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TOEICスピーキングの効率的な対策とおすすめの問題集

TOEICスピーキングの概要と必要な対策1

みなさんは、TOEIC®︎スピーキングテスト(TOEIC®︎ Speaking Test)を受験したことがありますか。リスニングテスト・リーディングテストと比べてTOEICのスピーキングテストは、あまり馴染みのないテストかもしれませんね。しかしTOEICのスピーキングテストは、対策を適切に行なうことで、日常生活やビジネスに広く通用するスピーキングスキルを転職先や勤務先で大いにアピールできるテストなのです。

英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」が、TOEICスピーキングテストの内容と効果的な対策、おすすめの問題集をご紹介しましょう。



TOEICスピーキングテストとは

まずはTOEICスピーキングテストがどんなテストか、どんな内容で構成されているかを見ていきましょう。

TOEICスピーキングテストの特徴

TOEICスピーキングテストは、日常生活やビジネスにおいて英語での効果的なコミュニケーションをするために必要となる、話す能力を約20分間で測定するテストです。以前は、スピーキングテストとライティングテスト両方の受験が必要でしたが、2016年1月からスピーキングテストのみの受験が可能になりました。

試験時間は約20分で問題数は11問あり、満点は200点です。申し込む際に「テスト結果インターネット表示:利用する」を選択すると、試験日から17日後にインターネット上でテスト結果を閲覧でき、30日以内には「Official Score Certificate(公式認定証)」が受験者宛に発送されます。

TOEICスピーキングテストの内容

TOEICスピーキングテストは次の内容で構成されているテストです。

【第1問・第2問】音読問題

第1問と第2問は、音読問題。アナウンスや広告といった内容の短い英文を音読する問題です。準備時間は各45秒で、解答時間も各45秒発音やイントネーション、アクセントが評価されます。

【第3問・第4問】写真描写問題

第3問と第4問は、 写真を見て内容を説明する写真描写問題。写真を見て内容を整理するための準備時間は各45秒で、解答時間は各30秒です。発音やイントネーション、アクセントに加え、文法、語彙、一貫性(第3問・第4問の場合、写真と関連した内容を最初から最後まで述べているか)も評価されます。

【第5問〜第7問】応答問題

第5問から第7問は、 身近な問題についてのインタビュー、もしくは電話での会話などの設定で、設問に答える問題。準備時間はなく、質問を聞いたあとに15秒または30秒で答えなければなりません。この問題から発音、イントネーション、アクセントや文法、語彙、一貫性に加え、内容の妥当性、内容の完成度も評価されます。

【第8問〜第10問】提示された情報に基づく応答問題

第8問から第10問は、提示された資料やスケジュールなどの文書に基づいて設問に答える問題。資料を読んで理解するための準備時間は45秒で、解答時間は15秒または30秒です。

【第11問】意見を述べる問題

第11問は、あるテーマについて、自分の意見とその理由を述べる問題。答えの内容を考えるための準備時間は30秒で、解答時間は60秒です。

TOEICスピーキングテストは、以上の構成で進んでいきます。

TOEICスピーキングテストで取得すべき点数

TOEICスピーキングテストでは、200点満点中どれくらいの点数が世間に求められるのでしょうか。TOEICを運営している一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の「英語活用実態調査2019」によると、社員・職員に期待するTOEICスピーキングテストのスコア平均は、新入社員・中途社員で110点営業部門で120点、技術部門で120点、海外部門で140点とのこと。また、2022年2月現在で公開されている最新のTOEICスピーキングテストの平均スコアは、130.9点です。

IIBCがまとめている「能力レベル別評価の一覧表」を見ると、110点から120点は、意見を述べたり、複雑な要求に応じたり、質問に対して基本的な情報を提供したりすることが、ある程度の割合でできるレベル。130点から150点は、意見を述べたり、複雑な要求に対して適切に応じたり、質問に対して基本的な情報を提供したりすることができるレベルだそうです。

TOEICスピーキングテストの点数で仕事先にアピールするためには最低120点、英語が関わる部署での就職・転職を目指す場合は、最低140点を目指しましょう。

TOEICスピーキングの概要と必要な対策3

TOEICスピーキングテストの対策

TOEICスピーキングテストで望ましい点数をとるために必要な対策とはなんでしょうか。主な対策は次のとおり。

  • 基礎スキルを鍛えておく
  • 正確な発音を身につける
  • 解答の型を把握しておく

順番に見ていきましょう。

1. リスニングスキルやリーディングスキルを鍛えておく

スピーキングテストで高い点数をとりたいからといって、オンライン英会話や英会話スクールなどでスピーキングの練習ばかりするのはじつは非効率的。なぜなら問題の英語が聞き取れない、聞いても意味がわからないという段階でスピーキング対策をするのは、効率が悪くなりやすいからです。実際に第5問から第10問までは、聞こえてきた英文の内容にそって適切に答えなければなりませんし、第8問から10問までは、与えられた資料の内容を頭に入れることも必要になります。

スピーキングで使える語彙・表現を増やす絶好の機会となるのは、スピーキングの練習のようなアウトプット学習よりも、インプット学習をしているとき。つまり、読んだり聞いたりして理解したときに、新しい知識が得られ、言語習得に結びつくのです。

もちろん、適度にスピーキングの練習を組み合わせることも重要。なぜなら、英語を話そうとすることで、うまく使えない文法項目やわからない語彙に「気づき」を得やすくなるから。すると、言えなかった表現に注意を払うようになり、そうした語句や表現を事後的に調べることで知識がより強く定着し、より効率的なインプットができるようになります。

よって、新しい知識を身につける学習を進めるなかで、リスニングスキルやリーディングスキルを継続的に鍛えつつ、適度なバランスでスピーキングの練習をすることが有効なテスト対策となるのです。

2. 正確な発音を身につける

スピーキング対策として、しっかりと伝わる発音を身につけることは必須。発音が正確であれば正確であるほど、試験官からの印象を高めるだけでなく、実際のコミュニケーションでも相手に理解してもらいやすくなるのです。さらに、正確に発音ができる音が多いほど、リスニングの正確さも向上しやすくなります。なぜなら、私たちは音を聞き取る際に、その音が「どのような口の動きから発されている音なのか」という情報も頼りに音を細かく識別しているからです。

コラム「英語の発音が上達するトレーニングとおすすめのアプリ」では、発音に関する詳しい勉強法を紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

3. 解答の型を把握しておく

ある程度決まっている解答の型を把握しておくことも、スピーキングテストに有効な対策です。

スピーキングは「概念化」→「言語化」→「調音」の3つのプロセスで進んでいきます。学習者は思いついた内容を言葉にしていく「言語化」を重視しがちですが、どんな内容をどんな構成で話すかという最初の「概念化」がもっと重要です。

どんな内容を話せばいいかわからなければ、スピーキングテストで適切に答えることもできませんし、実際の会話でもスムーズにコミュニケーションをとることが困難になります。また英語と日本語では、論理展開の仕方が異なることも理解していなければなりません。

スピーキングに苦手意識が強い場合、まずは伝えたい内容を簡単な日本語で思いつくように練習してみるのがいいでしょう。そして、スピーキングテストには模範解答例から「解答の型」が見いだせることも少なくないため、以下のような型にそって話を順序づける練習をしていくのがポイントです。

【写真描写問題の典型的な解答の型】

  1. This is a picture of 〜.「これは〜の写真です」
    例:This is a picture of a library.「これは図書館の写真です」
  2. 【写真の部位】+ there is / are A 〜 ing / -ed(いくつか特徴ごとに)
    「写真の...側にはAが〜しているのが見えます」
    例:In the middle of the picture, there is a woman reading a book.
      「写真の中央には、本を読んでいる女性がいます」
  3. 【写真の行動】+ because 【行動の理由】
     「Aは〜をしています。なぜなら〜だからです」
    例:She looks happy, probably because she is reading an interesting book.
     「彼女は幸せそうです。おそらく面白い本を読んでいるからでしょう」

【意見を述べる問題の典型的な解答の型】

  1. 意見を述べる
    I prefer A to B.「BよりAが好きです」
    In my opinion, 〜.「私の意見では、〜」
    I agree that 〜.「〜することに賛成です」
    I disagree that 〜.「〜することに反対です」
     など
    例:I prefer commuting by train to commuting by car.
     「電車通勤のほうが車通勤よりも好きです」
  2. 理由を2つ挙げる
    First,【理由】. Second,【理由】.「最初に、〜。次に〜」
    The first reason is that 〜. Another reason is that 〜.
    「最初の理由は〜。もうひとつの理由は〜」
     など
    例:First, I can read books or use my mobile phone on the train.  
     「最初に、電車で本を読んだり携帯を使用したりできるからです」
      Second, commuting by train is more environmentally friendly.
     「次に、電車通勤は環境によりいいからです」
    *理由を述べたあと、必要に応じて具体例や関連する一文をそれぞれ加えると望ましい。
  3. (時間があれば)最後にもう一度結論を述べて締めくくる
    For these reasons, 〜.「これらの理由から〜」
    In conclusion, 〜.「結論として、〜」
     など
    例:For these reasons, I like commuting by train better than commuting by car.
     「これらの理由から、電車通勤のほうが車通勤より好きです」

以上のような対策をしたうえで、本番のTOEICスピーキングテストに臨むことをおすすめします。

TOEICスピーキングの概要と必要な対策4

TOEICスピーキングテスト対策におすすめの問題集

TOEICスピーキングテストの対策を理解できたら、今度は問題集や参考書を使って練習しましょう。ここではおすすめの問題集や参考書をふたつご紹介します。

1. 『TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策』

TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策』は、TOEIC スピーキング・ライティングの形式(*)を使って、英語での発信力を総合的に磨くことができる問題集です。TOEICスピーキングテストを受ける方は時間を計って、制限時間内に流暢に答えられるように対策していきましょう。電話の定型表現や、自分の意見を論理立てて話す方法などを学ぶことができますよ。

※「解決策を提案する問題」は現在のテスト形式では出題されませんが、提案を英語で述べる練習として活用できます。

2. 『英語のハノン――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル』シリーズ

『英語のハノン――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル』シリーズは、“I am working now.”→ “Mary is working now.” のように、習得したい文法規則が含まれている例文の主語や動詞などを部分的に変化させながら、繰り返し口に出すトレーニング「パターンプラクティス」が可能な参考書です。

パターンプラクティスで繰り返しトレーニングしていくことで、頭で必死に考えて一単語一単語組み立てながら話すのではなく、感覚的に正しい文を発することが可能になります。スピーキングテストの練習中にうまく使えないことに気づいた文法項目について、復習がてら練習に取り組むことで、楽に英語が話せる状態へと着実に鍛えていくことができます。

本書のレベルは「初級」「中級」「上級」の3種類があり、学習者のレベルに応じて選ぶことも可能です。「初級」で扱っているのは、5文型、関係代名詞、受動態など学校で習う基礎的な英文法を含んだ比較的短めの例文。「中級」では、間接話法や倒置などを含む、より複雑な例文で知的に表現していくためのトレーニングができます。「上級」では、さらに高度な例文で練習することも可能です。

英語のハノン 初級 ――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル

以上のような2種類を、TOEICスピーキング対策に役立ててみてはいかがでしょうか。

TOEICスピーキングの概要と必要な対策5

TOEICスピーキングの高スコアを効率よく獲得するためには

TOEICスピーキングの高スコアをもっと効率よく獲得したいと思いませんか。TOEICスピーキングの高スコアにまず重要なのは、スピーキングスキルを含む英語力そのものの自らの課題を知ること。

英語力に関する自らの課題には個人差があります。スピーキングの場合、考えられるのは次のような課題です。

  • 「相手の話は聞き取れるのに、どういう内容で話せばいいかわからない」
  • 「内容は思い浮かぶのに適切な言葉がすぐに出てこない」
  • 「自分の発音がうまく伝わらない」など

こうしたケースでは、それぞれ行なうべき対策が違います。ただ、どんなところが課題なのか自分で気づくのは難しいですよね。

そこでおすすめなのが、第二言語習得研究や英語教育を専門とする「英語のプロ」から課題の診断を受けること。自立学習型英語コンサルサービス「STRAIL」では、専属コンサルタントがあなたの英語力向上のために解決すべき現状の課題を分析し、最適なトレーニング方法をご提案します。

STRAIL」であなたのスピーキングの課題をすばやく把握し、課題に最適なトレーニングを継続することで、TOEICスピーキングの高スコアが期待できますよ。

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TOEICのスピーキングテストに向けて、あなたの英語力の課題を把握し、適切な対策を行なうことで、日常生活やビジネスに通用するスピーキング力を第三者にアピールできますよ。TOEICのスピーキングテスト対策や、スピーキングスキルを鍛えるためのヒントとして、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。



参考資料
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(2019),「英語活用実態調査(企業・団体、ビジネスパーソン)2019」, pp.1-16.
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