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ChatGPTは英作文の添削に役立つ? 英語コーチングジムに聞いてみた

ChatGPTは英作文の添削に役立つ? 英語コーチングジムに聞いてみた

ビジネスにもプライベートにも浸透しつつある「ChatGPT」、あなたはどれくらい活用していますか? 筆者の場合、仕事でのアイデア出しにも、趣味の執筆活動にも重宝しています。

もっといろいろな使い方を試したいな、と思い、今回は「英語ライティングスキルの向上」に活用してみることにしました。英語コーチングサービス「ENGLISH COMPANY」に質問してみたところ、ChatGPTは英語学習にかなり役立つそうなんです。

この記事を参考に、あなたもChatGPTを活用して、英語力アップに挑戦してみましょう!



ChatGPTとは

まずは、ChatGPTについて簡単におさらいしておきましょう。

ChatGPTとは、OpenAI社が開発し、2022年11月に公開した対話型AIです。ユーザーからの質問に対して情報を提供してくれるだけでなく、プログラミングのソースコードやレポートを執筆したり、論文を要約したりなど、さまざまな活用法があると注目されています。

世界的な金融機関であるUBSによると、ChatGPTはわずか1週間で100万人のユーザーを獲得し、2023年1月のアクティブユーザーは1億人超と推計されるそうです。世界中で多くの人がChatGPTを活用しているのですね。

「ChatGPTの話題はよく聞くけど、まだよくわからないな……」という方も、まずは登録し、実際に使ってみてください。メールアドレスを入力すれば自分のアカウントをつくれますし、Googleアカウントがあればそのままログインできますよ。

Q. ChatGPTとは? A. OpenAI社による対話型AI。執筆や要約などさまざまな使い方がある。

なぜChatGPTで英語学習?

ChatGPTの活用法は無限大。もちろん、ビジネスパーソンの英語学習にも役立ちます。

たとえば、ライティングの添削。手軽で効果的な英語学習法のひとつに、英語で日記を書くことが挙げられます。

英語で文を書こうとすると、記憶の曖昧なスペルを確認したり、知らない表現を辞書で調べたりしますよね。この過程で、曖昧だった記憶が強固になったり、未知の知識をインプットできたりします。

ただ、問題は「フィードバック」の有無です。よく調べて書いた英文でも、

ということは起こります。「正しくは、こう書くんだよ」「もっとナチュラルな表現なら、こういうのはどう?」と指摘・提案してくれる人がいないと、誤った表現や、ネイティブに伝わりにくい表現を覚えてしまうかもしれません。

ただ、ネイティブスピーカーに添削を依頼したり、英語講師を雇ったりするのもハードルが高いですよね。そんなとき気軽に頼れる相手が、ChatGPTなのです。

英語コーチングサービス「ENGLISH COMPANY」を運営する株式会社スタディーハッカー・コンテンツ戦略企画部の堀登起子氏に、ChatGPTはライティングの添削に役立つのか聞いてみました。

ChatGPTを英作文の添削に活用すれば、目的に応じた、より自然な英語表現を身につけることができます。ChatGPTには自然言語処理技術が用いられており、膨大な英語の文章を学習しているため、英文を読み取ったうえで適切な言葉や文法を提案できるんです。

たとえば、

「よりカジュアルに書き直してください」
「公式の場で通用する文章にしてください」

のように文脈や目的を添えれば、それに合わせて添削してくれます。ChatGPTはリアルタイムでやり取りでき、即座にフィードバックを受けられるのも魅力です。

ChatGPTは、英語のライティングスキルを伸ばす一助となるのですね。

Q. ChatGPTは英語学習に役立つ? A. 英作文の添削に使えば、より自然な英語表現を身につけることができる。

ChatGPTに英作文を添削してもらおう!

実際に、ChatGPTに英作文を添削してもらいましょう。筆者は毎朝、前日の出来事について手帳に2、3文の日記を書いているので、過去のぶんを英語に訳してみます。

Yesterday again, went to bed as late as 2 am. Cannot believe that it has been just one week since I started ChatGPT. So strongly intoxicated with it.

昨夜も就寝が2時頃になってしまった。ChatGPTを始めてまだ1週間しか経っていないなんて信じられない。かなり強い中毒に陥っている。

ChatGPTにハマり、1週間が経過した頃の日記です。ChatGPTがおもしろすぎて、つい深夜まで遊んでしまい、寝るのが毎晩遅くなっていました。

すでにChatGPTをたくさん使った気がするのに、まだ1週間しか経っていないなんて……という驚きを表現したつもりです。日記ということで、主語の "I" を一部省略していますが、本当にこれでいいのでしょうか……。

それでは、ChatGPTに添削してもらいましょう。送信するテキストは次のとおりです。

私は日本語を母語とする英語学習者です。以下の文章は英語で書いた日記です。文法のミスや不自然な表現があれば、具体的に指摘・修正してください:Yesterday again, went to bed as late as 2 am. Cannot believe that it has been just one week since I started ChatGPT. So strongly intoxicated with it.

すると、こんなふうに返ってきました。

以下は、あなたが書いた日記の修正版です:

"Once again, I went to bed very late, at 2 am. I can hardly believe that it has only been one week since I started using ChatGPT. I am completely addicted to it."

修正内容の詳細:

  • "Yesterday again" の代わりに "Once again" を使用すると、より自然な表現になります。
  • "went to bed as late as 2 am" は、文法的には問題ありませんが、"very late" と言った方がより自然な表現です。
  • "Cannot believe" は、否定的な表現なので、"can hardly believe" の方がより適切です。
  • "So strongly intoxicated with it" は、意味的には通じますが、少し不自然な表現です。代わりに "completely addicted to it" を使うと、より自然な表現になります。
ChatGPTに「Yesterday again, went to bed as late as 2 am. Cannot believe that it has been just one week since I started ChatGPT. So strongly intoxicated with it.」の添削を依頼

筆者の英作文を修正したうえで、解説をつけてくれました

まず、最初の文がまったく違いますね。"as … as ~" を使わなくても、単純に "at 2 am" でよかったようです。

そして、"strongly” が "completely" に、"intoxicated with" が "addicted to" に置き換わっています。言われてみると、「中毒」を表したいなら "addiction" や "addicted" のほうが一般的ですね。

ほかにも、「こう変更したのはなぜ?」と気になる点があるので、質問してみます。

Q. 全ての文の主語に「I」を明記した理由を解説してください。日記として不自然ではありませんか?

A. 全ての文に「I」を明記することは、文法的には問題ありません。しかし、日記の場合、一般的には簡潔な文体が好まれます。そのため、すべての文に「I」を明示的に書く必要はありません

ただし、主語が明示されていない場合、文脈によっては何を指しているのかが明確にならないことがあります。例えば、以下のような文があります。「Yesterday was so busy. Had a lot of work to do. Was running around all day.

この場合、明示的に主語を書くと、「I was so busy yesterday. I had a lot of work to do, so I was running around all day.」となります。こうすることで、文の意味が明確になり、読み手がよりスムーズに読むことができます。

したがって、主語を明示的に書くことは、文脈が明確でない場合に役立ちます。ただし、過度に主語を明示的に書きすぎると、文章が冗長になる可能性があるため、バランスを取る必要があります

ChatGPTに「全ての文の主語に「I」を明記した理由を解説してください。日記として不自然ではありませんか?」と質問

やはり、日記において "I" は省略できるようです。例文も提示してもらえました。

「主語を明示的に書きすぎると冗長になる」とのことですし、4回も繰り返されている "I" はカットしたいと思います。"I" を省略したうえで、もう一度チェックしてもらいましょう。

Q. 私は日本語を母語とする英語学習者です。以下の文章は英語で書いた日記です。文法のミスや不自然な表現があれば、具体的に指摘・修正してください:Once again, went to bed very late, at 2 am. Can hardly believe that it has only been one week since started using ChatGPT. Completely addicted to it.

A. 文法的には問題ありませんし、自然な英語表現になっています。ただ、以下の点について微調整するとより自然な表現になると思われます。(略)

  • 「since started using ChatGPT」を「since I started using ChatGPT」にすると、主語が明確になり、読み手にとってわかりやすくなります。(略)
ChatGPTに「Once again, went to bed very late, at 2 am. Can hardly believe that it has only been one week since started using ChatGPT. Completely addicted to it.」の添削を依頼した

たしかに、接続詞 "since" のあとの主語まで省略したのは、やりすぎだったかもしれません。ここの "I" は残すことにします

Q. 私は日本語を母語とする英語学習者です。以下の文章は英語で書いた日記です。文法のミスや不自然な表現があれば、具体的に指摘・修正してください:Once again, went to bed very late, at 2 am. Can hardly believe that it has only been one week since I started using ChatGPT. Completely addicted to it.

A. この文章には文法上の問題は見られませんし、自然な英語表現になっています。(略)

ChatGPTに「Once again, went to bed very late, at 2 am. Can hardly believe that it has only been one week since I started using ChatGPT. Completely addicted to it.」の添削を依頼した

気になる指摘はなくなりましたし、これで完成ということにします。筆者が最初に書いた英文と、ChatGPTに修正してもらったあとの英文を比べてみましょう。

【修正前】
Yesterday again, went to bed as late as 2 am. Cannot believe that it has been just one week since I started ChatGPT. So strongly intoxicated with it.

【修正後】
Once again, went to bed very late, at 2 am. Can hardly believe that it has only been one week since I started using ChatGPT. Completely addicted to it.

幸いなことに、時制は間違えていなかったようです。ただ、ChatGPTのおかげで、より自然な言い回しを知ることができました

いま見ると、マイブームの話題で "so strongly intoxicated" という表現は違和感が強いですね。

また、"hardly" という単語は知っていたものの、英文を書くときには思い浮かびませんでした。"I can hardly believe that …" という言い回し、ぜひ覚えておきたいと思います。

ChatGPTに英作文を添削してもらうときの注意

ChatGPTに英作文をチェックしてもらったおかげで、自分が書いた英文の変なところに気づけましたし、新たな表現を学べました。ChatGPTはライティングスキルの向上に役立つな、と実感しています。

ただし、ChatGPTが「正しい情報を提供するとは限らない」のは有名な話です。ChatGPTの使用画面には "ChatGPT may produce inaccurate information about people, places, or facts(人物や場所、事実について不正確な情報を出力する可能性がある)" との注意書きがあります。

ChatGPTによる英作文のアドバイスは、どれくらい信用していいのでしょうか? この疑問にも、ENGLISH COMPANYの堀登起子氏が答えてくれました。

AIは人間と違い、インプットされた情報を「理解」しているわけではありません。情報や内容の誤りを、AI自体は判断できないのです。

実際、ChatGPTは間違った答えを出してくることがあります。特に、日本語に翻訳させたり、日本語で説明させたりするときには注意が必要です。

また、同じ質問をしても、異なる答えが返ってくることもよくあります。

ですので、ChatGPTを完全に頼るのは推奨できません。ChatGPTは英作文の添削に使えますが、「自分で考え、自分の言葉で書く」という姿勢を基本にしてください

やはり、ChatGPTの解説は正しいとは限らないようです。特に日本語での説明は、英語での説明より正確さが落ちる傾向があります。

Q. ChatGPTのアドバイスは信用できる? A. 間違った答えを出力することもあるので注意が必要。あくまで自分で考え自分の言葉で書く。

とはいえ、ChatGPTは文法の誤りを指摘し、言葉の不自然な用法を修正してくれます。アドバイスのすべてが正しいわけではないにせよ、筆者にとって多くの学びがありました。

解説をうのみにできないとはいえ、ChatGPTは英作文の修正に使える、というのが正直な感想です。次に英文を書くときは、またチェックしてもらおうと思います。

***
英語力を伸ばすトレーニングとして、日記をつけている方もいるでしょう。ただ、書きっぱなしで誰からもフィードバックを受けないままだと、誤った英語表現を覚えてしまうかもしれません。

英作文の添削を頼める相手がいないなら、ChatGPTを活用してみては?

「英語日記」をもう始めている方は、ぜひChatGPTからフィードバックをもらってみてください。ChatGPTのアカウントはもっているけれど英語学習に活用していない方は、ちょっとした英文を書いて送ってみましょう。

「英語日記もChatGPTも未経験……」というあなたは、まずChatGPTに登録してみてください。英語学習はもちろん、仕事でも娯楽でもさまざまに活用でき、新しい世界が開けるはずです!



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