要文化財として登録されているのがMIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市)の「耀変天目」だ。加賀の前田家に由来しているもので、国宝の3点と異なり、光彩模様が重ならずに独立して発色しているのが特徴。

(参考)
コトバンク|曜変天目茶碗
コトバンク|天目茶碗
静嘉堂文庫美術館 | 曜変天目(「稲葉天目」)
京都国立博物館|開館120周年記念 特別展覧会 国宝
サライ.jp|話題の京博『国宝』展で「これだけは見逃せない」必見の作品とは
藤田美術館|曜変天目茶碗
MIHO MUSEUM|耀変天目
国指定文化財等データベース
産経ニュース|ネットで騒がれた「曜変天目茶碗」、国宝指定の品々が公開中 「息」のむ瑠璃色の小宇宙
テレビ東京|「番組始まって以来 最大の発見!」鑑定士・中島誠之助も驚愕のお宝がスタジオに出現!!【開運!なんでも鑑定団】
NEWSポストセブン|なんでも鑑定団・国宝級茶碗に陶芸家「どう見てもまがい物」
スポニチ Sponichi Annex|鑑定団で「2500万円」国宝級お宝は1400円? 国分、困惑「鑑定でそんなミス…」
コトバンク|竜光院