【朗報】“これ” を知っておけば英語長文を読むのが楽になる

ジャンル・アプローチ01

「リーディングテストが時間内に解き終わらない」
「英文の語数の多さにいつも圧倒される」

そうお困りではありませんか? TOEICなどの試験では、限られた時間のなかで長文を読む必要があるため、内容の理解にてこずると時間オーバーになってしまいがち。また仕事でも、期限内に大量の英文を処理しなければならないというシーンがあったりします。英文をスムーズに理解できないと、ほかの仕事の進捗にも影響が出ますよね。

じつは、ある程度英文を正しく読める力があれば、長文の趣旨が瞬時にわかる方法とテクニックがあるのです。詳しくご紹介しましょう。

論理的な文章には決まった「文章構成」がある

英語は「序論・本論・結論」という論理展開をする――おそらく耳にしたことがあるのではないでしょうか。論理的な英文は、基本的に以下のような構成になっています。

【序論】自らの主張や本文全体の要点を先に提示する
【本論】その裏づけや理由、具体例を述べる
【結論】本文全体のまとめをする

ではみなさんは、「序論」「本論」「結論」それぞれの段階に具体的にどんな内容が来るかご存じでしょうか。じつはジャンルによって、それぞれの段階で語られる内容が若干異なっているのです。

ここでの「ジャンル」とは、Eメールや広告、お知らせ、マニュアルなどといった、「文章の種類」のこと。それぞれのジャンルでは、目的、文章全体の構成、主な言語的特徴(時制や話法などの文法的、語彙的な特徴)といった、異なる英文の特徴が存在しているのです。

ジャンルから、文章全体の構成や言語的特徴をとらえる手法は、言語学上では「ジャンル・アプローチ」と呼ばれます。シドニー大学のジェームズ・ R・マーティン教授は、いかなる「ジャンル」にも、読み手へ伝えるための「目的」が存在し、「目的」を達成するためのいくつかの「段階」が踏まれていると定義づけました。

「新聞記事」と「レシピ」をイメージしてみてください。新聞記事は「読み手に情報を伝える」のが目的。序論で出来事を伝えてから、本論では「いつ・どこで・誰が」といった、出来事に関する具体的な情報が来ます。一方レシピは、「料理のつくり方を教える」のが目的。つくる料理と材料について序論で述べたのち、料理を完成させるための手順を本論で説明する、という文章構成が一般的です。

英文を読むときも、その英文がどんな目的で書かれているのかをジャンルから把握するのが大切。さらに、「序論」「本論」「結論」それぞれの段階において、どんな内容が語られるのかをジャンルから推測して読むと、論理的な文章の要旨がつかみやすくなります

イランの大学では、「ジャンル・アプローチ」によって読解スキルが向上したという研究報告もあります。その研究では、学生53名の英語クラスで、ジャンル・アプローチを採用した教授法と、採用しない教授法に分けて、5週間リーディングの授業を行ないました。その結果、ジャンル・アプローチを採用したクラスにおいて、読解テストの平均点が2倍に上がったのだそう。一方、採用しなかったクラスの平均点に変化はありませんでした。「目的」「文章構成」を意識した読み方は、読解力向上に効果があるのです。

論理的な文章では、「手順型」「説得型」というジャンルがよく見られます。それぞれの目的・構成がどのようなものか、見ていきましょう。

ジャンル・アプローチ02

「手順型」の目的と構成

「手順型」は、ある行動へ導くための手順を順序立てて説明するジャンルのこと。たとえば、レシピや実験のしおり、マニュアルなどがこのジャンルに相当します。

【目的(序論)】何をつくるか、どんな行動へ導くかを明記。必要な材料や道具のリストが明記されることも
【手順(本論)】目的達成へ導く手順を、順番通りに具体的に説明

<例:「プレゼンテーションの仕方」が主題のガイドライン>

【目的】(序論)効果的なプレゼンテーションをする。
【手順】(本論)

  1. スピーチ原稿の作成
  2. 原稿の音読
  3. 原稿の修正
  4. 視聴覚機器の準備
  5. 発表練習と原稿の修正の繰り返し

「手順型」は、「命令形」とナンバリングが特徴。達成しようとしている行動の目的と、命令形の文、順序が見逃してはならないポイントです。また、レシピは「料理」、実験の手順では「科学」といった、関連の分野に応じた「専門用語」の知識をもっておくと、より読みやすくなるでしょう。

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「説得型」の目的と構成

「説得型」は、読み手に説得したり、行動を促したりするのが目的。学術論文や広告、ビジネスメール、企画書などがこのジャンルに相当します。

【立場の表明(序論)】書き出しで話題を提示。導入部では主題文による「問題提起」がある
【主張の根拠(本論)】主題文と支持文。支持文は、具体的な証拠やデータなどによる主張の裏づけや根拠を含む
【論点のまとめ(結論)】論点をまとめ、自分の主張および理由を強調。読み手に促す行動も入れることも

<例1:「本はテレビより優れているか」が主題のエッセイ>
【立場の表明(序論)】本とテレビの教育上の背景を説明。「本がよい」という自らの立場の主張
【主張の根拠(本論)】本は読み手に創造力を掻き立てる。テレビは一方的に情報を流すだけ
【論点のまとめ(結論)】本の正当性を強調

<例2:「欠席連絡」が主題のEメール本文>

【立場の表明(序論)】メールの「目的」を提示(明日の会議を欠席する必要があること)
【主張の根拠(本論)】情報の詳細に関する根拠や詳細な事実(家族を、自分が病院へ連れて行く用事がある)
【論点のまとめ(結論)】相手に促したい行動(欠席を補うのに行なうべき事柄を連絡する)

「説得型」の文章では、まず書き手がどのような意見をもっているか、どんな用事でメッセージを伝えているかに、より注意を払うようにしましょう。意見を伝えるのが目的の文章では、評価に関する表現(good「よい」, impressive「感銘的な」, wonderful「すばらしい」, difficult「困難な」, awful「ひどい」, wierd「奇妙な」など)に注目してみてください。

行動を促す目的の「説得型」の文章は、最後の段落に、相手へ促したい具体的な行動が書かれています。依頼を表す文(Could you ~?, Would you ~? など)や、命令文(Please 動詞原形など)、必要性を伝える文(You need to 動詞原形, You should 動詞原形 など)を見つけたら、要チェックです。

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英文の要点がすばやくつかめる「スキミング」とは

ジャンルごとの「目的」や「文章構成」を頭に入れておくと、文書を読む際に注目すべき点が見えてくるようになります。あとは、要点をすばやく特定するのに必要なテクニックを身につけるだけ。そのテクニックとは、いったいどのようなものでしょうか。

それは、時短型英語ジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でトレーナーとして活躍する高橋秀和さんが紹介している「スキミング」 。スキミングとは、文章を斜め読みしながら、文章全体の内容を把握する読み方です。詳しいスキミングのコツやメリットについて、以下の約7分の動画で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

  • スキミングはどんなときに便利か
  • スキミングが必要な英語レベル
  • スキミングで最初に見るべきところ
  • 英語は段落構成が重要
  • 意識すべきなのは段落の第○文目
  • スキミングのメリット

英語のプロトレーナー・高橋さんの解説を聞けば、長文の趣旨をすばやく理解できるコツがつかめますよ!

***
英語の長文読解では、「目的」に該当する文をすぐにつかむこと、決まった「文章構成」で展開されることを意識づけることが重要です。そして、動画で紹介されている「スキミング」を用いれば、瞬時に要点をつかむことができるでしょう。今回の記事と動画を、今後のリーディング対策や仕事の効率化などに、ぜひ活用してみてください。

監修:StudyHacker ENGLISH COMPANY

(参考)
川光真二(2018),『ジャンル理論の観点から日本語教育初級のライティングを考察する』リテラシーズ, Vol.22, pp.18-34.
齋藤恵(2004), 『学びと成長を支援する年少者日本語教育実践に向けて―オーストラリア年少者ESL教育におけるスキャフォールディングの分析から―』早稲田大学日本語教育研究, Vol.5, pp.93-111.
James R. Martin(1984), Language, register and genre. In Frances Christie (ed.), Language Studies: Children Writing Reader (pp. 21–30). Geelong, Deakin University Press.
Kalali, Nazanin, N. and Pishkar, K.(2015), “The effect of genre-based instruction on reading comprehension among Iranian EFL learners”, Journal of Language and Literature, Vol.6, No. 1, pp.253-261.
Sally Humphrey, Louise Droga, and Susan Feez (2012), Grammar and meaning, Newtown, PETAA.
杉田由仁, リチャード・R・キャレイカー(2014),『ジャンル別パラグラフ・ライティング―Genre Approach to Paragraph』, 成美堂.
シャーリー・テイラー 著, 細井京子 訳(2014), 『英文ビジネスライティング大全 レター、Eメール、見積書、催促状から履歴書まで』, 桐原書店.
戸田博之(2015), 『英文ビジネスEメールがサクサク書ける』, 研究社.
Lynne Flowerdew(2012), Corpora and Language Education, New York, Palgrave MacMillan.

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