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三日坊主の原因はこれだった! 英語の勉強を続ける方法を科学的に考えてみた。

三日坊主の原因はこれだった。英語学習を続けるための科学入門

「英語ができるようになりたいと思ってはいるものの、いざ勉強を始めると続かない」
「『年内にTOEIC○○点!』と目標を立てたはいいものの、モチベーションを維持できず、三日坊主で終わってしまう」

そうお悩みの方はいませんか?

意気込んで英語の勉強を始めても、すぐにやる気がなくなり、続かない。最初の意気込みはどこへやら......。これは多くの学習者が抱える悩みです。

なぜ私たちは、すぐに英語学習への意欲を失ってしまうのでしょうか。どうすれば、モチベーションに左右されず、学習を継続することができるのでしょうか。

そんな疑問を解消すべく、時短型英語ジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でトレーナーとして活躍する “英語の専門家” 長束啓樹さんにお話をうかがいました。



モチベーションが必要なのは最初だけ

あなたが英語を学ぼうと思ったきっかけは何ですか? 

「TOEICで900点を取って、英語力を武器に転職したい」
「海外の企業を顧客にして、営業成績を上げたい」

このように、将来のキャリア形成などの実利的目的を達成するためかもしれません。

あるいは、
「海外の人とたくさん話して仲良くなり、世界中に友だちをつくりたい」
「アメリカ人の俳優が好きで、出演している洋画を字幕なしで見られるようになりたい」
など、英語・英語圏の人々への好意的な態度や文化への憧れが、英語学習のモチベーションの源になっている人もいるでしょう。

第二言語習得研究では、前者を「道具的動機づけ」、後者を「統合的動機づけ」と呼び、動機づけは外国語学習を成功させるために必要な要素だとしています。第二言語習得研究の第一人者である、ケース・ウェスタン・リザーブ大学の白井恭弘教授も、「動機づけが外国語学習の成功にとって重要な要因であることは明らか」であると述べています。そして、第二言語習得に詳しい長束さんいわく、特に「英語学習をスタートするうえで、何らかの動機づけがあることは有効」とのこと。

何らかの理由がない限り、忙しいなかわざわざ時間をやりくりしてまで英語を学ぼうと思うことはありませんよね。モチベーションを抱いて初めて、勉強する気になるものです。英語学習へのやる気は、とりわけ最初の段階では効果を発揮するのですね。

続かないのはモチベーションに頼っているから

しかし、学習を「始める」ことと「続ける」ことは大きく違います。動機づけによって英語の勉強を始めても、最初に抱いたモチベーションが長期間続かないのは、皆さんも実感があるはず。

英語学習が続かない原因として、<モチベーションは動的で不安定なものだという認識が学習者に欠けていることを、長束さんは挙げています。モチベーションには振れ幅がある――そんな視点が抜け落ちているために、いくらあがいても学習を継続できないのです。

動機づけの本質について、前出の白井教授はこう語ります。

個人の動機づけはそれほど安定したものではなく、たとえば一学期の授業の間でも大きく変化するということが明らかになってきました。

(引用元:白井恭弘(2008),『外国語学習の科学ー第二言語習得論とは何か』, 岩波書店. ※太字は筆者が施した)

モチベーションは本来、常に上がったり下がったりする、変動の大きいものです。そのため、動機づけは万能だと過信してはいけません。学習を始めるときに動機づけは必要ですが、学習を続けるうえでモチベーションに頼るのは大きな間違いなのです。

必要なのは、やる気ではなく “続ける仕組み”

常に変化する性質を持つモチベーション。私たちは今まで、こんなにも不安定なものを拠り所にして、英語学習を進めようとしていたのですね。これでは学習が長続きしないのも当然のこと。

それでは、学習を続けるにはどうすればいいのでしょうか? ここで大きな助けとなるのが、アメリカで生まれた「行動科学マネジメント」です。

これは、心理学者B・F・スキナーが興した、人間の行動を科学的に分析する「行動分析学」の理論に基づいたメソッド。意志や能力と関係なく、どんな人が行なっても同じような結果が出せる再現性の高い方法論として、いま注目を浴びています。

行動科学マネジメントでは、思うように結果につなげられない理由として以下の2つが挙げられています。

  1. やり方がわからない
  2. やり方はわかっているが、継続の仕方がわからない

なかでもやっかいなのは2。行動科学マネジメントの専門家である石田淳氏は、継続の仕方が知られていない背景とその対策について、こう語っています。

実は、多くの人が継続の仕方を知りません。これまで、教師や親から何かの継続法を教わったことがあるという人のほうが少ないはずです。そういう環境で大人になったのだから、続けられないのは無理もないことです。

「続けられない自分は意志が弱い」のではなく、続けられないのは当然のことと考えてください。そして、だからこそ続ける仕組みを考える必要があるのです。

(引用元:石田淳(2013),『人生を変える行動科学セルフマネジメント―自分を変化させるたったひとつの方法』, 大和書房. ※太字・下線は筆者が施した)

学習を続けるうえで本当に必要なのは、意志ではなく、続ける仕組みです。今まで私たちは、継続する技術を持たずに、不安定なやる気ばかりに頼っていたために、勉強を続けることができなかったのです。

これからは、モチベーションに期待するのをやめ、継続する方法を学びましょう。そうすることで、やる気に左右されず、英語学習を習慣化できるようになります。

行動科学の力で英語学習を習慣化しよう

英語学習を日々継続するために必要な “続ける仕組み”。その仕組みを作るには、具体的に何をすればいいのでしょう? 

答えは行動科学が用意してくれています。行動科学マネジメントに基づいた「続けるための環境づくり」についてご紹介した約3分間の動画がありますので、ぜひご覧ください!



今まで多くの英語学習者の習慣化を手助けしてきたプロトレーナー・長束さんによる解説で、「やる気が出なくて学習が続かない」という悩みの解決の糸口が見つかるはずですよ。

YouTube「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」では、ほかにも英語学習中の皆さんを応援するためのお役立ちコンテンツをたくさんご用意しています。ぜひチャンネル登録をお願いします!

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いつも英語学習に挫折してしまうーーそんな自分を責めるのはもうやめましょう。モチベーションとの正しい付き合い方と、行動を習慣化する科学的な方法を学べば、確実に学習を続けられるようになりますよ。

かと言って、今日から焦って問題集に長時間取り組む必要はないのです。まずはスモールステップから。たとえば帰宅後ソファーに座り、おいしい飲み物を片手に、YouTube「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」を見て効果的な英語学習法を知ることから始めてもいいでしょう。

行動科学では、始めるときに大切なのは「ハードルを低くする」ことだと言われています。無理せず、今すぐできることから、英語学習のスタートを切ってみませんか。



参考資料
JACET(大学英語教育学会)SLA研究会(2013),『第二言語習得と英語科教育法』, 開拓社.
白畑知彦 編著, 若林茂則 著, 須田孝司 著(2004),『英語習得の「常識」「非常識」―第二言語習得研究からの検証』, 大修館書店.
白井恭弘(2008),『外国語学習の科学ー第二言語習得論とは何か』, 岩波書店.
石田淳(2013),『人生を変える行動科学セルフマネジメント―自分を変化させるたったひとつの方法』, 大和書房.
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