ビジネス英語での会食に使えるフレーズと必須のマナー
「英語での会食を主催することになった。招待メールはどのように送ればいい?」
「英語での会食に誘われた。どんなことを話せばいいのだろう?」
「文化が異なる人と会食するときに、気をつけねばならないことは?」
海外の取引先やクライアントとビジネス英語で初めて会食するなら、こんな疑問が思い浮かぶかもしれません。会食は、相手とのビジネス上の関係をより深くするチャンス。この先長く取引を続けるために、なんとしても成功させたいですよね。
今回は、海外の取引先とビジネス会食する際のポイントや、会食に招待したりされたりしたとき、会食中、会食のお礼を伝えるときなどに使える便利な英語フレーズ・トピックをENGLISH COMPANYがご紹介します。最後まで目を通せば、より有意義な会食が実現できるはずです。
ビジネス英語での会食で差をつけるポイント
海外の取引先とビジネス英語で会食することは、食事を介してお互いの関係性や信頼性をさらに深めるのに有効です。しかし、文化が異なる人々と適切に会食するためには、細心の注意を払わなければなりません。
その主なポイントを以下のとおりまとめました。
- リラックスできる話題を幅広く提供して、関係性を構築する
- 宗教、思想上の理由で相手が摂取できないものを把握する
- お酒などを断るときははっきり、かつ丁寧に断る
それぞれ詳しく見てみましょう。
リラックスできる話題を幅広く提供して、関係性を構築する
会食の場では、仕事の話だけではなく、趣味やスポーツ、旅行、文化など、幅広い分野の、かつお互いがリラックスできる話題を提供することが重要です。
好みや趣味といったリラックスできる話題を提供すれば、友好的な雰囲気のなかで相互理解が深まり、信頼関係がより強固になるメリットがあります。
また、多様な文化や価値観をもつ参加者がいる場では、リラックスできる話題がコミュニケーションの障壁を低減し、よりオープンでフレンドリーな対話を促進する効果もあるのです。これにより、新しいアイデアや視点の共有が容易になると考えられます。
そして、文化、スポーツ、旅行など幅広い分野の話題を提供すれば、教養の高さをアピールできます。仕事の話だけではなく、多様な話題を提供することで、参加者に対してポジティブな印象を与えられるのです。逆に、仕事の話題に限定してしまうと、柔軟性がないとみなされる可能性があります。
もしも適切な話題を見つけるのが難しい場合は、相手の興味や背景を事前にリサーチしておくのがおすすめです。
宗教、思想上の理由で相手が摂取できないものを把握する
会食を主催する場合には、相手の食文化や宗教への配慮が不可欠です。宗教上の理由でタブーとされる食材を以下にまとめました。
【宗教上の理由で摂取してはいけないもの】
- イスラム教:豚肉、豚肉由来の食品(ベーコン、ラードなど)、アルコール
- ヒンドゥー教:牛肉、鍋料理(他人の食べ物を取り分けて食べるのは不浄とみなされるため)
- ユダヤ教:ヒレのない魚介類(タコ、イカ、エビなど)、豚肉
など
また、ベジタリアンやグルテンフリーの食生活をしている人がいるかどうか、招待する相手企業の担当者に前もって確認するのも有効です。もしいる場合には、相手の食事制限の内容を事前に確認しておくのもポイント。異なる文化や風習にも注意し、相手の状況をよくリサーチすることが重要です。
お酒などを断るときははっきり、かつ丁寧に断る
会食が盛り上がったときは、お酒などをすすめられることもあるでしょう。断る必要がある場合は、はっきりと、かつ丁寧に断るのがポイント。以下のフレーズは、断りつつも礼儀を保つのに適しています。
- お酒などをすすめられたとき
Thank you, but I'll stick with water.
「ありがとうございます。ですが、私は水で結構です」 - 食べ物を断るとき
Thank you, but I'm full.
「ありがとうございます。でも、満腹です」 - 二次会を断るとき
Thank you for the invitation, but I need to get up early tomorrow.
「お誘いありがとうございます。しかし明日は早起きしなければなりません」
礼儀正しく断るために「Thank you」のような感謝の言葉を使っています。また、断る理由を簡潔に述べることで、相手に無礼にならないようにするのもポイントです。
これらのポイントを押さえれば、ビジネス英語での会食の成功に近づけられるでしょう。
ビジネス会食の招待メールで使うとよい英語フレーズ
相手をビジネス会食に招待するために英語でメールを送る際は、相手に対する敬意を示すのが重要です。もちろん、招待を受ける際にも同じことが言えます。ここでは招待メールでの例文と、招待を受ける際に使える便利なフレーズをご紹介しましょう。
会食に招待するとき
相手に好印象を与えるために、丁寧な言葉遣いで、わかりやすい招待メールを送ることが重要です。たとえば、会食を交えて新しいプロジェクトの議論をする際は、以下のような招待メールを送ります。
例:
Dear Mr. Green,
I hope this message finds you well. I am writing to invite you to a dinner meeting to discuss our next project. I believe it would be a great opportunity for us to exchange ideas and insights.
Date: Wednesday, Feb 14, 2024
Time: 7pm to 9 pm
Venue: Restaurant EC
Address: 1-chome, XX-cho, Chiyoda-ku, Tokyo.
Please let me know if this date and time works for you. I am looking forward to an engaging evening of discussion.
Best regards,
Ikuko Kaishoku
Project Manager
SH Global
(訳)
グリーンさま、
お元気でいらっしゃいますか。このたびは、次のプロジェクトについて話し合うため、ディナーミーティングにご招待したくご連絡いたしました。アイデアや洞察を交換する絶好の機会になると信じております。
日付:2024年2月14日(水)
時間:午後7時から9時
会場:レストランEC
住所:東京都千代田区XX町1丁目
この日時がご都合よろしいかどうか、お知らせいただけますと幸いです。有意義な夜の議論を楽しみにしております。
敬具、
カイショク イクコ
プロジェクトマネージャー
SHグローバル
最初に、会食の目的を簡潔に伝えます。そして「I believe it would be a great opportunity for us to exchange ideas and insights.」のように、会食で期待されるメリットを伝えると効果的です。
次に会食の日時や会場、会場の住所を明記します。最後に、設定した日時で都合がよいか相手に尋ねてメールを締めくくるのが、招待メールの基本的な構成です。参加人数を早めに把握したい場合は、返信期限を設定しておくとよいでしょう。
会食の招待を受けるとき
海外の取引先から会食の誘いを受ける場合も考えられます。会食の誘いを受け入れるとき、断るときに分けて、便利な英語フレーズをご紹介しましょう。
【礼儀正しく招待を受ける際の表現】
- 最もシンプルに招待を受け入れる
Thank you for the invitation, I would be delighted to attend.
「招待ありがとうございます。喜んで参加させていただきます」 - 感謝を表現する
I appreciate your invitation. I am looking forward to dinner.
「招待していただき感謝します。会食を楽しみにしています」 - 熱意を示す
That sounds wonderful, I'm excited to join you.
「すばらしいですね、参加できることを楽しみにしています」
【丁寧な断り方の表現】
- 感謝しながらも断る
Thank you very much for the invitation, I really appreciate it. Unfortunately, I have a prior commitment on that day.
「招待していただきありがとうございます。大変感謝しておりますが、残念ながらその日はすでに予定があります」 - 理由を伝えて断る
I'm honored by your invitation, but regretfully I must decline due to【a family commitment(理由)】.
「お招きいただき光栄ですが、【家庭の用事(理由)】のため、残念ながら辞退させていただきます」 - スケジュールが合わない旨を伝える
Thank you for the invitation. Unfortunately, I have a scheduling conflict this time.
「招待ありがとうございます。残念ながら今回はスケジュールの都合がつきません」 - 次は参加する意思を伝える
Thank you for the invitation. I'm unable to make it this time, but I would love to join in the future.
「招待していただきありがとうございます。今回は参加できませんが、将来的にはぜひ参加したいです」
ビジネスの会食に招待するときや、招待を受ける際に、以上のような英語の例文やフレーズを参考にしてみてください。
ビジネス会食中に役立つ英語トピックとフレーズ、マナー
ビジネスで会食する際に、英語で何を話題にしたらよいかわからないと感じていませんか? 話をうまく切り出せずに、会話の輪に入れないのは、もどかしいですよね。
そんな方のために、会食で会話する際の出だしに便利な英語フレーズや、会食におすすめのトピックをご紹介しましょう。
会話の出だしに使えるフレーズ
初対面の相手との会話の出だしは特に緊張するもの。そんなときは、まず自己紹介で、笑顔であいさつをして、相手にポジティブな印象を与えましょう。
あいさつは相手の目を見て、しっかりと握手することが基本です。名刺交換よりも先に、笑顔でのあいさつを心がけましょう。自己紹介は以下のように簡潔に行なうのがおすすめです。
例:
I work in marketing at STR Corp, specializing in digital advertising.
「私はSTRコープのマーケティング部門で働いており、デジタル広告を専門としています」
自分の職務や専門分野を相手に簡潔に伝えることで、スムーズなコミュニケーションが期待できます。
お互いに自己紹介をしたあとは、次のような質問を投げてみるとよいでしょう。
例:
How was your journey here?
「ここまでのご移動はいかがでしたか?」
Have you been to this restaurant before?
「このレストランにいらっしゃったことはありますか?」
How long are you staying here?
「こちらにはどのくらい滞在されますか?」
Did you have a chance to explore the city?
「街を散策する機会はありましたか?」
How's your day been so far?
「今日はどのような一日でしたか?」
また、「Yes」「No」で答えられるシンプルな質問も、会話の出だしとして有効です。
場を和ませるためのトピック
緊張が解けてきたら、お互いの共通点を探ってみましょう。たとえば、趣味や休暇の過ごし方について深掘りしてみるのもいいですね。
例:
Do you have any hobbies?
「何か趣味はおもちですか?」
I'm interested in【watching sports(文化や趣味)】. How about you?
「スポーツ観戦に興味があります。あなたは?」
What do you usually do during your holiday?
「休みの日はふだん何をされていますか?」
加えて、最近の映画や本、旅行の経験などのトピックもおすすめ。お互いの経験をシェアできて、会話が盛り上がりやすいでしょう。日本の習慣について知っていることや、お互いの文化について驚いたことなど、異なる文化や風習について話題を共有してみるのも有効です。
ビジネス関連のトピック
会食中にお互いのビジネスについて語ると、将来の提携の可能性が生まれるかもしれません。たとえば、相手の仕事やプロジェクト、業界関連の最近のニュースといったトピックを提供することで、関係性を継続するメリットを相手から引き出すのに役立ちますよ。
例:
I was reading an article about your recent project in【renewable energy(分野)】. It was quite impressive.
「御社の再生可能エネルギーに関する最近のプロジェクトについての記事を読みました。とても印象的でした」
How do you see the【IT(業種)】 industry changing in the next few years?
「今後数年でIT業界がどのように変化すると思いますか?」
I'm curious about your perspective on 【the latest advancements in artificial intelligence(最近の業界のトレンドやニュース)】.
「人工知能の最新の進歩について、あなたの見解をうかがってみたいです」
会食で避けるべきトピック
デリケートなトピックによって、会食の和やかな雰囲気が冷めてしまう事態は避けたいもの。特に避けたほうがよいトピックは、政治や宗教、病気、悪口、ゴシップなどです。
意見の分裂を引き起こしたり、個人的な信念、問題に深く関わったりするトピックは出さないようにするのがポイントです。
会食におすすめのトピックと避けるべきトピックの両方を知って、良好なビジネスの関係を英語でつくっていきましょう。
会食中に注意すべきテーブルマナー
海外のクライアントとの会食では、異文化理解をふまえた適切なマナーが求められます。国によって異なる主なテーブルマナーやエチケットをまとめました。
【主な国際的テーブルマナーとエチケット】
- 欧米:音を立てて食べない(特に麺類、汁物)
- 欧州:切ったあとナイフの持ち手を変えない
- アメリカ:切ったあとナイフの持ち手を変える
- 中国、イスラム圏:食べ物を少し残す
- インド、ネパール、スリランカなど:左手を使わない
- 韓国:皿を持ち上げて食べない
など
文化的な違いを理解し、相手に敬意を示すことが、国際ビジネスにおいて非常に重要です。こうした代表的なマナーを尊重することで、ビジネス英語での会食を成功させることができます。
ビジネス会食後も好印象を残すための英語でのフォローアップの仕方
会食終了後は、ビジネスにおける関係を継続していくために、フォローアップのメッセージを英語で送りましょう。会食後も好印象を残すために役立つフレーズをご紹介します。
会食後に使えるお礼フレーズ
まずは、会食中にともに話ができたことへの感謝の意を示します。たとえば以下のフレーズを使うと、感謝の気持ちが伝えやすくなりますよ。
例:
Thank you for a delightful evening. It was a pleasure discussing business with you.
「楽しい夜をありがとうございました。あなたとビジネスについて話すことができて嬉しかったです」
It was a great experience to share ideas with you over dinner. Thank you for your time.
「ディナーをともにしながらアイデアを共有できたことはすばらしい経験でした。お時間をいただきありがとうございました」
I'm grateful for the opportunity to connect with you. Thank you for a memorable evening.
「あなたとつながる機会をいただけたことに感謝しています。記憶に残る夜をありがとうございました」
特に、会食に招待された場合は、相手の善意や厚意に対して、感謝の気持ちをより丁寧に伝えるのがポイントです。料理やお店などの内容よりも、相手からのもてなしに具体的に触れて感謝するようにしましょう。
将来の関係性継続に役立つフレーズ
次に、今後の両社の関係に対する期待感を簡潔に述べることが重要です。これからもビジネスの関係を続けたい場合には、積極的にやりとりをする意思や、将来の連携への関心を示すのがポイントです。
例:
I am very interested in exploring ways we can work together in the future.
「将来協力し合える方法を探ることに、とても興味があります」
Let's keep in touch and continue our conversation.
「連絡をとり合って、話し合いを進めましょう」
I feel there's a lot we can achieve together. Let's plan to reconnect soon to discuss potential projects.
「私たちがともに成し遂げられることが豊富にあると感じています。将来のプロジェクトについて話し合うために、近いうちに再度連絡をとり合いましょう」
こうした英語フレーズを、実際の状況に合わせて使っていくことで、会食後もビジネスでより有益な関係が築けることでしょう。
ビジネス会食で対応できる英語コミュニケーションスキルを磨く近道
ビジネスシーンにおいて、あらかじめ準備した内容を英語で話せるだけでは、十分とは言えません。特に会食のような場面では、想定外の質問にも冷静に対応したり、相手をより楽しませるために話題をさらに深堀りして聞いたりする必要もあり、即興性が問われます。会話のキャッチボールを適切にこなせなければ、相手との良好な関係性構築が難しくなるのです。
とはいえ、多忙なビジネスパーソンにとって、こうしたスキルを限られた時間のなかで習得するのは大きな困難をともなうと感じられるかもしれません。
しかし、ご安心ください。英語のパーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」から新たに生まれたハイクラス英語トレーニングコース「ENGLISH COMPANY Premium」なら、会食をはじめとしたビジネスシーンに幅広く対応したコミュニケーションスキルが効率よく磨けます。
コースでは、会食などでよくある日常的なスモールトークだけでなく、幅広いシチュエーションでコミュニケーション上の問題に落ち着いて対応するための方略「コミュニケーション・ストラテジー」も学べます。
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そしてENGLISH COMPANY Premiumの最大の強みは、あなたが現時点で抱える英語力の課題を経験豊富なトレーナーが客観的に評価し、個別にカスタマイズされたトレーニングを提供すること。英語力をたった6か月で飛躍させるあなただけの最短ルートが見えてくるはずです。
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ビジネス会食の場で英語を使って関係を深めるためには、単に英語を話せるだけでなく、相手の食文化、マナーの尊重や、適切な話題の準備も重要です。海外の取引先と会食する機会がある方は、今回の記事をヒントに、深いビジネス関係をぜひ築いていきましょう。