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英語の文法を攻略するための7つの勉強法

英語の文法のチェックをしている

「英語の文法が苦手。文法がわかるようになる勉強法はないのかな」
「英語の文法、あんなに覚えたのにすぐ忘れてしまった」
「そもそも、なんで英語の文法を勉強しないといけないの?」

そう思っていませんか。覚えるべきルールがたくさんあり、学校の英語の授業や大学受験対策などで、ずっと文法を丸暗記させられた経験をおもちの方にとっては、英文法に苦手意識をもつのも無理はありませんね。また、英語でコミュニケーションがとれるようになりたいだけなので、特に英語の文法を勉強する必要はないのではないかという疑問をもつ方もいるでしょう。

本記事では、英語の文法を勉強する必要がある理由や、英語の文法を効率よくマスターするための勉強法を、おすすめの教材とともに、英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」がご紹介しましょう。



英語の文法を効率的に理解できる勉強法を知る前に

なぜ英語の文法を勉強しないといけないの?

英語の文法の効率的な勉強法を学ぶうえで知っておくべきなのが、勉強する理由。「文法を気にしなくても、相手に通じればいい」という考えの方もいるでしょう。しかし、英語の文法を勉強することが重要なのには、大きく分けてふたつの理由があります。

  1. 正確に読んだり聞いたりするスキルが、効率よく習得できる
  2. 正確なアウトプットにつながる

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。 

【理由1】正確に読んだり聞いたりするスキルが、効率よく習得できる

英語において、基本的な文法の知識がなければ、話すスキルはもちろん、読んだり聞いたりするスキルも効果的に上達させることができません。資格試験や大学受験に出てくる長文問題でも、文法の知識がなければ、速く正確に英文を解釈することは困難になります

文法の知識が、英語を身につけるうえで大前提になるのはなぜなのか。それは、大人は以下のような学習ステップを踏むことで最も効率的に言語習得できると、第二言語習得研究*の知見で言われているからです。

  1. 基本的な文法・語彙知識
  2. 受容スキル(リーディング・リスニング)
  3. 産出スキル(ライティング・スピーキング)

*第二言語習得研究:母語以外の言語を習得する過程やメカニズムを扱う学問領域

このステップを見ると、英語のあらゆるスキルを効果的に上達させるためには、基本的な英文法の理解が土台になることがわかります。

英語学を専門とする埼玉大学の牛江一裕名誉教授によると、英語の文法を勉強することで、基礎を確実に築いたうえで練習でき、英語のコミュニケーション能力を高いレベルにまで引き上げることができるとのこと。文法を勉強することは、効率的な英語習得にとって、とても重要なステップであると言えるのです。

【理由2】正確なアウトプットにつながる

文法知識を身につけることで、正確なアウトプットにつなげることができます。自分の伝えたい内容を相手に誤解や混乱を与えずに伝えるためには、正しい文法で表現しなければなりません。

以下の例文を見てみましょう。

  • This is the reason.
  • This is a reason.

たとえば仕事上の失敗の理由について話しているときに、上記ふたつはともに、日本語だと「これが理由です」となって、同じ意味に思えます。じつは、英語では冠詞a/theの使い方で、伝わる意味が変わるのです

前者は、理由がひとつに特定されていて、「これこそがその理由ですよ」という意味合いになります。一方後者は、複数ある理由のうち「これが理由のひとつです」という意味合いになるので、こう言われた相手は「ほかにも理由があるのかな?」と思う可能性があります。

文法を学ぶことは、自分の言いたいことを相手に正確に伝えるコミュニケーションの土台づくりになるのです。

英語の文法を勉強するうえで心がけるべきこと

1.「大量のインプットと少量のアウトプット」のバランスを意識

英語の文法を勉強する際に必要なのは、 「大量のインプットと少量のアウトプット」のバランスを意識すること。文法の知識が不十分のまま、英会話などアウトプットの練習ばかりしても、なかなか上達しないものです。逆に、ただ英語の文法を知識として覚えるだけというやり方でも、実際に使える英語スキルを習得することはできません。

第二言語習得研究によると、言語習得は「理解できるインプットを得たとき」に起こるとされています。つまり、言葉を話すことができるようになるためには、理解できる言語知識を習得することが重要なのです。

英語を読んだり聞いたりする際の理解度が低い段階で、ただひたすら英会話に取り組んでも、話せる英語の知識は増えにくくなり、あまり効果がありません。いきなり英会話の練習に入る前に、「語彙、文法の学習」や「リーディングやリスニングの勉強」などのインプット学習を優先することが重要です。

特に、英語を日常的に使うわけではない日本人の学習者の場合、英語によるインプットを日々大量に得て、自然に語彙や文法を身につけることは困難。文法を意識的に学習し、このインプットの不足を補わなければならないのです。

ただし、単に英語の文法の知識を入れて終わるのではなく、アウトプット学習を取り入れることも必要です。なぜなら、脳は出力、すなわちインプットした知識を取り出すことによって、より強固な記憶をつくるから。ですので、インプットした知識は意識して使うように心がけましょう。たとえば、学んだ文法を使って自分で文をつくってみるなど、「インプット→アウトプット」という流れを意識すると、学習の効率が上がります。

また、英語で書いたり話したりしてみることで、知らなかったり、あるいは知識が定着していなかったりする文法や表現に「気づく」ことが可能です。その気づきには、インプットの効率を高め、記憶の定着を促す効果があります。

したがって、英語を勉強する際には、インプット学習の時間を十分に確保し、アウトプット学習も適宜入れていくことが重要なのです。

2. 教材にあれもこれも手を出さない

文法を早く習得したいからといって、文法の参考書や問題集にたくさん手をつけたり、ほかの学習者のやり方を何も考えずにまねたりしていませんか? 「みんなその教材を使っているから」「本やインターネットですすめられたから」といった理由だけで、根拠が明確でないまま、無計画に教材にあれもこれも手を出していると、期待した効果を得られずに挫折することがあります。

英語学習において、個人の「現状の英語のレベル」と「弱点」は人それぞれ異なるもの。そもそも文法が苦手な学習者と、文法の知識は理解しているもののすぐに使えるレベルに達していない学習者とでは、とるべきアプローチが異なります。いまのあなたがいる学習フェーズやレベルに合った教材に絞って、効率的に文法を習得できる勉強法を実践していきましょう

3. いきなり英文法書から始めない

英語の文法がいくら大事だとはいえ、いきなり英文法書に手をつけるのも、じつは非効率的。東京言語研究所にて理論言語学賞を受賞した認知文法のプロで、合計10万部を突破したベストセラー『英文法の鬼100則』と『英熟語の鬼100則』の著者である時吉秀弥氏(英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」シニアリサーチャー)によると、英文に慣れないまま英文法書に手をつけても、なんのために英文法を学んでいるかがわからず、挫折しやすいとのこと。時吉氏は、英文法書は英文を読んでわからなかった箇所、知識が不足している箇所を補うために使うと有効だと語ります。

まずは実際に英文を読んでみて、理解できなかった箇所を見つけましょう。そして、文法面でわからなかった箇所を英文法書で調べて、疑問を解決していくのが、有効な英文法の学び方なのです。

4. 丸暗記だけの勉強法は非効率的

文法規則や数多くの例文を丸暗記したはずなのに、大学入試の模試やTOEICの試験で思い出せず、結果がともなわなかった――こんな苦い経験をした方もいるでしょう。

じつは、思春期を過ぎた人にとって、単なる丸暗記は非効率的な勉強法。思春期までは、知識の記憶である「意味記憶」が主に働き、ランダムな文字の並びでもスムーズに覚えられる傾向があります。しかし、思春期を過ぎると意味記憶の働きが鈍るので、機械的な丸暗記をしようとしても、子どもの頃のようには覚えられないうえ、覚えたとしても思い出せないのです。

丸暗記だけでは、文法を習得するのは困難。大人に適した効果的な勉強法を実践し、丸暗記に頼らずに英語の文法を習得することが、効率よく文法のスキルを磨く近道なのです。

以上のことを頭に入れて、次からご紹介する英語の文法を効率よく学習できる勉強法に取り組みましょう。

英語の文法の勉強で使用するノート

英語の文法を効率的に習得できる勉強法

英語の文法を効率よくマスターしていくための勉強法として、主に次のようなものがあります。

  1. 認知文法で理解
  2. パターンプラクティス
  3. チャンクリーディング
  4. サイトトランスレーション
  5. 音読
  6. 暗唱
  7. 復文

順番にご紹介しましょう。

1. 認知文法で理解

丸暗記の代わりに有効な文法習得のアプローチは、「認知文法」を通して理解すること。「母語話者がいかに世界を認知し、それを言語に反映させているか」というアプローチで、文法を説明しようとする文法理論のことです。認知文法では、ネイティブがもつ文法的な感覚を「イメージ」としてとらえていきます。 

たとえば、未来を表す「be going to」と「will」。 "I am going to study abroad next year." と "I will study abroad next year." には、じつは微妙な意味の違いがありますが、みなさんはわかりますか? 日本語にすると両方とも「来年、留学するつもりだ」となるので、訳だけに頼っているとニュアンスの違いがわかりにくいですよね。

この意味の違いは、認知文法の観点から見ると明らかになります。 "be going to" は "toの方向に進んでいる" というイメージ。すでに "going" の状態ということですから、計画がすでに動き出している感じが含まれます。そのため「来年留学することが、予定として決まっていて、もう準備が始まっている」というようなニュアンスになります。

対して、 "will" は 話し手の "意志" を強調するイメージ。「来年、留学するぞ!」という未来に向けての意志を強調するため、会話をしながら、その会話を通して「留学しようと決めた」というようなときに使えます。

認知文法のアプローチを使えば、日本語訳ではとらえきれない微妙なニュアンスの違いも理解しやすくなります

もうひとつ、例をご紹介しましょう。今度は、「可算名詞」と「不可算名詞」の区別の仕方。なぜ日本語では「1枚、2枚」と数える「紙」や、「1本、2本」と数える「チョーク」は、英語では「数えられない」不可算名詞になるのでしょう。

不可算名詞を理解するためにリスト化して丸暗記してきた方も、なかにはいるかもしれません。じつは丸暗記をしなくても、もっと簡単に理解できる方法があります。その方法とは、「数えられる」か「数えられない」かを名詞ごとに覚えるのではなく、話し手がその名詞を「形」か「材質・性質」のどちらで認識しているかを、認知文法の観点から知ることです。

英語話者は、その名詞を「材質・性質」として認識する場合に、不可算名詞として扱います。たとえば「紙(paper)」や「チョーク(chalk)」のように、いくら破ったり、折ったりしても、それぞれ「紙」「チョーク」と呼べ、どの部分を切り取っても同じ「同質性」をもつ名詞を、不可算名詞とみなしているのです。

それに対し、英語話者がその名詞を輪郭をもった「形」として認識する場合には、可算名詞として扱います。「机(desk)」や、「車(car)」は、叩いてバラバラにするともはや「机」や「車」とは呼べません。これはつまり、材質ではなく形に焦点があたっている、ということです。このような場合に、その名詞は可算名詞として扱われるのです。

このように、認知文法のアプローチから学ぶことで、暗記や日本語訳に頼らずに、英文法の本質的な意味や使い方を理解できます。認知文法についてもっと詳しく知りたい方は、コラム「英文法は難しい? 簡単に感じるとっておきのアプローチを伝授!」や、YouTubeチャンネル「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」も、ぜひチェックしてみてくださいね。

2. パターンプラクティス

英文法をイメージでとらえられるようになったら、次は「パターンプラクティス」です。このトレーニングでは、習得したい文法項目を含む例文の主語や動詞などを部分的に変化させ、繰り返し声に出していきます。

パターンプラクティスでは、次のように文を変化させながら、繰り返し練習していきましょう。

【例】現在進行形(be+ing形)を習得したいとき

  • パターンを意識しながら例文を音読
    I am playing baseball now.
    He is playing baseball now.
    We are playing baseball now.
  • 基本文の一部の表現を入れ替え、それ以外の部分を自分で変形
    I am playing baseball now. → He (is playing baseball now).
    ※実際には、空欄( )を埋めながら声に出して読み進めます。
  • 肯定文を、疑問文や否定文に変形
    They are playing baseball now.→ (Are they playing baseball now)?
    ※実際には、空欄( )を埋めながら声に出して読み進めます。

以上のように、文を変化させながら繰り返し練習することで、日本語訳に頼ることなく、瞬時に英文を理解するスキルを向上させることができます。パターンプラクティスのメリットは、YouTube「【英会話初心者にオススメ】単語/文法を効率的に押さえる勉強法とは?」でも触れていますので、そちらも要チェックです。

3. チャンクリーディング

英語の文法についてひととおり知識を得たら、今度は文法を無意識のうちに理解する瞬発力を上げる勉強法を行ないます。その代表的なものが、英文を意味のかたまりであるチャンクごとに改行したものを読んでいく「チャンクリーディング」です。

英語の文法の知識はもっているのに、英文を読むのが遅い主な原因は、「返り読み」と呼ばれる読み方。きれいな日本語に訳そうと、英文を後ろから前に戻って読んでしまう現象です。チャンクリーディングを繰り返すことで、文法が複雑な文でも返り読みせず、頭から瞬時に理解できるようになっていきます。

まずは、以下の例文を読んでみましょう。

Our upcoming vacation includes exploring historical landmarks, trying local cuisine, and relaxing by the beach.


この文をチャンクで区切ったのが、こちら。

Our upcoming vacation includes /
「今後の休暇は含んでいる」

exploring historical landmarks, /
「歴史的建造物を探検し」

trying local cuisine, /
「地元の料理を試し」

and relaxing by the beach. //
「ビーチでリラックスすることを」


チャンクごとの理解や意味処理に慣れてきたら、「次のチャンクにはどのような情報が含まれるか」を予測しながら読むことができるようになります。繰り返していけば、英語の語順で理解できるようになるため、一文全体を訳さなくても読むことが可能に。そうして文法を理解する瞬発力や、読むスピードを上げられるのです。

4. サイトトランスレーション

サイトトランスレーション」とは、チャンクごとに意味を想起し、それを瞬時に日本語に訳して言うトレーニングのこと。正確な日本語に訳すことよりも、スピードを意識してすぐに意味を言えることが重要です。

もし瞬時に日本語に訳せなかったなら、知らない単語や文法が含まれている可能性があります。知らない箇所に気づくことが、このトレーニングの目的のひとつ。日本語に訳せなかった単語や文法については、単語帳や文法参考書で確認しておきましょう。 

5. 音読

チャンクごとに意味を瞬時に思い浮かべることができるようになったら、次に取り組むのは「音読」。音読の主なメリットは、リーディングスピードの向上と、文法の記憶の定着です。

私たちは英文を読む際に、頭のなかで音読していると言われています。文字を目で見て、脳内で音声情報に変換し、脳内の「辞書」にある語彙や文法の知識と照合して「理解」しているのです。

音読は実際に声に出して読むため、黙読よりも負荷が高くなりますが、繰り返すことで脳内で文字から音に変換するプロセスを自動化できます。すると、次の理解の処理に早く移行できるようになり、英文の内容をスムーズに理解することができます。音読する際には、英文の情景を思い浮かべながら声に出して読んでいくのがポイントです。

また「なんとなく覚えてはいるけれど、きちんと使えるレベルになっていない知識」を記憶に定着させられるという点で、音読は文法知識の定着にも効果があります

第二言語習得研究を専門とする関西学院大学の門田修平教授は、2005年に日本人高校生を対象に、音読による語彙・文法の定着効果を調査しました。その調査では、内容理解を終えた英文を1回5分間、3週間音読させたところ、3週間後、英語学力の上位・中位・下位を問わず、高校生たちは大きく成績を伸ばしたそうです。短時間の音読の繰り返し練習により、英文を覚えた状態に近づき、単語や文法の内在化*に成功した一例です。

*内在化:単語や文法のルールを意識せずに、自然なかたちで使えるようになること

そのため音読は、リーディングスピードに限らず、文法や語彙などの記憶の定着にも効果があります。

6. 暗唱

英文を何も見ずに声に出していく「暗唱」では、覚えようとする文章を、一語一句完全に再現しなければなりません。暗唱を繰り返していくうちに、文法構造が脳に定着し、自然に使える知識に変わっていきます。さらに、文法面で理解が曖昧になっている箇所に気づくことができるのも、暗唱のメリット。文法面でうまく暗唱できなかった箇所があれば、文法書や参考書で見直すようにしましょう。

7. 復文

復文」とは、日本語訳つきの英文を用意し、2、3文くらい目を通してから、英文を隠した状態で、日本語訳を頼りに元の英文に復元するライティングの勉強法です。語彙や文構造を含めて、自分が書く英文をお手本の英文と完全に一致させる必要があります。

使う英文の素材は、日本語訳が併記されていて文法解説も確認しやすいものがよいため、文法問題集に掲載されている英文が最適。自分の知っている語彙や文法を使って、自由に表現する英語日記などのアウトプットとは異なり、復元すべき英文があるため、自分が使い慣れていない語彙や文法までアウトプットする機会がつくれます。最初に英文に目を通す際には、丸暗記しようという意識ではなく、文構造を理解することを意識するのがポイントです。

うまく復元できなかった単語や文法があれば、単語帳や文法書で不足している知識を補いましょう

英語の文法を正確に運用するスキルを効率よく高めるためには、以上の勉強法を試してみてください。

楽しみながら英語の文法の勉強法を実践している

英語の文法の効率的な勉強法を実践するのに役立つ教材

英語の文法を効率よく身につける勉強法を実践するうえで、欠かせないのが教材。今回は、特におすすめの文法教材を、6種類ピックアップしました。

1.【これ一冊で英文法の本質がわかる】『英文法の鬼100則』

英文法の鬼100則』は、英語の文法に対する取り組み方を劇的に変えてくれる一冊。この教材では、本記事で取り上げている「認知文法」というアプローチを取り入れ、英語を感覚的に使えるようになるための例を紹介。この一冊さえあれば、文法を丸暗記したり日本語へ無理に訳したりする必要がなく、英語の文法の使い方を本質から理解できるようになりますよ。

本書で取り扱っている文法の一例をご紹介しましょう。先ほどの "This is the reason." "This is a reason." の違いで出てきた、英語の冠詞 "a(an)" と "the" の使い分けは、母語に冠詞の概念がない日本人にとっては、難しいですよね。 "a" は「ひとつの」、"the" は "その" と訳されますが、自分で英文を書くときにどちらを使えばいいかわからなくなることもあるでしょう。

この本では、ネイティブスピーカーが "a" と "the" をどのように認識しているかを知ることで、ふたつの違いが理解しやすくなると説明されています。 "a" の基本的なイメージは「複数のなかからひとつをランダムに選ぶ」という感覚。話し手や、聞き手が「それ」と決められないものに使われます。たとえば、たくさんのリンゴが入った箱からランダムでひとつだけ取り出す場合、それは "an apple" となります。

対して、"the" の基本的なイメージは「唯一無二」。話し手や聞き手が「それ」と共通して特定できるものやグループに使われます。たとえば、"the sea(海)" "the east(東)" "the sky(空)" のように、唯一無二の存在であることが明確なものに使われるのが "the" です。

このように、区別が難しい冠詞でも、イメージをつかむことで、適切に使いこなすことができます。この本は、英文法を学習したものの、使い方に自信がない方に特におすすめです。加えて、暗記に頼る学習で成長を実感できない方や、日本語に訳すことで理解が遅くなってしまう方にも最適。ぜひ本書を試してみて、「文法は難しい」というイメージを変えてみませんか? 

英文法の鬼100則

2.【文法動画もスマートフォンひとつでチェックできる】「ENGLISH COMPANY MOBILE」

ENGLISH COMPANY MOBILE」は、累計23,000名の受講生の英語力アップに貢献してきた、英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」の高密度な英語トレーニングに、スマートフォンだけで簡単に取り組めるWebアプリ。英会話に必要な語彙力や文法スキル、リーディングスキル、リスニングスキルなどを効率よく鍛えることができます。英字新聞Nikkei Asiaの購読権も含まれており、最新の英文記事でインプットすることも可能です。

さらに、通常は税込4,800円でUdemy*にて提供している、認知文法のプロ・時吉氏が解説する文法動画が、「ENGLISH COMPANY MOBILE」の料金だけで視聴し放題の特典つき。お得に文法を学習することができます。ご自身のスマートフォンで、気軽に効率よく、コミュニケーションの土台となる文法スキルや、インプットのスキルを鍛えていきませんか?

*Udemy:幅広いジャンルの講座を動画形式で見て勉強できるプラットフォーム。アメリカのUdemy社が運営

3.【文法の瞬発力を鍛えられる】『ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』

ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス』は、本記事で紹介した「パターンプラクティス」を実践する際におすすめのトレーニング教材。肯定文を疑問文にしたり、主語や動詞など文の一部を入れ換えたりして、瞬間的に英作文していくスキルを磨いていきます。

中学英語レベルの文法を、知っている段階から使える段階にまで効率的に上達させたい方は、ぜひ本書を試してみてはいかがでしょうか? 

ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス

4.【英文法を多角的に理解できる】『総合英語 Evergreen』

総合英語 Evergreen』は、文法学習において欠かせない総合文法書です。本書では、英文法の基礎から応用まで幅広くカバーしており、英文法をしっかり学ぶことができます。特に、英文法のルールの背景を詳しく解説している点が大きな魅力です。

また、学んだ内容を整理・確認する項目があるため、自己学習にも最適。さらに、イラストや図を取り入れたわかりやすいレイアウトになっており、英文法を多角的に理解することができます。

英語学習者の方々にとって、基礎から応用まで幅広くカバーした総合文法書として、大変おすすめできる一冊です。

総合英語 Evergreen

5.【英語ネイティブの視点から文法の使い方がわかる】『English Grammar in Use』シリーズ

English Grammar in Use』は、世界中の英語学習者から支持を得ている実用的な英文法書のシリーズです。自分の英語力に合わせて学習できるように、レベル別に区分されています。

初級から上級まで幅広くカバーしており、英語学習者にとって必要不可欠な文法ルールや表現を網羅。それぞれの文法項目の使い方や表現の使い分け、注意点を簡単に理解できるように、英語ネイティブがどんなときに使うのかの解説がわかりやすいのが特長です。

さらに、豊富なイラストが含まれており、単語やフレーズの正確な使い方をイメージを通して学ぶことができます。

English Grammar in Use』は、実践的な英語力を身につけたい方にとって、非常に役立つ教材です。この書籍は、文法の自然な使い方を学び、コミュニケーションをより効果的に行なうための基礎を鍛えるのに最適な教材と言えます。 

English Grammar in Use

6.【1,000問を超える問題数でTOEIC®︎の文法パートを攻略】『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』

TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』は、TOEIC®︎ Listening & Readingにおける文法問題を網羅した問題集です。この問題集では、TOEIC Part 5で出題される文法問題に対する正しい理解を深めることができます。

全部で1,049問収録されており、TOEICテストに出題される重要な文法項目をカバー。さらに、左ページに問題、右ページに解説、という見開き構成で、問題の正誤判定方法や、正しい解答の根拠について詳しく解説されています。

この問題集を活用することで、文法問題に対する自信をつけ、TOEICテストのスコアアップにつなげることができます。本書を活用して、TOEICの文法パートをすばやく、正確に解くスキルを身につけましょう。

TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問

以上のような教材を使って、効率的な勉強法を実践して、英語の文法スキルを高めていくのがおすすめです。

英語の文法の教材を手に取っている

英語の文法を、さらに効率よく習得できる勉強法を知るためには

英語の文法スキルを伸ばすためには、ただ効率的な勉強法を知るだけでは不十分。ご自身の苦手を把握して、その苦手を確実につぶしていく勉強法を実践していかなければなりません。

しかしながら自分がどこが苦手なのか、どのような勉強法で取り組むのが効果的なのかは、独学では見つけにくいもの。特に、文法に苦手意識の強い英語学習者の方にとっては、英語の文法の勉強は、ひとりでは続けにくいものですよね。

そんな方におすすめなのが、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」のパーソナルトレーニング。第二言語習得研究や英語教育の高い専門知識をもつ「英語のプロ」が、文法を含むあなたの英語に関する課題を発見し、課題解決に特化したトレーニングをご提案いたします。文法は、認知文法のアプローチで学べ、丸暗記に頼らなくとも、本質から文法を理解したり、文法を瞬発的に使えたりするスキルを身につけることが可能です。

「ENGLISH COMPANY」では、パーソナルコースに加え、超少人数制で文法の基礎を習得できる「初級セミパーソナルコース」もあります。この6か月間の超少人数制コースでは、中学英語を含む英文法を復習することができるだけでなく、リーディング、リスニング、そしてスピーキングの基礎も強化することができます。また、「英語のプロ」からのカウンセリングを受けることができ、自宅学習の進捗管理などの個別の学習サポートも充実しています。初級セミパーソナルコースを受講した方々のなかには、英語の苦手意識を克服でき、英語力を短期間でアップできた方が多くいらっしゃいます。

英語の高い文法スキルが問われるのは、社会人の方だけでなく、大学入試を受ける受験生も同様。高校生向けに開講している「ENGLISH COMPANY 大学受験部」でも、「英語のプロ」が英語力を最短ルートで伸ばすためのアプローチをご提案しています。難関大合格などの実績も豊富。英語力を効率よく磨き、他教科の勉強時間も確保したい高校生のみなさんにおすすめです。

「英語のプロ」に、文法などの課題を早く診断してもらい効率的な勉強法に取り組んでいくことで、英文法を使いこなすスキルは、格段に上がっていくに違いありません。

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英語の文法項目や規則を、ただ丸暗記するだけの勉強法は、大人にとっては困難でしょう。しかし、認知文法のアプローチを使うことで、英語ネイティブの文法感覚をイメージを通じて学ぶことができ、効率よく文法の知識を記憶することができます。今回紹介した、認知文法のアプローチや、さまざまな勉強法、おすすめの教材を活用して、英語の文法に対する苦手意識を、ぜひ克服していきましょう!



参考資料
田浦秀幸(2016),『科学的トレーニングで英語力は伸ばせる!』, マイナビ出版.
牛江一裕(2017),「英語教育における文法の重要性」, 埼玉大学紀要, 66巻, 2号, pp.435-447.
時吉秀弥(2019),『英文法の鬼100則』, 明日香出版.
夏谷隆治 著, 池谷裕二 監修(2013),『記憶力を磨く方法』, 大和書房.
門田修平(2015),『シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学』, コスモピア.
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