幸福度を下げる5つの意外な日常習慣。心を解放できるはずの “あれ” がじつは逆効果だった

「幸福度低下」5つの意外なサイン01

「幸せに毎日を過ごしたい」と願いながらも、なぜか満たされない……。その原因は、あなたが幸せになろうと思ってやっている “あの習慣” にあるかもしれません。

この記事では、人生の幸福度を下げる恐れのある「5つのNG習慣」をご紹介。いずれかに該当してしまった方は、日々の過ごし方や生き方をあらためて見直してみましょう。

【NG習慣1】付き合う人が多すぎる

「友人や知人は多いほうが幸せだ」「人脈が広いほど心も豊かになれるだろう」

そんな、人付き合いは人数こそ大事だという思い込みは、幸福感を下げる一因になりえます。

慶應義塾大学教授で脳科学者の前野隆司氏によれば、ひとりの人間が関係を結べる人の数は、150人程度が限界と考えられているそう。なぜなら、脳(認知)のキャパシティには限りがあり、150人以上の人を同時に気にかけることが困難だからです。

また、京都大学教授の内田由紀子氏らが行なった研究では、一般的な人間関係において、実際には狭く深い人脈の築き方を好む人が、付き合う人の数をあえて増やすと、ストレスをためやすくなると示唆されました。

したがって、必ずしも大人数と連絡を取り合ったり、むやみに友人を増やしたりする必要はありません。特に、狭くても深い人間関係のほうが好きという人が、「人数こそ大事」という思い込みにとらわれて、無理して人脈を増やすのは逆効果。

少しドライな感じもしますが、脳の容量や時間が無限でない以上、「本当に大切な人」と「それ以外の人」との線引きを明確にすることが大切です。

たとえば、こんなことをしてみてはいかがでしょうか。

  • 本当に大切な友人をリストアップする
  • 苦手な人とは無理に付き合わない
  • 気の進まない誘いは断る
  • 義理で所属し続けているコミュニティから離れる

友人は多いほうがいいと思う反面、ひとりの時間を確保できないとストレスを感じる……というような “人疲れ” の自覚がある方は、上記のような対策を試してみてください。そうすれば、幸福度の低下をうまく避けられるでしょう。

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【NG習慣2】「人に与える」意識がない

「幸せに生きるなら、自分のことを中心に考えるほうがいいに決まってる。人のために何かをしてあげるなんて、時間やお金のムダだ」

こんな自分本位の考え方も、幸福感を下げる要因になりえます。

心理学者のエリザベス・ダン氏らによる2008年の研究で、自分のためにお金を使うより、他人のために使うほうが幸せを感じられるという驚きの結果が判明しています。被験者たちにお金を渡し「自分のため」または「他人のため」に使ってもらったところ、後者のグループのほうがより高い幸福感を示したのだとか。

つまり私たちは、人に何かを与えることに喜びを感じるものなのです。幸せになりたいからと「自分の幸せ」にばかりこだわっていたら、この「与える喜び」を見失い、かえって幸福から遠ざかってしまうかも。

ですから、幸せを感じられないときにこそ、

  • 家族や友人に小さなプレゼントを贈る
  • 同僚に缶コーヒーをおごってあげる
  • 募金や寄付をする

といった利他的行動をしてみましょう。

すると周囲の人はもちろん、あなた自身の幸福度を高めることにもつながります。さらには、相手から感謝の言葉やお返しをもらい、より幸せを感じられるという正のループも生まれるはずです。

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【NG習慣3】週末に夜更かしする

休日やその前日、大好きなことをして夜更かしすると、大いに解放されたような気分になれるもの。深夜までお酒を飲んだり、趣味に没頭したり、テレビやYouTubeを思う存分見たり……。とても “幸せ” なひとときかもしれません。

しかし、夜更かしが習慣になると、長期的な幸福が損なわれてしまう恐れがあります。

秋田大学教授で睡眠研究を行なう三島和夫氏は、「休前日に夜更かしをして、休日の朝に寝坊する」という生活スタイルは、身体を “時差ボケ” と同じ状態にしてしまうと指摘。休みが明けた平日に、眠気や倦怠感、食欲不振といった不調が起きかねないと言います。

夜中まで好きなことをして羽を伸ばしたつもりでも、平日の調子が狂ってしまうようでは、心も体も安定させることができませんよね。

ですから、週末の夜更かしはほどほどにして、平日と同じ生活リズムをキープしましょう。青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長・中村真樹氏は、休日の睡眠のとり方について、以下のことを推奨しています。

  • 寝坊は、1~2時間以内までにとどめる
  • 昼寝をする場合は午後3時まで、30分以内
  • 昼寝は、ベッドではなくソファや椅子に座ったままする

これらを意識すれば、「寝不足を解消できて土日を元気に過ごせる」「週明けの仕事がはかどる」「心身の調子が乱れにくくなる」といった数多くのメリットを得られます。長期的な幸福度を高められるはずですよ。

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【NG習慣4】自由時間が長すぎる

「自由こそ幸せだ!」と、丸一日の休みをすべて自由時間にしている人はいませんか? たしかに、仕事にも何にも縛られないプライベートタイムは、充実した人生を送るうえで不可欠なもの。

しかし一方で、自由な時間があまりに多くても、かえって幸福度が下がってしまうという驚きの研究報告もあります。

ペンシルベニア大学助教授のマリッサ・A・シャリフ氏らは、2012~2013年にわたり、アメリカ人21,736人の時間の使い方を調査しました。その結果、自由時間によって幸福度が高まるのは2時間程度までで、5時間よりも多くなると、むしろ幸福度が下がっていくと判明したのだそう。

この結果についてシャリフ氏らは、自由時間が多すぎると「自分が生産的に活動できていない(時間を有効活用できていない)」と感じやすくなるため、幸福度が下がるのではないかと分析しています。

裏を返せば、自由時間を満足感のあるものにするためには、その時間をどう使うのが最も生産的か、あらかじめプランを立てておけばよいと考えられますね。

  • もし自由時間ができたら何をするか?
  • 自分にとって「いい時間の使い方」とはどのようなものか?

この2点を明確にしておきましょう。自由時間をもて余すことがなくなり、幸福感の高いプライベートタイムを送れるようになるはずです。

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【NG習慣5】「首こり」を放置している

大好きなゲームに熱中することや、スマートフォンでドラマを見るのに没頭することに、このうえない幸せを感じる人もいるでしょう。ですがじつは、硬直した姿勢で画面をのぞき続けることは、心の調子に悪影響を与えかねません

「首こり病」という言葉をご存じでしょうか? これは文字通り、首の筋肉のこりや異常が原因で起こる諸症状のこと(※正式な病名は頚性神経筋症候群)。

首こり病の発見者である脳神経外科医の松井孝嘉氏によれば、首の筋肉にこりなどがあると、自律神経の働きが乱れ、頭痛、疲労感、うつなどさまざまな心身の不調が起こるのだそうです。

松井氏は、全うつのうち、なんと95%もが首の異常に由来するとまで主張。それほど首のコンディションというものは、心身の幸福度に大きな影響を与えうるのです。

首こり病を予防・緩和する手段として松井氏が提唱しているのが、555体操というもの。首を動かしたり、頭の重みを手で支えたりすることによって、首の筋肉をリラックスさせるエクササイズです。

◆「555体操」のやり方

  1. 首を左回り、右回りの順に回す。
  2. 顔を左右に向ける。
  3. 頭を後ろに倒し、両手で頭の重みを支え、5秒間キープ
  4. 頭を右斜めうしろ(左斜めうしろ)に倒し、手で重みを支え、5秒間キープ。
  5. 頭を右(左)に倒し、手で頭の重みを支え、5秒間キープ。
  6. 頭を右斜め前(左斜め前)に倒し、手で重みを支え、5秒間キープ。

以上の6つの体操を、各5回ずつ繰り返すのが1セット。これを1日に3セットほど行なうと、首こりを予防・緩和できるそうです。

いくら大好きな動画で気分が晴れても、首こりがひどくなったら幸福度は下がりかねません。そうなる前に、ぜひ首の体操を習慣づけましょう。

***
幸福感に満ちた毎日を送りたい方は、今回ご紹介した5つのヒントをお試しください。

(参考)
前野隆司 (2017), 『実践 ポジティブ心理学 幸せのサイエンス』, PHP研究所.
内田由紀子, 遠藤由美, 柴内康文 (2012), “人間関係のスタイルと幸福感:つきあいの数と質からの検討”, 実験社会心理学研究, 52巻1号, pp.63-75.
ResearchGate|Spending Money on Others Promotes Happiness
NIKKEI STYLE|「週末寝だめ」は逆効果 月曜朝を楽にする4つの極意
ダイヤモンド・オンライン|休日の寝坊は2時間、昼寝は30分超えると逆効果!
AMERICAN PSYCHOLOGICAL ASSOCIATION|Having Too Little or Too Much Time Is Linked to Lower Subjective Well-Being
Beyond Health|「自由時間」は多過ぎても少な過ぎてもウェルビーイングを低下させる
@Press|松井 孝嘉医師が警鐘  自粛生活が続いた今こそ見直したい、首の健康: PC・スマホ漬けで起こる首こり病。 悪化すると頭痛やメマイにうつ症状も!
松井孝嘉(首こり博士)公式サイト|頚性神経筋症候群とは何か?
東京脳神経センター|松井式555体操のご紹介

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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