好きでやっていたはずなのに、やる気が出ない。やる気を回復させる3つのチェックポイント

頬杖をつく女性

本当にやりたくて始めたことなのに、なぜか最近やる気が出ない。最初の頃は、あんなに夢中になれていたのに……。

好きで始めた趣味や学びで、こんなふうに停滞期に陥り、悩んだ経験はありませんか?

じつは、ある程度続けていくと、人は「やる気のブレーキ」を無意識につくってしまうことがあるのです。

求めるレベルが上がっていないか?

いつの間にか、自分に求めるレベルが上がっていませんか? 自分では気づいていなくても、続けるうちにスキルや知識が身につき、目が肥えてきます。すると、以前は気にならなかった「ヘタな部分」がハッキリ見え、「もっと練習しないと」と、無意識にやるべきことを増やしてしまうのです。

「もっと上手くなりたい!」という向上心は素敵ですが、「ちゃんとやらなきゃ」に変わると急にプレッシャーになりますよね。これがブレーキとなり、やる気が出ない原因になるわけです。

心理学でも、理想の自分と現実の自分とのギャップが大きいほど、落胆や不満といったネガティブな感情が強まりやすいことが示されています。*1

いわゆる「完璧主義」というものですね。

こうしてみよう!

一番最初にやる「手を動かす作業」を決めておく

プログラミングをするなら、その前にタイピングゲームを10分やる、イラストを描くならラクガキを10分するなど。いきなり本番の作業に入る前に、似ているけど遊びでできる作業をウォーミングアップとして行なう。

やりたいことが広がりすぎていないか?

やっていくうちに面白くなり、「せっかくなら、あれもやりたい」「もっと掘り下げたい」と、どんどん興味が広がっていくことってありますよね。ですが、それらを同時にやろうとするのは思っている以上に大変。1日に作業にあてられる時間は、どうしても限られているからです。

じつは脳には、「大変そうだ」と感じると、省エネのためにサボる習性があります。*2

探究心がむしろやる気を奪ってしまうこともあるのです。

こうしてみよう!

☐ 1日でやろうとしていたタスク量を、あえて2〜3日かけて行なうようにペースダウンする

☐ 思いついた「やりたいこと」は、メモしておく

いますぐ手を付けられなくても、メモを見ればあとからやれるので安心できる

目標を書いた手帳

義務感にすり替わっていないか?

「楽しい!」「好き!」で始めたはずなのに、いつの間にか「~しなきゃ」という義務感にすり替わっていませんか? こんな気持ちになることがあれば、要注意です。

☐ 早く収益化しなきゃと焦る

☐ SNSに投稿したあと、反応がすごく気になってしまう

☐ 上手な人と比べて「自分なんて」と落ち込んでしまう

心理学では、もともと楽しくて取り組んでいたことに、報酬や成果への期待といった外的な要因が加わると、やる気が下がってしまう「アンダーマイニング効果」という現象が知られています。*3

いまの時代、ただ好きなものを好きなだけでいるのがかえって難しかったりします。なんでも人からの評価や収入に繋げなければいけないと、無意識に思い込んでしまう。いや、「思わされている」のかもしれません。

でも、流れの速い世の中で「ただ純粋に好きなこと」を守ることは、長い目で見れば、お金や評価よりずっと大事なことです。ちょっとだけ世の中と距離をとって、純粋な「好き」を取り戻してみてください。

こうしてみよう!

☐ 一回作業をお休みして、自分の好きなものを見てみる。「ああ、ここが好きなんだよな」を再確認してモチベーションを回復。

☐ 誰にも見せない、自分だけが見るものをつくってみる

***

「やりたくてやっていたのに、最近やる気が出ない」というのは、それだけ真剣に、夢中になって取り組んできたからこそぶつかる壁なのです。ちょっと立ち止まって、自分でかけているブレーキをひとつずつ外していけば、やる気はまた戻ってきます。

よくある質問(FAQ)

Q. 「ハードルが上がってるな」と感じたら、何をすればいいですか?
いきなり本番に取りかからず、タイピングゲームやラクガキなど、似ているけれど遊び感覚でできる作業をウォーミングアップにするのがおすすめです。
Q. やりたいことが増えすぎて手が回らないときはどうすればいいですか?
1日でやろうとしていたタスクを、あえて2〜3日に分けてペースダウンするのがおすすめです。思いついた「やりたいこと」はメモしておけば、いますぐ手をつけなくてもあとから見返せて安心です。
Q. 好きなことが義務感に変わってしまうのはなぜですか?
収益化やSNSの反応、他人との比較などを無意識に意識しすぎてしまうことが一因と考えられます。もともと楽しくて取り組んでいたことに、報酬や成果への期待が加わるとかえってやる気が下がる「アンダーマイニング効果」という現象も知られています。一度作業から離れて自分の好きなものを見つめ直したり、誰にも見せない自分だけの表現の場をつくったりすることで、「好き」という気持ちを取り戻しやすくなります。
(参考)

*1: Higgins, E. T. (1987), Psychological Review, 94(3), pp.319-340|Self-Discrepancy: A Theory Relating Self and Affect
*2: Kool, W., McGuire, J. T., Rosen, Z. B., & Botvinick, M. M. (2010), Journal of Experimental Psychology: General, 139(4), pp.665-682|Decision Making and the Avoidance of Cognitive Demand
*3: Deci, E. L., Koestner, R., & Ryan, R. M. (1999), Psychological Bulletin, 125(6), pp.627-668|A Meta-Analytic Review of Experiments Examining the Effects of Extrinsic Rewards on Intrinsic Motivation

【ライタープロフィール】
柴田香織

大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。