動名詞と不定詞の違いは? 使い分けを例文でチェック!
to不定詞と動名詞、自信をもって使い分けられますか?
- to不定詞を目的語にとる動詞
- 動名詞を目的語にとる動詞
- 両方を目的語にとれる動詞
があるので、「どの動詞でto不定詞を使うか覚えなきゃ……」と困っているかもしれませんね。
その問題は、「認知文法」というアプローチで簡単に解決できるんです。to不定詞と動名詞の違いはもちろん、「be to 不定詞」の意味もサクッと把握できますよ。
英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」が解説します。
to不定詞を目的語にとる動詞
to不定詞と動名詞の違いを理解する前に、まずはto不定詞を目的語にとる動詞の一覧を見てみましょう。以下は主な例です。
- hope 望む
- plan 計画する
- wish 願う
- want 欲しいと思う
- decide 決める
- promise 約束する
- expect 期待する
- agree 同意する
- refuse 断る
学校では、「to不定詞を目的語にとる動詞のリスト」をひたすら覚えたかもしれませんね。しかし、認知文法のアプローチなら丸暗記は不要です。
認知文法については「記憶法には適齢期がある。脳科学で考える、大人のための『英文法の覚え方』」で解説しているので、そちらをご覧ください。
to不定詞のコア(中心的な意味)は、「まだ実現・実行していないことに、これから向かう」。まだ実現していない出来事について、「これから実現しよう」「実現できたらいいな」というニュアンスの動詞は、to不定詞を目的語にとるのです。
たとえば……
- I want to meet John. ジョンに会いたい
→会うことを望んではいるものの、まだ実現していない - I decided to meet John. ジョンに会うと決めた
→会う決心はしているものの、まだ実現していない
to不定詞と動名詞の違いを理解するため、「実現していないことに向かう」というto不定詞のコアを把握しておきましょう。
動名詞を目的語にとる動詞
動名詞とto不定詞の違いを理解するため、次は動名詞を目的語にとる動詞を見てみましょう。
- mind 気にする
- enjoy 楽しむ
- give up 諦める
- admit 認める
- finish 終える
- escape 避ける
- postpone (put off) 延期する
- stop やめる
- deny 否定する
- avoid 避ける
動名詞のコアは「動作の途中」。動画の一部を切り取り、写真として取り出すイメージです。
「すでに起きた出来事や行為、頭に浮かんでいる映像」だと考えてください。
- We enjoyed playing tennis. テニスを楽しんだ
→テニスという行為を実際に楽しんだ - He admitted stealing money. お金を盗んだと認めた
→実際に盗んだ行為を認めた
そのため、enjoyやadmitは動名詞を目的語にとるのです。動名詞とto不定詞の違い、わかったでしょうか?
to不定詞と動名詞の違い(目的語)
to不定詞と動名詞の違いがわかれば、両方を目的語にとれる動詞についても理解できますね。to不定詞と動名詞の両方を目的語にできる動詞といえば、forgetです。
to不定詞と動名詞のコアを理解できているかどうか、テストしてみましょう。次のふたつの文のうち、「鍵をかけなかった」のが確実なのはどちらでしょうか?
- He forgot to lock the room.
- He forgot locking the room.
正解は1。同じように見えるかもしれませんが、ふたつの文には明らかな意味の違いがあるのです。
- 彼は部屋の鍵をかけ忘れた。
→「これから部屋の鍵をかける」という行為を忘れた - 彼は部屋の鍵をかけたのを忘れた。
→「部屋の鍵をかける」という実際の行為について忘れた。記憶がないだけで実際はかけたかもしれない
to不定詞と動名詞のコアを思い出せば、意味の違いは明らかですね。
likeという動詞も、to不定詞と動名詞の両方を目的語にとれます。次の英文の意味を考えてみてください。
I like swimming, but I don’t like to swim now.
- I like swimming 泳いでいる様子を思い浮かべ、好きだと感じる
- I don’t like to swim 泳ぐという行為をこれから実現することは好まない
つまり、「水泳は好きだけれど、いまは泳ぎたくない」という意味になるのです。to不定詞と動名詞には意味の違いがあるため、このような使い分けが生まれるのですね。
to不定詞と動名詞の違い(主語)
今度は、動詞の目的語ではなく、主語として使うときのto不定詞と動名詞の違いを考えてみましょう。自身の経験から「楽しい」と言いたいとき、どちらの文がより自然でしょうか?
- To play soccer is fun.
- Playing soccer is fun.
正解は2です。
動名詞は「すでに起きた出来事や行為、頭に浮かんでいる映像」を意味するのでしたね。そのため、「自分が実際にサッカーをしている様子」を思い浮かべながら「楽しい」と言うのであれば、2なのです。
それに対し、to不定詞は「現実に起きていない」というニュアンスがあります。そのため、実際の経験というよりは一般論から「楽しい」と言っているのです。
書き換え問題だと、"To play soccer is fun." と "Playing soccer is fun." は同じ意味の文として扱われます。しかし、to不定詞のコアと動名詞のコアは異なるため、ニュアンスの違いが生じるのですね。
「be to不定詞」の5つの意味
動名詞と比べることで、to不定詞のコアが理解できたかと思います。不定詞を使う表現には「be to不定詞」がありますね。
文法書だと、「be to不定詞」の意味は次の5つに分けられているはず。
- 予定
- 運命
- 可能
- 義務・命令
- 意志
5つも意味がある……と思うと、覚えるのが大変そうな気がしますよね。しかし、これも認知文法のアプローチなら、丸暗記の必要はないのです。
「be to不定詞」については、東京言語研究所にて理論言語学賞を受賞した認知文法のプロであり、時短型英語ジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でシニアリサーチャーとして活躍する ”英語職人” 時吉秀弥さんが、動画「【不定詞】英語のbe to構文をプロが解説!5つの意味・用法をマスターしよう|鬼わかり英文法 vol.014」でわかりやすく解説しています。
クリックすると再生が始まります。「『be to不定詞』の意味が覚えられない」「英文法がよくわからない」という方は、気軽に視聴してみてください。
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to不定詞と動名詞の違いも、「be to不定詞」の意味も、to不定詞のコアを頭に入れると理解しやすいですね。認知文法のアプローチで、to不定詞の表現をマスターしましょう!