TOEICスコアを3か月だけで大きく伸ばすための勉強法
「TOEICのスコアを3か月で上げたい」
「たった3か月で、TOEICスコアを伸ばせるの?」
「TOEICのスコアを早く800点台や900点台に乗せたい。どう勉強したらいいの?」
そう思っていませんか? TOEICのスコアは、ビジネスにおける英語力の指標のひとつとして認められているもの。高得点をとれば、就職や転職に有利に働きます。近いうちにいい条件で転職したい方、まもなく昇進の査定が始まる方にとって、短期間でスコアを上げられたら嬉しいですよね。もちろん、英語力において大きな自信にもつながるでしょう。
この記事では、英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」が効率的な勉強法をご紹介します。この勉強法を取り入れれば、たった3か月でTOEICスコアが大幅に上がる可能性が高くなりますよ!
関連記事:TOEIC900点のすごさは? レベルや勉強時間、学習方法を紹介
TOEICスコアを3か月で上げるために心がけるべきこと
わずか3か月でTOEICスコアを上げることができるとしたら、多忙な方にとっては理想的でしょう。とはいえ、3か月という短い期間でTOEICの結果が出せたという話を聞いても、にわかには信じがたいかもしれません。
単刀直入に言うと、以下のような点を心がければ、たった3か月しかなくてもTOEICスコアを大きく上げられる可能性があります。
- 他人の勉強法やいろいろな参考書にあれもこれもと手を出さない
- 日常のスキマ時間を活用する
- 間違いや苦手な箇所を分析する
どういうことか、詳しく見ていきましょう。
1. 他人の勉強法やいろいろな参考書にあれもこれもと手を出さない
誰かがたった3か月で800点台や900点台を達成できたと知ると、その人の勉強法をまねしたくなりますよね。同じ参考書や問題集を使えば、3か月で目標スコアを達成できると思うかもしれません。また書店では、高得点がとれると宣伝されている参考書や問題集もたくさん目にするでしょう。
しかし、うまくいった人の勉強法をまねしたり、いろいろ参考書を試したりしても、なかなかスコアが伸びなかった、あるいは、どの参考書にすればいいか迷っているうちに時間だけが過ぎたといった苦い経験はありませんか?
TOEICスコアアップを達成した人の勉強法をそのまままねしたり、その人がすすめている参考書を使ったりしてもうまくいかないのは、その勉強法や参考書が「その人にとって」たまたま効果的だったものに過ぎないから。英語力や学習環境がそもそも異なるあなたにとっても同じように効果的だとは、必ずしも言えません。
英語学習をするなかでの「いまの自分の英語力(現在地)」や「課題、弱点」「学習環境」には個人差があります。個人の主観に基づく勉強法は、再現性が保証されているわけではないため、それをまねすることは非効率的です。
むしろ重要なのは、いまのあなたの英語力や、優先的に克服すべき弱点を把握すること。弱点は学習が進むにつれて変化していくため、「現時点で足りないスキル」をつど見極め、それに合わせて必要なアプローチをとることのほうがより効率的なのです。
また、3か月で結果を出したいなら、参考書や問題集にあれこれ手を出す時間的余裕はないと考えたほうがよいでしょう。
関連記事:【おすすめシャドーイング教材&アプリ】英語力を上げたい方必見! 選び方・学習方法完全ガイド
2. 日常のスキマ時間を活用する
TOEIC対策にみっちりと時間をかけたいのに、日々の仕事や家事が忙しく、学習時間がとれない。TOEIC対策をしようと意気込んでも、三日坊主で終わってしまう。そうお悩みの方は、一日のスケジュールを見直して、通勤中やお昼休み、寝る前などに生じるスキマ時間を活用しましょう。
スキマ時間にたとえ15分でも英語学習に充ててみてください。15分の英語学習を4回やれば、合計1時間学習できたことになります。
TOEICスコアを3か月で上げるのに、一日たった1時間だけで足りるのかと思うかもしれません。しかし、忙しい社会人の方が毎日何時間も英語を勉強するのは、現実的ではないでしょう。
早くTOEICスコアを上げたいからと、たとえば「一日3時間勉強する」といった無理な目標を立てると、その目標を達成できなかったときに挫折しやすくなります。むしろ、スキマ時間で英語学習をするほうが続けやすいのです。
スキマ時間の学習でポイントになるのは、学習計画をあらかじめ具体化しておくこと。「いつ」「どこで」「何を」勉強するかを決めておけば、迷うことなく勉強に取りかかれますね。「寝る前に、TOEIC公式問題集のPart 4のシャドーイングを行なう」というくらい具体的に勉強内容を決めましょう。
勉強内容に関しては、「いつまでに」「何ページ」やるのかを決めたうえで、学習進捗アプリや手帳などで毎日記録をつけるとよいでしょう。勉強の進み具合を可視化でき、さらなる励みになるため、おすすめです。
3. 間違いや苦手な箇所を分析する
単にTOEIC形式の問題をたくさん解いて、答え合わせしてすぐ次の問題を解くというやり方をしていては、学習の効果はあまり期待できません。これでは自分の課題を把握できず、いまやるべき対策につなげることができないからです。
重要なのは、正解できなかった問題について、間違えた理由を分析すること。特に3か月という短い期間で成果を出したい場合、自らの課題をピンポイントに解決する勉強法をとる必要があります。
たとえば「リスニングが苦手」とひとくちに言っても、「個々の英単語の発音を正しく記憶していないために聞き取れない」のか、「個々の英単語はおおむね聞き取れているけれど内容理解が追いつかない」のか、「そもそも単語や文法の知識が不足している」のかなど、具体的な課題は何かによって、違うアプローチをとらなければなりません。
答え合わせのあとは、「自分はなぜ間違えたのか」を考え、その原因を解決するようにします。もし理解が曖昧な単語があったのであれば、その単語を覚える、あるいは単語学習を行なうのです。足りない知識やスキルを把握し、日々の学習内容に取り入れて、定着するまで続けましょう。苦手な箇所を把握し、潰すことが大切ですよ。
3か月という短期間でTOEICの結果を出すために、以上のことを頭に入れておきましょう。
TOEICスコアを3か月で上げる勉強法【単語・文法】
ここからは、TOEICスコアをわずか3か月で効率よく伸ばすために有効な勉強法を詳しくご紹介します。
単語の効率的な覚え方
単語はノートなどにスペルを繰り返し書いて覚えるようにと、学校や塾などで教わったことがあるかもしれません。じつは、同じ単語をひたすら書くだけでは、記憶定着率が低いと言われています。なぜなら単語を見ながら書くだけでは、情報をただ脳内に入れているに過ぎず、記憶に重要な「思い出して情報を取り出そうとする」プロセスがないからです。
脳科学者の池谷裕二教授(東京大学)いわく、脳は入力よりむしろ出力に依存するそう。繰り返し思い出して情報を脳内から取り出そうとするほうが、脳内に情報をただ入れるよりも記憶が定着しやすいとのことです。
単語は、「思い出す」、つまり記憶を引き出しながら勉強しましょう。そうすれば脳は、覚えるべき単語を「生きるのに必要な情報」と判断し、記憶に残してくれます。これまで、単語を書きながら覚えてもすぐに忘れることが多かったという人は、以下のような脳科学に基づく効率的な覚え方で取り組んでみましょう。
【単語の記憶がより定着しやすくなる勉強法】
- 50語程度を1セットで覚える。セット内の単語の音声を聞き、発音しながら、英単語・日本語訳を目で見て覚える。
- 1セット終わったら、そのセットの単語の日本語訳を隠し、声に出しながら、意味をパッと思い浮かべられるかテストする。その後、思い浮かべた意味と訳が一致しているか確かめる。ひととおり終わったら、今度は英単語を隠して、日本語訳を見て英単語がすぐに発音できるかチェックする。
- 覚えたか否かを問わず、セット内の全単語の意味がパッと思い浮かぶようになるまで、2.を繰り返す。5回程度行なうと、よりよい。
- 翌日、前日に学習した単語の復習と新たな単語の学習を行なう。既習単語は2.の手順でさっと確認。未習単語は1.〜 3.の手順で学ぶ。
ポイントは、自分のレベルに合ったTOEIC用の単語帳を用意し、多めの単語数を1セットとして一気に覚えること。1セットあたりの覚えるべき単語数を多めにするのは、「遅延効果」をねらうためです。遅延効果とは、ある情報を目にしたあと、その情報に再び出会うまでの期間を長くし、覚えておける期間を伸ばしやすくするという効果です。
もし「一日10単語を覚える」というように、一日に学ぶ単語数を少なく設定するとどうなるでしょうか? その場合、ある単語を初めて目にしたあと、まだ記憶が鮮明に残っているうちにその単語に再度出会うことになるため、遅延効果が働きにくくなります。
記憶は「思い出そう」とするときに強化されるもの。記憶が薄れかけたタイミングで再度同じ単語に出会うことによって、「思い出そう」とする力が働き、忘れにくくなるのです。
加えて、単語は必ず発音しながら覚えましょう。正確な発音を聞いて理解し、かつ発音できるようにすることで、聞き取りの力を伸ばすだけでなく、英語を話す際に相手へ誤解を与えるリスクを軽減できます。発音をよく聞いて、声に出しながら単語を覚えていくのが重要です。
TOEICで必要な単語が覚えられない方、わからない単語で読みが止まってしまうことがある方は、以上のような勉強法で単語を覚えてみてください。
文法
英文法学習は、さまざまな文法のルールや例外を丸暗記するイメージがあるため、苦手意識をもつ方も多くいるはず。しかも、せっかく暗記した英文法がTOEIC本番で思い出せなかったとなると、英文法学習が嫌になることもあるでしょう。
じつは丸暗記は、大人には適さない勉強法。「子どもの頃は丸暗記できていたのになぜ?」と思いますよね。思春期までは知識の記憶である「意味記憶」が優位であるため、ランダムな文字の並びでも比較的覚えられる傾向があります。しかし思春期を過ぎるにつれ、意味記憶の働きが衰え、丸暗記では覚えにくくなってしまうのです。
文法規則を丸暗記しただけの記憶は、意味記憶に該当しますから、単に文法書を読んで覚えたつもりの英文法の内容を思い出すのは、大人にとっては難しいもの。3か月でTOEICに必要な文法知識をインプットするには、丸暗記に頼らない大人に合った覚え方をする必要があるのです。
覚え方として最も有効なのは、「認知文法」→「パターンプラクティス」というアプローチ。それぞれどのようなものか見ていきましょう。
1. 認知文法
「認知文法」は、「人間が世界をどのように認知し、それを言語に反映させているか」というアプローチを通して、文法を説明しようとする文法理論のこと。英語の母語話者がもつ文法感覚を、イメージとしてとらえるのが特徴です。
進行形の文で用いられる「-ing形」について考えてみましょう。たとえば "The car is stopping." の "The car" は、停止しているでしょうか?「-ing形=〜している」というふうに日本語との対訳で暗記していると、「停止している」と解釈するかもしれません。
正しい意味は、じつは「車は止まりかけている」。つまり、ここで出てくる "The car" はまだ動いているのです。
認知文法では、"ing" という形を「動作の途中」という基本イメージでとらえます。"stopping" は、完全に「止まる」までの途中経過を示しているので、 "The car is stopping." の時点では、「止まる」という動きに向かっているものの、まだ車は停止していない状態なのです。
このように、それぞれの文法がもつコアの意味をイメージとしてとらえていくと、大量の丸暗記をしなくてよくなり、日本語訳に過剰に頼る必要がなくなるため、英文の理解がスムーズになります。
2. パターンプラクティス
英文法をイメージでとらえ、日本語を介さなくても英文を理解することに慣れてきたら、今度は、英文理解の瞬発力を高める「パターンプラクティス」。課題とする文法項目を含む例文の主語や動詞などを部分的に変化させて、英文法のもつイメージを意識しながら、何度も声に出していきましょう。
パターンプラクティスでは以下のように文を変化させていきます。
【例】現在進行形(be+ing形)を定着させたいとき
- パターンを意識しながら例文を音読
I am studying English now.
He is studying English now.
They are studying English now. - 基本文の一部の表現を入れ替え、それ以外の部分を自分で変形
I am studying English now. → She (is studying English now).
※実際は、( )内の空所を埋めながら声に出していきます。 - 肯定文を、疑問文や否定文に変形
He is studying English now.→ (Is he studying English now)?
※実際は、( )内の空所を埋めながら声に出していきます。
繰り返し練習することで、日本語訳に頼らなくてもスムーズに英文を理解するスキルが鍛えられますよ。
TOEIC Part 5の語彙、文法での正答率が低い方や、解答に時間のかかる方、苦手意識のある方は、以上のような勉強法に取り組めば、3か月でTOEICスコアを上げるための語彙力、文法スキルが身につけられるはずです!
TOEICスコアを3か月で上げる勉強法【リーディング】
TOEICスコアを3か月で上げられるかどうかの分かれめとなるのが、リーディングパートと言っても過言ではありません。読むのが遅いため、制限時間の75分以内に全100問を解き終えることができず、悩む方もきっと多いでしょう。
基礎的な単語や文法は理解できているはずなのに、英文を読むのが遅くなる主な原因は「返り読み」をしてしまっていること。英語と語順が異なる日本語に訳しながら理解しようとすると、英文を行ったり来たりすることになるため、スムーズに読めない状態に陥ってしまいます。
TOEICの制限時間内に解き終えるためには、リーディングスピードの向上が不可欠。そのためには、英文を “英語の語順で” 理解できるようにすることです。こうした読み方を身につけるには、以下の勉強法に取り組むのがおすすめ。
- チャンクリーディング
- サイトトランスレーション
- 音読
それぞれの取り組み方を順番に説明しましょう。
1. チャンクリーディング
「チャンクリーディング」では、意味のかたまりであるチャンクごとに内容をイメージしながら、英文をすばやく理解していきます。まずは、以下の例文を読んでみてください。
One day when she was two years old she was playing in a garden, and she plucked another flower and ran with it to her mother.
(小説『ピーター・パン』冒頭文より抜粋)
上記の例文をチャンクで分けた英文がこちら。
One day /
ある日
when she was two years old /
彼女が2歳の頃
she was playing in a garden, /
庭で遊んでいました
and she plucked another flower /
別の花を摘み取りました
and ran with it /
それを持って走りました
to her mother.
母親のもとへ
英文のなかでどこが意味の切れめになるのかが自然にわかるようになるまでは、上記のようにあらかじめチャンクに区切られた英文を用いて、チャンクリーディングを行なうのがよいでしょう。
チャンクごとに内容をとらえることができるようになると、しだいに次のチャンクにどんな情報が来るかの予測を立てながら読めるようになります。そうすることで、英語の語順のまま理解することができ、リーディングスピードを上げることができるのです。
2. サイトトランスレーション
チャンクごとの内容を瞬時に日本語に訳して言うトレーニングが「サイトトランスレーション」。これは、このあとの「音読」のトレーニングを効果的に行なうための準備になります。
チャンクごとに意味がつかめるか、ということを自分で確認するために行なうものなので、きれいな日本語に訳す必要はありません。ただ、すぐに日本語訳が言えなかった箇所には、知らない単語や知識が曖昧な文法事項が含まれている可能性があるため、単語帳や文法参考書などで見直しておくことが必要です。
また、リーディングスピードを上げるために、練習の際にはなるべくスピードを意識するようにしてください。チャンクごとに意味をとらえることに慣れるまで継続すると効果的です。
3. 音読
チャンクごとに内容をすぐ理解できるようになったら、いよいよ音読。音読が重要とよく言われるのは、リーディングスピードを上げるのに最も効果を発揮するからです。
多くの場合、人は文章を読む際、脳内で音読していると言われています。目で認識した文字を脳内で音声情報に変換する「音韻符号化」を行ない、脳内にある「辞書」と照合して、すでにもっている語彙や文法の知識などを駆使して「理解」しているのです。「音韻符号化」に脳の負荷がかかりすぎると、「意味理解」のプロセスにすばやく移行できず、英文を速く読んで理解することが困難になります。
音読は実際に声に出して読み上げるぶん、黙読と比べて負荷が高いトレーニング。チャンクごとに内容をイメージしつつスピーディーに声に出しながら読んでいくことで、音韻符号化と「理解」の処理を鍛えることができ、英文をすばやく読むことができるようになります。
TOEICのリーディングスコアを3か月で上げたいという方は、以上の勉強法に取り組んでいくのが有効です。
TOEICスコアを3か月で上げる勉強法【リスニング】
TOEICのスコアを3か月で上げたいのだけれど、リスニングパートで苦戦している……そんな方もいるはず。スクリプトを読めば知っている単語ばかりで意味も理解できる文章なのに、話されるとどうしても聞き取ることができないと悩んでいませんか? なかには「ネイティブスピーカーの話す英語が速すぎるから聞き取れない」と思う方もいるでしょう。
しかしじつは、「ネイティブスピーカーが実際にしている発音」と「私たちが想定している発音」にギャップがあることで、英語がうまく聞き取れない場合が多いのです。
リスニングは、聞き取った音声から単語を聞き分ける「音声知覚」と、聞き取った英語の内容を「理解」するというふたつのプロセスから構成されています。そもそも音を聞いたときに、その音声のなかから単語を正確に認識できないと、聞いた英語の内容を理解する次の段階に進むのは困難です。
リスニングスコアを上げるために、まずは、ネイティブスピーカーが自然に発話する際の英語の音声を聞き取れるようにしましょう。その後、聞いた英語の内容をすばやく理解するスキルが必要になります。こうした力を身につけるには、以下の3つを取り入れるのがおすすめ。
- 音声変化のルール学習
- ディクテーション・オーバーラッピング
- シャドーイング
どのように行なうか、順番に説明しましょう。
1. 音声変化のルール学習
「音声変化」とは、ネイティブスピーカーが自然に発話する際に、音をつなげたり落としたりするなど、音を変化させて発音する現象のことです。ネイティブスピーカーは、教科書や単語帳などに載っているような発音を常にしているとは限りません。よって、英語が聞き取れない主な原因は、ネイティブが話す英語のスピードというよりも、「音声変化」に気づいていないためであることが多いのです。
「音声変化」のルールは、連結、同化、脱落、弱形、ら行化の5つさえ覚えればOK。それぞれの音声変化のルールと起こりやすい条件を理解したうえで、発音練習で音声変化を再現できるようにすれば、細かな部分まで聞き取れるリスニングスキルが身につきますよ。
コラム「英語の『音声変化』の特徴と効果的な学習方法」では、音声変化についてさらに詳しく説明しています。ぜひ目を通してみてください。
2. ディクテーション・オーバーラッピング
「ディクテーション」とは、聞き取った英語をすべて紙に書き取っていくトレーニング。「音」に特に意識をおくディクテーションの場合は、聞き取れていない箇所がどこかを特定するのが目的であるため、文法や文脈の推測に頼らないようにします。TOEICのリスニングPart1、2のような短期記憶にとどめておける程度の短文を使って行なうのがおすすめです。
最初に、聞き取った音声を紙に書き取ります。スペルに自信がない場合は、カタカナで書いてもかまいません。書き取りが間に合わなかったり、聞き逃したりした箇所があれば、繰り返し聞くことも可能ですが、何度繰り返し聞いてもわからない箇所は、すぐにスクリプトを見て答えを確認するほうが効率的です。
答え合わせをしてみて、単語の発音を理解しているものの聞き取れなかった箇所は、そこでどのような音声変化が起きているかをよく聞いて分析しましょう。単語の発音を間違って覚えていたり知らなかったりした場合は、辞書などで単語の意味や発音をその場で確認します。
聞き取れなかった箇所がわかればそれで終わり、というわけではありません。ディクテーションをしたらその流れで「オーバーラッピング」に取り組みましょう。流れてくる英語の音声に自分の声を最初から最後まで完全に重ねて、英文を読み上げるトレーニングです。
音声の最初から最後までピッタリ重ねて発音するためには、音声変化している箇所をはじめ、子音や母音の発音、リズム、イントネーションなど細かな箇所に注意を向けなければなりません。また、言い始めがきちんとそろうように、スクリプトは必ず見て行なうのがポイントです。
正しくオーバーラッピングすることで、正確な発音や自然な抑揚が身につきます。「ネイティブスピーカーが実際にしている発音」と「想定している発音」のギャップが埋まり、細部までしっかり聞き取れるようになりますよ。
3. シャドーイング
「シャドーイング」も、音声知覚を鍛えるのに有効です。シャドーイングとは、音声を聞いて、1、2語遅れで影のようについて発音していくトレーニング。発音するとともに先の音声も聞き取らなければならないため、負荷が高いものの、順を追って正しい方法で行なうことで音声知覚の負荷を下げることができます。
代表的なシャドーイングは、「音声」のみを意識する「プロソディ・シャドーイング」と、「音声」と「内容」の両方を意識する「コンテンツ・シャドーイング」の2種類です。まず行なうのはプロソディ・シャドーイング。音声を注意深く聞いて、モデル音声の発音や抑揚などを完全に再現できるようになるまで練習しましょう。
シャドーイングは、意味が完全に頭に入っている英文で行なうのが効果的。TOEIC Part4のような、まとまった長さのものがおすすめです。慣れないうちは、補助としてスクリプトを見ながらやってもかまいませんが、オーバーラッピングにならないように注意しましょう。何も見ずに音声のみを頼りにスムーズにシャドーイングできるのが最終的なゴールです。
流れてくる音声に遅れず、正確な発音でプロソディ・シャドーイングができるようになったら、次はコンテンツ・シャドーイング。音声の再現だけでなく、聞き取った英語の内容もイメージしてシャドーイングしていきます。聞き取った英語の意味処理(意味の把握)をすばやくできるようになり、英語を聞いて瞬時に理解する力が身につきますよ。
スクリプトを読めば内容を理解できるのに英語が聞き取れない、音が聞き取れても内容の理解が追いつかないといった問題で、TOEICのリスニングパートに苦戦している方は、以上のような勉強法に取り組めば、たった3か月でも、TOEICのスコアを上げられるはずです。
関連記事:TOEICリスニングで満点をとるには? 参考書選びのポイントや学習方法を解説
TOEICスコアを3か月で上げるのにおすすめの教材
TOEICスコアを3か月で効率的に上げる方法がわかれば、今度は教材選び。3か月ですばやくTOEICの成果を出したい方におすすめの教材を、いくつかピックアップしました。
1.「ENGLISH COMPANY MOBILE」
Webアプリ「ENGLISH COMPANY MOBILE」では、スマートフォンひとつでTOEICなどに必要な語彙力、リーディング力、リスニング力を鍛えることができます。今回紹介した「チャンクリーディング」「サイトトランスレーション」「シャドーイング」などの高密度英語トレーニングを実践することが可能です。
英字新聞Nikkei AsiaとThe Japan Times Alphaの記事をもとにした英文教材が定期的に配信され、世界の最新ニュースを把握することもできます。
2.『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11』
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11』は、試験を作成しているETSが本番を想定して制作した公式問題集。本試験と同じナレーターによるリスニング音声で本番の模擬テストができるため、TOEIC対策で最初に手に入れるべき教材と言えます。
参考スコア範囲の換算表で、いまの自分の英語力を客観的にはかることも可能。付属CDのリスニング音声以外にも、リーディングセクションの一部の音声をスマートフォンやPCにダウンロードして聞ける特典もついているため、通勤時間などのスキマ時間でもTOEIC対策が可能です。
公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11
3.『キクタンTOEIC® L&Rテスト』 シリーズ
『キクタン』は、リズムに合わせて英単語を覚えられるのが特徴の単語帳。なかでも「TOEIC® L&Rテスト」シリーズでは、500、600、800、990と、あなたの目指すレベルに必須の単語や表現の学習が可能です。優先して覚えるべき単語順に品詞別に収録されているのも特徴。本記事で登場した「単語の効率的な覚え方」を本書で試せば、TOEICに必要な語彙力が身につきやすくなるでしょう。
4.『TOEIC® L&R TEST 初心者特急』シリーズ
『TOEIC® L&R TEST 初心者特急』シリーズは、TOEICを毎回受験している執筆者が出題傾向を分析して、頻出問題、頻出語、頻出ポイントを初心者向けにまとめたもの。「パート1・2」「パート3」「パート4」「パート5」「パート6」「パート7」に分かれています。苦手なパートを重点的に学習したい方におすすめです。
音声が無料でダウンロード可能なため、スマートフォンなどに音源を入れて学習することもできますよ。
5.『TOEIC® L&R テスト 英文法 ゼロからスコアが稼げるドリル』
『TOEIC® L&R テスト 英文法 ゼロからスコアが稼げるドリル』は、頻出する文法問題に絞って、必要最低限の基礎知識と解き方を問題演習を通して学べる一冊。スコア300点レベルの初心者でも使いやすいつくりになっています。品詞別に3段階のレベルにそって問題演習をしていき、最終的に本番レベルに近い問題で腕試しをする形式になっています。
TOEICに出題される単語のみを使用しているため、基礎レベルの語彙力を習得するのにも役立つ一冊です。
TOEIC® L&R テスト 英文法 ゼロからスコアが稼げるドリル
6.『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』
『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』は、Part 5で出題される文法事項を網羅した1冊。全1,049問収録されています。左ページに問題、右ページに解説、という見開き構成。解説には誤りの根拠が明確に書かれているため、根拠に基づいた正解の選び方を学ぶのにも役立ちます。
7.『TOEIC® L&R TEST 読解特急2 スピード強化編』
『TOEIC® L&R TEST 読解特急2 スピード強化編』は高スコアを狙うのに必須となるリーディングスピードを、頻出問題を通して鍛えることができる一冊。スキマ時間でサッとリーディングの練習に取り組みたい方におすすめです。全問に無料音声がついているので、音源をスマートフォンに入れてシャドーイングの練習を行なうこともできますよ。
3か月でTOEICの結果を残したい方は、以上のような教材を活用してみてはいかがでしょうか?
TOEICスコアを3か月で上げる究極の近道
効果的な勉強法がわかったからといって、3か月で必ずTOEICスコアが大幅に上がるとは限りません。3か月という短い期間で本当に成果を出すためには、いまあなたが克服すべき課題や、やるべき学習法を把握することが必要です。とはいえ、自分が何をすべきか、どう進めればいいかは、独学ではなかなか見つけにくいものですよね。
そんなときは、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」のプロトレーナーに頼るのが近道。第二言語習得研究と英語教育について専門性の高いプロトレーナーが、科学的知見をもとにあなたが抱えている課題を発見し、課題を直接解決するための勉強法をご提案いたします。また、多忙でも継続できる正しい勉強の仕方を学べ、卒業後にも活かせる学習習慣の形成の仕方が身につけられるのも強みです。
これまで累計23,000名に及ぶ受講生の英語力アップに貢献し、たった3か月でTOEIC695点から875点、TOEIC600点から850点など、TOEICスコアを飛躍的にアップさせた実績も豊富。
公式サイトを見れば、なぜ3か月でもTOEICの結果が出せるのかきっと見えてきますよ。「独学よりも最大3.8倍の成果を得られる」高密度な英語トレーニングを、あなたも体感してみませんか?
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あなた自身が克服すべき課題といますべき効率的な勉強法を把握すれば、たった3か月でTOEICスコアを飛躍的に伸ばすことは決して夢ではありません。今回ご紹介したやり方と教材を参考にして、わずか3か月での大幅なTOEICスコアアップをぜひ目指していきましょう!