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国によって全然異なる英語の発音……どうすれば聞き取れるようになる?

知らないと損! イギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド英語の学び方

「話し手によって英語の理解度が左右される」
「イギリス英語やオーストラリア英語、ニュージーランド英語が聞き取れない」

そうお困りの方はいませんか。どうすれば、国ごとに違うさまざま英語を聞き取れるようになるのでしょう? 

そんなお悩みを解消すべく、時短型英語ジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でトレーナーとして活躍する “英語の専門家” 長束啓樹さんにお話をうかがいました。



イギリス英語やオーストラリア英語の学び方

日本の英語教育の標準はアメリカ英語。カナダ英語の発音はアメリカ寄りのため聞き取りやすいですが、イギリス人やオーストラリア人、ニュージーランド人相手だと途端に聞き取れなくなる英語試験のリスニングパートで、話し手によってまったくわからないことがある。そんな方も多いはず。こんなとき、どうすればいいのでしょう?

まず必要なのは、英語のリスニング力そのものを高めること。関西弁や博多弁をはじめとした日本語の方言を想像してみてください。多少の発音やアクセントの違いがあっても、話している内容は理解できますよね。日本語そのもののリスニングスキルが高いため、音声のバリエーションにも対応できるのです。

英語でも同じこと。英語のリスニングスキル自体が高まれば、さまざまな国の英語も理解しやすくなります。まずはよく使われるアメリカやカナダなどの発音を、余裕をもって聞き取れるようになることを目指しましょう。

イギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド英語の学び方1

英語のリスニングスキルの高め方

英語のリスニングスキルを高めるには何をすればいいのでしょう? リスニングのメカニズムを知れば、どこから始めるべきかがわかります。こちらがリスニングのプロセス。

  1. 音声知覚(耳から入った音声を単語として認識)
  2. 理解(語彙や文法知識、背景知識などをもとに意味内容を理解)

最初のステップは「音声を単語として認識すること」。そして、そのためには「単語を正しく発音する力」が必要です。音声学を専門とする東京都立大学の今井邦彦教授は、聞き取りと発音の関係についてこう語ります。

発音が良くなると、その分、聞き取り力が上達し、聞き取りが上手になると、その分、発音が良くなる」という事実があります。もっと極端な言い方をすれば、「自分が発音できない音は上手く聞き取れないし、自分がちゃんと聞き取れない音は満足に発音できない」と言ってもいいですね。

(引用先:今井邦彦(2019),『「英語耳」を鍛え「英語舌」を養う』, 開拓社. ※太字は筆者が施した)

聞き取る力を伸ばすために、自身の発音の向上は欠かせません。発音学習は、リスニング力そのもののアップに大いに役立ちます。

実践の場では国ごとの発音の特徴もつかむと◎

加えて、実践の場で特定の国の英語を必要としているときは、国ごとの発音やアクセントの特徴を学ぶといいでしょう。

たとえば本社がイギリスにあり、イギリス英語が必要。オーストラリアやニュージーランドでの留学を考えている。複数の国の英語音声で出題されるTOEICなどの英語試験を受験予定。そんな場合は、以下のような国ごとの英語の音の特徴を把握しておきましょう。

  • オーストラリア英語「エイ」を「アイ」と発音することが多い
    (todayなら「トゥディ」ではなく「トゥダイ」)
  • ニュージーランド英語「エ」を「イー」と発音することが多い
    (tenなら「テン」ではなく「ティーン」)
  • イギリス英語母音のあいだのTの音をはっきり発音することが多い
    (waterは「ウォーター」、letterは「レター」)
  • 上記共通母音のあとのRの音を発音しないことが多い
    (car、cart、hard、tart、lordなど)

知らないと損! イギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド英語の学び方4

アメリカ英語とイギリス英語の発音の違い

世界の二大英語とされる、アメリカ英語とイギリス英語。発音の観点からいうと、カナダ英語はアメリカ英語に、オーストラリア英語やニュージーランド英語はイギリス英語に近いところがあります

そのため、アメリカ英語とイギリス英語の発音の特徴を押さえておくと、汎用性が高く何かと便利。なかでも特に、発音が大きく異なる以下の語は要チェック。違いを知っておくだけで、ぐんと聞き取りやすくなりますよ

  • can't(米)キャント(英)カーント
  • schedule(米)スケジュール(英)シェジュール
  • privacy(米)プライバシー(英)プリヴァシー
  • tomato(米)トメィト(英)トマート
  • box(米)バークス(英)ボックス
  • zebra(米)ズィーブラ(英)ゼブラ
  • vase(米)ヴェイス(英)ヴァーズ
  • leisure(米)リージャー(英)レジャー
  • missile(米)ミッソ(英)ミサイル
  • direction(米)ディレクション(英)ダイレクション
  • vitamin(米)ヴァイダミン(英)ヴィタミン
  • basil(米)ベイズゥ(英)バズゥ
  • Not at all(米)ノラロー(英)ノッタットー

両者の発音の違いに驚いた方もいるはず。知らなければ、なかなか同じ語だとは気づけませんよね。

自分が想定している英語の音と、実際のネイティブの発音が違えば、聞き取れないのは当たり前。たとえば、scheduleがイギリス英語で「シェジュール」と発音されることを知識としてもっていなければ、たとえscheduleという単語を知っていても、リスニングでは聞き取れません。

既知単語なのに、発音の違いで聞き逃してしまってはもったいない......! そんなロスを防ぐためにも、英米の発音の特徴が現れる代表的な単語は事前に学んでおくと安心です。

英米のアクセントの違いにも注目

たとえ発音が似ていても、アクセントが違うだけで全然違う単語に聞こえることも。そこで、アメリカ英語とイギリス英語のアクセントの違いも知っておくと、より聞き取りやすくなります。たとえば、違いが顕著に現れる語はこちら。(※赤字部分にアクセント)

  • garage(米)ガージ(英)ラージ
  • adult(米)アルト(英)ダルト
  • address(米)ドレス(英)アド
  • massage(米)マッージ(英)ッサージ
  • harassment(米)ハスメント(英)ラスメント
  • advertisement(米)アドバタイズメント(英)アドーティスメント

英語は「強勢拍リズム」の言語。強勢ごとに拍を刻むため、アクセントの位置はとても大切です。英語の音を学ぶときは、あわせてアクセントも確認しておくといいですね。

知らないと損! イギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド英語の学び方5

英米の違いもわかる! 発音学習に便利な「Google Pronunciation

さまざまな国の英語を聞き取るうえで重要な、核となる発音力。大きく異なる、アメリカ英語とイギリス英語の音。これらを鍛えるのに効果的な学習法はあるのでしょうか?

第二言語習得に詳しい長束さんのオススメは「Google Pronunciation(グーグル・プロナンシエーション)」。Googleが使える限りデバイスを問わず対応しており、ニュートラルな発音が学べます。同じ語の、アメリカ英語とイギリス英語それぞれの発音を教えてくれるのも嬉しいポイント。

そんな「Google Pronunciation」の概要や使い方のコツを解説した約6分間の動画がありますので、ぜひご覧ください!



英語のプロトレーナー・長束さんによる解説で、「話し手によって聞き取りの精度に差が出る」「アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いがわからない」という悩みを解決できるはずですよ。

YouTube「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」では、ほかにも英語学習中のみなさんを応援するためのお役立ちコンテンツをたくさんご用意しています。ぜひチャンネル登録をお願いします!

***
アメリカ人に”Do you understand Australian English?”(オーストラリア英語わかる?)、イギリス人に”Do you understand American English?”(アメリカ英語わかる?)と聞いたところ、みな一様に”Yes, because it's English!”(わかるよ、だって英語だからね!)との答えが。

どんな国の英語でも、同じ言語であるということに変わりはありません。まずは標準的な発音を身につけ、英語のリスニング力そのものを伸ばせば、しだいにどんな英語にも対応できるようになります。

そのうえで各国の発音の特徴を学べば、鬼に金棒。この機会に発音力を高めて、世界中の英語を理解できるようになりましょう!



参考資料
今井邦彦(2019),『「英語耳」を鍛え「英語舌」を養う』, 開拓社.
仲村芳信(1999),『アメリカ英語とイギリス英語-ここが違う』, 沖縄大学紀要.
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