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TOEIC満点は990点!点数別の難易度・すごさとハイスコアを目指す勉強方法

2024年10月30日

TOEICで満点をとったイメージ

TOEICの満点は、リスニングとリーディング各495点の計990点です。TOEICの満点が990点に設定されている理由は、統計を用いて点数を出しているためです。

今回は、TOEICで満点をとるレベルの英語力がどれくらいか、TOEIC満点の難易度と各分野の勉強方法についてENGLISH COMPANYが紹介しましょう。

TOEICの満点は990点!

TOEIC満点は、次のような内訳になっています。

  • リスニング495点
  • リーディング495点
    =合計990点


設問数はリスニングとリーディングともに100問ずつ。問題構成は次のとおりです。*1

リスニング Part 1 写真描写問題 6問
Part 2 応答問題 25問
Part 3 会話問題 39問
Part 4 説明文問題 30問
合計100問(495点)
リーディング Part 5 短文穴埋め問題 30問
Part 6 長文穴埋め問題 16問
Part 7 1つの文書 29問
複数の文書 25問
合計100問(495点)


問題数は合計200問というキリのよい数字なのにもかかわらず、なぜ満点は半端な990点となっているのでしょうか。その理由は、TOEICの採点方法にあります。

TOEICの配点はテスト実施後に決まる

TOEICの採点は、「1問1点」といったようにあらかじめ配点が決まっている方法ではありません。偏差値のように受験者の正答率に応じて配点が毎回変わる、統計的な採点処理が行なわれています。

TOEICを運営する「国際ビジネスコミュニケーション協会」は、TOEICの採点方法を次のように説明しています。

TOEICでは、各試験回のテスト問題や受験集団の違いが評価の基準に影響を及ぼさないよう、専門家による統計処理や採点管理がされています。その結果、どのテスト問題、どの試験回を受験いただいても、一貫した評価基準にてスコアが算出されます。各試験回間の平均スコア・スコア分布に差異があるのは、各回の受験集団が異なることが主な理由です。*2

つまり、受験者の正答率に応じて配点が毎回変わるため、平均点が低ければ全問正解しなくても満点を獲得できる可能性があるということです。

TOEIC満点を目指して受験している

TOEIC満点の人の割合は?難易度とすごさ

特殊な方法で採点するTOEICですが、満点である990点を取るのはどれほどすごいことなのでしょうか。TOEICの統計データから、難易度を見ていきましょう。

TOEICでは満点を獲得した人の数は公表されていないため、正確な人数や割合はわかりません。しかし、TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)では、スコアレベル別の人数は毎回公表されています。

2024年に行なわれたTOEIC試験では、895点以上のハイスコアに到達した人の数は次のとおりです。*2

試験回 895点以上を獲得した人数 受験者の総数 895点以上の人の割合
第361回 726人 16,211人 4%
第360回 1,242人 26,297人 5%
第359回 504人 9,070人 6%
第358回 716人 12,633人 6%
第357回 800人 19,901人 4%
第356回 1,110人 27,815人 4%
第355回 454人 12,987人 3%
第354回 758人 15,251人 5%
第353回 976人 25,508人 4%
第352回 1,350人 35,198人 4%
第351回 1,312人 31,014人 4%
第350回 1,408人 31,843人 4%


このように、ハイスコア(895点以上)を獲得した人の割合は、毎回4%前後となっています。また、2023年度の全受験者の平均スコアは612点となっていて、平均を含むスコア595〜644点がボリューム層です。

TOEICの満点である990点は平均スコアよりも、378点も高くなっています。非常に高度な英語力を持っていることを示すうえに、満点まで到達するのはかなり難しいと言えるでしょう。

TOEICの点数別レベル感と必要な英語力

そもそも、TOEICのスコアはどれほどの英語力を示すものなのでしょうか。点数ごとの英語力の目安は次のとおりです。

  • 300点台:中学英語の基礎が身についている
  • 400点台:高校1〜2年生程度の英語力が身についている
  • 500点台:共通テストレベルの英語力が身についている
  • 600点台:日常会話に必要な実践的な英語力が身についている
  • 700点台:ビジネスシーンでも英語を活用できる
  • 800点台:外資系企業や商社など英語をメインに使って仕事ができる
  • 900点台:ネイティブの社会人と比べても遜色ない英語力が身についている


就職活動でアピールするためにTOEICを受験する場合、履歴書に書くのであれば700点以上、英語を使った仕事に就くなら800点以上を目標にするのが理想でしょう。また、海外に渡航して働くのであれば、900点以上の英語力があれば仕事の幅が広がります。

これほど難易度の高いTOEIC 990点に到達するためには、具体的に以下のような英語力が求められます。

  • 語彙:単語10,000語ほど
  • 文法:ほとんどの英文法をマスター
  • リスニング:アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアのネイティブ音声を難なく聞き取れる
  • リーディング:英字新聞も比較的スラスラ読める


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TOEIC満点をほかの英語試験と比較すると?

国内企業での転職活動やキャリアアップで英語力を証明するための資格としてはTOEICの知名度が高いですが、ほかにも英語の技能を証明できる資格はさまざまにあります。

外国語の習熟度をはかる国際規格「CEFR」を基準に、主要な英語4技能のスコアを表にまとめました。

CEFR TOEIC L&R 英検 TOEFL iBT IELTS
C2 - - 115〜120 8.5〜9.0
C1 970〜990 1級 102〜114 7.0〜8.0
B2 600〜870 準1級 46〜93 5.5〜6.5
B1 450〜600 準2級〜2級 31〜45 4.0〜5.0


CEFRでは、TOEIC 990点に相当する「C1」のレベルを次のように定義しています。

いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細な文章を作ることができる。*3

このことから、TOEICの満点は、非常に高度な英語力を証明するスコアであるといえます。

TOEIC満点をとり、流暢なコミュニケーション力をアピールしている

TOEICで満点・ハイスコアをとるメリットは?

高度な英語力を評価できる試験はTOEIC以外にもあるなかで、特殊な採点方法のTOEICを選ぶことに疑問を感じる人もいるかもしれません。たしかに、「TOEICで満点を取っても意味がない」と言われることもあります。

しかし、ほかの試験ではなくTOEICで満点を目指すことにメリットは十分あります。

【メリット1】就職や転職で高評価につながる

日本の転職市場では、英語力を評価する指標として代表的なのがTOEICです。そのため、TOEICでハイスコアを獲得することで就職や転職で有利になったり、選べる仕事の幅が広がったりして、収入がアップしやすくなるでしょう。

なお、受験者数の割合は次のとおりです。

  • TOEIC L&R:1,763,215人
  • 英検:4,503,698人(うち学生は3,860,491人)
  • IELTS:およそ300万人
    ※TOEFLの受験者数は非公表

ほかの試験よりも受験者数が少なく、そのなかでもたった4%ほどにあたるスコア990点を達成すれば、希少な人材として高評価を受けられるでしょう。

【メリット2】英語力に自信がつく

TOEICで満点をとるほどの英語力を身につけると、達成感を味わえるうえ、自信にもつながります

TOEICは過去問や対策本も豊富にあるため、対策しやすい試験です。満点を目指す人向けの教材もあるため、効率よく英語学習を進められます。学習した分スコアに反映されやすいため、成長実感が得られやすいのも魅力です。

そのうえ、TOEICはバランスのいい英語力が身についているかを評価するのに最適な試験です。ハイスコアを目指して勉強していく過程で、英語を使った基本的なスキルも、英語の幅広い知識も身につくでしょう

【メリット3】TOEIC専門講師になれる

最高得点を達成できるほどTOEICの解法に詳しくなることで、英語スクールでTOEIC専門講師を務められるほどのノウハウが身につきます

TOEICの受験者数は毎回1〜3万人ほどに及び、2023年度の年間受験者数は170万人です。大学生や社会人も多いので、本業としてだけでなく副業としても需要があるでしょう。

たとえばスキルを販売できるサービスの「ココナラ」では、オンラインでのTOEICの解き方の解説や英会話レッスンなどを受け付けている人がたくさんいます。満点に到達していれば「TOEIC 990点講師が教える!」といったアピールができるので、より仕事につながりやすいでしょう。

TOEIC満点をとり、自信が高まった様子

TOEICで満点をとるのに必要な勉強時間

TOEICで満点に到達するには、どれほどの時間勉強すればいいのでしょうか。TOEICの考案・開発に関わった三枝幸夫元早稲田大学教授の研究によると、社会人がTOEICのスコアアップにかかる時間は次のような結果となっています。*4

【TOEICスコア到達にかかる勉強時間の目安】

現時点の
スコア
目標スコア
350点 450点 550点 650点 750点 850点 950点
250点 200時間 425時間 700時間 950時間 1,150時間 1,450時間 1,750時間
350点 225時間 450時間 700時間 950時間 1,225時間 1,550時間
450点 225時間 450時間 700時間 975時間 1,300時間
550点 225時間 450時間 725時間 1,050時間
650点 225時間 500時間 825時間
750点 275時間 600時間
850点 325時間


この調査によると、1日2時間勉強しつづけてもスコアを100上げるのに3か月半〜5か月ほどかかります。

たとえ現時点でスコア850点を達成していたとしても、950点に到達するまでに6か月ほど必要です。平均点の600点から満点を目指そうとした場合、最低でも1年以上は1日2時間の勉強習慣を維持しつづける必要があるでしょう。

独学でもスクールに通う場合でも、それほどの長期間にわたってハードな勉強をつづけるのは大変です。勉強をしっかり継続するコツは、「昼食のあとにオフィスのお手洗いで歯を磨く」といったルーティンのように、生活の一部として習慣化していくこと。一日のスケジュールを見直してスキマ時間を洗い出して、勉強計画を立てていきましょう。

また、できるだけ短期間におさめられるように、効率アップのための取り組みが求められます。ハイスコアを突き詰めていくには弱点の把握が特に重要になってくるので、自分が苦手とするスキルを分析して、対策を実施していきましょう。

関連記事:
TOEICを2か月で攻略する方法! 初心者や600点以上でも通じる対策とは?
TOEIC800点の壁を「最短ルート」で越えるための勉強法

TOEIC満点を目指すうえで必要な時間のイメージ

TOEICで満点を目指すための勉強法

STUDY HACKERは、90日間の短期集中プログラムを提供する英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を運営しています。

卒業生の宮内さんは、もともと800点台の英語力がありながら、長時間努力してもなかなか900点の壁を越えられませんでした。宮内さん本人は英文を読むスピードに課題を感じていましたが、パーソナルトレーナーが分析したところ、発音に課題があることがわかりました。

パーソナルトレーナーの指導のもとで発音を矯正していくことで、満点直前の980点に到達できたそうです。

このように弱点によって対策すべき内容は変わってくるものの、満点を目指すうえで欠かせない勉強法を順番に紹介していきます。

1. まずは英単語をコツコツ暗記する

英語の語彙力が十分にないと、リーディング対策もリスニング対策も効率が悪くなります。そのため、まずは英単語を定着させることが重要です。

英単語の暗記は必ず発音しながら進めてください少し時間を置いたあとに思い出すための反復練習をすることで、記憶が定着しやすくなります。

TOEIC 990点に向けた単語帳は、『キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 990』がおすすめ。ただし、知っている単語の割合が6〜7割ほどの英単語帳を選ぶと学習効果が高まりやすくなるので、書店で実際に中身を見てみながら、自分に合ったものを選んでみてください。

キクタンは600点レベル、800点レベルも発売されていますので、990点レベルに知らない単語ばかりが含まれていた場合は、まず600点レベルや800点レベルのものからチャレンジするのがいいでしょう。

関連記事:英単語の覚え方。"超"効率的な暗記方法のコツ

2. 速読力や英語を聞き取る力を鍛える

学習効率を高めるトレーニング方法が、音読やシャドーイングのように発音を口に出すやり方です。どれも英語を理解するスピードを高める効果がありますが、トレーニング方法によって効果が少しずつ変わってきます。

リーディングスピードを上げる「音読」「チャンクリーディング」

速読力を強化するには、英文スクリプトの意味を理解するスピードを速める音読チャンクリーディングがおすすめです。

音読は英語の音声を聞いたうえで、スクリプトを見て内容をイメージしながら発音を正確に再現するトレーニングです。一方でチャンクリーディングは、1つの文をいくつかのかたまりに区切ることで、英語の語順のまま意味が理解できるようになるトレーニングとなっています。

リスニング力を上げる「音声変化の聞き取り練習」や「シャドーイング」

リスニングを伸ばすには、スクリプトありでトレーニングする音声変化の聞き取り練習(オーバーラッピング)やスクリプトなしで行なうシャドーイングが向いています。

音声変化とは、日本語でも洗濯機を「せんたっき」と発音するように、発音ルールを省略するネイティブならではの読み方です。もう1つのシャドーイングは、聞き取った音声を1、2語遅れて追いかける練習方法です。

いずれも、音声を聞き流すだけだったり、間違った発音のまま話していたりしても、十分な効果は得られません。ネイティブの読み上げ音声を聞いて正確に再現することで、リーディングやリスニングのスキルアップへとつながります。

関連記事:TOEICリスニングで満点をとるには? 参考書選びのポイントや学習方法を解説

3. 模試や公式問題集を繰り返し解く

演習を通して問題形式に慣れることも大切です。

TOEICの場合、公式問題集「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」が発売されていますので、ぜひ購入してみてください。模試を解いていきながら、正答率アップを目指しましょう。

一度解いた問題は、「オーバーラッピング」のテキストとして活用するのもおすすめです。オーバーラッピングでは、まず聞き取れない箇所を特定したうえで、スクリプトを見ながら読み上げ音声と一緒に発音していきます。ずれてしまう箇所のリスニングとリピーティングを繰り返すことで、英語の音をすばやくキャッチする音声知覚が身につきます。

関連記事:オーバーラッピングの効果を最大限にするやり方



***
TOEICの満点である990点は、英検1級やTOEFL iBTの102〜114点にあたり、国際的な言語習得レベルの指標である「CEFR」ではC1に分類されます。どれも非常に高度な英語力を持っていることを示しているため、就職活動でも好印象につながるでしょう。

そのぶん、TOEICで満点を達成するまでの道のりは簡単なものではありません。満点や、満点に近いハイスコアに到達するためには、英語の基礎を何度も復習しながら、解説の充実した参考書を活用して苦手を克服していくことが大切です。

*引用部分の太字は編集部が施した。

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