VERSANT®︎ Speaking Testとは? TOEICとの比較とおすすめの教材
「VERSANT®︎ Speaking Test」を知っていますか? 英検やTOEIC®︎など、ほかの英語試験に比べると、なじみがないかもしれませんね。
VERSANT Speaking Testは、世界的に活用されているスピーキングテストです。インターネット環境さえあれば、とても簡単にスピーキング力を測定できます。
VERSANT Speaking Testがどんなテストなのか、VERSANT®のスコアをTOEICに換算するとどうなるのか、VERSANT対策にどんな教材が役立つかを、英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」がご紹介しましょう。
VERSANTとは
VERSANTは、世界的に著名な教育企業・ピアソン社が開発した、オンラインの英語テストです。ビジネスなどに必要なコミュニケーションスキルを、スマートフォンやパソコンで測定できます。
受験は24時間365日可能。試験会場に行くことなく、いつでもどこでも好きなタイミングで受験できます。
ピアソン社で開発された高度なAIが採点を行なうため、試験官の主観による偏りがなく、客観性の高い採点が可能です。テスト結果は、試験終了から数分で確認できます。
試験内容は万国共通。外資系企業や世界中の政府機関などへの転職を目指す際、VERSANTのスコアで英語力をアピールできることがあります。
VERSANTのテストは全部で4種類。
- Speaking Test(税込5,500円)
- Writing Test(税込4,400円)
- Speaking Writing Test(税込8,800円)
- Placement Test(税込7,700円)
VERSANTは気軽に受験できるだけでなく、世界的に信頼性が認められているテストなのです。
VERSANT Speaking Testとは
VERSANT Speaking Testがどのようなテストなのか、具体的に見ていきましょう。
概要
VERSANT Speaking Testは全63問、約20分。20〜80点で採点され、日本人の平均は38点(2018年時点)です。
総合得点だけでなく、以下の4項目ごとにスコアを確認できます。
- 文章構文
- 語彙
- 流暢さ
- 発音
項目ごとに点数が出るため、スピーキングの弱点を具体的に把握するのに便利ですね。
テストの構成
VERSANT Speaking Testは、以下の6パートで構成されています。
- 音読
- 復唱
- 質問
- 文の構築
- 話の要約
- 自由回答
それぞれ、どのような問題形式なのでしょうか。
1. 音読
「音読」パートでは、画面に表示された英文を音読していきます。全8問で、「流暢さ」と「発音」が評価されます。
例:”He wore a black suit at the party.”
「彼はパーティーで黒いスーツを着ていた」
→複数の文が画面に表示され、ハイライトされた文を音読する
2. 復唱
「復唱」は、流れた音声を覚え、直後にリピートするパートです。全部で16問あり、「文章構文」「流暢さ」「発音」が評価されます。
例: “We’re supposed to see John tomorrow night.”
「私たちは明日の夜ジョンに会うことになっている」
→音声が流れた直後にリピートする。文は画面に表示されない
3. 質問
英語でのシンプルな質問に答えるのが「質問」パート。全24問で、「語彙」が評価されます。選択式の質問や、明確な解答をもつクローズド・クエスチョンがあるのが特徴です。
例: “Who is more likely to work at a school, a student or a teacher?”
→ “A teacher.”
「生徒と先生、どちらが学校で働いている可能性が高いか」→「先生」
→選択式の質問を聞き、 正しい答えを選ぶ
“How many hours are there each day?” → “Twenty-four hours.”
「1日は何時間か」→「24時間」
→クローズド・クエスチョンを聞き、正しい答えを述べる
4. 文の構築
「文の構築」パートでは、単語や単語の連なりを聞き、それらを入れ替えて正しい文をつくります。全10問で、評価されるのは「文章構文」「流暢さ」「発音」です。
例:“enjoy” “we didn’t” “the concert” → “We didn’t enjoy the concert.”
「コンサートは楽しくなかった」
→単語や単語の連なりを聞き、正しい英文に並べ替える
5. 話の要約
「話の要約」パートは、「家事をしたらゲームができる」や「買い物に行ったら知り合いにバッタリ会った」などの身近な物語を聞き、要約して30秒で話します。全3問で、評価対象は「文章構文」「語彙」「流暢さ」「発音」の4項目です。
登場人物や情景、結末などについて、30秒以内にできるだけ多く話しましょう。
6. 自由回答
最後の「自由回答」パートでは、質問に対し40秒間で答えを述べます。「住むなら、都会と田舎のどちらがいいか」のようなふたつの質問に、意見と理由を答えなければなりません。
どのような単語を使って話すかだけでなく、「何を話すか」をすばやく思いつける力も問われるパートです。
スコアが示すレベル
VERSANTのスコアは、相対的にどれくらいのレベルを示しているのでしょうか。
欧州の言語学習および言語能力の評価基準を示すCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とあわせて見てみましょう。CEFRのレベルはC2〜A1に分かれており、最も高度なのがC2です。
79〜80点(C2レベル)
VERSANTの79〜80点は、自然な口語体で、複雑な構文でも流暢に意見を述べられるレベル。ネイティブの会話速度で詳細に、複雑な言葉も交えて話せる、ネイティブ同等レベルです。
69〜78点(C1レベル)
VERSANTの69〜78点は、流暢に、自然な言葉遣いで意見を述べられるレベル。誤りが少なく、適切な構文で明確に話すことができます。
58〜68点(B2レベル)
VERSANTの58〜68点は、明確な発音やイントネーションで、一定量話せるレベル。少々の誤りはあるものの、聞き取る相手に大きな負担をかけず、情報を明確に伝えられます。
ビジネスにおいて英語でリーダーシップをとりたいなら、このレベルを目指しましょう。
47〜57点(B1レベル)
VERSANTの47〜57点は、少々詰まりがあるものの、伝えたいことを包括的に述べることができるレベル。決まった言い回しや慣れた構文は、おおむね正確に使えます。
「日経・アルク VERSANT 第3回英語スピーキング・チャレンジ レポート」(2000年)では、英語でビジネスをするなら53点、海外赴任には47点が必要だとされています。
36〜46点(A2レベル)
VERSANTの36〜46点は、途切れたり言い直したりすることはあっても、短い文なら自分の考えを述べられるレベル。ビジネスでの簡単な意思疎通ができたり、はっきりゆっくり話してもらえるなら返答したりできる段階です。日本人平均の38点は、このレベルに位置します。
26〜35点(A1レベル)
VERSANTの26〜35点は、文が非常に短いものの、身近なテーマなら簡単に述べられるレベルです。暗記した文を途切れ途切れに話せはしますが、自然な意思疎通は難しいでしょう。
20〜25点(A1レベル未満)
VERSANTの20〜35点は、基本的な挨拶ならできることがあるものの、語彙が限られており、意思疎通はほぼ不可能なレベルです。
以上を参考に、VERSANTの目標設定と対策を進めてみましょう。
VERSANTのスコアをTOEICに換算すると?
VERSANTのスコアが、アジア圏で知名度の高いTOEICだとどれくらいに相当するか、表にまとめました。VERSANTとTOEICの相関を完全に保証するものではありませんが、目安にしてみてください。
(出典:VERSANT|VERSANTスコアと各種英語力指標の対応表)
VERSANT Speaking Test対策に役立つ教材
VERSANT Speaking Test対策に役立つ教材を、ふたつご紹介しましょう。
1. VERSANT公式アプリ
サンプル問題で練習したいなら、VERSANTの公式アプリ(iOS/Android)がおすすめ。本番より問題が少なく、得点は出ませんが、サンプル問題に触れて形式を理解しておくとよいでしょう。
2. ENGLISH COMPANY MOBILE
「ENGLISH COMPANY MOBILE」は、スピーキングスキルに必要な単語やリスニングのトレーニングが、スマートフォンで気軽にできるサービス。VERSANT対策として、音読や復唱、シャドーイングなどのトレーニングが、いつでもどこでも可能です。
ネイティブが自然に話す際に、音をつなげたり省略したりと “省エネ” で発音する「音声変化」も学習できます。音声変化を忠実に再現できるようトレーニングし、ネイティブ発音の英語にも対応できるリスニングを鍛えていきましょう。
このような教材で日々練習していくことで、スピーキング力の土台がつくれ、VERSANT対策につながりますよ。
効率的なVERSANT Speaking Test対策のために
VERSANTで効率よく高スコアをとるには、高いスピーキング力が重要だと思っていませんか?
しかし、もっと大事なのは、流れてくる音声を正確に聞き取れるリスニング力です。「復唱」パートでは、英文を聞き取ってリピートしなくてはいけませんし、「文の構築」パートでは、単語を聞き取って正しい文に並べ替えなければなりません。
リスニング力を高めるのに適切なアプローチは、「音は聞き取れるけど内容が頭に残らない」「読めるけど聞き取れない」「単語や文法がわからない」など、その人の状態によって異なります。ただ、弱点を自分で把握するのは難しいのではないでしょうか。
そんな悩みを解決するには、自立学習型英語コンサルティング「STRAIL」のビジネス英語コースがおすすめです。第二言語習得研究や英語学習の専門知識に長けた、英語のプロコンサルタントが、あなたの弱点を明確にしてくれます。
リスニング力はもちろん、スピーキング力を鍛えるトレーニングも充実。たった数か月では数点アップも難しいと言われる VERSANT において、3か月のコンサルティングでVERSANT10点アップを実現した実績もあります。
詳しくは、公式サイトをご覧ください。
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VERSANT Speaking Testの形式を理解し、あなたの弱点を把握したうえで正しく対策すれば、短期間の学習でも高いスコアが期待できます。英語のコミュニケーションスキルを測りたい方、外資系企業などへの転職でアピールしたい方は、VERSANTに挑戦してはいかがでしょうか?