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英語聞き取りのコツ! 聞きにくい音を克服する効率的な学習法とおすすめのアプリ

【英語聞き取りコツまとめ】リスニング力が確実にアップする超効率的な学習法

リーディングと比べて「英語の聞き取りが苦手」という方はいませんか? 英語検定試験はもちろんのこと、ビジネスなどでリスニング力が必要になるシーンも増えていますよね。

とはいえ、ただやみくもにリスニング練習を重ねるのは非効率です。英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」が、英語の聞き取り力が格段にアップする、“科学的に証明された” 効果抜群の英語学習方法を紹介します。



英語の聞き取りができない3つの理由

英語の聞き取りができない理由は人それぞれです。「リスニングができていない」と感じたら、「なぜ聞き取れないのか」をまず考えてみましょう。

たとえば、お腹が痛くて病院に行く場合であっても、原因が「食べすぎ」なのか「食中毒」なのか、それとも「盲腸」なのかで、治療法も異なりますよね。リスニングも同じで、「聞き取れない理由」が違えば、学習法もそれぞれ違うのです。まずは、自分の「聞き取れない理由」を見極めることがリスニング力アップの第一歩です。

英語が聞き取れない理由を大きく分けると以下の3つになります。

  1. 語彙や文法などの知識が足りないため、英文の正確な理解ができない
  2. 英語の音声に関する知識が少なく、音そのものが聞き取れない
  3. 英語を聞いたそばから、頭から理解していくことができない

とはいえ、3つの理由のうち、どれか1つだけが原因ということは少ないので、「できていない」と感じる問題点が複数あるのならば、並行してアプローチしていきましょう。

英語の聞き取りができない3つの理由について、次項で詳しく説明していきます。

英語が聞き取れない理由1:語彙や文法などの知識が足りない

「リスニングだけではなく、リーディングもできない」という人が当てはまります。TOEIC®のリスニングセクションを聞いて、ほとんど理解できないと感じたら、該当箇所の英文に目を通してみましょう。英文を読んでも理解度が変わらないようであれば、この【理由1】パターンと言えます。

【理由1】パターンの人には、基本的な語彙や文法の知識が必要です。語彙や文法の知識がなければ、英文を読んでも理解できないですし、読んでも理解できないものは、聞いてもわかりません。

まずは、中学校から高校までに習う「基礎レベルの文法知識」と、英語を使ううえで最低限必要と考えられる「基本単語」を覚えて、「英文を正確に読める」という状態を目指しましょう。

英語が聞き取れない理由2:英語の音そのものが聞き取れていない

「リスニングでは何を言っているのか聞き取れないけれど、同じ英語を文字で読めば理解できる」という人は、【理由2】の傾向が強いです。

基本的な語彙や文法の知識はあるのに、個々の英単語の発音や、文中で自然に発音される際に起こる音声の変化を知らないので、単語を耳で聞いたときに認識することが難しいのです。

正しい英語の音声知識を学び、自分でも言えるように発音練習をしてみましょう。単語を覚えるときは必ず音声を聞くなどして「正しい発音」を学習することも重要です。音声知識を学習すると、リスニングのときに聞き取れる音が格段に増えますよ。

英語が聞き取れない理由3:英語を瞬時に頭から理解できない

「短い英文であれば比較的理解できるのに、スピーチなどの長文となると理解が追いつかない」という人は、この【理由3】パターンです。語彙や文法知識は十分にあり、英語の音声に関する知識もあるけれど、英語を瞬時に頭から処理するスキルがまだ足りていません。

【理由3】パターンの人は、TOEIC®のリーディングセクションが時間内に解き終わらない、英語のドキュメントを読むのが遅いなどの傾向があります。一文を最後まで読んだあと、後ろから日本語に訳し上げていく「返り読み」が原因になっていることも。

「チャンクリーディング」という頭から英文を読み取る練習を取り入れることで、まとまった長さのリスニングでも、英語の聞き取りができるようになります。

英語の聞き取り力を効率的にアップさせる方法

「英語の聞き取りができない」原因を見つけたら、次は、その問題点にアプローチしていきます。具体的には以下の3つの学習方法です。

  1. 基本的な語彙や文法知識を学習する
  2. 英語の音声変化のルールをマスターする
  3. 英語を瞬時に頭から理解する

あなたが優先的に取り組む学習法は決まりましたか? それでは、英語の聞き取り力をアップさせる学習法を順にご紹介しましょう。

効率的な学習法1:基本的な語彙や文法知識を学習する

【対象】語彙や文法などの知識が足りないため、英文の正確な理解ができない人。

まずは英文を正確に理解できるように、中学高校レベルの基本的な文法知識・語彙をおさらいしておきます。

記憶メカニズムを活用して英単語を大量インプット!

英単語は、脳の記憶メカニズムを活用して覚えると、長期記憶(比較的長い期間保持されている記憶)に残しやすくなります。

つい「一回でたくさんの単語をしっかり覚えたい!」と、じっくり時間をかけて単語を覚えがちですが、じつは、適切なタイミングで復習を挟んだほうが、忘れるまでの期間が延びていくのです。

たとえば、新しく覚えた単語は、翌日に一度復習。そしてさらに1週間後くらいに、もう一度復習すると、記憶に定着しやすくなります。忘れてきたタイミングで復習することで、より強固な長期記憶になるのです。

また、英単語は、以下のような方法だと効率的に覚えられます。

【英単語の効率的な覚え方】

  1. 「知っている単語」と「知らない単語」が半々くらいの単語帳を用意。
  2. 正しい発音を確かめながら、日本語訳に目を通して、記憶。
  3. 日本語訳を隠した状態で、英語の音を発音しながら、同時に日本語訳も思い浮かべる。イメージできない場合は、もう一度意味をチェック。
  4. 上記の1〜3の手順を繰り返す。0〜20個をひとかたまりとして進めると効果が出やすい。
  5. どうしても覚えられない単語は、インターネットで画像を検索し、単語のイメージごと記憶する。アウトプット練習も兼ねて、簡単な英文をつくって覚える。

丸暗記は禁止! 「認知文法」で英文法をとらえる

ルールをひたすら丸暗記するイメージが強い文法ですが、文法書の新定番『英文法の鬼100則』著者である、“英語職人” 時吉秀弥さんは、「文法は知識を詰め込んで勉強するべきものではない」と言います。

「英語ネイティブスピーカーがどんなふうに世界を認知しているのか」をベースにした「認知文法」を用いれば、英語を日本語に訳すのではなく、ネイティブスピーカーの文法感覚をイメージでとらえられるようになるそうです。

英文法の覚え方については、以下のコラムで詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。

『記憶法には適齢期がある。脳科学で考える、大人のための「英文法の覚え方」』

『「英文法」の学び方を脳科学的に考えてみた。すぐ忘れるのは “覚え方” がちょっと惜しいから。』

また、「目からウロコ」「高校生の頃にこの本が出ていたら、人生変わっていた」と多くの英語学習者の支持を得ている『英文法の鬼100則』もおすすめ。「丸暗記禁止!」のキャッチコピーが踊る、新定番の文法書です。「なぜこういう言い方をするのか」英語ネイティブの考え方を知ることによって、英語を直感的にスラスラ使いこなすことができますよ。

効率的な学習法2:英語の音声変化のルールをマスターする

【対象】英語の音声に関する知識が少なく、音そのものが聞き取れない人。

「ネイティブスピーカーの英語は、速くて聞こえない」と思っていませんか? じつは、速いから聞こえないのではなく、自分の想定している発音と違うから聞こえないだけなのです。

人が言語を聞いて理解するには、「音声知覚」→「理解」という処理プロセスが必要になります。音声知覚とは、音を聞いたときに、その音声のなかから単語を正確に認識すること。つまり、単語をすべて聞き取れて初めて、「単語の意味」や「文法知識」「背景知識」などを用いることができ、その内容を「理解」できるのです。

英語の音声を聞き取れるようにするには、「音声変化」を学びましょう。言葉が自然に話されたときに、もともとの発音が変化してしまう音声変化のルールは、たったの5つです。すぐに覚えられますよ。

ネイティブは普段教科書通りに発音していない

まず、ネイティブスピーカーの発音について説明しましょう。驚くことに、私たちが学校で習う音と、実際にネイティブスピーカーが発音する音は違います。

ネイティブスピーカーは言いやすいように「省エネ」で話しているのです。音をつなげたり落としたりして、発音を変化させています。試しに「水族館」と自然に発音してみてください。「すいぞくかん」ではなく「すいぞっかん」のような発音になっていませんか?

英語でも同じ現象が起こります。「get it on」は「ゲット・イット・オン」ではなく「ゲリロン」のように発音されるのです。いままで覚えてきた「単語帳に載っている音」のとおりに発音されていないのですから、聞こえなくて当たり前

では、実際のネイティブスピーカーの発音する音はどうやって学習すればいいのでしょう?

英語の音声変化のルールは、たったの5つ!

学校ではあまり教えてくれませんが、音声変化にはルールがあります。【連結】【同化】【ら行化】【脱落】【弱形】の5つです。

この5つのルールを覚えれば、「自分が想定している英語の音」と「ネイティブスピーカーの発音」のギャップがなくなるので、英語が聞き取れるようになります。

それでは、音声変化のルールをひとつずつ説明していきましょう。

【連結(Linking)】

前の語の末尾の子音と、あとの語の先頭の母音がくっついて発音される。「in a car」なら、in の最後の[n]という子音と次の “a” の母音が連結して、「イナ」のように発音。「イン・ア・カー」ではなく、「イナカー」と変化する。

(例)

an umbrella:アン アンブレラ→アナンブレラ

take on:テイク オン→テイコン

【同化(Assimilation)】

前の語の末尾の音と、あとの語の先頭の音が互いに影響を与え合うことで、別の音として発音される。「would you」は「ウッジュー」、「could you」は「クッジュー」、「have to」は「ハフトゥー」に。学校でも習う、なじみのある音声変化。

(例)

not yet:ナァト イェト→ナァチェト

these years:ディーズ イヤーズ→ディージャーズ

【ら行化(Flapping)】

[t]や[d]の音が前後を母音に挟まれたとき、日本語の「ら行」に近い音になる。「Let it go」のひとつめの[t]は、前後の音がどちらも母音なので「レット・イット・ゴー」ではなく「レリゴー」に聞こえる。

(例)

ladder:ラダー→ララー

little:リトゥ→リロゥ

【脱落(Elision)】

同じ子音が続く場合に、前にくる子音を読まなかったり、特定の文字をある条件で発音しなかったりするルール。

<脱落1>「sent to」は[t]の音が連続するので、最初の[t]が脱落。厳密には、最初の[t]は息をせき止めるような発音になり「セントゥー」のように脱落して聞こえる。

<脱落2>語末の破裂音が脱落するので、「What’s up?」は「ワツ アッ」になる。

<脱落3>子音と子音のあいだにくる[t][k][d]も脱落するので、「investment」は3つ連続した子音[stm]の[t]が脱落し、「インヴェスメント」となる。

<脱落4>[nt]の連続でも[t]が脱落。くだけたアメリカ英語の話し言葉で見られる音声変化で「plenty」は「プレンニー」や「プレニー」のように発音される。

(例)

cut this:カットディス→カッディス

Very good.:ヴェリーグゥド→ヴェリーグーッ

perfectly:パーフェクトリー→パーフェクリー

【弱形(Weak Form)】

弱く短く発音するルール。たとえば「He went to the store to buy some milk. 」は、太字の単語が強く長く発音され、それ以外の部分は短く発音される。“a” “the”といった冠詞、前置詞、人称代名詞、助動詞、接続詞などは、弱く発音されることが多い。

(例)

Good for you.:Good for you.

That would be great.:That would be great.

音声変化を瞬時に聞き取れるようになるトレーニング

音声変化の5つのルールを覚えたら、次は、音声変化を瞬時に聞き取れるようにトレーニングしていきましょう。

トレーニングは、まず「ディクテーション」。次に「オーバーラッピング」です。ディクテーションは聞き取った言葉を書き取るトレーニング。文章の内容を把握するのではなく、単語ひとつひとつを聞き取ります。そして、オーバーラッピングは、英語の音声に合わせて、まったく同時に自分の声を重ねるトレーニングです。

<ディクテーションで聞き取れない音をクリアにする>

  1. 音声を聞いて、英語を書き取る。英文は短いものがおすすめ。
  2. 音声は何度聞いてもOKなので、聞き取れる音はすべて書き取る。
  3. スクリプトを見て、答え合わせをする。
  4. 聞き取れなかった箇所は、音声変化を再現しつつ、声に出して練習をする。

ディクテーションを行なうと、自分が聞き取れない箇所がはっきりとわかります。その聞き取れなかった音声変化を、今度はオーバーラッピングで再現できるように練習していきましょう。

<オーバーラッピングで音声変化を再現する>

  1. 英語の音声とまったく同時に発音する。音声と自分の声が重なるように。
  2. 必ず、音声変化が再現できるようになるまで発音練習を繰り返す。英語の正確な発音、アクセント(単語単位での強弱)、抑揚(文単位での強弱)、音声変化を意識する。

オーバーラッピングで音声変化を再現して発音できるようになると、リスニング力がアップします。また、スピーキング時の発音の改善にもつながりますよ。

音声は瞬時に聞き取らなければ流れていってしまいます。そのため、この音声変化を身体的なスキルにまで高めていかなければいけません。聞いた瞬間に、パッと音を聞き取れるようになるように、ディクテーションのあとにはオーバーラッピングを繰り返し練習してみてください。早い人なら2~3週間でリスニング力に変化がみられるでしょう。

効率的な学習法3:英語を瞬時に頭から理解する

【対象】英語を聞いたそばから、頭から理解していくことができない人。

英語の一文のなかには、いくつも「意味のかたまり(チャンク)」があり、ネイティブスピーカーはそのかたまりごとに意味を処理していくのだそう。しかし、日本の英語学習者は、英語と日本語の語順が異なることもあり、単語をひとつずつ処理しようとしたり、一文全体の訳で理解しようとしたりします。

そこで、瞬時に意味の切れ目を見つけ、チャンクごとに意味を処理していく読み方にシフトしてみましょう。チャンクごとに意味内容を思い浮かべ、英語を英語の語順のまま処理していく回路を鍛えるのです。

チャンクリーディングで英語を英語の語順のまま理解する!

チャンクリーディングとは、スラッシュを入れて区切った英文を使った音読練習などのこと。そして、スラッシュを入れてできた意味のかたまりを「チャンク」と呼びます。スラッシュを入れる場所は、関係代名詞や前置詞、接続詞の前、長い主語のあとなどですが、絶対ルールはありませんので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。

では実際に、チャンクリーディングをやってみましょう! 下記の英文は、アメリカのオバマ元大統領の退任スピーチの一部です。頭から瞬時に意味をとってみてください。

My fellow Americans, it has been the honor of my life to serve you. I won’t stop; in fact, I will be right there with you, as a citizen, for all my remaining days. But for now, whether you are young or whether you’re young at heart, I do have one final ask of you as your president — the same thing I asked when you took a chance on me eight years ago.


次に、チャンクに分けられた英文を読んでみましょう。音読をするときは、必ずチャンクの意味内容を思い浮かべながら読んでくださいね。

My fellow Americans /
同志であるアメリカ国民のみなさん

it has been the honor of my life /
私の人生にとって名誉なことだった

to serve you. //
みなさんに仕えることは

I won’t stop; //
私はやめません

in fact, /
実際、

I will be right there with you, /
みなさんとともにいるつもりです

as a citizen, /
一市民として

for all my remaining days. //
私の残りの人生のすべてにおいて

But for now, /
しかしとりあえず

whether you are young /
みなさんが若いか

or whether you’re young at heart, /
それとも精神的に若いかはともかく

I do have one final ask of you /
みなさんに最後のお願いがあります

as your president /
大統領として

the same thing I asked /
お願いしたことと同じことを

when you took a chance on me /
私にチャンスを与えてくれたときに

eight years ago.//
8年前に


チャンクごとの内容をつなげながら理解できたでしょうか? もとの英文では、意味の区切りがわかりづらいですよね。でも、チャンクの補助があると、もとの英文よりはスムーズに理解できたはずです。

英文を頭から、チャンク単位で理解していくことは、リーディング・リスニングともに必要なスキルです。チャンクリーディングをマスターすれば、まとまった長さの英語であっても、内容を思い描くようにしながら聞き取ることができるでしょう。

効率的な学習法4:高密度時短トレーニング「シャドーイング」

学習法の最後に、リスニング力向上にかなり効果が出る方法、「シャドーイング」を紹介します。

シャドーイングとは、音声を聞きながら1、2語遅れで音声のあとを追いかける練習方法。「リスニング力を上げるには、ただリスニングの数をこなすよりも、シャドーイングのほうが断然効率的」と言われているほど、高密度の練習方法です。

人は、入ってきた音声情報を個々の単語として認識します。これが「音声知覚」です。音声知覚で認識された言葉は、そのあと、長期記憶にある語彙や文法知識を使って、内容を「理解」する段階に入るのですが、どこからどこまでがひとつの単語かわからない場合は、音声知覚がうまく行なわれません。

単なるリスニングでは、聞き取りが曖昧であっても、内容を理解できることがあります。しかしシャドーイングは、すべての音を聞き取る必要があり、しかもその音をすぐあとに発音しなければなりません。だからこそ、シャドーイングは音声知覚のプロセスを集中的に鍛えることができるのです。

音声だけを意識する「プロソディ・シャドーイング」

シャドーイングには、音声認識に重点を置いた「プロソディ・シャドーイング」と、意味の理解に重点を置いた「コンテンツ・シャドーイング」があります。

まずは、音声だけを意識してリピートする「プロソディ・シャドーイング」から始めましょう。

  1. 自分が理解できる英語のレベルより簡単な教材を使う。
  2. 英文が聞こえてきたら、1、2語遅れくらいで同じように発音。初めのうちは英文を見ながらでもOKだが、最終的には何も見ずにシャドーイングをする。
  3. オーバーラッピングにならないように、よく音声を聞いて、発音、間、抑揚までコピーする。
  4. 英文の内容まで考えようとせず、とにかく音に集中して、正確な発音を同じスピードで再現する。

自分の声が邪魔になり音声が聞こえにくい場合は、自分の声のボリュームを少し落として練習してみましょう。また、音声が長すぎる場合は、途中で一時停止をしながら取り組んでみてください。

そして、スピードについていけるようになったら、自分のシャドーイング練習を録音してみるのもおすすめです。ネイティブスピーカーと自分の発音を比べながら、意識して発音を修正していきましょう。

「コンテンツ・シャドーイング」で瞬時に内容を理解する

「プロソディ・シャドーイング」ができるようになり、音声知覚の処理の負荷が減ってくると、自然に文章の意味までイメージできるようになってきます。そうしたら、次は、「コンテンツ・シャドーイング」に移りましょう。

「コンテンツ・シャドーイング」では、音声を聞き取ったあと瞬時に内容まで把握できるよう、理解のスピードアップを狙っていきます。正確な発音で、スピードにもついていきながら、今度は、「頭のなかに意味内容をイメージする」ことを意識して、シャドーイング練習を行なってください。

そして、意味をイメージしながら、正確な発音で英文を追いかける「コンテンツ・シャドーイング」が難なくできるようになった方は、「“さらに負荷が高い” コンテンツ・シャドーイング」に挑戦してみてはいかがでしょう。

「“さらに負荷が高い” コンテンツ・シャドーイング」は、聞こえてきた英文の意味も、自分が発音している英文の内容も、どちらも理解しながら行なうシャドーイングです。意味内容を考え、自分で英文を組み立てながら発音するので、アウトプットの練習にもなりますよ。

リスニングの最終目標は、「文章が聞き取れて、かつ、その内容も理解できる」こと。最初はなかなか難しいかもしれませんが、繰り返し練習をすれば必ず、瞬時に内容を理解することができるようになります。

音声を聞ける環境があれば、いつでもどこでもシャドーイング練習は可能です。マスクをつけて口パクするだけでも、英語の聞き取りに効果がありますよ。

アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、聞き取りにくいのは?

TOEIC®のリスニングセクションを聞いて、「アメリカ英語は聞き取りやすいのに、イギリス英語は聞き取りにくい」「オーストラリア英語は聞き取れないことが多い」と感じることはありますか?

ここでは、リスニング学習で「特定の国の英語が聞き取れない」という悩みにアプローチしていきますね。

イギリス英語やオーストラリア英語などが聞き取れないのは、音声のバリエーションに対応できないことが原因なのだそう。たしかに、日本語なら、多少の方言があっても聞き取ることはできますよね?

まずは、よく使われるアメリカ英語を集中的にトレーニングし、余裕をもって聞き取れるようになりましょう。そうすれば、日本語の方言が聞き取れるように、「応用」が効いてくるようになりますよ。

ただ、仕事などで特定の国の人と話す予定や必要がある場合は、国ごとの発音の違いを覚えておいたほうがよいでしょう。

●water

アメリカ英語:「ウォーラー」と発音することが多い

イギリス英語:「ウォーター」と母音に挟まれた t をはっきり発音する

●can’t

イギリス英語:「キャント」ではなく「カント」と発音する

●today

オーストラリア英語:「トゥディ」ではなく「トゥダイ」と発音する


汎用性のあるルールを知識として学んだうえで、その国の英語を音読やシャドーイングで発音練習していくと、学習効率が上がり、聞き取り力も向上します。

アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、聞き取りにくいのは?

英語聞き取り力アップに効果的な映画・ドラマ

英語の聞き取り力アップに海外ドラマや映画の視聴もおすすめです。

英語学習は継続することが大切なので、海外ドラマや映画を通して、楽しく英語学習を続けられるのであれば、利用する価値は大いにあるでしょう。登場人物の表情や前後の文脈から、文字で見るだけではわからない、英語のニュアンスが学べることも、大きなメリットといえます。

ただし、学習効果を出すのであれば、「英語字幕つき」「内容を5~6割理解することができるレベル」が動画視聴の絶対条件です。以下に、コツをまとめましたので、視聴する際の参考にしてください。

コツ1:興味がある分野の作品を選ぶ

何度も観るのだから、自分の好きなもの、または仕事関連や興味のある分野の作品を選んでください。すでにもっている背景知識によって、内容の理解度が高まるという効果も期待できます。また、仕事で英語を使う人は、作品から学んだ表現をそのまま使えるかもしれませんよ。ただし、アニメはNG。キャラクター特有の口調や、高い声などのせいで、リスニングがしにくいのです。

コツ2:最初は日本語字幕 or 吹き替え版で観る

まずは、日本語字幕や吹き替え版を観賞し、あらすじや内容を理解しましょう。内容をあらかじめ頭に入れることで、英語字幕で観たときにストーリーが理解しやすくなります。日本語と英語の字幕を切り替えられる動画配信サービスがおすすめです。

コツ3:2回目以降は英語字幕で観る

意味がわからない英語を聞き流していても学習効果はほとんどありません。とはいえ、字幕なしで理解できる難易度の素材を見つけるのは難しいので、負荷を下げるためにも、英語字幕は必要です。それに、字幕なしで観るよりも、英語字幕つきで観たほうが、学習効果が高いという研究結果も出ています。

コツ4:何度も繰り返し観る

セリフを覚えてしまうくらい、何度も同じものを観ましょう。セリフを覚えるほど観れば、「理解できる英語」の割合も増えますし、語彙や言い回しのストックも増えますよ。楽しみながら学習することを優先し、多少意味がわからない箇所があっても、一時停止をしたり、メモをとったりはしないほうがよいでしょう。

英語の聞き取りにおすすめの海外ドラマ・映画

「海外ドラマや映画の視聴がリスニングに効果があるのはわかったけれど、どんな作品を選んだらいいのかわからない」という方も多いかもしれません。

そこで、株式会社スタディーハッカー、時短型英語ジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」担当取締役であり、言語教育情報学修士、TOEIC990点、TESOL(英語教育の国際資格)をもつ、田畑翔子氏がおすすめする4つのタイトルを紹介しましょう。

『フレンズ』

1994年から2004年にかけて放送された米国のテレビドラマで、ニューヨークを舞台に繰り広げられる、恋愛、友情、仕事などをテーマにした、男女6人のドタバタコメディー。ジェスチャーが大きく、登場人物の感情表現も豊かなので、ストーリーを理解しやすいでしょう。1話が20分程度なので、繰り返し視聴するのに最適です。

『プラダを着た悪魔』

一流ファッション誌の編集部を舞台にした、2006年に公開された映画。ジャーナリスト志望ながらも、ファッション業界で奮闘するキャリアウーマンを描いたストーリーが、世のなかの女性たちの共感を呼びました。友人たちとの会話や、恋人との会話など、身近なフレーズを学習するのに向いています。

『スティーブ・ジョブズ』

2013年に公開された映画で、アップル社の創業者のひとりである、スティーブ・ジョブズ氏の1971年~2011年までを描いた伝記作品。2011年に56歳の若さで惜しまれながらこの世を去ったジョブス氏は名言が多いと言われています。ジョブズ氏の数々の名言が散りばめられているので、気に入ったフレーズを暗唱して覚えてみてはいかがでしょう。

『スーツ』

2011年に放送が開始された、ニューヨークの大手法律事務所で働く、若手敏腕弁護士と、完全記憶力を持つ天才青年のふたりが、数々の訴訟や問題に挑んでいくリーガルドラマ。主人公たちのスマートな会話は小気味よく、ビジネスシーンでの会話もとても勉強になります。ストーリー展開が速いので、「英語聞き取り力アップのため」でなくても、続きが気になって連続視聴してしまうかも。

英語の聞き取り力を伸ばすアプリ

「英語の聞き取りができるようになるために、努力と根性で頑張ろう!」と気合いを入れている方に朗報です。行動科学マネジメント(意志や能力と関係なく、どんな人が行なっても同じような結果が出せる再現性の高い方法論)によると、学習を続けるうえで本当に必要なのは、意志ではなく、「続ける仕組み」とのことなのです。

たとえば、「電車移動のときには、単語アプリを開く」など、日々の生活のなかに英語学習を組み込んでしまえば、モチベーションに頼らなくても学習を続けることができます。毎日の歯磨きにモチベーションは必要ないですよね? 習慣化しているから、歯磨きをするわけです。英語学習も歯磨きと同じくらいに習慣化させてしまえばいいのです。

習慣化のコツは、忙しいなかでもちょっとしたスキマ時間を活用すること。時間がない人なんてほとんどいません。5~15分のスキマ時間なら、みなさん、見つけられるのではないでしょうか。15分×4回を単語学習に充てたとしたら、1日で1時間、10日で10時間の学習時間になりますよ。

そんなスキマ時間に、サッと学習できるアプリを紹介しましょう。

スマートフォンで本格的な英語トレーニング「ENGLISH COMPANY MOBILE」

累計13,000名の受講生の英語力アップに貢献してきた英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」の英語トレーニングに、スマートフォンひとつで気軽に取り組める「ENGLISH COMPANY MOBILE」。今回の記事でご紹介したシャドーイングの練習を、いつでもどこでも実践することが可能です。

「英語学習のプロ」からご自身のシャドーイングについて直接アドバイスを受けられる「フィードバックプラン」もあります。お好きな時間に「ENGLISH COMPANY MOBILE」に継続的に取り組むことで、効率的なリスニング力アップは間違いなし!

リスニング特訓「Listening Hacker Pro」

音声変化をドリル形式で集中的に学べるアプリ「Listening Hacker Pro」(iOSAndroid)。短期間でリスニングスキルを飛躍的に高めることができます。TOEIC®やTOEFL、IELTS、英検のリスニング対策をしたい方、ビジネスシーンでネイティブスピーカーとの英語のやりとりが必要な方、大学受験でリスニングの対策が必要な方にぴったり。

英語聞き取りのコツ2

実践的な英語を学べる「BBC Learning English」

イギリスの公共放送局である「BBC」(British Broadcasting Corporation)が運営する英語学習アプリ「BBC Learning English」iOSAndroid)。「ビジネス英語」「日常英語」「語彙」などのカテゴリーに分けられていて、カテゴリーごとにたくさんの番組が用意されています。スクリプトや単語の確認だけでなく、内容が聞き取れていたのかどうかをチェックするクイズも。随時、新しい素材がアップされるので、鮮度の高いコンテンツを使って英語を学習したい方に向いています。

再生速度が調整できる「audible」

Amazonによるオーディオブックサービス「audible」(iOSAndroid)は、プロのナレーターによる名作文学やビジネス書などの朗読音声を聞くことができます。興味のある分野を選べるので、楽しみながらリスニング能力を伸ばしていけますよ。行動科学の観点からみても、ハードルが低く、取っかかりやすいので、英語学習を習慣化しやすいでしょう。選ぶ本にもよりますが、1冊でだいたい7~10時間くらいのリスニング量が確保できます。英語の聞き取り力が、楽しみながらアップできるのは嬉しいかぎり。

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「どうも英語の聞き取りは苦手で……」なんてセリフはもう封印しましょう。いまの自分のレベルや課題に最も適したトレーニングを行なうことで、リスニング力は必ずアップするのです。科学的なアプローチは確実に英語力を伸ばしてくれますよ。どんな場面でも、英語の聞き取りができるようになりますように!



参考資料
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