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海外向けの英語プレゼン資料を魅力的にするポイント

プレゼンテーション資料のスライドが提示されている

「海外のお客さま宛にプレゼン資料を英語でつくることになった。どんな構成で書けばいいかわからない」
「プレゼン資料をどのように仕上げたら、相手に魅力的に伝わるのだろう」

このような疑問や悩みをもつ方は多いでしょう。プレゼンの資料は、プレゼンが成功するかどうかに大きな影響を与えるもの。だからこそ、資料づくりでの失敗は避けたいですよね。

そこで今回は、海外向けにプレゼン資料を作成する方へ、「プレゼン資料の基本構成」や「資料で聞き手をさらにひきつけるためのコツ」をENGLISH COMPANYがお届けします。最後まで読めば、魅力的なプレゼン資料を作成できるようになるでしょう。



海外向けのプレゼン資料作成における3大要素

海外向け、特に英語圏の取引先やクライアントを対象としたプレゼン資料を作成する際には、以下3つの重要な要素があります。

  1. 伝えたい情報を明確かつ簡潔に入れる
  2. ターゲット市場で使われている英語表現を把握する
  3. 資料の目的とターゲットを具体的に決める

それぞれ詳しく解説しましょう。

1. 伝えたい情報を明確かつ簡潔に入れる

プレゼン資料を作成する際は、伝えたい情報を明確かつ簡潔に入れましょう。なぜなら、英語圏の国では直接的な情報の伝達が好まれるからです。

世界におけるコミュニケーションの文化は、直接的に情報を伝える「ローコンテクスト文化」と、間接的に情報を伝える「ハイコンテクスト文化」に大きく分けられます。

ローコンテクスト文化に属するアメリカやカナダなどでは、情報を言葉で明確に伝えることがよしとされます。一方、ハイコンテクスト文化に属する日本や中国などのアジア諸国では、明確な言葉を使わなくても「暗黙の了解」でコミュニケーションが成り立つことも。このように、文化によってコミュニケーションのスタイルが違うのです。

よって、英語圏の取引先向けの資料では、「各スライドで主要なポイントをひとつに絞る」「グラフやチャートで数値データを視覚的に提示する」など、情報を直接的かつ簡潔に書くことが求められます。書き方に関する詳細は、のちほどご紹介します。

2. ターゲット市場で使われている英語表現を把握する

海外市場向けのプレゼン資料を作成する際には、ターゲット市場で通常使用されている英語表現を理解し、適切に取り入れることが大切です。

たとえば、アメリカでは「cell phone」と表現する「携帯電話」は、イギリスでは「mobile phone」と表すのが一般的。また、アメリカ英語では「center」と書き、イギリス英語では「centre」と書くというように、スペルが異なる単語もあります。ターゲット市場で使われる英語スペルと忠実に合わせるのもポイントです。

さらに、似た意味をもつ言葉を探せる類語辞典や、単語の自然な組み合わせを調べられるコロケーション辞典を利用すると、伝えたいメッセージを正確に表現するのに適した言葉を選ぶのに役立ちます。

たとえば、オンラインでアクセスできる類語辞典「Thesaurus.com」では、検索した単語の類義語がひとめでわかるだけでなく、意味の類似性がどれほど高いかもチェックできます。

Thesaurus.comを使った類語の検索方法
「Thesaurus.com」で「enhance」と検索した例。

類語辞典を利用するメリットは、より適切な言葉を見つけ、プレゼン資料の言葉遣いに変化を加えられる点です。

たとえば「売り上げを増やす」とスライドで示す際に、「increase sales」ばかり使っていると冗長に見えるかもしれません。そんなときは、類語である「boost」を使って「boost sales」も使ってみましょう。売り上げが増えてビジネスが成長することを、より豊かな表現で伝えることができます。

またオンライン辞書の「WordReference.com」内にあるコロケーション辞典「English Collocations」では、検索した単語と自然に組み合わさる単語が何かを把握することが可能です。

English Collocationsの検索画面
「WordReference.com」の「English Collocations」で「role」と検索した例

コロケーション辞典は、特定の単語が自然に組み合わさった一般的な表現を理解できるのがメリット。英語圏の聞き手に確実に伝わる自然な英語表現をプレゼン資料内で使用するのに役立ちます。プレゼン資料でよく使われる主なコロケーションは、次のとおりです。

【プレゼン資料内に使えるコロケーション】

  • launch a product(製品を発売する)
  • achieve significant growth(顕著な成長を達成する)
  • enhance customer satisfaction(顧客満足度を高める)
  • drive innovation(革新を推進する)
  • generate revenue(収益を生み出す)

など

3. 資料の目的とターゲットを具体的に決める

海外向けのプレゼンに限った話ではありませんが、資料作成前に、プレゼンの目的とターゲットを具体的に定義することも当然重要です。

たとえば、製品の販売を促進したい場合は、製品の特長やメリット、市場での位置づけを強調する内容を考えることになります。ターゲットとしては、製品の特長によって解決できる具体的な問題を抱えている人々を想定するとよいでしょう。

この過程では、聞き手の文化的背景や専門用語の理解度にも注意を払う必要があります。不適切な表現や誤解を招くような内容、専門的すぎる言葉を避け、すべての情報が明瞭で適切に伝わるように努めましょう。

海外向けにプレゼン資料を作成する際には、以上の要素を意識するのがポイントです。

プレゼン資料の内容を説明する発表者

海外向けのプレゼン資料作成の基本

海外向けプレゼン資料の基本的な構成と、作成時の注意点について紹介します。

スライドの基本構成

プレゼン資料の構成は、大きく分けてイントロ(導入)、ボディ(本体)、クロージング(結論)の3つ。聞き手に情報を効果的に伝えるための基本的な枠組みです。

イントロでは、これから話す内容目次として出します。以下のスライド例のように、文字だけでなく、アイコンや図なども示すと、相手に内容がよりわかりやすく伝わるでしょう。

【イントロのスライド例】

イントロのスライド例

ボディ部分では、プレゼンの主要な内容を展開します。伝えたいポイントをサポートするデータや事例を、図やグラフを用いながら示すと、より明確に伝わるはずです。

【ボディのスライド例】

ボディのスライド例
(スライド内のデータ参考:Yahoo! Finance|Smart Home Devices Market to Reach $707.2 Billion by 2032 at 21.5% CAGR: Allied Market Research

クロージングでは、プレゼンの内容を簡潔にまとめます。プレゼンの目的を達成できるよう、要点となる部分をスライド内で強調して示すことがポイントです。

【クロージングのスライド例】

クロージングのスライド例

スライド作成時の7つの注意点

スライドを作成する際の注意点7つを、以下にまとめました。

  1. 1スライドにつき、原則1メッセージ
    聞き手の注意を分散させずに、ひとつのポイントに集中させる

  2. シンプルさの保持
    長文を避け、要点を簡潔に箇条書きで表現する

  3. 図やグラフの有効活用
    複雑なデータや情報をわかりやすく伝えるため、図やグラフを活用する

  4. 品詞の統一
    箇条書きで表す場合、同じ品詞から始める
    【始まりを動詞原形で統一した例】
    Action Plan for Goal Setting(目標設定に関するアクションプラン)
    • Evaluate performance(パフォーマンス評価)
    • Identify opportunities(機会特定)
    • Implement strategies(戦略実施)
    • Monitor progress(進捗管理)
  5. ネガティブな表現よりもポジティブな表現を使用
    ポジティブな表現に言い換えて、前向きな印象を残す
    【ネガティブな表現をポジティブに言い換える例】
    Avoid errors→Ensure accuracy(正確性の確保)
    Prevent delays→Promote timeliness(適時性の推進)
    など

  6. 必要に応じた主語や冠詞の省略
    主語や冠詞を省略して、文をコンパクトにする
    【主語や冠詞を省略する例】
    The innovation drives the company's success.
    → Innovation drives the company's success.
    (イノベーションが会社の成功を牽引)
    We must consider the environmental impact.
    →Consider environmental impact.
    (環境への影響も考慮)

  7. 表記方法の統一
    フォントサイズは、タイトルを24ポイント本文を16〜18ポイントにする

以上のポイントを意識すれば、海外向けのプレゼン資料を魅力的に仕上げるための土台が完成するでしょう。

プレゼン資料内のグラフを見せる発表者

海外向けのプレゼン資料の視覚的魅力を高めるポイント

海外のクライアントをひきつけるには、見た目においてプレゼン資料をより魅力的にすることが効果的。そのためのポイントを具体的に見ていきましょう。

1. テーマに合わせた色彩を選ぶ

プレゼンのテーマに合わせた色彩を選びます。シンプルで読みやすいデザインを心がけ、統一感をもたせることが重要です。

企業のブランドカラーを使用する、あるいはプロジェクトのテーマに合わせた色を選ぶなど、視覚的な魅力を高める工夫をしましょう。

2. キーポイントをひとつに絞り、重要な言葉を際立たせる

スライドごとにキーポイントをひとつに絞り、余白を多用して読みやすくします。フォントを太めにしたり、背景が白の場合は濃い黄色やオレンジなどの強調色を使ったりして重要な言葉を際立たせるのが効果的です。関連する画像やグラフを適宜挿入するのもよいでしょう。

これらのポイントをふまえることで、魅力的な海外向けのプレゼン資料を作成できます。聞き手の関心を引きつけ、理解を深めるための視覚的工夫を凝らすことが、成功への近道となるのです。

プレゼン資料をチェックする社員

海外向けのプレゼン資料作成が終わったら

プレゼンの資料作成が終わったら、次に必要なのは話す練習。いくら資料が魅力的でも、プレゼンターの話し方や話す内容が相手に納得いくかたちで伝わらなければ、資料の効果は半減します。

またプレゼン後には、質疑応答の時間もあります。想定外の質問で沈黙したり、回答がしどろもどろになったりしていると、相手を失望させてしまう恐れもあります。

プレゼンの成功には、資料を見やすく、魅力的にするのはもちろん、相手から理解を得られるような伝え方をしたり、どのような質問にも冷静に対処したりするスキルも鍵を握るのです。

こうしたスキルを自力で鍛えるのは大変と思うかもしれません。それでも、正しくトレーニングを行なえば、プレゼンに欠かせないスキルを効率よく磨くことができます。

そんなトレーニングを提供しているのが、英語ジム「ENGLISH COMPANY」が提供しているハイエンド英語トレーニングコース「ENGLISH COMPANY Premium」。プレゼンや交渉など幅広いビジネスシーンで、論理的にわかりやすく相手を説得できるスキルをマンツーマンで身につけられるコースです。

相手の質問がうまく聞き取れなかった場合や、回答を整理したい場合に活用できるコミュニケーション上の方略「コミュニケーション・ストラテジー」も学べますよ。

「ENGLISH COMPANY Premium」の最大の特長は、あなたの現状の英語に関する課題を専門のトレーナーが診断し、個々に合わせたトレーニングプランをご提案するところ。このパーソナライズされた無駄のないアプローチにより、英語力を格段に向上させることが可能です。

月1回のネイティブ講師によるセッションには、日本人トレーナーも同席。実際のコミュニケーションの様子から改善点を見極め、あなたに合ったトレーニングプランをご提案できるのも強みです。さらに、自社開発のAIを活用した学習アプリも提供。このアプリを通じて、英語特有の論理的な型にのっとって相手を説得する手法を効率よく学べます

さらに、このコースの受講特典として、組織内でリーダーシップを発揮する方法や、マネジメント上の問題を解決する力など、ビジネスの場で使えるさまざまなスキルを英語で学べる自習用の教材をご提供します。この自習教材に関連するトピックを扱うトレーニングセッションもありますので、英語で新しいスキルを身につけるメリットを、よりいっそう実感いただけるはずです。

コース内容についてさらに詳しく知りたい方は、「ENGLISH COMPANY Premium」ウェブサイトをぜひご覧ください。

***
海外向けのプレゼン資料は、目的やターゲットに応じて、適切に作成することが求められます。英語でプレゼン資料を作成するヒントとして、本記事をぜひ参考にしてみてください。



参考資料
味園真紀(2010),『英語プレゼンハンドブック』, ベレ出版.
愛場吉子(2017),『英語でプレゼン・スピーチ 15 の法則』, 三修社.
田中真紀子(2014),『英語のプレゼンテーション<スキルアップ術>』, 研究社.
Lutfi Ashar Mauludin (2020), English For Business Presentation, Surabaya, Airlangga University Press.
Jean-Luc Doumont (2005), “The Cognitive Style of PowerPoint: Slides are not all evil”. Technical communication, Vol.52, pp.64-70.
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