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英語リスニングのコツ(初級編) 英語の耳を作るための初心者向けトレーニング

英語の耳を作るための初心者向けトレーニング1

「英語が聴きとれなくて困っている」という方は意外とたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。急に上司が外国の方になったとか、英語の会議に出席しないといけなくなったりとか、近年仕事で英語を聴かなければいけない機会も増えていますよね。

学生時代に英語はそれなりに勉強したという方でも、リスニングだけはどうしても苦手だという方も少なくありません。読み書きが中心の日本の英語教育をうけて育った人たちならそれもある意味では仕方のないこと。

そこで、今日はそんな英語リスニング初心者のための「英語リスニングのコツ」(初級編)を、英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」がお伝えしたいと思います。目安としてはTOEICで500点以下の方を想定してお話していきます。



英語リスニング上達のための基礎知識

英語リスニングのためには、まず語彙力が必要です。知らない単語を聞き取れるわけがありません。

そのときに注意したいのがその語の音も「正確に」覚えておく必要があるということ。英単語と日本語の意味のペアを覚えるだけで満足していてはリスニングの上達は望めません。

可能であれば、発音記号もしっかり覚えた上で、それぞれの単語の生の音を確実に押さえておきたいものです。スマホアプリや電子辞書、web上の辞書などでも正確な音は確認できますよ。

さて、ここまでは多くの方が理解していることでしょう。でも実は、もう一つ英語リスニングのために必要なものがあります。

それは、「音のルール」を知っておくこと。実は英語ではいくつかの単語が連なっているときに読み方、発音の仕方が変化してしまうことがあります。

このような「音声変化」というルールは、実は学校ではあまり教えられてきませんでした。その結果、「みなさんが思っている音」と「実際に発音される音」が違うということが起きています。

ですから、このルールを知らなければ英語が聞き取れないのもまた当然のことなのです。

英語リスニングができないのは、英語の「音」が聞き取れないから

そもそも英語の「音」が聞き取れないのに、話されている「内容」を理解できるはずはありませんね。ですから、まずは「音」を聞き取れるようにすることが英語リスニング上達への第一歩になります。

ただ、いきなり長文に取り組んでそれを聞き取れるようにするのは難しいことです。特にTOEIC500以下のレベルの人は、まずは短い文を正確に聞けるようにしたいところです。

それがクリアできてから、さらに長い文にチャレンジしていきましょう。短い文を正確に聞き取るためには「ディクテーション」という書き取りのトレーニングが有効なのですが、具体的なやり方はこのコラムの最後でご紹介しますね。

知らない単語は聞けません

「語彙は知らないんだけど聞いて理解できた」なんてことは絶対にありえないことです。スクリプト(原稿)を見て知らない単語、発音できない単語がたくさんあるような場合は、まずは正しい音で単語を暗記することから始めましょう。

ここで、私がおすすめする単語の覚え方をひとつ簡単にご紹介します。

  1. 目的とレベルに合った単語帳を用意。半分くらいわかるものがおすすめ
  2. 発音と日本語訳を頭に入れる。10〜20個くらいをひとかたまりとして進めると効果的
  3. 目を通した範囲の日本語訳を隠し、発音しながら訳を思い浮かべる。思い浮かばなかったら意味をチェック
  4. 1〜3を繰り返す
「branch」と発音しながら日本語での意味を思い浮かべる

学校では教えてもらえない音声変化のルール

英語の文章を続けて読むときには、文中に並んだそれぞれの語が互いに影響しあって読み方が変化することがあります。この影響の仕方を音声変化のルールというのですが、実はこのルール大きく分けるとたった6つしかありません。

6つだけ覚えてしまえば、驚くほど楽に英語が耳に入ってくるようになりますよ。

ルール1 短縮

前後の音がくっついてしまって音が変わることです。例えば、you areはyou’re、I am はI’mになるといった感じです。

これだけは学校でもきちんと教えてもらえるルールですし、なにより見た目も変わってしまうので、誰でも比較的簡単に習得できるものだと思います。

ルール2 連結

前の語の最後の子音と次の単語の先頭の母音がつなげられて発音されることです。

母音とは「a, i, u, e, o」の5つの文字で表される音です。子音はそれ以外ですね。

このルールは日本語にもみられるものです。たとえば観音様は、「かんおんさま」ではなく「かんのんさま」と読みますが、これはkan on samaと表記した時、最初のkanの末尾の子音nと次のonの頭の母音oが連結していると考えられるからです。

英語の場合で見てみましょう。例えば "take on" を見てみましょう。

takeは一見 e の母音で終わっているように見えますが、発音自体は/teik/となり、/k/の子音で終わります。ですので、kとo がつながって「こ」という音になり、「ていく おん」ではなく「ていこん」となります。

ルール3 同化

単語の最後の子音と次にyouの音がくると同化します。同化とは、連結が起こりさらにその音が別の音に変化してしまうというルール。

一番わかりやすいのが、Could you ですね。これは、「くっど ゆー」ではなく「くっじゅー」と多くの人が自然と発音していると思います。

これが同化です。「じゅー」という音に変わります。

ルール4 脱落

あるべき音が抜け落ちて発音されないことです。日本語でも、水族館のことを「すいぞくかん」ではなく「すいぞっかん」と「く」を脱落させて発音しますよね。

「たいく(体育)」とか「せんたっき(洗濯機)」とかもそうですね。

英語も似たようなことが起こります。前の語の最後の子音と次の語の子音が同じ時、または似た子音である時に「脱落」が起こります。

例えば、some more は「さむもあ」ではなく「さもあ」になります。

また、hが来るとちょっと複雑。というのもそもそも h という音が文中で出てくると、極めて弱く発音されるかそもそも発音されない(脱落する)ということが起こるから。

そのためたとえば "take her" なら h が脱落してしまうことにより、tak + er のような形になります。takeのkとerが「連結」することで、発音上はtaker(ていかー)と読まれることになるのです。

英語の耳を作るための初心者向けトレーニング2

ルール5 ら行化

「ら行化」これは本当は「タップ音」とか「弾音化」と呼ばれるものですが、ちょっとわかりにくいので、ここでは「ら行化」と呼ぶことにします。ルールは簡単で、tやdが母音に挟まれると「ら行」の音のように変化するというものです。

特にアメリカ英語によくみられる変化です。なので、waterは「うぉーらー」と発音しますし、betterは「べらー」に近くなります。

ルール6 弱形

音声変化のルールの中でも、これを理解し身につけることでもっとも英語リスニング力が上がるともいえるルールです。実は、よく使われる「機能語」と呼ばれる、代名詞や前置詞、助動詞などには「強形」と「弱形」と呼ばれる2つの発音があります。

特に強調して使いた場合を除いて、基本的に「弱形」で発音します。実は、辞書にもこの2通りの発音の表記がされています。

そして、この「弱形」の音は、「強形」の発音をただ弱くしたのではなく、そもそも音が異なります。例えば、youは「ゆー」ではなく「や」くらいの音になります。

なので、See you later.は「しーやれぃらー」という感じになります。(laterはルール4のら行化です)また、toですが、「とぅー」は「強形」で、「弱形」だと「とぅ」とか「た」と発音されます。

つまり、私たちが習ってきた「強形」の発音は、実際はあまり使われない音ということなのです。ですから、この「弱形」のルールを知らないのは、機能語の単語の発音のされ方を知らないのとほぼ同じことなのです

これでは英語リスニングができる訳がありませんよね。

StudyHackerの英語ジム・ENGLISH COMPANYでは、こういった音声変化のルールとスマホ用のアプリにしています。

これは、『Listening Hacker』という名前で無料で一般公開されていますので、ぜひ利用して下さい。iOS版とAndroid版を用意しています。

StudyHacker | 6つのルールで英語は絶対聞き取れる! リスニング特訓アプリ【Listening Hacker】リリース!

短い英文を聞けるようになるための英語リスニング練習法

語彙をマスターし、音のルールを確認した後はさっそく英語リスニングのため練習に入りましょう。まずは、ディクテーションです。

ディクテーションは、要は「書き取り」です。聞こえた英語を聞こえた通りにどんどん書きとっていく練習ですね。

手順は次の通りです。

  1. 短めの英文を用意。TOEICのPart 2などが最適
  2. 聞こえた音を紙に書く。何度か聞きながら完成させる
  3. まったく聞き取れない箇所はカタカナで書き取る。(例)イツゲリンチリィアウッサァイ
  4. スクリプトを見て答え合わせ。(例)イツゲリンチリィアウッサァイ→It’s getting chilly outside.

さあ、ここまでで音はしっかりと確認がとれました。では次は音声変化と語彙の確認です。

どうしてそのような音になったのか、音声変化を確認してください。gettingが「ゲリン」になったのは、/t/の前後に母音があるから、という風な感じです。

そして、必ずわからない語彙は意味を確認しましょう。英語リスニングの上達のためには、語彙の意味がわからないままでは聞けるようにはなりませんよね。

そして、英語リスニングの最後のコツは、オーバーラッピングというトレーニングです。この練習の目的は、英語の音声変化と英語のリズムを体得することです。

そもそも発音できない音は脳が言語として認識してくれません。この練習方法は、英文の音声にそのまま被せて発音するというもの。

ですので、音の出だしも終わりも音声とぴったりと合わせて下さい。そのために必要なことは、音声変化を正しく発音することと、リズムを合わせることです。

このような練習を繰り返すと、英語リスニングの初級はクリアできるようになります。短い文なら聞き取れるようになるでしょう。

ここまでできたら、次は長文をどんどん聞き取っていく実践的なトレーニングが必要になりますね。それはまた次の機会に!

それではぜひチャレンジしてみてくださいね!

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この記事は、StudyHacker ENGLISH COMPANY四谷スタジオのトレーナー YUKIE さんが執筆を担当しました。

ENGLISH COMPANYは関東3スタジオ(神田、新宿、銀座)、関西3スタジオ(京都/四条烏丸、大阪/梅田、兵庫/神戸)で展開しています。(2022年12月現在)

また、完全オンラインでもトレーニングをご受講いただけます。人が集まる場所を避け自宅で本格的な学習をされたい方、スタジオが無い地域にお住まいの方は、是非お気軽にご相談くださいませ。



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