みなさんは英語を勉強していて、分からない単語が出てきたら、どうやって調べますか?

問題集や参考書を利用しているときなら、解説を見たり、単語帳をめくったり、英語教科書の索引から探したりすることもあるでしょう。しかしどのような人でも避けて通れないのが、「辞書」を使って単語を調べること。

この辞書ですが、近年では電子辞書が普及していて、紙の辞書を使わず電子辞書を愛用しているという人が多いことと思います。電子辞書は軽くて持ち運びに便利ですし、素早く引けます。発音も聞けて、解説も紙の辞書に負けないくらい丁寧なので、電子辞書派の人の多くは、紙の辞書なんて使えないなどと考えているかもしれません。

しかし、紙の辞書を使って学ぶことには学習の効果を上げるメリットがたくさんあり、紙の辞書を一切使わないのはとてももったいないことだと言えるのです。今回は、紙の辞書をうまく使って英単語を学ぶ方法についてお伝えしたいと思います。

早引きテクニックを身に着けて、紙の辞書を繰り返しひこう

電子辞書は、素早くひけて、確かに便利です。でもそれだけの理由で紙の辞書を使わないのだとしたら、あなたはとても損をしていると言わざるを得ません。

それは、紙の辞書も早引きすれば、電子辞書と検索速度はさほど変わらないからです。

中部大学准教授である関山健治氏は、練習をある程度すれば、紙の辞書の早引きテクニックは身につくのだと言います。しかも、電子辞書よりも素早く引けるようになることさえあるのだそう。

関山氏によれば、辞書を引くのが遅い人はアルファベットをAから順に追って探すような引き方をしているのだと言います。そして具体的に、早引きの方法を次のようにアドバイスしています。

たとえば,streetを引くとき,「S」の最初のページからめくっていったら日が暮れてしまうでしょう。「T」がアルファベットの最後のほうだと分かれば,Sの爪見出しの後ろのほうを見当をつけて最初から開けば,streetにかなり近いページになっているはずです。その後は,「柱」とよばれる,ページ左右の語を見ながら,求める語の出ているページを探すと速く引けます。

(引用元:三省堂ワードワイズ・ウェブ|英語辞書攻略ガイド(2) 電子辞書より速く冊子辞書を引く方法

紙の辞書の早引きの基本は、アルファベットの相対的な位置関係を頭に入れ、調べたい単語がありそうなおおよその場所の見当をつけて開くこと。そこから先は、勉強のたびに早引きを繰り返し、手や指の感覚も使いながら早引きを身に着けていきましょう。

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記憶を強固にするための、紙の辞書の活用法

紙の辞書の早引きができるようになると、繰り返し繰り返し辞書を引いても紙の辞書を使うのが全く苦にならなくなります。実はこの、「紙の辞書を繰り返しひく」というところに、紙の辞書を使って英語を学ぶことのメリットがあると言えます。

紙の辞書には、マーカーをひいたり、書き込んだり、付箋を貼ったりすることができますよね。実際、そのようにして紙の辞書を使っている人は多いと思います。このように、紙の辞書を繰り返し使いながらカスタマイズを加えると、英単語に関する記憶を強固にすることができるのです。

大阪市立大学大学院創造都市研究科教授である村上晴美氏によると、短期記憶は、情報を反復する「リハーサル」や、あとで思い出しやすいように情報に付加的な情報を付け加える「コーディング」によって長期記憶に転送することができるのだそう。このことを紙の辞書に当てはめると、以下のような勉強法が効果的であると言えます。

・ 単語を調べた回数を書き込む

前に辞書で意味を調べたのにも関わらず、また忘れてしまい何度も辞書を引いてしまうような英単語がありませんか? そのような時は、辞書の該当の単語のところに、正の字で調べた回数を書き込んでいきましょう。何度も調べているうちに、それが必ず覚える必要のある、自分にとって重要度の高い英単語であることが分かります。忘れがちな英単語として、意識することにもつながりますね。重要度の高い単語にはマーカーを付けたり付箋を貼ったりしてもいいでしょう。

・ コピーをとってノートに貼り、書き込む

英語に限らず、問題集や資料などの一部をコピーしてノートに貼り、まとめノートを作った経験があると思います。このような勉強法は、英語の紙の辞書にも活用することができます。

ノート術に詳しい作家の奥野宣之氏によると、初見・切り貼り・マーキングの3段階で資料を読み込むことによって、学んだことを記憶に残りやすくすることができるのだそう。

なかなか覚えられない単語があると思ったら(初見)、その英単語が載っているページをコピーしてノートに貼ってしまいましょう(切り貼り)。そのうえで、マーカーで印をつけたり注意書きを加えたりして(マーキング)、視覚的に印象に残るようにするのです。

分からない単語だけノートに書き写すのではなく、前後の単語や、載っている解説やイラストなどもせっとにして切り貼りしてください。そうすると、関連性のあるグループとして覚えることができ、より学習が深まりますよ。

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電子辞書がもてはやされがちな時代ですが、紙の辞書にはたくさんのメリットがあり、効率よく英単語を学ぶことができます。みなさんもぜひ、紙の辞書を使って勉強してみてください。

(参考)
浅羽亮一・豊田一男・山崎朝子・佐藤敏子・中村典生・大崎さつき著(2013)『わかりやすい英語教育法 改訂版 小中高での実践的指導』,三修社.
米谷淳・米澤好史・尾入正哲・神藤貴昭著(2012)『行動科学への招待―現代心理学のアプローチ』,福村出版.
三省堂ワードワイズ・ウェブ|英語辞書攻略ガイド(2) 電子辞書より速く冊子辞書を引く方法
三省堂|辞書って面白い —早引き競争と公開ブレーンストーミング
DIAMOND online|ノートでシンプル情報整理! 資料の「貼り方」6つのコツ