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英語力を飛躍的に伸ばす「暗唱」。その2つの効果とは

暗唱の効果01

「英語をもっと正確に話せるようになりたい」
「リーディングとリスニングのスキルをもっと効率よく伸ばしたい」

そう思っている方はいませんか。そんな方に実践していただきたいのが、英文を暗記して何も見ずに声に出す「暗唱」。英文を目で追いながら声に出していく「音読」から、さらに一段階進んだトレーニングと言えます。

「暗唱」はただの文章の丸暗記にしか過ぎないと思う方もいるかもしれません。しかし、音源を使って、自然と口に出てくるようになるまで暗唱を行なうことで、驚くほどの効果が期待できますよ。どのような効果が得られるか、英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」といっしょに見ていきましょう。



【効果1】スピーキングスキルの向上

暗唱の効果の1つめは、スピーキングスキルを飛躍的に上げられることです。

内モンゴル自治区にある経済大学が、実験群25名(指定された段落の暗唱を課された)と統制群25名(暗唱課題はなし)に分けて調査したところ、16週間後のスピーチテスト(正確さ、流暢さ、複雑性で評価)の平均点の伸び率が、調査実施前に比べて約6倍に上がったそうです。一方、暗唱がない群の平均点に変化はありませんでした。研究者は、暗唱を通して「自分が発信したい内容」と「実際に発信できる内容」のギャップに気づけたからと考察しています。

では、なぜ暗唱によって「発信したい内容」と「発信できる内容」のギャップに気づけるのでしょうか。

暗唱では、覚えようとする文章を、完全に再現しなければなりませんよね。そのため、練習をしていくうちに、自分がうまく言えない箇所に気づくことができます。スピーキングスキルを高めるうえでは、この「気づき」がとても重要。なぜなら、曖昧な知識になっている箇所により注意を向けることで、正確な表現をものにすることができるからです。

また、定型表現を覚えられるのも暗唱のメリット。日常会話の大半は、じつは決まり文句で構成されています。暗唱のトレーニングを繰り返すことで定型表現が体になじみ、いざ実生活で使える場面が訪れたときに自然と口から出てくるようになるのです。

【効果2】リーディングスキルとリスニングスキルの向上

暗唱できるようになるには当然、同じ文を何度も音読しなければなりません。ここで期待できるのが、リーディングスキルとリスニングスキルの向上です。

まずはリーディングスキル向上について。私たちが英文を読む際は、頭のなかで文字を「音声化」したのち、長期記憶に登録されている「辞書」と結びつけて意味を「理解」しています。文字を実際に音にする音読練習を重ねることで、この「音声化」がスムーズになるため、リーディングスピードが速くなるのです。

暗唱の場合、意味を理解しながら音読するよりももっと進んで、「自分がそれを話している」ところまで繰り返す必要があります。返り読み(一度英文を読んでから、日本語に訳すためにいったん返って読む読み方)を脱却できるため、英文の理解がよりスムーズになるのです。

次はリスニングスキル向上について。英文を頭から理解できると、英語を聞いたそばから理解できるようになります。聞こえてきた英語のスピードについていくことができるため、リスニングの内容理解力を上げられるのです。

また、正確な発音で、かつ音源と同じスピードで暗唱するためには、個々の単語の発音やアクセントだけでなく、英文中の音声変化(一部の音をつなげたり、弱く短く読んだりして音を変化させること)やイントネーション、リズムなどを再現できるように練習しなければなりません。音源を何度も聞いて、リピートをし、必要に応じてオーバーラッピング(音源と同時に英文を発音するトレーニング)もする。こうした練習を通して、音を知覚する能力の向上にもつなげられるのです。

暗唱の効果03

暗唱の効果を高める教材・方法とは

暗唱はとても効果的な学習法。しかし、教材の選び方を間違えると本来の効果を引き出せません。いったい、どのような教材を選ぶとよいのでしょうか。また、正しい暗唱の方法もぜひ知っておきたいですよね。

その答えは、時短型英語ジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でトレーナーとして活躍する “英語の専門家” 伊丸岡咲乃さんが、以下の約12分の動画で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。



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暗唱は、正しく行なえば確実に英語力を伸ばせるトレーニングです。今回の記事と動画を参考に、今日から暗唱に励んで、さらなる英語力の高みを目指しましょう!



参考資料
Liu, X. (2011), “A Study on the Effects of Reciting on Chinese College Students‟ Oral English Proficiency”, Theory and Practice in Language Studies, Vol. 1, No. 12, pp. 1749-1755.
佐藤洋一(2015),『第二言語習得論に基づく、もっとも効率的な英語学習法』, ディスカヴァー携書.
StudyHacker ENGLISH COMPANY著, ナナトエリ作画(2018),『マンガでわかる 最速最短! 英語学習マップ』, セブン&アイ出版.
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