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スピーキングとライティングにおいて非効率的なふたつの学習法

言葉が通じず困っている女性

「英語を毎日学んでいるのに、どうして自分の考えを正確に伝えられないの?」
「単語レベルでしか英語が口から出てこない......。どうすれば文章で話せるようになるのだろう?」

こうした疑問をもつ方は多いのではないでしょうか。じつは、英語を話したり書いたりできるようになりたいと望む人の多くが、効率的な学習法を知らないまま時間を浪費しているのです。

本記事では、英語を学ぶ人がやりがちな、非効率的なふたつの学習法を、ENGLISH COMPANYが紹介します。より有効な学び方についても解説しますので、みなさんの英語力向上に役立ててください。



【非効率的な学習法その1】単語学習だけを重視する

英語を学び始めるとき多くの人がまず重要視するのは、単語の暗記ではないでしょうか。ですが、単語の知識だけでは英語を話したり書いたりするのは難しいものです。

これまでの学校の英語教育は、主に読解力向上を目指して進められてきました。そのため、単語のスペルや日本語訳を覚えることが中心だったのです。とはいえ、単語のスペルや意味だけ覚えていても、日常生活や仕事で英語を使う場面では対応が難しいもの。

英語を流暢に話すためには、発音や文法などの知識も欠かせません。特に、単語をどのようにつなげるか、つまり「構文や熟語」の知識が重要です。

たとえば、「8時までにそこに着くのはとても難しい」という文。そのまま "To get there by 8 is very difficult." と直訳すると、主語が長すぎて、英語話者にとってわかりづらい文になります。

そこで、仮主語 "It" を用いて "It is very difficult" と先に結論を述べ、その後 "to get there by 8" と詳細を説明する構文にしてみましょう。すると、"It is difficult to get there by 8." と、主語が短いわかりやすい英文になります。さらに「to 場所」を "there" や "here" などの副詞で代替できるという文法の知識も、この一文には反映されています。

単語は情報の基本的な単位としての役割を果たします。その単語を組み合わせた構文や熟語という大きな情報のかたまりで文をつくっていくことで、英文を流暢にアウトプットできるのです。

英語を話したり書いたりする際は、まず構文や熟語を思い浮かべてから、次に具体的な単語を選択する手法が有効です。例として「私はまったく疲れていません」という文の場合、まず「まったく〜ない」=「be動詞+not+形容詞+at all」という構文を思い浮かべます。そして、その構文の適切な箇所に "I am" や "tired" という単語を入れていくと、"I am not tired at all." という英文をスムーズにつくれるのです。

また、英語の熟語や表現は、ひとつのまとまった情報として覚えたうえで具体的な内容を入れるのがコツ。たとえば、「できるだけ〜」という意味の熟語 "as ~ as possible" は、それ自体をひとつの情報として覚えます。そしてそのなかに "soon" を入れると、「できるだけ早く」を表す "as soon as possible" という表現ができあがるのです。

スピーキングとライティングのスキルを向上させるためには、構文や熟語の理解が鍵。単語だけを重視する学習法を避け、構文や熟語を優先して学べば、効果的な英語コミュニケーションが実現できるのです。

単語学習で疲労困憊の女性

【非効率的な学習法その2】会話練習を優先する

「オンライン英会話のレッスンを受ければ、日常会話ができるようになるはずだ」と思う人もいるかもしれません。しかし、ただ漠然と英会話をするだけでは、非効率的になる恐れがあります。

なぜなら、「日常会話ができるようになる」という目標が曖昧だから。日常会話といっても、「買い物をするときの会話」や「空港やホテルで予約をするときの会話」「海外の友人と冗談を言い合う会話」など、さまざまなものが存在します。

英語で発信する力を限られた時間のなかで伸ばす場合、いかなる日常会話の場面でも対応できるスキルを身につけるのは、きわめて困難です。そこで重要なのが、英会話練習の目標を明確にすること。「英語が話せるようになりたい」という曖昧な目標よりも、「海外の取引先との商談を成功させる」などの具体的な目標を立てるほうが、学習の効果は上がります

ビジネスパーソンのみなさんが英会話の学習に割ける時間は、限られているはず。だからこそ、限定された話題に特化した英語のコミュニケーションスキルを優先して学ぶと効率的なのです。

そして英語のコミュニケーションでは、基本的な会話だけでなく、自分の考えをしっかりと伝えるのが大切。特にビジネスにおいて、相手を納得させる力は欠かせません。実践的な英語コミュニケーションスキルを身につけたいなら、英語で意見をはっきり述べ、相手を説得する練習も必要になります。

会話スキルを身につけ商談が成立する様子

英語学習はこの順番で進めると効果的

英語で正しく文章を書いたり、流暢に話したりできるようになるには、正しい順番で英語学習を進めることも大切です。その順番とはこちら。

  1. 読む
  2. 聞く
  3. 書く
  4. 話す

まず「読む」練習を行ない、単語や文法の基礎を固めます。読めない言葉や文をどれだけ聞いても、正確に理解できません。ここで単語や文法の基礎を築くことが、次の「聞く」練習の効果をより高めます

そして「書く」練習を積み重ね、文章の組み立てや構造をしっかり理解していきます。このスキルは、次の「話す」練習を始める際に大変役立ちますライティングを「瞬間的」に行なうのがスピーキングだと言えるからです。

このように、効果的な学習の順番は「読む → 聞く → 書く → 話す」となります。いきなり話したり書いたりする練習をするよりも、まず読む練習で基礎的な単語や文法を定着させることで、効果的な英語力向上が期待できます。

英語学習の最初のステップであるリーディング

英語でどのように効果的に意見を伝えるか

たとえ意見をもつことができても、それを他人に英語で伝えるには技術が必要です。自分の意見を受け入れてもらうためには、意見だけでなく理由や具体例も提示していかなければなりません

英語で効果的に意見を伝えるには、特定のパターンに従うのが有効です。そのパターンのひとつとして、「We should 動詞原形 because S + V. 」が挙げられます。自分の意見を「動詞原形」で表し、 "because" のあとに理由を「S(主語)+ V(動詞)」のかたちで示してから、具体例を含む文を続けます。

たとえば、「リモートワークかオフィスワーク、どちらがいいか」という質問に対して英語で意見を伝えるとしたら、以下のようなステップを踏むとよいでしょう。

1. 意見を述べる

まず、質問に対する自分の意見を述べます。この際、最初に「We should 動詞原形」のパターンを思い浮かべることが大切です。たとえば、あなたの意見が「リモートワークがいい」である場合、「リモートワークをする」を英語でなんと言うか考えます。

「リモートワークをする」は、英語で "work from home" だとわかれば、「We should work from home」とあなたの意見を表現できるのです。

2. 理由を述べる

理由を述べるときは、まず 「because S +V」のパターンを思い浮かべます。その後、「because」のあとに理由を説明する文を挿入するのです。

例として、「S+V」の箇所に、 "workers can choose"「働き手が選べる」という理由を示す文を入れてみましょう。そして、「何を選べるのか」にあたる内容として "when to work"「いつ働くべきか」を当てはめれば完成です。ここでは、「疑問詞とto 不定詞」を組み合わせた、「いつ~するべきか」「どこで~するべきか」などを意味する構文を使っています。

3. 具体例を述べる

意見と理由を述べたら、次は具体例を述べます。そのとき、因果関係を明確に示すことが大切です。

具体例を示す際に役立つのが他動詞構文。原因を主語とし、それに続く他動詞で結果を示す構文です。これにより、原因と結果を明確に伝えられます

先ほどの「リモートワークがいい」という意見と理由に続く具体例として、「柔軟な勤務体系は私たちの生活と仕事の比率を改善させる」と述べたいとしましょう。

このとき、主語の位置に来るのは、"flexible work schedules" 「柔軟な勤務体系」という原因を表す言葉です。そして、他動詞 "improve"「〜を改善させる、よくさせる」を使うと、原因にあたる「柔軟な勤務体系」が、 "improve our work life balance"「私たちの生活と仕事の比率を改善させる」結果をもたらすという文が完成するのです。

そこから文を "and" でつなぎ、別の動詞を追加しましょう。たとえば、他動詞 "reduce" 「〜を減らす」を使って、"reduce the travel time and stress levels"「移動時間とストレスのレベルを減らす」という結果を示すことができます。

あとは、なんの移動時間やストレスレベルかを具体化する "of" を使って、 "of our daily commute"「日々の通勤の」とすれば完成です。

以上の手順を踏むと、「リモートワークかオフィスワーク、どちらがいいか」の問いに対する効果的な意見の伝え方は次のとおり。

We should work from home because workers can choose when to work. Flexible work schedules improve our work life balance, and reduce the travel time and stress levels of our daily commute.

【訳】私たちはリモートワークをすべきです。なぜなら働き手はいつ働くべきかを選べるからです。柔軟な勤務体系は私たちの生活と仕事の比率を改善させ、日々の通勤時間とストレスレベルを減らします。


このように、原因を主語とした具体例の述べ方ができると、より英語らしく効果的に意見を伝えることができるのです。

4. 他動詞構文をつくる主な動詞

因果関係を表す他動詞構文をつくる代表的な動詞として、"enable", "allow", "encourage", "cause", "make" の5つを紹介しましょう。

"enable" は、「ある原因が特定の事柄を可能にする」という意味。例文 "The money enabled my daughter to study abroad." では、「そのお金が娘が留学するのを可能にした」という意味になります。

"allow" は「許可」や「可能にする」という意味です。"Social media allows us to express our opinions freely." のように、「ソーシャルメディアがわれわれに意見を自由に表現するのを許可している」と表現できます。

"encourage" は「勇気づける」とよく訳されますが、「あと押しする」という感覚が強い動詞です。 "This will encourage the industry to develop new markets." なら、「これはその産業が新しい市場を開拓するようにあと押しするだろう」と表現できます。

"cause" は悪い結果や事象が発生する際に使用されます。"The decision caused us to sacrifice the quality of the product." は、「その決定が製品の品質を犠牲にするのを引き起こした」という意味です。

"make" も、原因を主語にもつことが多くあります。たとえば、 "This makes American products more expensive." は、「このことがアメリカの製品を高価にさせている」という意味です。

このように、原因を主語とする他動詞構文を使えば、具体例を述べる際に、因果関係をスマートに示せ、説得力も増すでしょう。

SNSを閲覧している

相手にはっきりと伝わる英語にするための究極の近道

今回の記事を読んで「相手にきちんと伝わる英語で表現できるようになりたい」と感じた方は少なくないはず。じつは、その思いをスムーズに実現できる近道があるのです。

それは、自分の英語力の現状を正確に把握すること。スピーキングやライティングの悩みは、人それぞれ異なります。

スピーキングの場合、「言葉がすぐに思い浮かばない」という方もいれば「発音が伝わらない」「そもそも相手の英語がうまく聞き取れない」という方もいるでしょう。ライティングなら、「文の構成が思い浮かばない」「英文法が不安」「英文を書き終えるのに時間がかかる」という悩みも考えられます。

それぞれの問題の解決策は異なりますが、自らの課題が何かをひとりで特定するのは難しいですよね。

そんなときは、「英語学習の専門家」にアドバイスを求めるのがおすすめ。自立学習型英語コンサルサービス「STRAIL」のコンサルタントは、あなたの英語における課題を詳細に分析して、課題解決のためのトレーニングをご提案します。プロのコンサルタントからのアドバイスを受ければ、スピーキングやライティングなどの最適な学習方法を早急に見つけることが可能です。

さらに「STRAIL」では、英語特有の論理的な型や、英語でのコミュニケーションを円滑にするための「コミュニケーション・ストラテジー」を学べます。もしあなたが相手に伝わる英語を効率よく身につけたいと考えているなら、ぜひ以下の公式サイトをチェックしてみてください。

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単語学習のみを過度に行なったり、具体的な目標なしに英会話練習をしたりするのは、かえって遠回りです。代わりに、構文や熟語の知識を身につけ、明確な目標を決め、相手を説得できるように自分の意見を述べる練習をしましょう。こうした練習を積み重ねることが、効果的に伝わる英語力を習得できる究極の近道なのです。



※本記事は、YouTubeチャンネル「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」内の「【知らないと損する】スピーキングとライティングの間違った勉強法2選」をアレンジしたものです。

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