ビジネス英語で商談するための5つのポイントと便利なフレーズ
「ビジネスで初めて英語で商談する。全体のフローを知りたい」
「海外の取引先との商談で苦戦している」
「商談において相手との関係づくりが難しい」
そう思っていませんか? ビジネスの世界では、国境を越えた取引が日常茶飯事。しかし、異なる言語と文化の壁によって、海外の取引先やクライアントとの商談が困難になることがあります。
英語の理解はもちろん、相手の文化やニーズを尊重しつつ、効果的に説得するスキルが求められるのです。
本記事では、海外の取引先と英語で商談を成立させるために重要なポイントと、実際の商談で役立つ英語フレーズを、ENGLISH COMPANYがご紹介します。この記事でお伝えするポイントやフレーズをマスターすることで、自信をもって国際的な商談の場に臨めるでしょう。
ビジネス英語で商談を成功に近づける鍵
海外の取引先と商談を成立させるために、特に重要なポイントを5つ挙げました。
- 相手の国に応じてコミュニケーションスタイルを変える
- 文化の違いに配慮する
- 対応にかかる時間をふまえ、依頼内容の準備をする
- コミュニケーション・ストラテジーを身につける
- 結果を問わず、適切なフォローアップをする
それぞれ順番に詳しく見ていきましょう。
1. 相手の国に応じてコミュニケーションスタイルを変える
海外の取引先との商談で必要なのは、相手の国によってコミュニケーションスタイルを変えること。直接的か間接的かどちらのコミュニケーションスタイルを好むかは、国や地域によって異なります。
- 直接的コミュニケーションを好む傾向にある国
ドイツ、オランダ、フランス、アメリカ など - 間接的コミュニケーションを好む傾向にある国、地域
日本、中国、東南アジア など
直接的なコミュニケーションを好む国々では、問題解決のために直接的に主張することや、ネガティブな内容を直接本人に述べることをためらいません。反対や批判をされても、人間関係に影響しないと考えているためです。
こうした国の人たちと交渉する際は、強気で直接的なアプローチが必要です。たとえば、価格が予算を超えている場合、以下のようなフレーズの使用が考えられます。
例:
Your price is beyond our budget. Can we discuss a more reasonable figure?
「御社の価格は私たちの予算を超えています。もっと合理的な数字について話し合うことはできますか?」
主張するときは、短く端的に、結論から話を始めるのがおすすめです。
また、自信をもって話すことが信頼を得るために重要。特に欧米では、過度な謙虚さは「意見がない」「能力がない」印象を与えます。不安があっても、堂々とした態度で伝えるのがポイントです。
一方、間接的なコミュニケーションを好む国の人たちと英語で商談をする場合、否定的な意見を伝える際には他者の前ではなく、一対一で伝えるなどの配慮が必要です。間接的なコミュニケーションが求められる国は日本以外にも存在することを、知っておきましょう。
2. 文化の違いに配慮する
文化の違いや慣習に配慮することも重要です。特に、あいさつやコミュニケーションスタイルの違いに注意を払いましょう。
たとえば、初めて顔合わせをするとき、日本では名刺交換が重要なビジネスの儀式とみなされます。お互い名刺交換をしたら、相手の名刺を上にして名刺入れにしまうなど、敬意を表す行動が期待されます。
対して西洋文化では、名刺交換前に握手を交わすのが一般的です。相手の目を見てしっかり握手をすることが、信頼関係の構築に役立ちます。
そして、相手の話を聞くときにうなずきすぎるのは避けましょう。特に欧米では、うなずきすぎると不自然に思われる恐れがあります。なぜなら、「うなずく=agree(賛成・同意する)」という意味があるからです。
また、相手の話を聞くときは、英語圏の文化では目を見てじっと耳を傾けることがマナーとなっています。
ですから、あなたのプレゼンテーション中に相手が無反応でじっとこちらを見ても、気にする必要はありません。それは、熱心に耳を傾けている証拠なのですから。相手からの反応がなくても、最後まで堂々と話し続けるのが有効です。
【その他の主な文化の違い】
時間:日本ほど厳しくこだわらない国や文化もあります。到着が多少遅れても、比較的寛容な姿勢でいるのがおすすめです。
謝罪:重大な過失を犯した場面など、本当に必要なとき以外で謝ると、卑下しすぎていて頼りないと思われる場合もあります。特に、日本人が感謝や依頼の意味でも使う「すみません」と同じように「I'm sorry.」と言うのは避けましょう。
本当に謝るべきタイミングで適切に謝罪するのが有効です。
<I'm sorry.の代替表現>
Thank you.(感謝)
Excuse me / us. (前を横切るときなど)
Could you...(依頼)
3. 対応にかかる時間をふまえ、依頼内容の準備をする
海外のビジネスパートナーに依頼する際は、国内の取引先と比べ、納品などの対応に時間がかかることを考慮に入れる必要があります。例をふたつご紹介しましょう。
まずは、ある製品を発注した海外の取引先で品質に問題が生じているため、品質改善の商談を依頼するケース。その際、製品の品質について話し合い、日本市場で発生している特定の問題点を取り上げます。
海外に拠点があるため、迅速な対応が難しいという問題を指摘し、解決策として在庫の無料共有を提案するとしたら、次のように伝えるのが適切です。
例:
We highly appreciate the quality of your products. However, we've encountered some challenges in the Japanese market, such as delayed shipments.
Given your overseas location, immediate response is challenging. Could we consider having a certain number of units as free shared inventory to address these issues?
「御社の製品の品質を高く評価しています。しかし、日本市場では出荷の遅延など、いくつかの課題に直面しております。
御社が海外に位置しているため、即時の対応は困難です。これらの問題に対処するために、一定数のユニットを無料の共有在庫として検討することは可能でしょうか?」
次に、注文量とそれにともなう納期について依頼するケース。先方から提案された納期で、こちらが希望する数量の発送が可能かどうかを確認し、もし困難であれば、代替案を検討します。
例:
Regarding the delivery schedule, we anticipate placing orders for approximately 50 units this month. Would it be feasible for you to fulfill these orders within the proposed timeline?
If there are any challenges, let's discuss possible solutions.
「納品スケジュールに関して、今月は約50ユニットの注文を予定しています。提案されたタイムライン内でこれらの注文を満たすことは可能でしょうか?
何か課題があれば、可能な解決策について話し合いましょう」
対応には時間がかかることを想定して、相手への依頼内容をあらかじめ準備しておくのがポイントです。
4. コミュニケーション・ストラテジーを身につける
相手の言葉が聞き取りにくいときや、言葉がすぐに出てこないときに、なんと返したらよいかわからないからと、黙ったままでいるのは、印象がよくありません。なぜなら多くの外国の文化では、沈黙は否定的にとらえられ、何かがうまくいっていないように解釈されるからです。
加えて、沈黙はしばしば「無言の承諾」とみなされ、沈黙によって不利益な条件をのまなくてはならなくなる恐れもあります。沈黙を「美徳」としてとらえる日本での考え方とは異なるため、注意が必要です。
コミュニケーション上で起こりうるトラブルに備えて、適切な「コミュニケーション・ストラテジー」をもっておくと有効です。
コミュニケーション・ストラテジーとは、コミュニケーションでよくあるトラブルに適切に対処するための方略のこと。主に次のようなストラテジーが該当します。
【代表的な聞き返しのストラテジー】
反復要求:相手の話がはっきり聞き取れなかったときに、発話の繰り返しを求めること
例:Could you please repeat that?
「それを繰り返していただけますか?」
説明要求:相手の言葉の意味がわからないときに具体的な説明を求めること
例:Could you explain what you mean by that?
「それについて具体的に説明していただけますか?」
聞き取り確認:聞き取った言葉が正しいかどうか確認すること
例:Did I hear you correctly when you said...?
「あなたが言った...ということを、私は正しく聞き取ったでしょうか?」
理解確認:相手の発話に対して自分の理解を確認すること
例:So, if I understand correctly, you're saying that…?
「もし私が正しく理解しているならば、あなたは...と言っているということですね?」
【代表的な発話のストラテジー】
言い換え:言葉が出てこない語を別の単語に言い換えること
例:I can't find the right word, but what I mean is...
「適切な言葉が見つかりませんが、私が言いたいのは...」
逐語訳:正確さを考慮せず、母語をそのまま訳すこと
例:「目が高い」を「Eyes are high.」と訳す。
<自然な表現>You have a discerning eye. など
援助要請:わからない言葉をネイティブに質問したり、辞書を使って調べたりすること
例:I'm not sure about this word. Could you help me understand it?
「この言葉の意味がよくわかりません。理解するのを手伝っていただけますか?」
フィラー:沈黙を埋めるための時間稼ぎの言葉
例:Let me think.「考えさせてください」 Well.「ええと」
こうしたストラテジーは、ただ知っているだけでなく、自然に使えるようにすることがとても大切です。英語フレーズに関しては、無意識に使えるようになるまで、ひとつのストラテジーにつきひとつのフレーズを徹底的に練習しましょう。
また、これらのストラテジーは母語での会話においても心がけるのがおすすめ。相手の発話を確認するときに、理解が合っているか聞き返したり、説明を求めたりするのを、まずは日本語でも実践してみるとよいでしょう。
コミュニケーション・ストラテジーを、日常の日本語の会話で積極的に使用することで、英語での会話の際にも自然に活用できるようになりますよ。
5. 結果を問わず、適切なフォローアップをする
商談の結果を問わず、その後のフォローアップは関係構築の鍵となります。
商談が成立した場合であれば、商談のお礼を述べたあと、商談の要点をまとめたメールを送り、次のステップを文書化して共有することが効果的です。その際、納期を明確に設定し、以後は定期的に進捗を確認しましょう。
商談があいにく成立しなかった場合でも、将来的な機会に向けて関係を維持するのがポイントです。
商談後のフォローアップの具体的なフレーズは、のちほどご紹介します。
以上のポイントを念頭に置くことで、英語を使ったビジネスの商談をより効果的に進め、成功へと導けるはずです。
ビジネスの商談前に英語で話す内容
ビジネスの商談では、いきなり本題に入るより、アイスブレイク的なスモールトークが行なわれることがよくあります。お互いのことを紹介したり、相手との共通点について軽く話したりして、人間関係を構築し、リラックスした状態で話せる環境を先につくります。
日本語で商談するときと同様、英語でもそのような会話から本題に入ると、よりスムーズなコミュニケーションがとれるでしょう。英語ではどのような表現を用いることができるのか、例を挙げます。
商談前に話す内容は、一般的には次のとおりです。
- 自己紹介
- スモールトーク
それぞれで活用できる便利なフレーズとポイントを見てみましょう。
1. 自己紹介
商談の際には、まず自分の会社と職務を簡潔に紹介します。あいさつする際は、笑顔でアイコンタクトをとりながら、以下のように述べるのがおすすめです(*)。
*このセクションの固有名詞はすべて架空であり、実在の人物、組織とはいっさい関係ありません。
例:
Hello, my name is【Taro Shinjuku(あなたの名前)】. I'm the【Director of International Sales(あなたの職位)】at【EC Solutions(あなたの会社名)】. It's a pleasure to meet you.
「こんにちは、私の名前はシンジュク・タロウです。ECソリューションズの国際営業部長を務めています。お会いできて嬉しいです」
下の名前が長い場合は、英語のニックネームを用意して、相手に呼びやすい名前にすると覚えてもらいやすくなるでしょう。たとえば、あなたが「タカヒロさん」なら「Taka」、「ケイコさん」なら「Kei (Kay)」というニックネームがおすすめです。
名刺にも、下の名前とニックネームを併記するとよいでしょう。
続いて、自分の役割や経験について簡潔に情報を加えます。
例:
I've been with【EC Solutions(会社名)】for【10 years(年数)】, specializing in【technology and innovation(専門分野)】. My role involves【developing new business partnerships overseas(あなたの主な仕事内容)】.
I've been focusing on【expanding our digital services in the European market(特定のプロジェクトや専門領域)】.
「ECソリューションズには10年間所属しており、技術とイノベーションを専門としています。私の役割は海外での新しい業務提携の発展です。
ヨーロッパ市場におけるデジタルサービスの拡大に注力してきました」
そして、相手の会社や業務に興味を示し、関係構築の基盤を築きましょう。
例:
I've heard great things about【SH Corporation(相手の会社名)】and am eager to learn more about your work in【sustainable energy solutions(特定の分野)】.
「SHコーポレーションのことはよい評判を耳にしており、持続可能エネルギーの分野におけるみなさまの取り組みについて、さらに学びたいと考えています」
2. スモールトーク
商談の本題に入る前に、スモールトークで場を和ませます。特に欧米では、日本と比べて、スモールトークがさかん。それは欧米の国々が、自分の意見をはっきり言語化して伝える「ローコンテクスト社会」に属しているためです。人種や文化、価値観が多種多様な欧米の国々では、言葉による明確な情報交換が求められます。
一方、人々の慣習や価値観が似ている日本は、明確に言語化しなくても顔の表情や場の雰囲気で意図を伝えられる「ハイコンテクスト社会」に属しています。自己開示をすることや、自分の好みを相手に言葉にして伝えるのが美徳とは限らないのです。
こうした文化の違いをふまえ、海外でビジネスの商談をするときは、スモールトークでお互いのことを話し、人間関係を築くことを意識しましょう。
とはいえ、スモールトークとして何を話せばいいかわからないという方もいるかもしれません。そんな方は、最初に天気や商談場所について話すのがおすすめです。
例:
Isn't it a beautiful day? Perfect weather for our meeting.
「すばらしい天気ですね。会議に完璧な天候です」
This is a great location for our meeting. Have you been here before?
「ここは会議に最適ですね。以前にここに来たことはありますか?」
相手が「Yes.」「No.」と答えやすい簡単な質問をするだけでも、関係構築に十分効果的です。
続けて、自分と相手の共通点や共通の趣味、相手の関心事を深堀っていきます。その際に、自分の国について話題を出したり、相手の国の文化について尋ねてみたりするのも有効です。
例:
Soccer is hugely popular in your country. Is there any favorite player or team?
「サッカーはあなたの国では非常に人気がありますね。お気に入りの選手やチームはいますか?」
Are there any tourist spots in your country that you would recommend?
「あなたの国でおすすめしたい観光スポットはありますか?」
In Japan, sake is quite popular. Have you ever tried it?
「日本では、日本酒がとても人気があります。試されたことはありますか?」
また、相手の仕事やプロジェクトに関心を示し、相手から興味を引き出すのも有効です。
例:
What's the most exciting part of your job at【SH Corporation(相手の会社名)】?
「SHコーポレーションでのお仕事で、最も刺激的な部分はなんですか?」
スモールトークのポイント
スモールトークは、関係性を構築するうえで重要ですが、英語圏のビジネス環境では触れないほうがいいトピックもあります。たとえば、以下のトピックは特に避けたほうが無難です。
【スモールトークで避けるべきトピック例】
政治:政治的な話題は、意見の分裂を引き起こす可能性があるため。
宗教:個人的な信念に深く関わるため。
年収:給料や資産に関する話題は、相手に不快感を与える可能性があるため。
など
こうしたデリケートなトピックよりも、先ほど挙げたような、天気や共通の趣味、関心事など、あたりさわりのないトピックについて尋ねるとよいでしょう。
以上のアプローチを用いてビジネス英語での関係構築に成功すれば、自信をもって商談の本題に進められますよ。
商談中に役立つビジネス英語フレーズ
ここでは、ビジネスにおける英語の商談に便利な英語フレーズとポイントをご紹介しましょう。商談は次の手順で進むのが一般的です。
- 商談の開始
- 自社製品、サービスの紹介
- 交渉
順を追って詳しく見ていきましょう。
商談の開始
商談を始める際には、まず相手に感謝を伝え、商談の目的を明確にします。相手に敬意を示し、会話の土台を築きましょう。
例:
Thank you for taking the time to meet with us today. We're excited to discuss the potential collaboration between our companies.
「本日はお時間を割いていただき、ありがとうございます。私たちの会社間での将来的な連携について話し合えることを楽しみにしています」
また、自分から提案することで、効率的な議論へと導くことができます。
例:
Let's begin by discussing our agenda for today. We're looking forward to a productive meeting.
「本日のアジェンダについて話し合いを始めましょう。実りある会議になることを期待しています」
複数のメンバーで商談を行なう際には、会話を始める前にチームメンバーを紹介するのが有効です。
例:
I hope everyone is doing well today. Before we begin, I'd like to briefly introduce our team.
「みなさん、本日はお元気でいらっしゃいますか。始める前に、簡単に私たちのチームを紹介したいと思います」
自社製品、サービスの紹介
製品やサービスを紹介する際には、その特徴と利点を明確に説明します。顧客のニーズに合わせてプレゼンテーションする場合もあるでしょう。
製品の価値とビジネスへの利益を強調するときは、次のフレーズが便利です。
例:
Our product is designed to address【the need for more efficient communication and collaboration within remote teams(顧客のニーズや問題点)】.
「私たちの製品は、リモートチーム内での効率的なコミュニケーションと、連携のニーズに対処するために設計されています」
競合他社との差別化を図りたいときは、以下のフレーズを述べます。
例:
What sets our product apart is【its user-friendly interface and advanced security features(独自の機能や利点)】.
It's been proven to【significantly improve team productivity and data protection(具体的な成果や利点)】.
「私たちの製品を際立たせるのは、ユーザーフレンドリーなインターフェースと高度なセキュリティ機能です。
これはチームの生産性を大幅に向上させ、データ保護にも寄与しています」
また、以下のフレーズで製品の詳細を具体的に紹介し、取引先のニーズに対する適合性を示せます。
例:
I'd like to introduce some of the key features and how they match your requirements.
「主要な機能をいくつかご紹介し、それが御社の要件とどのように一致するかを説明させていただきたいと思います」
交渉
交渉の際は、柔軟性を示しつつ、相手の意見を求めるのがポイントです。
例:
We're open to negotiations on【pricing and service terms(価格、条件、スケジュール等)】. What are your thoughts?
「価格やサービス条件について交渉の余地があります。どうお考えですか?」
また、次のように提案することで、協力的な解決策を模索できます。
例:
Let's find a mutually beneficial solution. We're willing to【consider special pricing for long-term commitments(譲歩や提案)】.
「双方にとって有益な解決策を見つけましょう。私たちは長期的なコミットメントには、特別な価格設定を検討する意思があります」
相手の懸念に対応しながら建設的な提案を行なう際には、次のフレーズがおすすめです。
例:
I understand your concerns. How about we consider【a trial period with discounted rates(代替案や妥協案)】?
「御社の懸念を理解しています。割引価格を適用する試用期間を検討してみてはいかがでしょうか?」
商談に対する意見表明の仕方
英語圏の取引先から商談を受ける場合もあるでしょう。商談後、会社を代表して意見を明確に述べるには、相手の意見を尊重しつつ、自社の立場を明確に伝えます。以下のフレーズが便利です。
例:
I see your point, but from our perspective,【the focus should be on long-term value rather than short-term cost savings(自社の立場や意見)】.
「御社の立場は理解しますが、私たちの観点からは、短期的なコスト削減よりも長期的な価値に焦点を当てるべきだと考えています」
また、相手の提案に対して前向きながらも、慎重な検討を示唆する場合、以下のように伝えましょう。
例:
That's an interesting idea. We'll need to consider how it aligns with our strategy.
「それは興味深いアイデアですね。それが私たちの戦略とどのように一致するかを検討する必要があります」
次のフレーズは、相手の商談内容に対して、反対意見を丁寧に伝えるのに適しています。
例:
I appreciate your suggestion. However, we have some reservations, particularly around【the integration with our existing systems(懸念点や理由)】.
「ご提案に感謝します。しかし、既存のシステムとの統合に関して、特に懸念しています」
商談中のポイント
英語による商談において特に重要なのは、お互いの認識の頻繁な確認です。言語の違いや文化的な背景から誤解が生じやすいため、英語によるビジネスの商談では、定期的な確認が不可欠です。
話が進むたびに一時停止し、これまでの議論内容を振り返って確認すれば、両者の理解が一致しているかを確かめられます。商談においてお互いの認識を振り返る場合、以下のフレーズが便利です。
【確認するためのフレーズ】
Let me summarize what we've discussed so far to ensure I've understood correctly.
「これまでの議論を要約して、私の理解が正しいことを確認させてください」
You're suggesting that…, correct?
「あなたが提案しているのは...ということで合っていますか?」
【意見や提案に対するフレーズ】
What are your thoughts?
「あなたの考えはどうですか?」
Do you have any additional suggestions or modifications?
「何か追加の提案や変更はありますか?」
各議題について適宜振り返ることで、英語によるビジネスの商談をスムーズに進められ、両者の目標達成を容易にできます。
商談後のフォローアップに役立つビジネス英語フレーズ
ビジネスにおいて、商談後のフォローアップは関係性継続において重要です。商談が成立した場合、決まらなかった場合に分けて、それぞれ役立つ英語フレーズを紹介します。
成立した商談のお礼
商談が成功したあと、感謝の意を込めたメールや手紙を送ることが一般的です。以下のメッセージを使って、具体的な合意内容に言及し、今後の楽しみや期待を伝えましょう。
例:
I appreciate your time and effort in finalizing this deal. We look forward to our collaboration.
「この取引をまとめるためのあなたの時間と努力に感謝します。連携を楽しみにしています」
信頼関係の重要性を強調し、成功に向けた取り組みを伝えたい場合は、以下のようなメッセージを送るとよいでしょう。
例:
Thank you for your trust in our company. We are committed to making this a successful partnership.
「弊社へのご信頼に感謝します。成功した提携を築くために尽力します」
その後、これからの予定や次のアクションについて触れ、継続的な関係を築く意志を示すのがポイントです。
例:
We will be in touch soon to discuss the next steps. Thank you for a successful negotiation.
「近日中に次のステップについて話し合うために連絡します。交渉成功に感謝します」
決まらなかった商談のフォローアップ
商談が成立しなかった場合でも、相手に対する感謝の意を表明し、継続的な関係を維持することが大切です。まずは、相手が商談のために費やした時間と労力に感謝し、今後も関係を維持したいという姿勢を示しましょう。
例:
Thank you for your time and consideration. We remain interested in finding a way to work together.
「お時間やご検討をいただき、ありがとうございます。ともに働く方法を見つけることに引き続き興味があります」
もし、商談が決まらなかった具体的な理由や改善点を把握したいなら、次のようにフィードバックを求めましょう。
例:
We are always looking to improve and would greatly value your feedback on our proposal.
「私たちは常に改善を目指しており、提案に対する貴社のフィードバックを大変重視しています」
商談の機会を再度つくる場合、次のようなメッセージで、将来の対話の可能性を探ります。
例:
I would be happy to discuss any concerns or new conditions that might lead to a successful partnership.
「成功した協力関係につながりうる懸念事項や新しい条件について、喜んで話し合います」
そして、提案を再検討する余地を示し、柔軟な対応を強調します。
例:
Please let us know if there are any changes in your situation. We're open to revisiting our proposal.
「状況に変化があればお知らせください。提案を再検討する余地があります」
商談の結果を問わず、フォローアップの最後に相手の個人的な興味や話題に触れることで、メッセージに親密さを加えられます。
例:
Have a nice weekend!
「よい週末を!」
Enjoy your trip next month!
「来月の旅行、楽しんでくださいね!」
I’d like to show you around when you visit Japan!
「日本にいらっしゃった際には、案内します!」
以上のような英語フレーズを活用しつつ、海外のビジネスパートナーとの商談を通じて、持続的な関係を築き上げましょう。
ビジネスの商談にそなえて英語力を高めたい方へ
ここまで、ビジネスの商談に便利な英語フレーズを紹介してきました。しかし、単に英語フレーズを覚えるだけでは不十分。商談では、相手の言葉を正確に聞き取り、かつ相手に正確に伝えることが欠かせません。
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海外の取引先とのビジネスにおいて英語で商談をする場合、日本でのやり方と異なるポイントがあります。今回ご紹介したポイント5つを押さえつつ、フレーズを適切な場面で使えるようになれば、英語で堂々と商談ができるようになるはずです。