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「〜なので」を英語で言うと?「because」「since」「as」の正確な使い方

因果関係のイメージ

英語での日常会話やライティングにおいて、「〜なので」などの理由や原因を示す表現は必要不可欠です。なかでも「because」「since」「as」の3つの接続詞は、特に頻繁に用いられます。

しかし、これらの使い分け方やニュアンスの違いは初心者の方には難しく感じるかもしれません。そこで本記事では、これら3つの接続詞の違いや正しい使い方、理由を示すその他の表現を、ENGLISH COMPANYが詳しく解説していきます。



理由を表す表現の基本ルール

英語で理由を表す表現は大きく「接続詞」と「前置詞」の2つに分類されます。

接続詞の代表例は、「because」「since」「as」「now that」「so that」などで、後ろに「S(主語) + V(動詞)」の組み合わせが来るのが特徴です。

例:I am tired because I worked hard.
(私は一生懸命働いたので疲れている)


一方、前置詞の代表例としては、「because of」「for」「due to」「as a result of」「on account of」「owing to」などがあります。前置詞の後ろに続くのは名詞名詞句です。

例:I am tired because of my hard work.
(私はきつい仕事のせいで疲れている)


前置詞による理由の表現は、やや堅い印象を相手に与えます。そのため、日常英語では接続詞を使用するのがおすすめです。

仕事でくたびれている男性

「because」と「since」の違いと使い方

理由を表す接続詞のなかでも、日常英語において最も頻繁に使われるのが「because」と「since」。両者ともに「〜なので」という意味をもちます。

たとえば、「雨が降っていたため家にいた」と言いたいときは、「I stayed home because it was raining.」とも、「Since it was raining, I stayed home.」とも言えます。

しかし、このふたつの文には微妙な意味の違いが存在します。どのような違いなのでしょうか。

「because」の使い方

「because」は、新しい情報(聞き手が初めて聞く情報)として理由が提示される際に使用されます。したがって「I stayed home because it was raining」という文には、「じつは、そのとき雨が降っていたんですよ。だから家にいたのです」というニュアンスが込められています。この文では、「雨が降っていた」という情報を聞き手に新しく提供しているのです。

そして、英語の文中で「because」は基本的に、文の後半部分に置きます。なぜかというと、英語では、旧情報を先に、新情報をあとに置く傾向があるから。

つまり、聞き手がすでに知っている情報を先に述べてから、聞き手にとって初めて知る情報を与えるということです。これには、聞き手の脳の処理負荷を軽減するねらいがあります。

以上のように、英語において理由や原因を示す「because」は、日本語の「じつは」と同じような感覚で使われる場合があります。理由を強調したい場合に「because」を使うと、その理由の重要性を伝えられるのです。

「since」の使い方

「since」は、既知の情報や、すでに共有されている情報を理由として提示する際に使われます。たとえば「Since it was raining, I stayed home.」と言えば、「ほら、あのときは雨が降っていたよね、だから家にいたんだ」といったニュアンスになります。この文脈では、「あのとき雨が降っていた」という情報を話し手と聞き手はともに知っています。

ですから、旧情報を示す「since」の節は先に置くほうが自然です。

ちなみに「since」は、「since 1980(1980年以来)」のように、「〜以来」という「時の起点」を示す意味ももっています。「since」が「〜以来」に加え「〜なので」の意味ももつのは、「出来事の起点」、つまり「物事が起きたきっかけ、理由」を示しているから。「since」は「時の起点」と「物事の起点」の両方を表すのです。

「because」が使えて「since」が使えない例

以上のようなニュアンスの違いはあるものの、基本的には「because」と「since」は置き換えが可能です。ただし、理由を示す表現として「since」がどうしても使えない場合があります。それは理由を強調するときです。

「because」は、「じつは、私がこれをした理由はこれなんだ」と、聞き手に理由をしっかりわかってほしいときに使います。

以下の例文を見てみましょう。

例:I did it not because I had to, but because I wanted to.
(しなければいけないからではなく、したいからやったのだ)


上の文は、「not A but B(AではなくB)」を使った強調構文です。この場合、理由を明確に強調するため、「because」を使う必要があります。もし「since」を使って表現すると、理由の重要性や、理由を強調したいというニュアンスが薄れてしまい、不自然になるのです。

よって、「since」でも伝わるかもしれない場面でも、「じつは、これが理由なんだ」と聞き手に新たな情報として理由を提示し強調したいなら、「because」を使うのが自然かつ適切です。

以上のように、どちらの接続詞を使うかは、情報が新しいか、あるいは理由を強調しているか否かによって変わってきます。文脈をよく理解し、適切な接続詞を選ぶことが、自然な英語表現への鍵なのです。

外で雨が降っている様子

理由を示す「as」について

英語を勉強している人のなかには、さまざまな場面で使えるからと、接続詞「as」を使うのが好きな方もいるかもしれません。しかし、「as」はやや堅めで、かつ意味が曖昧な表現として認識される場合もあり、「as」で理由を示すのは避けたほうが無難です

「as」の曖昧さ

「as」は多くの意味をもちます。

  • 理由を表す
    例:As it was getting dark, we hurried to the hotel.
    (暗くなってきたので、私たちはホテルへ急いだ)
  • 時を表す
    例:As Dave was playing a video game, Jake was doing his homework.
    (デイブがゲームをしているあいだ、ジェイクは宿題をしていた)
  • 様態を表す
    例:Do as I say.
    (私が言うようにやりなさい)

この多様性から、「as」は文脈によって異なる解釈が可能であるため、時として意図しない曖昧さを生む場合があるのです。以後で詳しく説明していきます。

「as」の語源

「as」の語源を知ることで、使用法についてより深く理解できます。「as」の語源は、「all + so」が縮まってできたものなのです。語源的に「まったくそう」という意味があり、「イコール」のイメージをもっています。

「as」が理由を示す例文「As it was getting dark, we hurried to the hotel.」を見てみましょう。ここでは、「暗くなってきた」=「ホテルに急いだ」という因果関係が存在します。したがって、「as」が原因の接続詞として使えるのは、原因と結果がイコールの関係にあるからだと理解するとよいでしょう。

また、「as」が時を示す例文も見てみましょう。「As Dave was playing a video game, Jake was doing his homework」の場合、「デイブがゲームをしていた」状況と、「ジェイクが宿題をしていた」状況が同時に起きていることを示唆しています。

「when」や「while」よりも、厳密に同時であることが強調されるのが「as」です。

「as」が「時」と「理由」どちらにも解釈できる例

以上のように「as」は「イコール」のイメージをもつため、時と理由のどちらにも解釈できてしまう場合があります。

例文「As he entered the room, everyone stood up.」の場合、考えられる解釈はふたつです。ひとつは、「彼が部屋に入ったとき、みんな立ち上がった」という時間的な解釈。もうひとつは、「彼が部屋に入ったので、みんな立ち上がった」という理由の解釈です。

よって、「as」は聞き手にとって曖昧な表現で、解釈が迫られる接続詞なのです。その曖昧さが、コミュニケーションの障壁となる可能性があります。特にノンネイティブスピーカーとのコミュニケーションでは、「because」「since」を使って、明確に理由を伝えるのが好ましいのです。

宿題をしている様子

理由を示すその他の接続詞

「because」「since」「as」以外に理由を表す接続詞も見ていきましょう。

now that S + V「いまやSがVなので」

「now that」は、日本語で「いまやSがVなので」という意味です。「now」を「いま」として解釈する方もいますが、正確には「以前と違っていま」というニュアンスが含まれます。よって、「これまでと違っていまや〜なので」と、前とは違う状況を示唆しているのです。

例文「Now that I feel much better, I’ve got to get out of bed.」は、「気分もだいぶよくなったから、ベッドから出なきゃ」と訳せます。体調を崩していた以前とは、状況が変わったことを示す文です。

so that S + V「SがVするように」

「so that」は、日本語で「SがVするように」という意味になります。この表現は、目的として解釈されがちですが、実際には「そうすれば、SがVするから」という結果を示すために使われます。

例文「Can you speak louder so that we can hear you?」を見てみましょう。「聞こえるようにもっと大きな声で話してもらえますか」のような日本語訳になりますが、厳密には、「大声で話してくれない? そうすればあなたの声が聞こえるから」という内容を示唆しているのです。

相手の声が聞き取りづらく感じている女性

理由を示す表現をうまく使いこなすには

英語を学ぶ際、「高度な表現や難しい言葉を使えるようになりたい」と思う人は多いでしょう。実際、TOEICで高得点をとる方々は特に、複雑な表現を使おうとする傾向が強いものです。

しかし、日常の英語コミュニケーションではシンプルでわかりやすい言葉を選ぶことが重要です。理由を示す場合、あえて高度な表現を使うより「because」や「since」のような基本的な表現を使うほうが、相手の誤解を招くことなく、スムーズに理由を伝えられます。そのためには、基本的な接続詞や表現をしっかりと身につけることが大切です。



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「because」と「since」、「as」をはじめとする理由を伝える表現の使い分けは、英語コミュニケーションにおいて重要な知識です。それぞれの正確な使い方を身につけることで、相手により自然なかたちで理由を述べられるようになりますよ。

※本記事は、YouTubeチャンネル「【原因/理由】を表す表現『because/since/as』の違いとは?英文法のプロが徹底解説!」をアレンジしたものです。

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