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英語のスピーキング力を効率よく伸ばせる勉強法

英語のスピーキング力を伸ばせる勉強法01

英語のスピーキング力をもっと伸ばしたいという方はいませんか。世界中の人々とコミュニケーションができるため、英語がペラペラ話せるのは誰もが憧れるもの。

日本は、英語を普段話さなくても不自由なく生活できる環境。帰国子女だったり、海外の友人をたくさんもっていたり、留学経験が豊富だったりしないと、英語を流暢に話せるようにならないと考える人もいるでしょう。

しかし日本にいながらでも、英語をうまく話せるようになる可能性は十分にあります。英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」がこれからご紹介するスピーキング力の伸びにくい勉強法を知り、効率のよいスピーキングの勉強法を日々繰り返していくことで、しだいに英語を流暢に話せる力を養えますよ。



英語のスピーキング力が伸びにくい勉強法

英語のスピーキング力に効く勉強法の前に、まず非効率的と言われる勉強法を知っておく必要があります。英語を早くペラペラに話せるようになりたいと焦って、以下のふたつの勉強法に取り組んでいませんか。

  1. ひたすら話す
  2. ネイティブからしか習わない

じつは上記ふたつは、スピーキング力が伸びにくい勉強法。その理由を、これからご説明しましょう。

1. ひたすら話す

「英会話がうまくなるためには、とにかくひたすら英語を話す練習をすればいい」

英会話の上達には、英語を使う機会も時には必要でしょう。しかし、それは相手の話を聞いて理解できているのが前提そのうえで、聞いた内容に応じた適切な応答ができないと、英会話は成立しません。

相手の英語が聞き取れない、聞いても意味がわからないという基礎力のない段階で会話力を鍛えようとするのは、きわめて非効率的です。

しかも英会話では、間違った英語を相手がひとつひとつ修正してくれるとは限りません。自分の間違った英語が直されないままだと、間違った英語を使っている本人は、「自分の英語は正しい」と思い込む恐れがあります。結果、間違ったままの英語が定着し、直そうと思っても直りづらくなる化石化という現象が起きやすくなるのです。いったん化石化が起きてしまうと、間違いを直すのは容易ではありません。

英会話は、スポーツでいう練習試合のようなもの。スポーツの土台となる筋力やスタミナが不足している状態で練習試合を続けても、十分な効果があるとは考えにくいですよね。

スポーツと同様、基礎的な文法や語彙知識が乏しい段階でいきなり英会話に飛びつく前に、まずは語彙・文法・リスニング学習といった、基礎スキルを鍛える練習から始めていきましょう。その過程で、スピーキング力向上に必要なトレーニングを徐々に行なっていけば、スピーキング力を効率よく伸ばすことができます。

2. ネイティブからしか習わない

「本場の英語にもっと触れたいから、ネイティブの先生からしか学ばない」
「英語が一番できるのはネイティブ。だからネイティブに教えてもらおう」

これらも、スピーキング力を伸ばしたい方によくある考え。文法的に正しくても、あまり広く使われていない表現を学ぶ目的においては、ネイティブから学ぶメリットもあるかもしれません。しかし、ネイティブの講師だけにこだわるのは、じつはスピーキング力を伸びにくくしている考え方。なぜならネイティブだからといって、英語を母語としない学習者に、英語を効率よく習得させる方法を知っているわけではないためです。

私たちの場合、日本語で日常的にコミュニケーションをとることは特に不自由なくできるはず。しかし、日本語学習者から日本語の文法や使い方について質問されたとき、はたして瞬時に的確な答えを伝えられるでしょうか。そこで、以下の日本語クイズの答えを考えてみましょう。

【日本語クイズ】

  1. 「東京行く」と「東京行く」の違いはなんでしょうか。
  2. 焼き魚は「さ」に濁音がついて「やきかな」になる一方、焼きそばは「そ」に濁音がついて「やきば」にはなりません。なぜでしょうか。

いざ聞かれると、意外と難しく感じますよね。これまで意識したことすらなかったという方もいるかもしれません(答えは記事末尾にて)。

「言語を使える」のと「言語の知識を教えられる」のは別物。直感的に言葉を使いこなせるネイティブでも、言葉の成り立ちや、特定の表現が不自然に感じる理由といった、母語に関する知識を言葉でうまく説明できるとは限らないのです。

初級者や久々に英語を学習する方は、日本語で説明できる講師に教えてもらうのが効率的。第二言語習得を専門とする、常葉大学の佐野富士子特任教授らは、明示的な言語知識(言葉で説明できる言語規則についての知識)は、大人が効率的な言語習得を進めるうえで重要だと述べます。明示的知識によって、学んだ言語の特徴に気づきやすく、誤りを自ら訂正することが可能になるとのこと。

先ほども述べたように、学習の最初の段階では、英会話に必要な文法などの基礎的なルールを身につける必要があります。言葉に関する明示的知識は、母語で説明を受けたほうが理解しやすいのです。

また、わからないときに日本語で質問できるのも、ただ英語ができるだけのネイティブに教えてもらう場合にはないメリット。そのうえ、日本語で説明できる講師は第二言語習得の苦労を知っていることが多いぶん、英語をうまく話せるようにならない悩みも、きっと理解してくれるでしょう。

最初のうちは、ネイティブだけから学ぶことにこだわらずに、英語が流暢で、かつ英語のルールについて日本語でわかりやすく説明できる「英語のプロ」からスピーキングの勉強法を学びましょう。

英語のスピーキング力を伸ばせる勉強法02

英語のスピーキング力向上で知っておくべきこと

英語のスピーキング力を効率よく伸ばす勉強法を実践するうえで、知っておくべき知識を3点ご紹介しましょう。

1. アウトプットの主なふたつの機能

アウトプットにはいくつかの機能があり、最も代表的な機能は次のふたつが考えられます。

  • 「気づき」機能
  • 「仮説検証」機能

順番にご説明しましょう。

【機能1】「気づき」

英語を話すとき「英語でなんと伝えればいいのか」「うまく使えない文法項目がある」と感じたことはありませんか。英語を話そうとすると、目指すべき英語力と、自身の現状の英語レベルにギャップがあることに気づくのです。こうした「気づき」機能があることで、言えなかった表現に注意を払うようになります。結果、効果的に英語をインプットできるのです。

【機能2】「仮説検証」

英語を話す際に、「こう言ったら通じなかったけれど、ここを変えたら通じた」という体験をしたことがあるかもしれません。これは、アウトプットの「仮説検証」という機能。

まず、通じるかどうか自信がない表現に対して「こう言えば通じるかもしれない」という仮説を立てます。実際に話してみて、相手に伝わるかを確かめることで、自分の英語が正しいかどうか検証しているのです。うまく伝わっていないと判断したときには、必要に応じて修正を加えていきます。

こうした「気づき」や「仮説検証」の機能をフルに活用するためには、インプット学習も必須。ひたすら話すのではなく、語彙や文法、リーディング・リスニング学習とバランスよく行なうことで、スピーキングの学習効果を高められるのです。

2. リスニングの2ステップと上達のポイント

先ほども述べたとおり、相手がなんと言っているか理解できなければ成立しないのが英会話。相手の英語を聞いて理解できるリスニング力は、最低限身につけなければなりません。

リスニングは、「音声知覚」→「理解」の2種類のステップを経ます。どんなステップなのかそれぞれ詳しく見ていきましょう。

【ステップ1】音声知覚

「音声知覚」は、耳から入った音声がどの音か聞き分けるステップのこと。LとRの聞き分けや、英語特有の音声変化の聞き取りを可能にしていくステップです。

英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」にて “英語学習の専門家” として活躍している高橋秀和氏は、「音声知覚」に関わる課題の解決において、以下のポイントを挙げています。

  • 語彙を発音とあわせて覚える
  • 音声変化のルールを学んで身につける
  • 脳内で音と文字を瞬時に結びつけられるまで繰り返し練習する 

語彙学習で発音を重視するのは、次の「理解」のステップで音と意味を結びつけるために不可欠。加えて、正しい発音を身につけることで、相手の聞き取る負担を減らすことができます。

また、英語特有の音声変化を身につけるのも重要。音声変化は、ネイティブが自然に話すときに、音をつなげたり、省エネで発音したりして、言いやすいように発音を変化させている現象のこと。音声変化は、個々の単語の発音はだいたい把握しているものの、ナチュラルに続けて発音されると聞き取れなくなる一番の原因なのです。

ネイティブの発音が、自分がいままでイメージしていた「教科書などで正しいと習う音」と違うなら、聞き取りにくいと感じるのも無理のない話。相手の英語を細部まで聞き取れるようにするためには、音声変化のルールを身につけ、無意識に音声変化を再現できるようにすることが重要です。

音声変化の詳細は、コラム「英語の『音声変化』の特徴と効果的な学習方法」が参考になります。

そして、英語の音を脳内で瞬時に文字に結びつけるためのトレーニングを繰り返しましょう。たとえば、英語の音声 “apple” を聞いたら、すぐに文字の “apple” を思い浮かべられるようなイメージです。

最初にディクテーション(聞き取った言葉を紙に書き取るトレーニング)で、自分がどの単語を聞き取れないか具体的に特定します。その後、オーバーラッピング(スクリプトを見ながら、英語の音声に合わせて、まったく同時に発音するトレーニング)や、シャドーイング(流れてきた音声に続いて、1、2語遅れでまねして発音するトレーニング)に取り組むことで、音声知覚のステップを攻略することが可能です。

【ステップ2】理解

リスニングにおける「理解」とは、聞き取った英語の意味を理解するステップを指します。すでにもっている語彙、文法、文脈などの知識を総動員して、正確にすばやく相手の英語を理解するステップです。

前出の高橋氏は、語彙の意味や基礎的な文法を含んだ英文を瞬時に理解できるかが、聞き取りにおいて特に重要だと説明します。

高橋氏いわく、聞いた英語の内容理解で日本人の成人英語学習者に有効なのは、リーディング力向上とのこと。正確に読めるようになってから、チャンクリーディング(意味のかたまりであるチャンクごとに意味を処理していく読み方)を取り入れて、文を頭から読んですばやく理解していくことでリーディング力を効率よく伸ばせると、高橋氏は説明します。

語彙も、文法も、リーディングも、リスニングも、すべてが英語のスピーキング練習の一環である、という意識で勉強に取り組みましょう。

3. スピーキングの3ステップと上達のポイント

英語のスピーキング力の前提となるリーディングやリスニングの力が身についたら、いよいよスピーキング。スピーキングは、「概念化」→「言語化」→「調音」の3種類のステップを経ます。どのようなステップなのでしょうか。

【ステップ1】概念化

概念化は、話す内容を思いつくステップ。見逃されやすいですが、スピーキングの上達の大事な出発点です。

英語を話せない以前に、そもそもどんな内容を話せばいいかわからなければ、会話はできません。また、英語話者と日本語話者では、論理展開の仕方が一般的に異なることも把握する必要があります。

高橋氏によると、まず伝えたい内容を日本語で思いつくように練習するのが重要だそう。そして、「言いたい内容を述べてから、具体例、理由を加える」という一般的な英語の論理展開にのっとり、話す順序を決めるのが、概念化の攻略ポイントだそうです。

【ステップ2】言語化

言語化は、思いついた内容を言葉にするステップ。単語や構文、適切な言葉遣いを選択していきます。

高橋氏によると、英語と日本語では語順だけでなく、母語話者の世界のとらえ方も異なるため、逐語訳しても意味がうまく伝わらないことがあるとのこと。

たとえば、「ここはどこ?」を逐語訳すると、“Where is here?” となりますが、ネイティブに違和感を与える英語になってしまいます。より自然なのは、“Where am I?” 。逐語訳すると「私はどこ?」ですね。

日本語は「自分をカメラにして世界を眺める」言語。 日本語では、話している言葉に「自己の姿」が映し出されないということがよく起きます。一方英語は、「自分を外から眺めながら話す」言語。「もうひとりの私」が外から地図上の自分を眺める感覚が英語にあるため、文中に「自己の姿」を映し出していることがよくあります。

高橋氏は、日本語の発想にない英語表現は、逐語訳をするのではなく、ひとかたまりの英文で覚えることを提案しています。具体的には、身につけたい文法を使用した例文を部分的に変化させ、何度も音読するパターンプラクティスというトレーニングがおすすめだそう。こうしたトレーニングの積み重ねが、英語らしい表現の型を身につけるのに有効とのことです。

【ステップ3】調音

調音は、頭のなかで文字化した内容を正確に発声するステップ。正しい英語の発音が知識としてインプットされ、かつ正確に発音できるかが重要と、高橋氏は指摘します。相手へ伝わったかの度合いに影響するため、正しい発音をするための練習は避けて通れません。

唇や舌の位置を意識しながら正確かつ瞬時に発音できるまで、音読やオーバーラッピング、シャドーイングを繰り返し練習するのが重要だと、高橋氏は述べています。

以上をふまえて、英語のスピーキングの勉強法を実践していけば、スピーキング力を効率よく伸ばせますよ。

英語のスピーキング力を伸ばせる勉強法03

英語のスピーキング力アップに効く勉強法

英語のスピーキングに効果のある、主な勉強法を4つご紹介しましょう。

1. スピーキングテストを活用したアウトプット

有効な勉強法のひとつは、英検やTOEIC、TOEFLなどのスピーキングテストを使って練習すること。YouTubeでスピーキングテストのサンプル音声や、スピーキングテストの公式問題集などを使って練習するなどの方法があります。

たとえば、TOEIC Speaking & Writingのスピーキングパートでは、以下の形式でスピーキングの練習が可能です。

  1. 音読問題
    アナウンスや広告などの、語数が短めの英文を音読する
    準備時間45秒。解答時間45秒。問題数2題
  2. 写真描写問題
    1枚の写真をできるだけ描写する
    準備時間45秒。解答時間45秒。問題数1題
  3. 応答問題
    インタビューなどの設定で質問に答える
    準備時間なし。解答時間15秒または30秒。問題数3題
  4. 提示された情報に基づく応答問題
    提示された資料や文書に関して、設問に答える
    準備時間45秒。解答時間15秒または30秒。問題数3題
  5. 解決策を提案する問題
    メッセージを聞いて解決策を提案する
    準備時間30秒。解答時間60秒。問題数1題
  6. 意見を述べる問題
    与えられたテーマについて意見と理由を述べる
    準備時間15秒。解答時間60秒。問題数1題

こうした形式のスピーキングテストを活用することで、スピーキングの基礎力だけでなく、英語で考えをまとめて発信するスキルも鍛えることが可能です。

さらに効果的なのは、定期的にテストを受験してみること。第二言語習得研究に詳しい明治大学の廣森友人教授は、定期的な受験によって、自らのスピーキング力を客観的に振り返る機会を得られると述べます。また、テスト本番でうまく言えなかった表現に気づき、不足している言語形式や文法により注意を向けるようになるメリットもあるそうです。

2. ストーリーリテリング

読んだり聞いたりしたテキスト全体の内容を、思い出せる限り英語で再現するトレーニングです。ただ暗唱するのではなく、聞き手に伝わるように自分の言葉で言い換えたり、感想をつけ加えたりします。おもしろかった映画や小説などの内容を、誰かに口頭で伝えるようなイメージをもって、リテリングしていきましょう。

聞き手がいることを想定して録音しながら行なったり、協力してもらえる場合は家族や友人の前で行なったりすることも有効です。

3. シャベリカ

シャベリカ」は、株式会社教育同人社から発売されているトランプカード。「生まれてきてよかったと思うとき」「最近言われて嬉しかった言葉」など身近で興味を引く54のトーキングテーマが書かれたカードです。カード自体は日本語で書かれていますが、引いたカードのテーマに英語で即答する練習に活用できますよ。

前出の廣森教授がおすすめしている活用法は、引いたトピックについて1分間で英語スピーチをすること。スピーチ後に確認できるように、すぐに出てこなかった語彙、表現をメモしておくとより効果的とのことです。

4.「4/3/2」トレーニング

「4/3/2」トレーニングは、最初は4分、次に3分、最後に2分と、だんだん英語で話す時間を短くしながら、同じテーマのスピーチを3回繰り返すトレーニング。第二言語習得の専門家であるニュージーランド、ヴィクトリア大学のポール・ネーション名誉教授が考案しました。

「4/3/2」トレーニングのゴールは、4分間、3分間で話すリハーサルを経て、本番の2分間スピーチで、テーマに基づいて流暢かつ端的に話せるようになること。時間を減らしていくごとに、言い淀みや沈黙だけでなく、無駄な説明も省いていくのがポイントです。

「4/3/2」トレーニングは、以下の手順で進めていきます。

  1. テーマについて考える。必要な単語をメモして話す準備をする
  2. 4分間話し続ける
  3. 4分間で話した内容を、今度は3分で話し終える
  4. 最後に2分で同じ話をする。この段階で流暢かつ端的に話せるようにする

同じ内容を決められた時間で話す練習を繰り返すうちに、言いたいことがスラスラとコンパクトに表現できるようになりますよ。

以上のポイントを押さえてそれぞれの勉強法に取り組めば、日本にいながらでも英語のスピーキング力を効率よく伸ばすことができるでしょう。

英語のスピーキング力を伸ばせる勉強法04

英語のスピーキング力アップにおすすめの教材と勉強法

英語のスピーキング力を伸ばすのにおすすめの教材と勉強法を見ていきましょう。スピーキングの勉強で特におすすめな2冊をご紹介します。

1.『新装版 耳からマスター! しゃべる英文法』

第二言語習得で最も効率的だとされるバランス、「大量のインプット+少量のアウトプット」に基づいて、英会話にとても役立つ文法項目を学べる一冊です。

【勉強法の例】

  • 英会話を聞いたあと、内容に関する質問に英語ですぐに答えていく
  • 内容に関する質問に加え、自分自身に関して質問に具体的に答える

以上の勉強法を繰り返すことで、「知識としてもっているだけの文法」が「自動的に使える文法」になって、話しやすくなる実感が得られるはずです。

2.『TOEIC S&Wテスト総合対策 改訂版』

中盤でご紹介したTOEIC Speaking & Writing Testsの形式で、英語の発信力を磨くことができます。ビジネスで扱う表現が豊富なので、TOEIC Speaking & Writing Testsを控えている方のみならず、英語で仕事をしたい方にもおすすめです。 

以下の勉強法に沿って練習すれば、総合的にスピーキング力を鍛えられますよ。 

【勉強法の例】

  • 英会話で必須の電話の定型表現を学ぶ
    →提示された情報に基づく応答問題で練習
  • 身近なことや自分の意見の話し方を学ぶ
    →応答問題や意見を述べる形式の問題で練習
  • 提案の仕方を学ぶ
    →解決策を提案する形式の問題で練習


教材で迷っている方は、まずは以上の2冊から、英語スピーキングの勉強に取り組むのはいかがでしょうか。

もっと英語のスピーキング力を伸ばす近道とは

ここまで、英語のスピーキング力を伸ばすのに必要なステップ、上達のポイント、勉強法をご紹介してきました。じつは、英語のスピーキング力をさらに伸ばす近道があるのです。

その近道とは、自らの立ち位置を知ること。なぜなら、スピーキングに関する具体的な課題は、個人差があるから。「そもそも相手の話が聞き取れない」「相手の話はしっかり理解できるのに、言葉が出てこない」「相手に自分の発音がうまく伝わらない」といったケースでは、それぞれ解決すべき課題が異なります。とはいえ、スピーキングにおいてどんなところが課題なのか、自分では気づきにくいもの。

そこで、言語学や第二言語習得研究に詳しい「英語のプロ」に、自分の課題を診断してもらいましょう。自立学習型英語コンサルサービス「STRAIL」では、スピーキングにおけるあなたの課題を、専属コンサルタントが細かく診断してくれます。毎回のコンサルティングで、現状の課題に合った目標を設定してくれるため、いまの自分が取り組むべき勉強法をすぐに見つけることが可能です。

さらに「STRAIL」で学べるのは、相手の話をはっきり聞き取れなかったときに聞き返したり、自分の意見を順序立てて説明したりするための「コミュニケーション・ストラテジー」。STRAILで学んだ「コミュニケーション・ストラテジー」を英会話で実際に使ってみることで、コミュニケーション上の問題解決がしやすくなりますよ。

STRAILの詳細は公式サイトでチェックしてみてください。英語のスピーキング力を効率よく伸ばす近道がきっと見えてきますよ。

***
英語のスピーキング力向上のために、ひたすら話す勉強法をいきなり実践するのは、かえって遠回り。スピーキングに関する現状の課題を知り、ステップを正しく踏み、上達ポイントを把握したうえで、今回ご紹介した勉強法に繰り返し取り組みましょう。そうすれば、日本にいながらでも、英語で自然なコミュニケーションができる日は、そう遠くないはずです。



日本語クイズの答え

1.「東京行く」と「東京行く」の違いはなんでしょうか。

格助詞「へ」は方向、経路。場所としての東京よりも、方向として東京に向かうというニュアンスです。格助詞「に」は到達点、到着点。「東京に行く」の場合は、「東京」という場所を指し、東京以外の場所には行かないということも含意します。「へ」に比べて目的地としての認識が強くなります。

2. 焼き魚は「さ」に濁音がついて「やきかな」になる一方、焼きそばは「そ」に濁音がついて「やきば」にはなりません。なぜでしょうか。

日本語では、ある語と語の組み合わせでひとつの語になるとき、原則として後ろの語の最初の音が、濁点のない「澄んだ音」から「濁った音」に変化します。連濁と呼ばれる現象です。

【例】
「やき」+「かな」→「やきかな」(焼き魚)
「おお」+「ねもち」→「おおねもち」(大金持ち)

ただし、後ろの語に濁音が含まれていると、この現象は起こりにくくなります。「ライマンの法則」というルールです。

【例】
「やき」+「ば」→「やきば(×やきぞば)」(焼きそば)
「おお」+「わぎ」→「おおわぎ(×おおざわぎ)」(大騒ぎ)

参考資料
StudyHacker ENGLISH COMPANY 著, ナナトエリ 作画(2018),『マンガでわかる 最速最短! 英語学習マップ』, セブン&アイ出版.
大学英語教育学会 監修, 佐野富士子, 遊佐典昭, 金子朝子, 岡秀夫 編集(2011),『第二言語習得―SLA研究と外国語教育(英語教育学大系)』, 大修館書店.
廣森友人(2015),『英語学習のメカニズム―第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法―』, 大修館書店.
平井明代(2015), 「授業を活かすストーリーリテリング・テストの活用」, 大塚フォーラム, 33巻, pp.49-69.
NHK放送文化研究所|方向を表す「に」と「へ」
呂建輝(2020),「連濁しない和語の一側面」, 環太平洋大学研究紀要, 16巻, pp.57-63.
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