1. 英語勉強法ノート
  2. スピーキング
  3. 海外転職の英語面接を成功させる方法。よく聞かれる質問と回答例も紹介
ENGLISH COMPANYの英語勉強法ノート ENGLISH COMPANYの英語勉強法ノート

海外転職の英語面接を成功させる方法。よく聞かれる質問と回答例も紹介

三人の面接官から面接を受ける女性

「海外の転職面接で聞かれる内容は日本の面接とどう違うの?」
「英語の面接でよく聞かれる質問が知りたい」

海外への転職を視野に入れている方なら、このような考えをもっているかもしれませんね。英語での面接に臨むには、自己PRや志望理由といった回答内容を準備するだけでなく、それらを英語で端的に説明できるようにしなければなりません。

そんな英語による転職の面接に不安を抱える方のために、今回は「海外と日本の面接の違い」や「英語面接で頻出の質問と効果的な回答方法」、「英語面接で好印象を与えるためのコツ」をENGLISH COMPANYがご紹介します。

海外に転職したい方だけでなく、国内にある外資系企業や、英語力が求められる企業での英語面接を控えている転職希望者の方にも役立つ内容です!



海外と日本の転職面接の共通点と違い

海外における転職の面接は、日本の面接とどのような違いがあるのでしょうか。両者の共通点と違いをそれぞれ見ていきましょう。

日本の面接との共通点

日本の面接との主な共通点は、選考プロセスです。

海外の面接では、国や地域によって多少の違いはあるものの、基本的な流れは日本の面接と共通しています。面接よりも前の段階で書類選考が行なわれ、応募者の基本的な適性が評価されたうえで面接に移る点も、日本と共通です。

一次面接では、応募者の基本的な資格や志望動機が確認されます。企業によっては一次面接のあと、最終面接まで複数の面接を行なうところもあります。

二次面接以降で確認されるのは、具体的な業務経験や過去の成果など。ここで応募者の専門知識や問題解決能力が試されるのです。

最終面接では、しばしば企業の上層部が参加し、応募者の全体的な適合性が評価されます。応募者の人物像や企業文化への適合性が重視される傾向があります。

また、面接を受ける際の基本的な注意事項も、日本と変わりありません。海外企業との面接は、オンラインで実施されるケースも多数あります。安定したインターネット接続、適切な照明、静かな環境の確保が重要なのは、日本企業のオンライン面接と大きく変わりません。対面面接が実施される場合は、ドレスコード訪問時間に特に注意すべきである点も日本と共通です。

また、日本での面接と同様、面接前には企業のミッションやビジョン、企業文化、業界の最新動向を調べておくのがポイントです。これにより、面接時の質問に対して、より具体的で適切な回答が可能になります。

日本の面接との違い

海外の面接では、主に次の点で日本の面接と異なります。

  1. コミュニケーションスタイル
  2. マナー
  3. 服装
  4. 質問内容

それぞれの違いを順番に詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションスタイル

日本との面接の違いでまず挙げられるのは、コミュニケーションスタイル。日本では、間接的なコミュニケーションスタイルを好み、実績や強みを謙虚に伝えることが求められます。

一方でアメリカやドイツ、フランスなどのように、直接的なコミュニケーションスタイルを好む国もあります。こうした国の企業で面接を受ける場合、自身の考えや意見をよりはっきりと述べるのがポイントです。

もちろん、根拠なく自信過剰に「I can do anything.」(なんでもできます)などと述べるのはご法度。自信にあふれた表情や身振りで、これまでの成果や自分がもっているスキルを具体的かつ丁寧な言葉遣いで伝えましょう

マナー

次に、アイコンタクトやノックなど、面接で期待されるマナーが異なります。

海外での面接中は、アイコンタクトが基本。特に対面の面接を受ける際は、相手の目を見てしっかりと握手をしましょう

握手をする際は、応募者側から手を差し出すと、積極性をアピールできます。もし面接官が握手をためらった場合は、軽く会釈をしましょう。相手に合わせて柔軟に対応するのがポイントです。

ちなみに、日本では3回がマナーとされるノックの回数は、海外では3回以上であれば、特に問題ないようです。

服装

業界によって、面接にふさわしい服装が、日本とは異なる場合があります。日本企業の面接といえば、業界問わずスーツを着て臨むイメージがあるでしょう。海外の場合も、金融や法律などの伝統が重んじられる業界では、同様にフォーマルな服装が好まれます

ただしスーツの色はネイビーチャコールグレーなどを選ぶのがおすすめ。黒だとややフォーマルすぎる印象となります。

一方で、ITやクリエイティブ業界の面接だと、オフィスカジュアルでも許容されるケースがあります。ただし、カジュアルでよいとはいっても整った印象を与える服装を選び、清潔で、しわや汚れがない状態を保つことが重要です。

そしてフォーマル、カジュアル問わず、対面で面接を行なう場合は、靴もしっかり磨いておきましょう。アクセサリーに関しては、控えめで品のあるアイテムを。持ち物については、ビジネスバッグやシンプルなデザインのハンドバッグが適しています。

面接前までに、担当者にドレスコードを事前に確認したり、ウェブサイトや企業紹介の動画などで従業員の服装を観察したりするのも有効です。

質問内容

また、質問内容が日本で面接を受けるのと異なる場合もあります。なかでも、「日本ではなく海外で働きたいと思った理由は?」「この国の就労環境や文化についてどう思いますか?」といった質問の回答は準備するに越したことはありません。

もし、あなたが履歴書に留学などの海外経験を含んだ場合は、その経験に関する質問が来る可能性も十分考えられます

海外企業で転職の面接を受ける際は、以上のような日本企業の面接との共通点と違いをまず押さえておくのがポイントです。

オンライン面接を受ける男性

海外転職面接で的確に回答するポイント

海外企業の転職面接では、自らの強みや企業に対する熱意を論理的かつ端的に語る必要があります。この点は日本企業で面接を受ける場合と変わりませんが、特に、多様な文化的背景をもつ人々どうしが働いている海外企業では、自分の考えを明確に伝え、相手に正確に理解してもらうスキルがいっそう問われます。

文化的な誤解を避け、チームワークを効率的に促進できる人材になれるかの判断材料として、海外企業での面接では、論理的で端的にやり取りするスキルが特に重要視されているのです。

ここでは、面接で的確な回答をつくるためのポイント3つを見ていきましょう。

1. 話すべき内容を瞬時に想起する

英語面接があるからといって、回答内容がまとまっていないうちに英語の面接練習をしても非効率的です。これはスピーキングの3つのプロセス(概念化→言語化→調音)のうちの第一段階「概念化」に基づいています。

そもそもどんな内容を話せばいいかわからない状態で、面接官と英語でキャッチボールをするのはきわめて困難です。そのため第一に、面接で想定される質問の答えを考えておくことが重要。話すべき内容がアイデアとしてまとまったあとで、「結論を述べてから、理由、具体例をつけて説明する」という英語特有の論理展開で話す練習をするのが有効です。

スピーキングのプロセスや練習法に関する詳細は、コラム「英語のスピーキング力を効率よく伸ばせる勉強法」が参考になりますよ。

2. フォーマットにそって答える

面接の回答の仕方には決まったフォーマットがあります。

たとえば、「職務上の困難や挫折経験」など、これまでの職務経験について聞かれたときには、「STAR」(状況「Situation」→課題「Task」→行動「Action」→結果「Result」)のフォーマットが有効。このフォーマットでは、どんな状況下でどのような課題に直面し、その課題を解決するためにどのような行動をとったのか、その行動の結果どうなったのかを説明するのがポイントです。具体例はのちほど紹介します。

フォーマットによって話す順番が固定されれば、あとはあなたの経験をもとに肉づけしていくだけ。何から話せばいいかという心配は少なくとも減ります

3. 質問の意図を考える

面接中、「Tell me your strength.」(あなたの強みを教えてください)のような抽象的な質問が投げかけられる場合も多いでしょう。そんなときは、面接官の質問の意図や、志望している企業が何を求めているかを脳内で冷静に整理するのがポイントです。

あなたの強みを長々と話すのではなく、求めている人材と自分の強みが合致している点に絞って、端的に話すのが面接攻略の近道です。

以上3点が、海外転職面接で的確に回答するためのポイントになります。

面接の回答内容を考える男性

海外転職面接でよく聞かれる質問と効果的な回答例

ここからは、英語での「よくある質問」と、それに対する模範回答例をご紹介します。

自己紹介と志望動機

面接のはじめには、自己紹介が求められます。自己紹介でよく聞かれる質問がこちら。

【質問例】
Tell me about yourself.
「自己紹介をしてください」

Could you briefly describe your past experiences?
「過去の経歴を簡単に説明していただけますか?」


自己紹介では、経歴の要点やキャリアの強みを効果的にかつ端的に伝えることが重要です。キャリアの強みを強調する際には、具体的な成果と経験を例に挙げます。以下の例では、これまでの職種における自らの貢献度を数値化によってわかりやすくアピールしています。

実際の質問内容にもよりますが、自己紹介を求められたなら、「氏名・簡潔な職歴」→「これまでの実績」→「自分自身の強み」→「面接の機会に対する感謝」の順に展開すると、話しやすいでしょう。

【回答例】
氏名・簡潔な職歴
I'm Setsuko Men, with over 10 years of experience in the marketing field.

これまでの実績
In my recent project at EC Corporation, I developed and implemented a new digital marketing strategy that increased our client's online engagement by 40%.

自分自身の強み
My strengths lie in strategic planning and data-driven decision-making, which have consistently contributed to the growth and success of my teams.

面接の機会に対する感謝
Thank you for making time to meet with me today.

(訳)
「メン セツコと申します。マーケティング分野で10年以上の職務経験があります。

最近のECコーポレーションでのプロジェクトでは、新しいデジタルマーケティング戦略を開発・実施し、クライアントのオンラインエンゲージメントを40%増加させました。

私の強みは戦略計画とデータ駆動型の意思決定にあり、私のチームの成長と成功に一貫して貢献してきました。

本日は面接のお時間をいただき、ありがとうございます」


また、面接の冒頭で志望動機や適性を問われるかもしれません。志望動機や適性に関する主な質問がこちら。

【質問例】
Why are you interested in working for our company?
「なぜ弊社で働きたいと思いましたか?」

What motivates you to apply for this position?
「このポジションに応募する動機はなんですか?」

How do you see yourself fitting into our organization?
「あなたは弊社の組織とどのようにフィットすると考えていますか?」


こうした質問をされたら、企業が求める人材としてのあなたとの合致度や、企業に対する熱意をアピールできるチャンスです。企業情報を十分に集められているかを問われている質問と言っても過言ではありません。

【回答例】
会社のプロジェクトや製品が動機の場合
I am particularly drawn to your company because of its innovative approach to【renewable energy(業界名)】. Your recent【Eco-Friendly Solar Panel project(プロジェクト / 製品名)】 really impressed me because【of its efficiency and impact on reducing carbon footprint(具体的な理由)】.

I am excited about the opportunity to contribute to such a forward-thinking and dynamic team.

(訳)
「御社の再生可能エネルギーに対する革新的な取り組みに特に魅力を感じています。近年のエコフレンドリーなソーラーパネルプロジェクトは、その効率性と二酸化炭素排出量の削減における影響が非常に印象的でした。

そのような先進的でダイナミックなチームに貢献できる機会にわくわくしています」

役割や職務への情熱が動機の場合
I have always been passionate about【software development and user experience design(関連する分野や技術)】. When I read the job description for this position, it seemed like a perfect match for my skills and interests.

I am particularly excited about【the opportunity to work on cutting-edge mobile applications(職務の特定の側面)】, and I look forward to the opportunity to【develop innovative features that enhance user engagement(その職務で達成したいこと)】.

(訳)
「私はソフトウェア開発とユーザーエクスペリエンスデザインに常に情熱をもっていました。このポジションの職務内容を読んだとき、私のスキルと興味に合致していると感じました。

最先端のモバイルアプリケーションの開発ができることが特に嬉しく思っており、ユーザーのエンゲージメントを高める革新的な機能を開発する機会を楽しみにしています」

企業文化や価値観への共感が動機の場合
I am impressed by your company's commitment to【sustainability and corporate social responsibility(社会的責任 / イノベーションなど)】. These values resonate with my personal beliefs and goals.

I am looking for a place where I can be part of a culture that prioritizes【ethical business practices and positive community impact(共感する価値観)】, and I believe that your company is that place.

(訳)
「持続可能性と企業の社会的責任に対する御社の取り組みに感銘を受けました。これらの価値は私の個人的な信念や目標と共鳴します。

倫理的なビジネス慣行とコミュニティへのポジティブな影響を優先する文化の一部となれる場所を探しており、御社がその場所だと信じております」

キャリアプラン

面接では、以下のようなキャリアプランに関する質問もあります。

【質問例】
What are your career plans?
「あなたのキャリアプランはなんですか?」


この質問では、面接官は、応募者が国際的な環境でのキャリアに真剣に取り組む意欲をもっているかを見極めようとします。特に海外での就業には、明確な動機と計画が重要です。

以下は、「結論」→「短期的プラン」→「長期的プラン」→「最終目標」の順に構成されたキャリアプランの回答例です。

【回答例】
結論
My career plan involves【continuing to grow in my field of expertise while also expanding my skills and knowledge in new areas(キャリアプランの内容)】.

短期的プラン
In the short term, I aim 【to join a company like yours where I can contribute my skills and learn from experienced professionals(短期間のプラン)】. My goal is [to take on increasingly challenging projects and roles, which will help me develop a more comprehensive understanding of the industry(プランにおける目標)】.

長期的プラン
In the long term, I aspire【to take on leadership roles where I can drive innovation and lead teams towards achieving significant milestones(長期間のプラン)】.

最終目標
I am particularly interested in【content creation and social media strategy,(特定の分野や仕事の種類)】, and I plan to focus on developing expertise in this area. Ultimately, I want to be known as a 【Digital Marketing Specialist(特定の分野、業界)】 who contributes significantly to the field and mentors the next generation of professionals.

(訳)
「私のキャリアプランは、自身の専門領域で成長し続けるとともに、新しい分野でのスキルと知識を広げていくことにあります。

短期的には、自分の能力を活かしながら、経験豊富な専門家から学びを得られる、御社のような企業に加わることを目指しています。挑戦的なプロジェクトや新しい役割を通じて、業界に対する理解を深めたいと考えています。

長期的には、イノベーションを推進し、チームを重要な成果へと導くリーダーシップを担うことを目指しています。特に、コンテンツ制作やソーシャルメディア戦略への関心が高く、この分野での専門知識を深めることに力を入れています。

最終的には、この分野で目覚ましい貢献をし、次世代の専門家を育成することで、デジタルマーケティング分野での知名度を築きたいと思っています」


また、日本ではなく海外だからこそ、そのキャリアプランが実現できる理由に関する質問も十分想定されます。

【質問例】
Why do you think this plan can be realized better abroad than in Japan?
「このプランが日本ではなく海外だと実現できると考えるのはなぜですか?」


こう問われたときは、2、3種類の理由を挙げて具体的に説明します。「Firstly」「Secondly」「Lastly」のようなディスコースマーカー(*)が、順を追って説明する際に便利です。

*ディスコースマーカー:文章や会話の流れを整理し、つなげるために使用される言葉やフレーズ

【回答例】
結論
I believe that pursuing my career plan abroad offers advantages that align with my goals.

理由1
Firstly, working in an international environment will expose me to diverse perspectives and innovative approaches, which are crucial for my professional growth in【renewable energy technologies(特定の分野や業界)】. Many overseas markets, especially in【Europe(特定の国や地域)】, are at the forefront of [specific technology, trend, or innovation], providing an ideal setting for gaining cutting-edge experience.

理由2
Secondly, the opportunity to immerse myself in a different culture and language is not only personally enriching but also enhances my ability to work effectively in global teams. Understanding and adapting to different cultural nuances is essential in today’s interconnected world, and I believe it will make me a more versatile and empathetic professional.

理由3
Lastly, certain skills and expertise, such as【environmental policy development(特定のスキルや知識領域)】, are more advanced or in higher demand in【Northern Europe(特定の国や地域)】] compared to Japan.

まとめ
By working abroad, I can develop these skills more profoundly and bring back valuable insights and experiences to contribute to the Japanese market in the future.

(訳)
「私は、海外でキャリアプランを追求することが、自身の目標に合致する多くの利点をもたらすと考えています。

まず、国際的な環境で働くことで、再生可能エネルギー技術分野における私の専門的な成長に必要な、多様な視点や革新的なアプローチを身につけることができます。特に、ヨーロッパの多くの国々は、持続可能なエネルギー解決策やグリーンテクノロジーのイノベーションにおいて先進的であり、最先端の経験を積むには理想的な場所です。

次に、異文化や言語に触れる機会は、個人的にも豊かな経験となるだけでなく、グローバルなチームで効果的に働く能力を高めることにもつながります。異文化のニュアンスを理解し、それに適応する能力は、今日の相互に繋がった世界では欠かせないものであり、それによってより多様性を受け入れ、共感性のある専門家になれると信じています。

最後に、環境政策の開発などの特定のスキルや専門知識は、日本と比較して北ヨーロッパではより進んでいる場合が多く、あるいはより高い需要があると言えます。

海外で働くことで、これらのスキルをより深く発展させ、将来的には日本市場に貴重な洞察と経験をもたらすことができます」


応募する国に焦点を当てたメリットや強みを伝えていくと、より大きなアピールにつながるでしょう。

過去の経験と解決した課題

面接では、過去の職務経験における具体的な課題とその解決策を説明する質問も頻繁に出ます。

【質問例】
Can you describe a challenging situation you faced at work and how you dealt with it?
「職場で直面した難しい状況と、それにどのように対処したか説明してください」 


上のような質問をすることで、面接官は応募者の問題解決能力をチェックしています。先ほどご紹介した「STAR」のフォーマットを使うと、論理的に話しやすくなりますよ。具体的なデータと事例を用いることで、あなたの経験や成果を明確に伝えられます。

【回答例】
状況 (S)
At my previous job as a customer service representative, we received a complaint from a very dissatisfied customer who had experienced multiple issues with their order.

課題 (T)
My task was to resolve the customer's issues to their satisfaction without escalating the situation further and to retain the customer.

行動 (A)
I listened carefully to the customer's complaints to fully understand their issues, apologized sincerely for the inconvenience caused, and assured them of immediate action. I coordinated with the logistics and product teams to identify the root cause of the problem and expedited a replacement for the defective product. I also offered a discount on their next purchase as a token of goodwill.

結果 (R)
The customer was very pleased with the resolution and expressed their appreciation for the prompt and considerate response. They continued to be a loyal customer, and the feedback received helped us improve our order fulfillment process to prevent similar issues in the future.

(訳)
「前職でカスタマーサービス担当として働いていたとき、注文に関する複数の問題で非常に不満を抱えたお客さまからの苦情を受け取りました。

私の課題は、状況をさらに悪化させることなくお客さまの問題を満足のいくかたちで解決し、顧客維持をすることでした。

お客さまの不満について注意深く聞き、問題を完全に理解したうえで、不便をかけたことに対して心からお詫びをし、即時の対応を保証しました。物流チームと製品チームと連携して問題の根本原因を特定し、不良品の交換を迅速に行ないました。また、善意の印として次回購入時の割引を提供しました。

お客さまは解決策に非常にご満足され、迅速かつ思いやりのある対応に感謝の意を表されました。引き続き常連のお客さまとなり、受け取ったフィードバックは、同様の問題を将来防ぐために、私たちの注文履行プロセスの改善に役立ちました」

逆質問

最後に、「Do you have any questions?」(何か質問はありますか?)と聞かれることもあるでしょう。その場合は以下のような逆質問をして、職場環境や業務内容に対する強い関心を面接官にアピールしましょう。逆質問の効果とともに、いくつか例をご紹介します。

キャリアアップや成長の機会に関する質問
例:
What opportunities for professional growth does the company offer?
「御社は専門的な成長のためにどのような機会を提供していますか?」

効果:企業が従業員のキャリアアップをどうサポートしているかがわかる。

チーム構成に関する質問
例:
Can you tell me about the section I would be working with?
「私が働くことになる部署について教えていただけますか?」

効果:チームの規模や構成、働き方に関する洞察が得られる。

成功の指標に関する質問
例:
What kind of talent thrives the most in your company?
「御社ではどういった人材が最も活躍しているのでしょうか?」

効果:企業文化や求めるスキルセット、価値観を理解し、自分がその環境でどのように貢献し、成長できるかを見極めるのに役立つ。

企業の将来的な展望に関する質問
例:
What are the company's goals for the next five years?
「御社の今後5年間の目標はなんですか?」

効果:企業の長期的なビジョンや戦略を理解し、自身のキャリアがどのように進展していくか考える材料になる。


逆質問は、企業の文化や価値観が自分に合っているかどうかの判断にも役立ちます。何も質問がない事態にはならないように準備しておくのがポイントです。

効果的な逆質問をすれば、職場環境や業務内容に対して前向きな姿勢を示せるでしょう。ただし、求人用の資料や企業のウェブサイトを見ればわかる内容を逆質問するのはご法度です。

海外へ転職する際は、以上のような面接の質問の答え方の準備をしておきましょう。

対面で面接を受ける女性

海外転職面接を成功に近づける話し方や姿勢

海外企業での転職面接では、先ほどまでご紹介した話す内容はもちろん、話し方も重要になります。たとえ話す内容がすぐれていても、目線が下を向いたまま自信なさげに話していれば、面接官にうまくアピールできません。

ここでは、英語で面接をする際に特に注意すべき話し方や姿勢を3点ご紹介しましょう。

1. 自信をもってはっきりとすぐに話す

面接中で何よりも重要なのは、自信をもってハキハキと話すこと。面接中に相手によい印象を与えるためだけでなく、入社後に取引先と交渉したり、プレゼンテーションを実施したりする場面でも必要不可欠です。加えて、アイコンタクトをしっかりとり、落ち着いた声のトーンで話すことが求められます。

正確な英語を話そうとするあまりかえって自信がなくなってしまいボソボソと話すよりも、多少の文法ミスは気にせず、ゆっくりと明瞭に話すほうがずっと効果的です。話すスピードを落とすことで、より落ち着いて見えるうえ、面接官に聞き返されるリスクが減り、相手に理解が伝わりやすいコミュニケーションが可能になります。

さらに、「反応が速い」ことも同様に重要。質問を受けたら、即座に話し始めるのです。

というのも、英語圏の会話マナーでは、質問に対して迅速に反応することが、聞き手に対する敬意ととらえられるから。反応が速いことは、面接だけでなく、将来的にチーム内やクライアントとのやり取りにおいても、信頼性と能力の高さを示す重要な要素となります。ですから、考える時間をとるよりも、迷いなく即答することがより強く求められるのです。

自信をもって、はっきりと、そして迅速に反応することで、あなたのコミュニケーションスキルは面接官に強い印象を与えるでしょう。

2. 負の感情は表に出さない

日本での転職面接と同様、転職理由や挫折経験など、デリケートな話題に触れることもあるでしょう。これらの質問に対しても、ネガティブな表情を顔に出すのは避け、否定的な質問にも前向きな回答をすることが重要です。

3. 想定外の質問への対処法を用意しておく

面接中に想定外の質問に遭遇し、答えに詰まることは誰にでも起こりうるもの。だからといって、沈黙を続けたり、聞き取れなかった箇所をごまかして答えたり、焦りを見せたりすると、内定は遠のいてしまうでしょう。

そうならないように、答えに詰まったときの対処法をあらかじめ準備して、堂々と振る舞えるようにするのがポイント。そのために有効な手段のひとつが、「コミュニケーション・ストラテジー」です。

「コミュニケーション・ストラテジー」とは、コミュニケーション上で起こりうる問題に的確に対処するための方略のこと。たとえば、うまく聞き取れなかった場合に、「Could you say that again?」(もう一度、おっしゃっていただけますか?)と言う例が当てはまります。わからない質問が来ても、ストラテジーを駆使すれば考えを冷静に整理できるため、単に黙るよりも大きなメリットがあります。

こうしたコミュニケーション・ストラテジーをあらかじめもっておくことで、面接中に相手とのやり取りを維持できるようになるでしょう。

コミュニケーション・ストラテジーに関してさらに詳しく知りたい方は、コラム「英語のコミュニケーション・ストラテジーとは?」がおすすめです。

海外企業への転職をかなえたいなら、面接中にこうした話し方や姿勢にも気を配っていく必要があるのです。

面接が終わり握手する様子

海外転職面接の自信をつけるための近道

海外での転職面接のポイントや進行の仕方がわかったら、あとは実践練習。本番を想定して、自信をもってあなたの強みをアピールできるように準備しましょう。

ここで鍵になるのが、誰に練習を見てもらうのか。ひとりでは改善点が見つけにくい以上、面接におけるあなたの課題に応じて適切に助言する存在が不可欠になっていきます。どんな人に見てもらうのが、最も効率的でしょうか?

一番のおすすめは、「英語のプロ」から一対一で課題の診断を受けること。英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」の「英語転職支援サービス」なら、第二言語習得研究の知見にすぐれた「英語のプロトレーナー」が、面接に向けてあなたがいま克服すべき課題に応じて適切なトレーニングをご提案します

面接本番を想定した実践トレーニングはもちろん、今回の記事内で紹介した「コミュニケーション・ストラテジー」で、相手に失礼のないような聞き返し方や、返答に詰まったときの対処法などを学べる機会も提供しています。

転職後の幅広いビジネスシーンにも応用できるコミュニケーションスキルも学べ、仕事で使える英語力を本質から磨けます

また有料オプション(2回セットで税込9,900円)として、履歴書が正確な英語表現や論理的な文章構造になっているか専門のネイティブ講師がチェックする「英文履歴書作成サポート」もご提供。英文の書類選考でお困りの方は、こちらのオプションもおすすめです。

英語を活かした企業への転職を何としても実現したい方は、「英語転職支援サービス」ウェブサイトに、ぜひアクセスしてみてください!

***
海外への転職を実現するためには、英語面接は避けて通れない道。今回の記事を参考に、英語で面接を受ける際の注意点や伝え方を意識すれば、自信をもって本番に臨めるはずです。ぜひ実践して、世界から集まるライバルとの競争を勝ち抜きましょう。



参考資料
柴山かつの(2017),『世界で戦う人の英語面接と英文履歴書』, 明日香出版社.
西出ひろ子(2018),『マイナビ文庫 知っておきたいマナーの基本』, マイナビ出版.
上田怜奈(2022),『ビジネス英語の鬼100則』, 明日香出版社.
岡野雅雄(2008),『わかりやすいコミュニケーション学: 基礎から応用まで』, 三和書籍.
ロッシェル・カップ(2015),『【音声DL付】英語の交渉 直前7時間の技術』, アルク.
東 智徳(2005),『英語面接と英文履歴書の書き方: 外資系企業に採用されるためのノウハウを徹底伝授』, ナツメ社.
あわせて読みたい
英語のスピーキング力を効率よく伸ばせる勉強法 英語のスピーキング力を効率よく伸ばせる勉強法 英語の発音が上達するトレーニングとおすすめのアプリ 英語の発音が上達するトレーニングとおすすめのアプリ 英語のコミュニケーション・ストラテジーとは? 英語のコミュニケーション・ストラテジーとは?